新生バベルのトランスポーター   作:tto2098ut

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業務日誌 8日目

「...今日お集まりいただいたのは他でもありません。」

 

「にしては随分なメンバーね。全くもって人員が意味不明なんだけど?」

 

「残念ながらそうね。はっきり言ってこのメンバーで話す事項が全く浮かばないわ。」

 

「あっははっ!随分な言い草じゃないか。でも、実際よくわからいメンツではあるね。」

 

「オペレーター、ファイアフライさんについてです。」

 

「へぇ...あの子かい?とは言っても、わかる事なんてないと思うけど。」

 

「イネスさん、ウィシャデルさんは...ファイアフライさんはカズデルによくいらっしゃるようなので。」

「ラップランドさん、テキサスさんはシラクーザの...主に、狼主について。」

「イェラさんは...巨獣について。」

 

「あら。私でよかったの?」

 

「ええ。恐らく、適任でしょうから...」

「ドクターとMon3trさんは、同じく統轄係として、そこにいてください。」

 

「承ったぞ!」

 

「わかった...進行はアーミヤがする、でいいんだね?」

 

「はい。」

「ロドスは色々と...言ってしまえば、テラにまつわる秘密を多く抱えている組織です。」

「ニェンさんの素性もはっきりしていませんし、"海"だって...」

「しかし、全く想像がつかない、というのはこれが初めてです。」

 

「まあ、そうねえ。イネス、あんた見たんじゃないの?あいつの影。」

 

「...見た事はあるわ。でも、見えなかった、が正確かしら。」

 

「はぁ?タルラの影を見た時は見えちゃいけなかった物が見えたんでしょ?なら、何も見えないって何よ。」

 

「...何かで覆い隠されている、と表現しましょうか。その方があなたもわかりやすいでしょうから。」

 

「覆い隠されてる、ねぇ。ほら、ザーロ。出番だよ。」

 

『チッ。狼遣いが荒いな、貴様は。』

 

「これ、私は必要なのか?狼主は私より余程ラップランドの方が詳しいと思うが。」

 

「何言ってんのさ!せっかく面白そうな機会なんだから、誘わないわけにはいかないでしょ?」

 

「...はあ。」

 

『獣主は見せたい姿を自在に変える事ができる。それは、狼主も同様だ。』

『確かに、私とアンニェーゼは同族の匂いを感じ取ったが...もはや、狼主とは言い難い存在だろう。』

 

「でも、巨獣って感じはしないわよ?あの子。」

 

『そうだろうな。ヤツは、ただのリーベリだ。それは間違いない。』

 

「鉱石病の症状が全く進行しない、影を見れない子は普通のリーベリ?...ちょっと、にわかに信じられない話よね。」

 

「そうなんです。私が一度、"これ"を使った時は...いくつかの声が聴こえました。」

「しかし、使った瞬間に、『人の記憶の覗き見とは、関心しないな。』という声が聞こえて、切断されてしまいました。」

 

「アイツの口調じゃないわね。どっちかと言えば、老いぼれみたいな口調。」

 

「ええ。聞いてる限りでは、丁寧な子だしね...」

 

「ってか、王冠が切断されるって何よ。意味わかんないんだけど。」

 

「シラクーザ関連、もとい狼主関連だろうけど...その狼主自身がよくわからないと言ってるなら、もうどうしようもないんじゃないか?」

 

「医療部の検査の限りでは、症状は進行していない、というより、その場で停滞しているように見える。進行も、治療もなされない。」

「こうなると、ケルシーの知識でも、中々難しい。獣主の、どんな姿でも、という物は身体の内面まで弄れる物なのか?」

 

『やろうと思えば、可能だ。しかし、正直に言うなら面倒だろう。』

『そこまでしようとする意図が理解できん。』

 

「...あ、そうだ。ザーロ、昔狼群から逃げだしたヤツ、いたんじゃないの?」

 

『いたにはいた。戦いが嫌になって逃げ出した腰抜けがな。』

『しかし、小娘はシラクーザから移動してきたのだろう?ソイツがシラクーザに戻ってきて匂いを嗅ぎつけられないほど、我々は愚鈍じゃない。』

 

「だが、すれ違った時に確かに匂いは感じ取ったのだろう?」

 

『ソイツの匂いとは程遠い...確かに、面影はあったかもしれないが。』

 

「獣主と先民の子って可能性は?」

 

『あり得ん。まず、繁殖が不可能だ。生物としての種が違う。』

 

「今の所だと、ファイアフライちゃんは普通のリーベリだけど、その狼主?が取り憑いている...言い方が正しいのかわからないけど、としか言えなさそうね。」

 

「いずれにせよ、カズデルに来てカズデルを家にしてもらってるから、面倒は見るわよ。」

 

「ザーロ、戻ってていいよ。」

 

『フン...』

 

「鉱石病の症状は、狼主が偽装してるんじゃないか?なら、説明も付くだろう。」

 

「恐らく、そうなります。」

 

「アーミヤちゃん。聞こえた声って、どれくらいあったの?」

 

「ざわざわと聞こえて、一際大きかった声がさっきの声なので...正確にはわからないです。」

 

「ふぅん...あのジャールの巫術はどうなの?」

 

「試してないですが...オペレーターを危険に晒すのも、と思いまして...」

 

「まあ、アンタならそういうでしょうね。」

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

一日前

 

『...』

 

「うぉわっ!」

 

私は今、ロドス本艦にいる。

今驚いたのは、議長のあのレヴァナントの入ってるらしいランチャーが一人でにふよふよと浮いて、私の目の前に現れたから。

 

「...えっと、こんにちは...?それとも、お邪魔してます...?」

 

『カズデルにいる異種族の立場なら、後者が正しい。』

 

「えっと、じゃあ、お邪魔してます...」

 

『異種族の小娘よ。貴様は、カズデルに何を見出してそこにいるのだ?』

 

「えっ。」

 

そう言われると、パっと浮かんでこない。

流れでカズデルに到着して、そのまま住み込んで...

