「...今日お集まりいただいたのは他でもありません。」
「にしては随分なメンバーね。全くもって人員が意味不明なんだけど?」
「残念ながらそうね。はっきり言ってこのメンバーで話す事項が全く浮かばないわ。」
「あっははっ!随分な言い草じゃないか。でも、実際よくわからいメンツではあるね。」
「オペレーター、ファイアフライさんについてです。」
「へぇ...あの子かい?とは言っても、わかる事なんてないと思うけど。」
「イネスさん、ウィシャデルさんは...ファイアフライさんはカズデルによくいらっしゃるようなので。」
「ラップランドさん、テキサスさんはシラクーザの...主に、狼主について。」
「イェラさんは...巨獣について。」
「あら。私でよかったの?」
「ええ。恐らく、適任でしょうから...」
「ドクターとMon3trさんは、同じく統轄係として、そこにいてください。」
「承ったぞ!」
「わかった...進行はアーミヤがする、でいいんだね?」
「はい。」
「ロドスは色々と...言ってしまえば、テラにまつわる秘密を多く抱えている組織です。」
「ニェンさんの素性もはっきりしていませんし、"海"だって...」
「しかし、全く想像がつかない、というのはこれが初めてです。」
「まあ、そうねえ。イネス、あんた見たんじゃないの?あいつの影。」
「...見た事はあるわ。でも、見えなかった、が正確かしら。」
「はぁ?タルラの影を見た時は見えちゃいけなかった物が見えたんでしょ?なら、何も見えないって何よ。」
「...何かで覆い隠されている、と表現しましょうか。その方があなたもわかりやすいでしょうから。」
「覆い隠されてる、ねぇ。ほら、ザーロ。出番だよ。」
『チッ。狼遣いが荒いな、貴様は。』
「これ、私は必要なのか?狼主は私より余程ラップランドの方が詳しいと思うが。」
「何言ってんのさ!せっかく面白そうな機会なんだから、誘わないわけにはいかないでしょ?」
「...はあ。」
『獣主は見せたい姿を自在に変える事ができる。それは、狼主も同様だ。』
『確かに、私とアンニェーゼは同族の匂いを感じ取ったが...もはや、狼主とは言い難い存在だろう。』
「でも、巨獣って感じはしないわよ?あの子。」
『そうだろうな。ヤツは、ただのリーベリだ。それは間違いない。』
「鉱石病の症状が全く進行しない、影を見れない子は普通のリーベリ?...ちょっと、にわかに信じられない話よね。」
「そうなんです。私が一度、"これ"を使った時は...いくつかの声が聴こえました。」
「しかし、使った瞬間に、『人の記憶の覗き見とは、関心しないな。』という声が聞こえて、切断されてしまいました。」
「アイツの口調じゃないわね。どっちかと言えば、老いぼれみたいな口調。」
「ええ。聞いてる限りでは、丁寧な子だしね...」
「ってか、王冠が切断されるって何よ。意味わかんないんだけど。」
「シラクーザ関連、もとい狼主関連だろうけど...その狼主自身がよくわからないと言ってるなら、もうどうしようもないんじゃないか?」
「医療部の検査の限りでは、症状は進行していない、というより、その場で停滞しているように見える。進行も、治療もなされない。」
「こうなると、ケルシーの知識でも、中々難しい。獣主の、どんな姿でも、という物は身体の内面まで弄れる物なのか?」
『やろうと思えば、可能だ。しかし、正直に言うなら面倒だろう。』
『そこまでしようとする意図が理解できん。』
「...あ、そうだ。ザーロ、昔狼群から逃げだしたヤツ、いたんじゃないの?」
『いたにはいた。戦いが嫌になって逃げ出した腰抜けがな。』
『しかし、小娘はシラクーザから移動してきたのだろう?ソイツがシラクーザに戻ってきて匂いを嗅ぎつけられないほど、我々は愚鈍じゃない。』
「だが、すれ違った時に確かに匂いは感じ取ったのだろう?」
『ソイツの匂いとは程遠い...確かに、面影はあったかもしれないが。』
「獣主と先民の子って可能性は?」
『あり得ん。まず、繁殖が不可能だ。生物としての種が違う。』
「今の所だと、ファイアフライちゃんは普通のリーベリだけど、その狼主?が取り憑いている...言い方が正しいのかわからないけど、としか言えなさそうね。」
「いずれにせよ、カズデルに来てカズデルを家にしてもらってるから、面倒は見るわよ。」
「ザーロ、戻ってていいよ。」
『フン...』
「鉱石病の症状は、狼主が偽装してるんじゃないか?なら、説明も付くだろう。」
「恐らく、そうなります。」
「アーミヤちゃん。聞こえた声って、どれくらいあったの?」
「ざわざわと聞こえて、一際大きかった声がさっきの声なので...正確にはわからないです。」
「ふぅん...あのジャールの巫術はどうなの?」
「試してないですが...オペレーターを危険に晒すのも、と思いまして...」
「まあ、アンタならそういうでしょうね。」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
一日前
『...』
「うぉわっ!」
私は今、ロドス本艦にいる。
今驚いたのは、議長のあのレヴァナントの入ってるらしいランチャーが一人でにふよふよと浮いて、私の目の前に現れたから。
「...えっと、こんにちは...?それとも、お邪魔してます...?」
『カズデルにいる異種族の立場なら、後者が正しい。』
「えっと、じゃあ、お邪魔してます...」
『異種族の小娘よ。貴様は、カズデルに何を見出してそこにいるのだ?』
「えっ。」
そう言われると、パっと浮かんでこない。
流れでカズデルに到着して、そのまま住み込んで...
