パクりんちょ   作:かりん2022

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うちの子(6歳)が実名でクライムサスペンスで書籍化で!?

うちの子

仕事に打ち込んだ人生だった。

駆け落ちして、生活が大変で。生まれた子供も妻に任せっぱなし。

そろそろ教育を始めようかとは思っていたが、思うだけで絵本すら読んであげていなかった。

それがよくなかったのかもしれない。

 

「ライト。リンネのことで、相談があるの。どうしても、今夜時間をとって欲しいの」

 

  真剣な顔で妻のミサに頼まれて、僕は気圧された。

 

「わ、わかった」

 

  夜。早めに帰らせてもらう。

  ミサと6歳になるリンネが正座をして待っていた。

 

「パパ。書籍化の許可をください!」

「あなた。リンネが、勝手に小説投稿サイトに小説を投稿していて、賞を取って書籍化の話が来ているらしいの」

「は?」

「しかも、その小説、あなたや私や実在の人物が実名で出ているの」

「は?」

「パパ、僕は将来、ライトノベル作家になってアニメ化を目指したいんだ! だからお願い!」

「ちょ、ちょっと待ってくれ。とりあえず、その小説とやらを読ませてくれ」

 

 僕はサイトを見せてもらう。

『このノートに名前を書かれたものは死ぬ』

 

 衝撃的な文から始まる小説は、文章は稚拙だが引き込まれる危険な魅力を持ったストーリーだった。

 グイグイ引き込まれていく。

 バンバン人が死んでいく、衝撃的なクライムサスペンス。

 目を離すのすら苦労するほど。とてもではないが6歳児のクオリティではない。

 言葉とお絵描きは達者だと思っていたが、よもやここまでとは……。

 

「よく書けているね、リンネ」

「頑張って書きました! 」

「でもこれを実名で出しちゃダメだろ……。ジージとバーバに甥に妹まで出てるし、有名な魔術師まで出してるし、ダメだよこれは」

「パパの名前とママの名前がイメージぴったりだったの。それに実在の人物、みんな出してるし」

「それはヒーローのお話だからだろう? 悪い人のお話はダメだよ」

「ごめんなさい、ライト。まさか、そこまで端末を使いこなしてるなんてわからなくて。せいぜい動画を見るくらいだと」

「書籍化、いーい?」

 

 不安と期待に目を潤ませて、リンネは聞いてくる。

 

「……今ここで答えを出す事はできないな。それに、先方にも話を聞きたい。アポをとってその日に合わせて休みを取るよ」

「ねぇ、これ、今からでもお詫びすべきだと思う?」

「難しいね。いや、菓子折りを持って謝罪に行こう」

 

 そうして、騒動の幕があがったのだった。

 

 

 

 

 

 

『えっ ええっ!? 本当に6歳でこれを!?? 天才じゃないですか!』

「それで、クライムサスペンスに実在の人物を出すというのは……大幅な改稿をさせて欲しくて……」

『それはそうですね。それに人気の魔導士も出てるので許可取らないと。ですが大幅な改稿は大丈夫なんですか?』

「できます!」

「本人はやる気十分ですので……ですが、十分なバックアップをいただきたく……なにぶん、知識がなくて……」

『お任せください! しかし、そうなると一時削除していただいた方がいいですね。年齢は公表しても?』

『お目溢ししてもらう為にも、年齢は公表する方向にしたいです。謝罪文も書かせますので、掲載をお願いします』

 

 中々大変なことになりそうだった。




マシュマロ
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