新生バベルのトランスポーター   作:tto2098ut

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メリークリスマス。しかしクリスマス要素はありません。


業務日誌 4日目

「ドクター。」

 

「何?」

 

「時折私は思うんだけど。」

 

「うん。」

 

「なんで昔のバベルにいれなかったんだろうって。」

 

「なんで?」

 

「だって、議長は昔のバベルの時に入り浸ってたんでしょ?オフの姿を見れたかもしれないじゃん。」

 

「ああ...」

彼女は比較的若い。そのため、過去のバベルについてはバベル所属メンバーから語られる程度の事や、ある程度ロドス内で明かされている情報しか知らない。

ウィシャデルのオフ...とは言ってもバベル内でも傭兵として活動していたためオフと言ったオフを見れる事はなかっただろう。

まず私はウィシャデルのオフを見たことがない。...アーミヤやそれこそテレジアなら知っていただろうか?

 

「ところで、なんだが。」

 

「?」

 

「何故そこまでウィシャデルに惚れこんでいるんだ?」

 

「あー...」

「長くなるよ?」

 

「仕事の片手間にはなってしまうが、聞かせてくれ。」

 

正直、少し気になる。ウィシャデルは性格は一度置いておいて少なくとも顔がいい。

...まずロドス内に顔がよくないオペレーターなど存在しないも同然なのだが。明らかに顔面偏差値が高すぎる。

テラの人民は...何故顔がこんなにも良い人が多いんだ?

 

「えーとね、シラクーザから逃げて来たって言ってたでしょ?」

 

「ああ、それは聞いた事がある。」

 

「まあ色々あってシラクーザからカズデルに来たんだけど...」

「生憎女性の一人旅なわけだからさ、寄ってくるわけ。駄獣もバウンティハンターみたいなやなやつも。」

 

「なるほど。それで?」

 

「私はトランスポーターでもなんでもないただのちっぽけなリーベリだったから、徒歩だったの。食料もギリギリで生きてきてたし。」

「そんなもんだから戦う事なんて選択肢になかったわけ。」

 

「ああ...」

 

「そしたら、なんか追ってきてた奴らが突然爆発するわけ。」

「見てみたら、なんかサルカズの傭兵達がそいつらと戦ってるわけ。なんで?って思いながら傍観してたの。」

「20秒くらいしたら音が鳴り終わって、砂嵐が晴れたそこにはなんと!」

 

「...ウィシャデルがいた、ってことか。」

 

「そういうこと。」

「でもその時の議長は私には目もくれず、そいつらの死体の近くにしゃがんで何かしてた。」

「私にとってはもちろんヒーローだったんだけど、私はその時は子供の価値観だったからサルカズについて知ってる事なんて魔族である、怖い!くらいみたいな物だったわけ。」

「んで、議長が何か合図をしてそのままどっか行っちゃって。」

「私は助けてくれた人達に挨拶をする事もできないで呆然と立ち尽くしてた。」

 

「...そこから君はどうしたんだ?ロドスにどうやって来たのか経緯をよく知らないんだが...」

 

「とにかく生きる事を目標にして、その辺を彷徨ってたよ。」

「歩いて、歩いて、街が見えたら寄って。幸いにもその時この肩の石はなくて。」

「なんとか隠し通したり、バレて追い出されたりの繰り返し。」

「んで、偶然その街でロドスのオペレーターの人に会ったの。」

 

「それで本艦まで来たのか。...君も大変だったんだな...」

「その街の名前は憶えていたりするか?」

 

「いや、その時からずっと空腹でうろうろしてマトモなご飯が食べれたのはその人に食べさせてもらった時だったから...」

「その人の名前すら憶えてないよ。ただ、多分サルカズだった。」

「そこから本艦に行って...検診とか受けて。カズデルの近くに停泊した時に、私はこれ以上世話になるわけにはいかない、みたいな事を思って飛び出したの。」

 

「ロドスは感染者の味方だ、そんな事思う必要なんてないのに。」

 

「それは当時の私に言って!」

「コホン。それで、ロドス内で物資を整えてまた流浪の旅が始まったわけ。」

「んで偶然カズデルについて...」

「天災雲がずっと上にあったから、様子を見てたんだけど人が出てくる様子もないし、でもしかしたら誰もいないのかもしれない、と思って近づいたの。」

「はっきり言って客観的に見て離れるべきでしかないんだけどね、無人の天災雲がある街なんて。」

「その時の私は何を考えていたんだろ...」

「そしたら、活気づいてる街だし、街の中心には天災雲がないし。ドーナツ状に天災雲に囲まれた街。」

「目を疑ったよ、人が普通に生活してるんだもん。」

 

「今のカズデルの状況は特殊だからな...」

 

「ヘドリーさんの歴史書がなかったら未だに謎だったと思う。」

 

ヘドリー、どうやら君の努力は無駄じゃなかったみたいだ。

サルカズじゃないテラの人が、カズデルもといサルカズの歴史を学ぶだなんて。

 

少し目頭が熱くなった気がする。

 

「ちょ、ドクター?!泣く要素あった?!」

 

「いや...気にしないでくれ。続けて。」

 

「わ、わかった...」

「まあそこで、ヘドリーさん達の店に行ったり現地のサルカズと仲良くなったり議長に再会したりしたわけだけど。」

「議長とのちゃんとした初対面はただすれ違っただけだよ、カズデル内で。」

「で、あの赤い角とか髪を見て、あ、この人があの時私を救ってくれた人だな、って思ったの。」

「少しくたびれたような顔をしてたけどね...」

 

「...」

ウィシャデル、君も苦労しているんだな...

