初の感想を頂きました...更新激遅ですがありがとうございます!!
極力頑張ります!
テラには、とあるシステムがある。
善悪不問、「より多くの人々を救うために」。
このスローガンを掲げて動いている組織、危機契約。
危機契約とは、どんな手段でも、より多くの人々を救助し、それによって報酬を与える機関。
主に私達のような天災トランスポーターによって情報が与えられ、危機契約を経由して達成できる人が達成する、そんなシステムだ。
ロドスは危機契約の中でも信頼度が高く、依頼の達成率はほぼ100%だ。
何故こんな説明を今したのかといえば、私は今、危機契約に依頼を持ち込もうとしている。
「...<シラクーザスラング>!!!」
私は、レム・ビリトン近くのとある街にいる。
小さな街だ。そういう街には、色々といい物がある。例えば、珍しい鉱石。育成が難しい作物。あまり類を見ない牧獣。
そういった物の種類を調査し、交渉し、取引をする。私は天災トランスポーターでありながら物流トランスポーター...つまり商売人でもある。
もちろん、悪質な物じゃない。...と自分では思っている。
話は、すこし過去に戻る。
「初めまして、私は...こういった者です。」
「...うん?見ない顔だねぇ。こんな寂れた街に何のようだい?」
「アハハ...いえ、少し世間話をしたいな、と。」
「はぁ...変な子だねぇ。」
「この街には工芸品の壺があると聞いて...」
「...?壺...壺...?...あぁ!」
「何か知っているのですか?」
私がこの街にきた理由は、とある工芸品の壺を見つけるためだ。
元々サルゴンから来たと言ってるとある商人から手に入れた物で、模様が綺麗だった。
曰く、色々な人から人へと渡って来たそうで、どこから手に入れたのかわからない、との事。
私がここまで漕ぎつけるまで、相当な資金と時間を払った。
「そこをなんとか!!」
「えー?模様の解析なんて、私でもできないよ?」
「お願いクロージャ様こんど購買部でなんか買うから!」
「...まあ、やるだけやってみるよ...いっちばん高いやつね。」
「うっ...仕方ない出費!コラテラルダメージ!」
「えー...「あっ!」あ、アーミヤちゃん!」
「あれ、CEO...購買部まで来るのは珍しい...」
「いえ、ただ仕事が少し片付いたので、ロドス艦内を散歩でもしようかと...」
「で、アーミヤちゃんこの壺を見て驚いてたけど何かあったの?」
「もし!もし知ってるなら教えて頂けませんか!!結構人気が出そうなんです、この壺!」
「そ、そんなに詰め寄らないでください...」
「ごめんなさい!」
「いえ、昔の記憶ですから、少し曖昧なんですが...」
「レム・ビリトンで同じような物を見たことがあるような...と思いまして。」
「懐かしいなぁ...と。」
「レム・ビリトンのどこ?!!?」
「わ、わ、その、どうしてそんなにその模様をお気になさるんですか...?」
「私自身がこの壺の模様がお気にいりなのと...」
「とあるクライアントが、この模様を気に入ってくださってて。」
「なるほど、合点がいきました!」
「...多分、この地図の...この辺だったような...?」
「ありがとうございますCEO!!」
「小さい頃の記憶なのでそんなに信じないでくださいね...!」
「クロージャ、残念ながら君の手を借りなくても済んだよ!じゃ~ね~」
「ぶー。」
「行ってしまいましたね...」
「クライアントって誰なんだろうね?」
「さぁ...カズデルの方なのでしょうか?」
と、いうわけ。
...相当な資金と時間ってのは嘘をついたかも。
そこからはしらみつぶしに人を探して、聞いての繰り返し。レム・ビリトンも広いし色々な村やら街やらあるから、時間はかかった。
ただ、なんとか知ってる人までたどり着けたのだ。
「確か、この先をこう行って...この先にいる奴に話を聞きな。」
「偏屈なじじいだが、あんたの工芸品が気に入った!って言えば、話を聞いてくれるかもしれないよ。」
「わざわざありがとうございます!」
「...っと、この道をこう曲がって...?グニャグニャしてるなぁ...」
「ここか。」
いくつか道を曲がり、細い道の先には木造の小屋があった。
「...本当にここなのかな...?」
私はノックをし、
「すいません、誰かいませんか?」
「...あれ...」
「(ノック)あの...」
「入れ。」
「あ...では、失礼します。」
「何の用だ。」
「えっと...この壺の模様が気になって...」
