中古ショップで初音ミク売ってて草w   作:すとろー

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誤字報告、本当にありがとうございます。


たまには休憩があっても良いじゃない(強制イベント)

「ごめんね~、ミクちゃんもテトも」

「全く。しっかりしてよ~?」

『お大事にしてね』

 

 熱を出した。38.7度だ。

 

 なんか起きてだるいな……って思ったから、ウナちゃんに温度計を持ってきてもらって体温を計ったらこれだ。久々に熱を出した気がする。

 幸い今日は特に予定とかはないので、困ったことがあるとかそういうわけではないが……。

 

 今はベッドに寝転がり、頭に氷嚢を置いている。

 氷嚢はミクちゃんが作った氷が、惜しげもなくどんどんと投入されてなんだかとても重い。熱があることを伝えたときに、心配しながら真っ先に『氷食べますか?』と尋ねられたときは、ちょっとかわいかった。

 お腹が冷えて大変なことになりそうだから、傷つけないように丁重にお断りしておいた。

 

「ますたー、早く寝た方が良いですよ。たくさん寝たら元気になりますからね」

「あいにく頭痛が酷くて」

「そうですか……。急に気分が悪くなったら、ウナのことを起こしてください」

 

 現在ベッドにはウナちゃんもいる。俺が体調が悪くてこうなっているので隠しているのだろうが、ちょっと嬉しそうなのがなんとなく伝わってくる。

 一緒に寝れるの本当に久しぶりだからね。困ったときは頼らせてもらおう。

 

 ちょっとあんまり頭回らないから、さっさと寝よう。

 何が原因だろうか……。

 最近、頑張ってたし疲れが案外溜まってたのかな。

 

 

 

 

 扉をゆっくり開けて寝室に入る。

 

「マスターどんな感じ?」

「寝てますよ」

 

 そろそろ氷嚢の交換かなと20分おきにミクが張り切っていたので、流石に早いんじゃない? と何とか抑えながら待っていたが、確かにそろそろ交換だねというタイミングになったから、寝室に侵入した。小声で見守り隊のウナに様子を伺う。

 

 マスターの様子は、ちょっと辛そうだ。

 あんまり体調を崩さないタイプ……というか、健康に気を付けているタイプだから滅多にこんなことになっているのは見ない。高校生の頃は何度かあったけど、大学に来てからは一回インフルエンザにかかったときぐらいしか体調を崩してないから、本当に珍しい。

 

 ミクが抜き足差し足でマスターに近づいて、頭の氷嚢を回収してリビングに出ていった。あんなにジャラジャラ鳴っていたのに全部溶けてるから相当マスターの頭を冷やしたことだろう。すぐにミクが、溶けた水を少し捨てて、氷を足して戻ってくるはず。

 役に立てて嬉しそうで、ちょっと微笑ましい。一口サイズのものばかり作ってて、すぐに溶けることに気が付いたからデカいサイズをさっき作り始めていた。凍るのにも時間がかかりそうだったから、マスターがぶっ倒れ続けたら大活躍しそうだ。

 

 ウナちゃんは布団に包まって充電ケーブルは挿しているが、目はずっとマスターの方を見ていた。

 

「心配?」

「そう……ですね。知識ではあるんですけど、本当に辛いということがあまり理解できていないから、よくわかんないです」

「まぁ、そうだよね~。ボクも別に慣れてるわけでもないからね。こういうことには慣れたくないけど」

 

 いつも健康なマスターに感謝だ。

 そのお礼にぎちぎちになって帰ってきたキンキンな氷嚢をプレゼントしよう。

 

「ミク……それは多すぎない?」

 

 そうかな? と首をかしげるミク。いや、絶対多いって。だってシルエットが丸になってる氷嚢なんて知識に載ってないよ?

 

『たくさんあれば早く治るかなって』

「それにしても多すぎるとは思うけど……」

 

 あいにくマスターの頭の上に乗せようとして、転がった。

 それを見てしょうがないなぁ……という顔をして、氷嚢の中身を少しずつ食べて減らしている。ミクさぁ……。

 

「ん……ミクちゃん?」

 

 そんな静かにしつつもがやがやしていたら、マスターが起きた。

 

「あ、騒がしくしてごめんね。今氷を交換したところだから」

「良く寝れましたか?」

「ん~、まだ、怠いかも」

 

 実際辛そう。ウナが差し出した体温計が音を立てると38.2度と出ていた。

 さっきよりちょっと下がっている。

 

「ちょっと下がったね」

「まだ寝てた方が良いですね」

『これで冷やしてください!』

 

 結構な数を食べたと思われる、適正サイズになったそれをマスターが受け取り頭の上に乗せた。今度は触れている面積がそこそこありそう。これで効果的に冷やしながら、マスターが頭を振り払わなければ落ちることもないだろう。

 