なんで、カズデル以外の場所に住もうと思わなかったんだろう?
『答えられぬか。』
「...すみません、少し考えさせてください。」
『または、ウィシャデルに何を見出しあやつの傍に付こうとするのだ?』
「......」
惚れた、とか言ったら
カッコイイし、カワイイとこもあるし...頼りになるし...
何を見出したか、と問われると...
「.......未来?」
『ほう。』
「カズデルにいれば、この先生きてける、とか...」
「議長と一緒にいれれば、この先何とでもなる気がする、みたいな...」
『.......』
やべ、機嫌損ねたかな...顔とかないからわからないんだけど...
『明日、カズデルの大溶炉へ来い。貴様の言う未来を、語ってみろ。』
「へっ?は、はい...」
そのまま、「ご先祖ランチャー」さんは、ふよふよと浮いて去って行った...
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「...狼主が関係してそう、という結論しか出ませんね。」
「そんなもんじゃないかい?ボク達に聞くより、本人に聞いた方が早そうだけど。」
「一度、それとなく聞いてみた事はあるんです。」
「ファイアフライさん、シラクーザから、どうやってカズデルに来たんですか?」
「歩いて...?」
「歩いてシラクーザからカズデルまで...??」
「というか、その辺の記憶が曖昧で。シラクーザで...あれ?」
「確か、親が殺されて...」
「...ファイアフライさん?」
「シラクーザ生まれって事は...合ってるはず。それで...あれ??」
「...ごめん、上手く思い出せない。」
「...そうですか。ありがとうございます。」
「...ファイアフライさん、失礼しますね...」
「えっ、なんか言った?」
「憎い...憎い..「吾の家はここではない!」.!」「痛い、痛い...」
「ははは、見てみろ!ここは、なんて面白い「雨が止まらない。早く止めばいいのにな...」」
「...声が、いくつも...?」
『ふむ。人の記憶の覗き見とは、関心しない行いであるな。』
「?!」
『出ていけ。』
「っ、う...」
「ちょ、CEO?!どうしたの、片頭痛?」
「いえ、大丈夫です...すみません、心配おかけしましたね...」
「医務室行かなくて大丈夫?送ってくよ?」
「大丈夫です。それで、経歴の続きですけれど...」
「聞いたってか経歴の質問の時じゃないの。」
「えーっと...はい。」
「アンタね。」
「ファイアフライのプロファイルは、確かシラクーザの一般家庭出身ってなってたはずだけど。」
「一時的な偽装だ。変に他のオペレーターに疑念を持たれるのはまずいから...」
「わかってるとは思うが、この会議の内容はここにいる者のみの極秘としてくれ。」
「へぇ、面白くなって来たじゃない。」
「あの子、すごいんだねぇ。片やシラクーザ、片やカズデル、サルカズに深く入り込むなんて。」
「シラクーザとカズデルは余り接点がないからな。珍しい組み合わせにもなるわけだ。」
「あら。じゃあ、イェラグにも来てもらわないといけなさそうかしら。」
「多分、大丈夫です...」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「ここが、大溶炉...」
私の目の前には、大きな溶炉があった。
カズデルのエネルギー源にして、"元"レヴァナントが燃やされていた場所。
今や、ただの機械に過ぎない...なら、レヴァナントさんはなんて私をここに呼んだんだろう?
『来たか。』『待ちわびたぞ!』『フレモントめ。前は中断されてしまったからな。』
『あやつの詫びが小娘一人を寄越す物だとは。』
「...っ、レヴァナントさんが、たくさん...?」
溶炉は今や、レヴァナントがいる場所ではないはず。
リッチの儀式が成功して...
『我らはまた戻って来た。』『あやつが約束したのでな。』『大溶炉でなくてもいい。早く聞かせろ。』『貴様の描く、未来のカズデルを...』
「ま、待って!ここは、今、普通に源石炉なんじゃないの?こんなとこに入ったら、焼け死んじゃうよ!」
『...?』『貴様が焼け死ぬ事なぞなかろう。』『貴様の周りを覆うベールの正体を知らぬのか。』『愚かな異種族め。それがなければ、既に貴様は息絶えている。』
「ベール?それ?何それ...?!」
『速く入れ。』
「わかった、わかったから引っ張らないでよ...」
目の前には、轟轟と燃える源石炉。
この中に入れ...?焼け死ねと?!
「...でも、これで、サルカズのご先祖が喜ぶなら.,.議長のためにもなるかもしれないし...!」
「っ、えーいっ!」
炉の中は燃えている...しかし、私は熱さを感じない。
見れば、私の周りには...
既に、見た事のない風景が広がっていた。
~~語り手の目録-ファイアフライ 新たな繋がり
やりたい事だけやってます...
ローグに絡ませるのはマジでやってみたかっただけです、サルカズローグはEND3までしか回収できてません。ので、割と齟齬が生じるような気がします。見逃してください。