私は小屋に入り、少し歩く。中には、椅子といくつかの台座?のような、恐らく作業場らしいところにいた。
そこには一人の老人が坐っており、私に目を向ける。
坐っていながらも杖を突いており、腰も曲がっているように見える。
恐らく、コータスだろう。レム・ビリトンにはコータスが多いし、老人の耳も長い。
「リーベリがわしの工房を訪ねてくるとは珍しい。誰からここの事を聞いた?」
「えっと...近くのおばあさんから...」
「ふむ...この壺はどこで?」
「サルゴンの旅商人から...」
「ほう。」
「模様が気に入った、と言ったな。」
「ええ...まあ、はい。」
尋問を受けているようで、少し嫌になってくるが、ビジネスチャンスと同時に私の部屋をより良くするためのチャンスを逃すわけにはいかなかった。
「ふむ、持っていけ。」
「...は?」
私は素っ頓狂な声を上げた。
何故かと言えば、私の目の前にドスンと袋が置かれ、ジャラジャラと中に色々と入ってる音が聴こえたからだ。
「えっと...え?」
「持っていけと言った。中身は模様を付けるための道具だ。」
「い、いいんですか?」
「わしも歳だ。生憎、歳には敵わん。腰も曲がり、昔のように陶芸をしようにもうまくいかん。」
「それで...何故私に?」
「今までわしは、皿やら壺やら色々と作ってみたが、売りに出したのはその壺一つだ。」
「わしの傑作だった。様々な人に見てもらえればと思って売りに出した。」
「はぁ...」
「青年期の、わしが最高の職人であると驕っていた頃じゃ。わしの中では傑作であった事は間違いなかったが、恐らく世間から見ればそこらへんにある壺と何ら変わりないだろう。」
「それが、何年もめぐってわしの下に戻って来た、しかもとてもいい状態でな」
「わしの夢が認められる事だった。ゴミだと思われて壊されず、戻ってきたのだ」
「生涯を捧げ、終ぞ認められた。わしの道はここまでで十分だ。」
「模様が気に入ったと言ったな、誰か職人にこれを渡せ。」
「そうすれば、自ずと使い道はわかるだろうから。」
「わ、わかりました...?」
私は小屋から出、その袋を持ち上げる。
あまり重くはなく、いくつかの器具がジャラジャラと音を立てている。
少し中を覗いてみれば、縄と謎の器物が入っているだけだった。アーツの痕跡などは一切感じられず、手だけで作られた模様なんだと思った。
「手作業で、全て...手工芸品ってのは、やっぱいいものだよね。」
「......ん?」
私の持っているデバイスは、天災や私の知らない生物が近づいてきている事を検知し、それを振動や音で私に伝えてくれる。
それが、今、揺れた。
これが意味するところは、私のいる場所の近くに、危機が近づいてきている事。
「天災...?避難誘導をしないとかも...」
「後は...近くに知人がいるなら、助けを求めたいところだけど。」
生憎ロドスもあまり近くないところに停泊してるし、ここはレム・ビリトンのかなり南の方だから、カズデルも遠い。ラテラーノも遠いし(感染者は入国不可だし)、イベリアに知り合いは...アイリーニさんやルーメンさんがオペレーターとしてたまに顔を合わせるくらい?
彼らがイベリアにいるとは限らないし、なんならそれこそロドスにいるかもしれない。
どちらにせよ、私がやる事は変わらない。
「この街の皆さん、聞いてください!」
「私は天災トランスポーターです!この街に、天災が迫ってきています!避難してください!」
「中枢区画に、急いで避難を!」
「おいおい、聞いたか。ここ、天災が来るらしいぞ。急げ、避難だ!」
「幸い、天災は小規模です!」
「中枢区画に避難すれば十分助かります!」
「移動都市も、海の方に向かっています!天災はラテラーノ方向から発生したようで、このまま移動していけば天災からは十分逃れられます!」
実際自分の言った通りで、移動都市は十分逃れられるだけの速度を出していた。
知らせが来ても、あまり焦っていなかったのはこのためだ。
いくらか時間が経って、天災も近づいてきており、目に見えてきた。
「私も、そろそろ一旦避難をしないと...近くに移動都市は無し、巻き込まれる心配もない。よし。」
そんな事を思って、私も中枢区画に向かうべく階段を降りようとした時だった。
私の膝あたりで、またも振動が鳴る。
つまり━━またも危機が来ている事を知らせている、ということだ。
方角は、天災が来ている方向と真逆だった。
「天災がもう一つ..?!」
”危機”は、目視でも確認できる距離にもあるらしく、不幸中の幸いか、私のその方向にいた。目で確認するべく、私は移動都市の端っこへと向かう。
