黄金の獣は真なるヒーローを目指す   作:刹那

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アニメワンパンマンに夢中になって、全く手をつけれませんでした.....最終回が最高すぎて興奮が治りませんでした!凄すぎる.....これは2期にも期待したいですね!


そにて、Dies iraeのアニメは再来年.....焦らされてしょうがない。取り敢えず、1月のコミカライズに期待します。

今回の話は、話の根底にかなり重要な情報が出てきます。


第十七撃 記憶

 

ここはV市、大迷宮の森

 

 

 

ザック!

 

 

「着いた....しかし、禍々しいオーラが溢れ出ているな。まるで森自体が生きているみたいだ。」

 

タンクトップマスターは、森の木々を見上げながらそう言った。天気自体は晴天なものの、タンクトップマスターは冷や汗をかいていた。

 

「ここが、第4天が記している入り口だな。あとはここから真っ直ぐ.....無意識に道から外れないようにしないといけないな。よし、進むか!」

 

 

ザッザッザッザッ!

 

 

こうして、タンクトップマスターは迷いの森へと草を分けながら進んでいった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一時間後

 

 

 

 

 

 

「ハァ.....ハァ......」

 

 

ポタッ....

 

 

額から冷たい汗が滴り落ちる。長時間歩いているものの、目の前の光景が、一向に変わらない。直進しているはずなのに、どことなくループしているような気がしてきたのだ。

 

(本当に、真っ直ぐ行っているのかな?)

 

タンクトップマスターはだんだんと不安を感じ始めていた。すると、コンパスが何か反応し始めた。

 

 

カタカタカタカタ......

 

 

(コンパスの指針が、小刻みに揺れている?)

 

針は目の前の方をさしながら、揺れていたのだ。そして、前に進むたびに、その振れ幅は大きくなっていた。

 

(確かこれは、第4天の魔力がこもっているコンパスだったよな?もしや...この森の中心にいくほどに、何か強力なエネルギーが働いているのか!?)

 

 

スッ.....

 

 

 

ズドォォォォォォッ!!

 

 

「タンクトップタックル!!!」

 

タンクトップマスターは、地面に強力なパンチを放ち、大地を揺らした。そしてすぐさま、強力なスピードとパワーを込めたタックルで、一気に前進した。

 

 

バリバリィィィッ!!

 

 

(今何かが破れる感触がした!)

 

振り返ると、足元にある小型の機械を発見した。そこから大型のバリアが、森の中枢を囲む

ようにバリアが展開されてる。そして、そのバリアから放たれている磁場が、この森に入った人間の平衡感覚を狂わせていたのだ。

 

「この機械は.....いや、もはや語るまでもない。」

 

タンクトップマスターは確信してしまった。メルクリウスの言う通り、ここはメタルナイト離れなのだ。彼が何者で、何を研究しているのか、知らなければならない。しばらくして進むと、緑だらけのこの森に馴染まない、鉄の大きな扉が地面に敷かれていた。

 

「ここか....」

 

一呼吸を整える。彼は気を決して、この大きな扉を開けた。

 

 

ギギギギィィィ......

 

 

扉を開けると、文字通り年季のこもった鉄の匂いが、彼の体に突き刺さった。そして予想通り、奥へと繋がっている階段が現れる。

 

「....行くぞ。」

 

 

 

カッカッカッカッ.....

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーメタルナイトの離れ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

オォォォォ.....

 

 

 

 

そこは、科学者らしい研究室だった。だが、どこか生気を失い、ここで発明をする気をなくしたかのような雰囲気があった。

 

(.....研究自体は、おそらく別のところでしているのか。だとしたら、ここは旧研究室と判断すべきだな。)

 

タンクトップマスターは、部屋を見渡しながら、そう感じていた。しばらく進むと、少し大きめの机を見つけた。恐らくメタルナイトの愛用していた机だろう。それの上には、日記が置かれていた。

 

「日記か....失礼とはわかっているが、ちょっと読んでみるか。」

 

そう言って日記を手に取り、開こうとした瞬間.....

 

 

ードクン!

 

 

「うっ.....」

 

 

ドッドッドッドッ!

 

心臓の鼓動が、一気に跳ね上がった。まるで、唐突に誰かに握り締められたかのような感じだ。

 

(これを開くことが、それほど重い真実が記されているというのか!?だが.....ここまできた以上、後には引けん!)