バベルの議長は名実共に忙しいだろうし、次にロドスに来たときは少し労わってあげよう。

 

「顔から目が離せなくて。」

「あー、これ、一目惚れだなって。」

 

彼女は顔を真っ赤にして体をウネウネさせている。

...惚気が始まるような気がする。ただ、聞いたのは私だから聞き届ける義務がある...

 

「後は現地で仲良くなったサルカズからカズデルで働くにはどうすればいいかとか聞いて!」

「リーベリなのに?!みたいな事も言われたけど!!」

「助けてもらったわけだから恩返しがしたくて!!!」

「こうなったってわけ!!!!!!」

 

スパーン!といい音が鳴りそうな勢いで彼女はトランスポーターである事の証明書を机に叩きつけた。

 

「何がいいかってほら議長あれぶっきらぼうな感じしておきながら私を助けてくれた時しかまだ目にしてないけど任務中の姿はドクター全然もっと一緒に任務に行かしてくれてもいいんだよってそんなことはどうでもよくて部下の傭兵達の事しっかり見てるみたいでリーダーシップの塊と言うかなんというかただ上から何かを命令するんじゃなくてしっかり議長自身も強いし議長自身も前線に出て戦ってくれるし敵すぐ一掃しちゃうしこうなんかこの人がいればなんでもなんとかなりそうみたいな感じが醸し出てるというか後は顔がやっぱりいいって思うのだってイケメンじゃんすごい可愛いより格好いいじゃん妖艶な感じがするんだもんズルいでしょカズデルの中でさっき話した時にあったくたびれ気味の議長もなんか疲れてそうで隈っぽいのもあったのにかっこいいんだもんなんであれで超モテモテじゃないのかわか

 

「...」

 

ドアが叩かれる音がした。

 

「ドクター、今少し大丈夫ですか?」

 

「アーミヤか。少し待ってくれ。」

 

私はドアを開け、彼女を迎え入れる。

 

「ドクター、この書類なんですが...」

 

「私の仕事か。すぐ終わらせるよ。わざわざありがとう。」

 

「ロドスが変わって、安定してきましたから...これから仕事の量も減っていくといいですね。」

「クロージャさんも連日徹夜だった中今日は仕事が少な目だったらしくぐっすりとお休みしていました。」

 

「私の方も以前と比べて書類の束の量が減ってきていてね。色々問題は残っているが、とりあえずは落ち着いてきているみたいだ。」

 

「その...ところで、ファイアフライさんは何を...?」

 

「...放っておいてくれ。彼女は...今、ウィシャデルについて語っている所だ。」

 

「どうしてウィシャデルさん...??」

 

「アーミヤ、仕事はどうだ?」

 

「はい、私も今日は終わりました。」

 

「そうか。私も後少し...とは言っても、もう0時か。アーミヤ、明日に響く。しっかりと寝るんだぞ。」

 

「もちろんです。おやすみなさい、ドクター。」

 

「ああ、わざわざありがとう、おやすみ。...」

 

 

「ファイアフライ?」

 

だからどうしても議長はすごいって事もう後7時間は語れる...何ー?」

 

「熱意はいいが...いい時間だ。君も休んだらどうだ?」

 

「えー、まだ語りつくしてないよ?」

 

「...私とアーミヤが話している間とは言っても数分だが...その間ずっと喋っていてなおまだ語れるのか?」

 

「もちろん。」

 

「すごいな、君は。明日、もしかしたら任務をお願いするかもしれない。休んでおいてくれないか。」

 

「あ、そうなの?じゃあ寝ておこうかな。じゃーねー、ドクター。」

 

「ああ。」

 

「さて...」

 

アーミヤから渡された書類は、いかにも普通の書類に見える。

...しかし、裏にもう一枚隠れている。よく触ると、袋とじのようになっており、二枚重ねだ。

アーミヤはこれに気づかなかったらしい。表面上は私の承認が必要なただの書類なのだから。

「...気づかなかったらどうするつもりだったんだ?」

 

「懇親会の提案...」

 

提案者:Logos Blaze クロージャ

 

具体的な内容:希望者を募りスツール滑走大会及び「テラTCG」の大会を開く

その後食堂を借りて宴会を行う

 

「ブレイズ...いつもしてるだろ、宴会は...」

「ロゴス...君は...」

「クロージャッ...!」

 

私は天を仰ぎ、額を手で叩いた

 

 




第三資料
彼女は立場故にカズデルに多く出入りしているが、最後に検診したきり源石融合率が一切上がっていない。
もちろんロドスの努力の故であるならばそれに越した事はないが、現在ロドス内で完成しているのはあくまでも抑制剤...つまり進行を遅れさせる物か、症状の緩和をする物しかない。
カズデルは源石と縁が深く、サルカズも同様だ。
それこそ{検閲済み}がそうだが、サルカズは源石融合率は上がりやすい兆候がある。
カズデルに多く出入りしてるために自然に考えるなら融合率が上がる物だ。
しかし、融合率が検査の限り増えていないのだ。体質かと現在考えられているが、原因は不明だ。
機械の故障を疑いエンジニア部と共に何度も検査をしたが、機械に異常が確認できていない。
「彼女はカズデルに出入りする際、どうせ感染者だからと言って防護装備をする事を好まない。無理やりつけさせる時もあるが、はっきり言って鉱石病の進行がしないのは異常だ。今までに前例のない事例でもある。」ーーMon3tr

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