「...ッ...!」
車を急いで走らせ、約2分とそこらでそこに着く。移動都市の端っこだった。壁をくぐり、私は真なる意味での端っこに立つ。そして、同時に私自身の身体が冷えていくのを感じた。
海が見えた
海は、青かった
そして、近くの地面も、青かった。
海から、何かがやってきていた。
「な、何あれ...!」
青、と表現するにはあまりにも悍ましい。もはや、黒と言って差し支えない。
海から何かの大群が、この移動都市の方向に押し寄せてきていた。
「あんなの、見たことない...!」
「...<シラクーザスラング>!!!」
「危機契約機関...ロドス、私の知ってる全部の場所に連絡しないと!」
「この移動都市が危ない...」
「ド、ドクター!ま、まずはドクターに...!」
数回のコールの後、通話がつながった。
『...どうしたんだ、ファイアフライ?』
「ドクター!あの、今、レム・ビリトンにいる、いるんだけど!その、陸が、変なのがいて!」
『...落ち着いて。変なのってのは、生物か?』
「...動いてるから、多分そう。たくさんいる。」
『レム・ビリトン周辺の駄獣の大規模な移動...という線はないか?』
「ない。私は今まで生きてきて、あんな生物は見たことない。」
『そうか。なら...いや、そんなことが...?』
「場所は...ね。青くて...殻?を被ってるやつもいる。あとは触手みたいなのを生やしてるやつとか...なんなの?」
『...念のための確認だけど、それらはどこからきている?』
「う、海。」
『...!...今すぐ、ロドスから幾人かオペレーターを派遣...。後...ザッ...エーギ...イベ...』
「エーギル?って言ったの今?」
『多分、そいつらは...恐..ジジッ...と...ーンだ。』
『イベリアの...足らず、レム...ン周辺ま...て来るなんて...』
「良く聞こえないよ、ドクター!何かまずい事態なの?」
プツリ。すぐに通話が遮断された。天災が近づいてきている。
「...は?...変な生物に囲まれてる挙句、天災まで来てるの...?」
「どうしろって...」
「そうだ、危機契約!」
今すぐ、連絡を...
危機契約機関は、他の通常の通信で使われる回線よりも、数倍協力な回線が敷かれている。こういう事態で、少しでも届くように、と。
しかし。
「...あぁ、なんで...」
それでも、通信はできなかった。
ロドスが全国に事務所を置くように、危機契約機関も同じように足でも辿り着けるよう事務所をいくつか置いている。
一番近いのは、レム・ビリトンの近くの都市だが、今この移動都市は海側へと進んでいる。途中で方向を変える事はそう簡単ではなく、怪物達の方向に進んで行ってしまっているのだ。
「他の...他のトランスポーター!距離が近ければ...通信は...できる!」
『...この回線は...ファイアフライさんでしたっけ。お久しぶりですね。』
「そんな悠長に話してないで!緊急事態!」
私は、レム・ビリトンに駐在している交友のある天災トランスポーターに連絡を取り、現状を伝える。
危機契約機関に連絡が届かない事。
通信が都市内くらいの距離しか届かず、孤立状態である事。
この都市はさほど大きくもなく、小規模とは言えど天災に巻き込まれればまずいこと。
謎の生物がこの都市めがけて来ている事。
『...私に危機契約機関まで足を運べ、と?』
「そう。私は、この都市に残る。」
『何故貴方が行かないのですか?』
「この都市には、私以外今の状況を完全に把握している人はいない。」
「他の人に伝えて、変に人々の不安を煽りたくない。」
『わかりました。すぐに向かいます。一番近い場所は...ここか。』
『恐らく、数時間もすれば着きます。全力で飛ばします。』
「頼むよ。」
恐らく、他の都市も、天災が来て、この都市が逃げている事には気づいているであろうが、謎の生物が来てる事までは気づいていない。
知っているのは伝えたドクターと、さっきのトランスポーターだけ。
私は無力感を噛みしめ、拳を握りこんでいた。
バベル、とかカズデル、みたいな言葉使っておいてサルカズ系の要素が薄くなっちゃってるのは申し訳ないです。
ウォルモンドの薄暮を読んでこういうのをついつい書いてみたくなっちゃいました。
...ただ、シーボーン、源石、「悪魔」、巨獣とかテラはどれだけ厄ネタを抱えてるんですかね?
てか先史文明が発明した物が裏目ってばかりでは?
いや、テラの文明はただの踏み台だから別にいいのか。