なんで、カズデル以外の場所に住もうと思わなかったんだろう?

 

『答えられぬか。』

 

「...すみません、少し考えさせてください。」

 

『または、ウィシャデルに何を見出しあやつの傍に付こうとするのだ?』

 

「......」

 

惚れた、とか言ったらあれ(デイブレイクバースト)喰らうだろうな...

カッコイイし、カワイイとこもあるし...頼りになるし...

何を見出したか、と問われると...

 

「.......未来?」

 

『ほう。』

 

「カズデルにいれば、この先生きてける、とか...」

「議長と一緒にいれれば、この先何とでもなる気がする、みたいな...」

 

『.......』

 

やべ、機嫌損ねたかな...顔とかないからわからないんだけど...

 

『明日、カズデルの大溶炉へ来い。貴様の言う未来を、語ってみろ。』

 

「へっ?は、はい...」

 

そのまま、「ご先祖ランチャー」さんは、ふよふよと浮いて去って行った...

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

「...狼主が関係してそう、という結論しか出ませんね。」

 

「そんなもんじゃないかい?ボク達に聞くより、本人に聞いた方が早そうだけど。」

 

「一度、それとなく聞いてみた事はあるんです。」

 

 

 

「ファイアフライさん、シラクーザから、どうやってカズデルに来たんですか?」

 

「歩いて...?」

 

「歩いてシラクーザからカズデルまで...??」

 

「というか、その辺の記憶が曖昧で。シラクーザで...あれ?」

「確か、親が殺されて...」

 

「...ファイアフライさん?」

 

「シラクーザ生まれって事は...合ってるはず。それで...あれ??」

「...ごめん、上手く思い出せない。」

 

「...そうですか。ありがとうございます。」

「...ファイアフライさん、失礼しますね...」

 

「えっ、なんか言った?」

 

 

 

「憎い...憎い..「吾の家はここではない!」.!」「痛い、痛い...」

「ははは、見てみろ!ここは、なんて面白い「雨が止まらない。早く止めばいいのにな...」」

 

「...声が、いくつも...?」

 

『ふむ。人の記憶の覗き見とは、関心しない行いであるな。』

 

「?!」

 

『出ていけ。』

 

 

 

 

「っ、う...」

 

「ちょ、CEO?!どうしたの、片頭痛?」

 

「いえ、大丈夫です...すみません、心配おかけしましたね...」

 

「医務室行かなくて大丈夫?送ってくよ?」

 

「大丈夫です。それで、経歴の続きですけれど...」

 

 

 

「聞いたってか経歴の質問の時じゃないの。」

 

「えーっと...はい。」

 

「アンタね。」

 

「ファイアフライのプロファイルは、確かシラクーザの一般家庭出身ってなってたはずだけど。」

 

「一時的な偽装だ。変に他のオペレーターに疑念を持たれるのはまずいから...」

「わかってるとは思うが、この会議の内容はここにいる者のみの極秘としてくれ。」

 

「へぇ、面白くなって来たじゃない。」

 

「あの子、すごいんだねぇ。片やシラクーザ、片やカズデル、サルカズに深く入り込むなんて。」

 

「シラクーザとカズデルは余り接点がないからな。珍しい組み合わせにもなるわけだ。」

 

「あら。じゃあ、イェラグにも来てもらわないといけなさそうかしら。」

 

「多分、大丈夫です...」

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

「ここが、大溶炉...」

 

私の目の前には、大きな溶炉があった。

カズデルのエネルギー源にして、"元"レヴァナントが燃やされていた場所。

今や、ただの機械に過ぎない...なら、レヴァナントさんはなんて私をここに呼んだんだろう?

 

『来たか。』『待ちわびたぞ!』『フレモントめ。前は中断されてしまったからな。』

『あやつの詫びが小娘一人を寄越す物だとは。』

 

「...っ、レヴァナントさんが、たくさん...?」

 

溶炉は今や、レヴァナントがいる場所ではないはず。

リッチの儀式が成功して...

 

『我らはまた戻って来た。』『あやつが約束したのでな。』『大溶炉でなくてもいい。早く聞かせろ。』『貴様の描く、未来のカズデルを...』

 

「ま、待って!ここは、今、普通に源石炉なんじゃないの?こんなとこに入ったら、焼け死んじゃうよ!」

 

『...?』『貴様が焼け死ぬ事なぞなかろう。』『貴様の周りを覆うベールの正体を知らぬのか。』『愚かな異種族め。それがなければ、既に貴様は息絶えている。』

 

「ベール?それ?何それ...?!」

 

『速く入れ。』

 

「わかった、わかったから引っ張らないでよ...」

 

目の前には、轟轟と燃える源石炉。

この中に入れ...?焼け死ねと?!

 

「...でも、これで、サルカズのご先祖が喜ぶなら.,.議長のためにもなるかもしれないし...!」

「っ、えーいっ!」

 

炉の中は燃えている...しかし、私は熱さを感じない。

見れば、私の周りには...

 

既に、見た事のない風景が広がっていた。

 

 

~~語り手の目録-ファイアフライ  新たな繋がり




やりたい事だけやってます...
ローグに絡ませるのはマジでやってみたかっただけです、サルカズローグはEND3までしか回収できてません。ので、割と齟齬が生じるような気がします。見逃してください。
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