黄金の獣は真なるヒーローを目指す   作:刹那

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今回の話で、いよいよあの男が登場


第二撃 獣と一撃男

 

「グッ...何が、起こったっていうのよ?」

 

深海王は何が起こったのか理解できなかった。ラインハルトに向かって突撃した瞬間、何もない空間から何かと激突して吹っ飛ばされたのだ。あれがラインハルトの能力なのは確かだが、何をされたのかわからない。

 

「ふむ.....卿は、私の見解的にパワー重視のタイプと見た。ならば、単純な火力勝負が私の好みの展開ではあるがな.....折角だ、私は敢えて私なりの戦術を駆使して卿を始末するとしよう。」

「何ですって....?」

 

ラインハルトは深海王の前に出てくると、右手から槍を消しながらそう宣言してきた。戦法をもって敵を倒す。それはすなわちかなりの頭の機転を要求されるが、ラインハルトはそういった戦い方はあまりした事がないはずだが.....

 

「そう....なら私は!」

「.....っ!」

「圧倒的な力で!あなたを小細工ごと押しつぶすっ!」

 

深海王はニヤッと笑った瞬間、猛スピードでラインハルトの向かって突っ込んでいった。そのまま張り手でラインハルトを押しつぶすつもりだ。

 

「シッ!」

 

対してラインハルトは、肩に羽織っていた黒い外皮でその張り手をまるで闘牛士のようにバッと捌いて、そして躱していた。

 

「ふ....ふふ....あははははは!何よそれ、闘牛士の猿まね!?ギャグにしては少しは笑えるわよぉ〜!」

「.....どうやら卿の神経は、恐竜並みにかなり鈍感のようだな。」

「は?」

「何か異変に気付かんのか?」

「異変....うぐっ!....嘘、これはっ!」

 

ラインハルトの言葉に施されて、自分の体を見てみると、なんと両拳が赤く腫れ上がり、そして溶解し始めたのだ。

 

「この溶け具合の正体は....この極小の針!」

「然りだ。この針と酸は私の部下の拷問器具だ。槍を格納した瞬間から、私はこの外皮の至る所に針を隠していたのだ。無論、酸ごともな。」

「針も薄く小さいから、目視がほとんどできなかったわけね....だけど、酸を塗ってるなら、何故その布も溶けないのよ!」

「愚問だな。私ら騎士団のこの軍服は特殊な素材で出来ている。最低核ミサイルでも落ちぬ限り焦げることもない。ましてや自分の技で自爆するような間の抜けた事などあり得ぬのだよ。」

「ぐっ....」

 

ラインハルトが深海王にそう答えると、深海王の至る所から極太の血管が浮き出てきた。

 

「ぬあぁっ!」

 

ビュッ!

 

「ほお.....酸を体内から噴出したか、器用だな。」

「ふふ....雨が、降ってきたわね。」

 

 

シトシトと雨か降り注ぐ中、ドコォッ!と地響きが鳴り響くと同時に、深海王はラインハルトに向かって突進した。その速さ、威力共に増しており、ラインハルトは少し面食らったものの、咄嗟にチェーンを具現化し、防御した。

 

(.....マレウスの聖遺物に亀裂が...いくらこの世界にとってこれがただの武器ゆえに、聖遺物の効果が無いとはいえ、これほど....)

「なにぼうっとしてるのよ!」

(さっきとは比にならぬこのスピードとパワーの源はどこから....まさか)

「雨か....」

「正解♡陸に出て萎んじゃってたけど、おかげで補給できたわ。もう、あなたの下らない策なんて、何の脅威にもならない。」

 

深海王の真の姿はまるで巨大な魚人だった。先ほどまで姿は、まだ震源らしさがあったが、今の姿はもはや人らしさなど全くなく、まさに怪人らしい姿になっていた。

 

(溶けてた手も完治したか。雨が降り続ける限り、自己再生も自然に発動しそうだな。小規模の罠では効果が薄そうだ.....流石は王と名乗るだけはあるか....だが。)

「なにブツブツ言ってるのよ!」

(頭の方も強化してほしかったな。この程度、私は予測してなかったわけではないぞ.....むしろ好都合だ。)