 

プレッシャーを押しのけ、メタルナイトの日記を開いた。その中には、タンクトップマスターが今まで抱いていた諸々、すべてを吹き飛ばすかのようなことが記されていたのだ。

 

「こ....これは!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーメタルナイトの日記を開きます

 

 

 

 

 

 

 

○月×日

今日から日記をとる。何故なら、天が俺を見捨てて一年目となるのだから。戦争によって両親が死んだ。幸いにも、当時同じ学校の同級生であったシッチと、その家族が匿ってくれたおかげで俺は生きる場を得られた。しかしそれでも、俺の胸に開いた大きな穴は埋まらない。戦争によって、俺は自分以外の家族を失った。ああ.....何故戦争という概念がこの世にあるのだろう?何故争うことを人はするのだ?俺はどうしても、納得がいかない。このモヤモヤが晴れるのは、きっと幾年もかかるだろうと自覚した。

 

×月○日

学生を卒業した。それと同時に、俺は不思議なことに気がついた。どうやら鉄を自由自在に操ることができるらしい。眼の前で駆け抜けるひったくり犯を見る。俺は偶然手に持った鉄の棒を持ち、そして、その棒を伸ばしてひったくり犯を縛り上げるイメージをする。すると、何ということだ。想像通りの現象が起きてしまった。俺は警察から、感謝状が贈られた。シッチにその話をすると、これは所謂超能力らしい。そう言えば最近、とんでもないエネルギーを持った少女の研究の話を聞いたが、関係あるのか?

 

○月×日

40代半ばになった。そして俺は晴れてヒーローとなった。シッチはヒーロー協会の役員になったらしい。まああいつは怪人と戦うよりも、人をまとめるの力があるから、それが良いだろう。そう言えばシッチがヒーローランキングの話をしていたな。まあ、上に行けば行くほど優秀ということなのだろう。俺にはあまり関係ない話だ。俺は俺らしく、平和な世の中を作っていくのだ。

 

○月×日

最近怪人と戦うのが億劫に感じ始めた。どうやら俺の肉体がピークを超えたらしい。だが冷静に考えれば当然だ、俺は運動が得意というわけではないのだから。だがこのままではヒーローとしての存続が危うい。今までは、俺自身が人の見えないところで怪人を殺していたが、今度は違う。俺はロボットと兵器を作った。俺がイメージしている通りに、どんどんロボットは量産されていく。これで俺がいちいち外出して怪人を倒さなくて済む。俺は研究室でただ作る作業をすれば良いだけなのだから。

 

○月×日

ヒーローになって数年たった。今日からついにS級ヒーローとなった。これで行動の幅が広がる。しかし、少し気になることがあった。S級1位のブラストはどんな奴なのだ?どうやら、気まぐれでしか動かない奴らしい。だか姿がどうしても気になり、シッチを問い詰めることにした。そして明日、自分の部屋に来いと言われた。俺が目指すは完璧なる平和な世界。もしかしたら、ブラストがその鍵を握ってる気がしたのだ。そのためなら、ヒーローのトップを利用することすら、俺は躊躇わない。

 

○月×日

信じられない.....俺は興奮がとまらなくなった。シッチに誘導されるまま、部屋の中に行くと.....何とそこには、あの魔王・甘粕の討伐を成功した英雄・四四八の絵画が飾られていたのだ。そう、S級ヒーロー1位の正体は柊四四八だったのだ。シッチの話によると、ブラストというヒーローネームは、四四八の戦友たちの絆、信頼(トラスト)の文字を改造して作り上げたらしい。そして現在は、世界中を回って怪人の討伐を行っているとのことだ。だがそんなことより、俺は柊四四八が書き残してあるデータすべてに、目を通したかった。S級1位なのだ、怪人に対する考察や対策がないわけがないのだ。シッチを問い詰めると、どうやら奴が残した日記にその手の考察が書かれているらしい。俺はそれを手に取り、すぐさま帰ることにした。

 

○月○日

柊四四八の日記を読むことに専念した。どうやら奴は、盧生という夢の世界と現実世界を繋ぐ存在。そして、阿頼耶と呼ばれる概念体から、人類史に残る英雄や神々を呼び出せる召喚士みたいなものらしい。そして廃神(タタリ)とは、人類の思想や噂が生み出した化け物....少し怪人と共通点があるな。だかそれより、この盧生という資格がなかなか魅力的だ。もし俺が盧生ならば、人類から我欲や罪を犯す思考を毟りとれる神や英雄を召喚するだろう。そうすれば、怪人や犯罪者が生まれることはない。もう誰も悲劇や争いで嘆くことがなくなるのだ。盧生の資格....何としても手に入れなければならない!