「ありがとね」

「夕方ぐらいまで寝ててください」

「そうだぞ~。あっ、昼ごはん食べたかったらお粥ぐらいなら作ってあげるよ」

 

 少しぐらいはマスターがいなくても大丈夫なんだってところを見せてやろう。

 天才美少女料理家重音テトが爆誕しちゃうぞ~。

 

 

 

「はい、お粥」

 

 久々の料理で苦戦しつつも、何とか形にできた気がするぞ。

 ミクに味見させたけど、『薄い』だそう。そりゃ病人に食べさせるご飯だからね。塩ぶっかけた方が美味しいだろうけど、そういうもんらしい。インターネットにそうやって書いてあった。

 

 ちょっと調子が良くなったのか、リビングに出てきたマスターをソファーに座らせて、マスターが寝ている間に作っておいたお粥をよそう。

 

「……どう?」

「美味しい。ホントにテトが作った?」

「失礼しちゃうな~。重音シェフが丹精込めて作ったよ」

 

 よかった~~~~!

 文字情報だけだとぜんぜん分かんなくて、動画の解説まで見てたなんて言えないよ。

 横で一緒に食べているウナとミクは塩を追加で振って食べている。

 

「美味しいです。またますたーがいないときとかに作ってください」

『おいしいよ!!』

 

 そのおいしさはボクの腕じゃなくて、追加でふんだんにかけられた塩だと思うよ。出汁と少量の塩とボクのまごころの本当に薄い味付けしかしてないからね。

 にしても提供したごはんが美味しく食べられているのは嬉しいね。ちょっと大袈裟なんじゃないかなって思うけど。

 ボクもマスターのごはんにもっと感謝をしながら食べなきゃいけないね。やっぱ作るのもいいけど、ボクは食べる専門で行きたいね。

 

「おかわり、いい?」

「え、そんなに食べて大丈夫?」

「たくさん食べた時が良い場合もあるって」

「そんなこと言って吐かないでよ?」

 

 体調悪いマスターと会話しているとちょっと調子が狂う。

 向こうが体調が悪いんだよね……という尊重する気持ちがあるけど、それはそれとして体調が悪い人間が言い出したことを全部信用していいのかっていう2つのことがせめぎ合っちゃう感じが難しい。頼むから大人しくしておいてくれよ~と思いながら、2杯目のお粥をよそった。

 

「ウナもいいですか?」

『私も!』

「はいはい。ボクの分もよそってくるからちょっと待ってね」

 

 多めに作ったつもりなのに、ぴったり無くなっちゃった。ちょっぴり嬉しい気持ちと、ボクももうちょっと食べたかったなという気持ち。

 1人で何を足したら美味しくなるか弄って楽しむ予定だったのに。しょうがない。

 

「はい、おまたせ」

 

 2人に渡してからボクの分だ。

 醬油をかけて、少し混ぜてから食べる。うん、ボクながらまともにできてる。レシピ通りにやっただけなんだけどさ。

 

 黙々と食べる。

 普段からミクに申し訳ないからという建前で、食べるのに集中しているからあんまり会話しないけど、今日は特にだね。

 

「ごちそうさま」

「はい、お粗末様だよ」

 

 そうして久々の料理は完食という結果で終わった。ありがたいね。

 

「ウナとミクは、ボクが片付けしておくから、マスターのことよろしくね」

「はい、わかりました」

『OK!』

 

 

 

 

 次に目が覚めたときはもう夕方だった。

 頭の上に乗った氷嚢を降ろして、横を向くとウナちゃんがタブレットを弄っていた。

 

「あ、ますたー。体調はどうですか?」

「うーん、だいぶ良くなったと思うけど……」

 

 タブレットをスリープさせたウナちゃんから体温計を受け取って計ると、36.9度。おお、下がってる。まだ微妙だけど。

 

「結構良さそうですね」

「うん、皆のおかげでね」

 

 何とかなったなぁ。たまにはこうやってめっちゃ寝ることがあっても良いかもね。動いてばっかで体調崩したとしか考えようがないし。

 

 リビングに出るとテトとミクちゃんはドラマを見てた。

 どうやら向こうも起きてきたことに気が付いたみたいだ。

 

「マスター、もう大丈夫なの?」

『大丈夫?』

「もう、大丈夫だよ。夜ごはんどうしよっか」

 

 昼はテトに作って貰ったが、夜ごはんはどうしようか。正直今から俺が作る気にはならない。

 

「ピザ頼まない? っていうか、マスターが起きてこなかったら勝手に注文するつもりだったんだけど」

「じゃあ、そうしよっか」

 

 渡りに船だ。病み上がりにジャンクフードすぎるが、まあいいでしょ。

 たまにはこういう日があるのも良い。




そういえばと思ってここすき見てたら、ドリル着脱式にしてるテトさん人気で良かったです。
ちなみに作中で付けてたことは今のところ、ないです。
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