 

深海王の剛腕がラインハルトを襲う。ラインハルトは、ニヤッとほくそ笑みながら後ろのビルとビルの間を飛んだ。その隙に両腕の裾から、ジャラジャラとチェーンを飛ばして、ビルに縛りつつ、深海王の両手を縛り付けた。

 

「何してんのよ!私と綱引きでもするつもり?それてもその鎖で、私の腕をもぎ取るの?馬鹿ねぇ、力の差は歴然ってまだわからないの!」

 

事実、ラインハルトの体は深海王が引けば引くほど、ずりずりと強く引かれつつあった。

 

「馬鹿は卿だ。力を強くすればするほど卿が不利になっていることにまだ気付かんか。」

「ハッタリのつもり?だから言ったでしょ!力ごと愚策とあなたを潰すって!」

「愚かな....では種明かしといくか。鋼鉄の処女に抱かれて昇天するがいい。」

「え?」

 

するとラインハルトはチェーンをパッと離した。すると深海王を力強く引っ張っていた勢いで大きく後ろへのけぞる。そして、深海王は背後に大きな影の気配を感じた。ビル?いいや違うこれは、数十メートルもある巨大な鋼鉄の処女(アイアン・メイデン)だった。実は左手に伸ばしてたチェーンは鋼鉄の処女を設置するためだったのだ。

 

「おのれ嵌めたなぁぁぁぁっ!」

「卿は力に奢りすぎた。ただそれだけの話だ。」

 

バグン!

 

「アアァァァァァッ!」

 

 

鋼鉄の処女から大量の血が噴出された。それはまさに、血の雨と表現できるほどに。それして、深海王の悲鳴は、雷と比喩できるほどに。

 

「終わったのか?」

「ふん、一方的なワンサイドゲームだったぽいな。深海王も大したことないな。」

 

すると、ラインハルトの背後からプリズナーとソニックが遅れてやってきた。2人はそう言いつつ、歩み寄る。

 

「.....いや。」

「「?」」

「くるぞ。」

「.......ァアアアアアア!!!」

 

バゴォォォッ!

 

鋼鉄の処女から大きく亀裂が刻まれると、その隙間を引き離すように、深海王は大量の出血を流しながら現れた。

 

「うっ....」

「これは、エグいな。」

 

プリズナーとソニックはその光景に少し目を逸らした。だが、ラインハルトはゆっくりと深海王に歩み寄る。

 

「殺す.....殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺すぅぅぅ....!」

「重症に反して殺意がヒシヒシと増幅しているな。ふふ、いいだろう。そのまま我がグラズヘイムへと送ってやろう。異論は認めんぞ。」

(やはりこいつ、ヒーローらしくないな。)

 

ギラッと深海王は睨みつけるものの、ラインハルトは右手から髑髏の巨腕を形成する。それを見ていたソニックは、やはりラインハルトからヒーローさを感じないと、改めて思った。

 

「Auf Wiedersehen ヴァルハラで会おう、深海王よ。」

「グッ.....」

 

ラインハルトの右手から、髑髏の巨腕が深海王へ向かって伸びていく。深海王はなんとか避けようと、体を動かすが、出血で思うように動けない。

 

「お?」

「なっ!?」

 

だが次の瞬間、ラインハルトと深海王の間に頭が丸坊主に、マントをなびかせた青年が現れた。髑髏の巨腕は深海王ではなく、そのまま、その青年を捕まえてしまった。

 

「うお、なんだこのガイコツは!?テメー、まさか珍海の怪人ってお前のことかコノヤロー!」

「違う!私はヒーローだ!卿の背後にいる怪人を......」

「ケイって何語だよ、意味わかんねぇよオイ!」

「......なんだかわかんないけど、チャンスのようね。」

 

ラインハルトと青年が揉めてる間に、深海王はコッソリと逃げ出してしまった。

そして、ラインハルトに捕まってしまったこの男こそ、ワンパンマンの主人公「サイタマ」であったのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

続く

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




流石にワンパンマンとDiesだけでは話がマンネリしそうなので、後半くらいから、別の作品も混ぜようかと少し考えてます。ジョジョとか....
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