 

×月×日

柊四四八の日記を読み、発想を変えてみた。どうやら盧生になるには全人類を愛する器が必要らしい。俺がそれを実行するのは厳しいと判断する。実際のところ不可能なのだから.....故に、俺の能力を全力で放出し、全人類を愛することが可能なサイボーグを作ることにした。実験に、W市にそのサイボーグを放ってみる。すると、唐突にバグが発生してしまい、W市を崩壊させてしまった。どうやら人間に対する知識が不完全で、戦闘知能だけが反応してしまったらしい。だが、それ以外はきちんと機能していた。サイボーグ型の盧生、人類の歴史に残るぞ。あとはそこを修正するだけ。少々長くなってしまったが、完全なる平和の世界へと、着実に近づいているだろう...,

 

 

○月×日

最悪な事実が発覚しまった.....この世はなんて非情なのか。もはや自殺してしまいたいと懇願するほどにだ。柊四四八の日記の最後あたりに、とある最新情報が記されていたのだ。奴と繋がっている阿頼耶が言うには、宇宙の最深奥には『神座』と呼ばれる全宇宙の理を操る全能のシステムが存在する。そして、そこに至った神の望むとおりに、宇宙を書き換えるらしい。そしてその世界改変能力は、盧生が召喚する神々よりか、圧倒的に上回っているのだ。だからもし仮に、俺が作った盧生サイボーグが、世界に影響を与えようとも、いずれは神座にいる神によって元どおりになってしまうのだ。恐らく長く持ったとしても......最長で百年程度だろう。俺の今までの努力と時間は何だったのだ?何のために俺は生まれ、苦しんでいたのだ?わからなくなってきた......

 

○月○日

柊四四八の日記の最後には、現在神座に居座っている神の名と理が記されていた。『マルグリット・ブルイユ』.....『輪廻転生』.....『第五天・黄昏の女神』と書かれていた。ようするに、今我々の生きている世は、すべて魂が転生を繰り返しているとのことだ。しかもそれはただ繰り返しの生いではなく、確実に進歩し続けているのだ。そして、それに対しての柊四四八の評価はベタ褒めだった。何と素晴らしい世界なのだと。この女神は別格だ、この世界ならば人類は自分の足で立っていける....と書かれていた。事実、女神と柊四四八の相性は抜群だったから当然の評価と言えるだろう。.....だが、俺から言わせれば甘い!転生を繰り返し、進歩を施す?ああ、確かに人間の倫理目線で言えばこれ以上はないだろう.....だが、進歩をする前に罪を犯さないとは限らないだろう!人間の欲求は狂気だ、そこを漬け込む愚か者を見逃してどうする!貴様の人類に対する認識の甘さが、悲劇や争いを生み出すのだろうがぁ!!

 

×月×日

俺は女神を神座から引き摺り下ろすことを決意した。狂ってしまったのかもしれない。客観的に見て、女を悲しませる行為など男として.....いや、それ以前に人として最低だろう。だが、もう手遅れなのだ。俺の頭から、女神に対する不満や憎しみが離れないのだ。以前から、誰かに操られているような気がするが、もう歯止めが効かなくなった。あの日記を媒介にし、神座の研究を集中していた。すると、とある神格に目が止まった。第三天『ネロス・サタナイル』その理の名は『天道非想天』と判明した。この神が作り出した宇宙は、『誰も罪を犯さない完璧なる平和な世界』と、俺が目指していた世界と似ている....どころか、もはや理想そのものだったのだ。この神だ.....これしかない!俺は、この神を再び降臨させることを決意した。

 

○月×日

ネロス・サタナイルの再誕....過去の神格を再び世に戻すことは困難だ。事実、過去の神が蘇った事例自体、全く存在しない。だが、神座は世界改変、全能なるシステム....全能のシステムならば、そこの記憶にサタナイルの情報たいの記憶や残滓が存在しているはずだ。そこから復元はできるはず。だが問題はまだある。どうやって神座まで深行するかだ。神座に至るには、まず世界に風穴、つまり特異点をあける必要がある。それほどの破壊力、隕石の破壊すら叶わなかった俺のサイボーグでは厳しい.....そう言えばA市で宇宙人が襲来してたな。もしかしたら、そのような技術を持っているかもしれない。行ってみるか。

 

×月○日

まさか全宇宙の覇者の亡骸を手に入れるとは思わなかった.....棚から牡丹餅とはよく言ったものだ。こいつの体内エネルギーは、地球の表面を焼却できるほどの火力がある。見事だ!このエネルギーをレーザー状に圧縮し、放出すれば特異点が開く!素晴らしい.....あとは、神座から生れ出る無限の魂を取り込む容量が必要だ....どこかに、無限に成長し続ける魂や肉体はないだろうか....

 

 

 

 

 

ーここで日記は終わっている。

 

 

 

 

 

 

 

 

パタン!

 

 

タンクトップマスターは、日記を閉じた。そして目を閉じた。いろいろ整理がつかないのだろう。暫くして、彼はポツリと呟いた。

 

「.....大馬鹿野郎。」

 

今の彼は、その一言だけしか絞りだせなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ー続く

 

 

 

 

 

 

 




実はこの話、作るのに相当苦労しました。
そもそも自分自身日記を書いたことがないため、戦神館の柊聖十郎の日記を参考にしながら書きました。結局オリジナルの日記になってしまいましたが.....


次回は、もうちょっとこの話を掘り下げようかなと思いましたが、そろそろガロウと怪人協会の話を進めようかなと思います。4月までには最終回を書きたいですね.....
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