『三好in艦これ1945』   作:零戦

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第十一話 最高戦争指導会議

 

 

 

 

 

 

 3月28日、将和と清、それに付き添いで艦娘の五十鈴と香取、龍田と工廠と兵器妖精さんら数人と共に東京に上京していた。上京した理由は最高戦争指導会議に出席する為であった。

 議題は『今後採るべき戦争指導の基本大綱』であり史実より二月程早い会議だった。

 

「まずは約2ヶ月に渡る南号作戦の支援、真にありがとうございます」

 

 議長役として小磯総理が席を立ち、将和らに頭を下げる。それに続き、陸軍大臣の杉山元元帥陸軍大将、海軍大臣の米内光政海軍大将も席を立ち将和らに頭を下げるのである。

 

「いえ、作戦が成功したのも一重に皆様方の調整等のおかげであります。我々だけの力ではありません」

 

 将和も形式的にではあるが席を立ち小磯らに頭を下げるのである。なお、第一次から第三次南号作戦において約280万キロリットルの還送に成功し史実以上の戦果を収める事になる。

 

「ですが、南号作戦は以後も継続的に実施すべきでしょう。米軍の出方は不明ですが、国内の備蓄も危ういので」

「ふむ……海軍大臣と陸軍大臣、その辺りは是非とも淡路島警備府と協力してもらいたい」

「無論です」

「その通りですな」

 

 小磯の言葉に杉山と米内は力強く頷くのである。

 

「次に陸海軍の状況だが……お二人ともご説明をお願いする」

「は、では陸軍から……陸軍は淡路島警備府の工廠妖精さんと協力して三好長官の世界で使用されていた九七式中戦車——我々だと四式中戦車の生産配備増強中です。航空機も戦闘機に関しては五式戦闘機二型、五式双戦『火龍』を増産して配備中です」

 

 陸軍は淡路島警備府で配備されていた九七式中戦車を四式中戦車『チト』として採用、その第一陣40両は既に比島に送られ大活躍をしている。他にも硫黄島の戦車第26連隊に20両が送られ連隊長の西大佐をして「この戦車なら米軍のM4中戦車なんぞ一撃で破壊出来る」と豪語させている。

 五式戦闘機は史実と同じく機体は三式戦闘機『飛燕』で発動機は金星発動機であるが二型は淡路島警備府が保有する零戦54型と同じ金星七三型(1,760hp 水メタノール噴射装置付)でありこれを搭載した二型は一型よりも大幅に速度は向上し624キロを出せるようになったのである。

 なお、五式双戦『火龍』は淡路島警備府が保有している『橘花』を陸軍式に改めた機体であり陸軍は関東と九州方面には60機前後、関西には30機前後を配備していた。

 

「次に海軍ですが、現在は小型艦艇を中心に建造及び再編成をしつつあります。航空機も淡路島警備府から譲渡、生産配備しつつ零戦54型を主軸に『烈風』局戦『震電』噴式局戦『橘花』を生産配備しています」

 

 海軍はそれまで生産していた零戦52型丙や紫電改、雷電等の戦闘機は全て生産停止とし代わりに零戦54型、艦戦『烈風』局戦『震電』噴式局戦『橘花』の生産のみに絞っていた。余裕が出れば他の戦闘機の再生産も開始とするとの事だ。なお、紫電改の生産停止に一番反対したのは源田大佐の第343航空隊である。343空は紫電改と紫電を元に編成していたので源田大佐は紫電改の生産停止に大反対をしたのだ。

 しかし、GF司令部や軍令部は源田大佐の意見具申を無視し「我が儘を言うのであれば予備役にさせる」とピシャリと告げ二の矢を言わなくしたのだ。流石に源田大佐もそれ以上は言わなくなったが将和もまぁ可哀想やろとして淡路島警備府に配備していた艦戦『陣風』を提供すると『陣風』の操縦性能に惚れ、今度は「『陣風』を大量生産すれば戦局を挽回出来る」とのたうち回り関係者を呆れさせるのであった。

 他にも『震電』は五式局戦『震電』とし、『橘花』は五式噴式局戦『橘花』として採用、関東及び九州方面にはそれぞれ60機前後、関西方面には30機ずつ前後を現在のところ配備しB-29の侵入を防いでいるのである。

 また、聯合艦隊も工廠妖精さん達のパワーにより小型艦艇の就役が相次ぎ、再編成を行っている。以下が現在の聯合艦隊の編成であった。

 

 聯合艦隊

 司令長官 豊田副武大将

 参謀長 草鹿龍之介中将

 首席参謀 神大佐

 司令部 日吉

 

 

 第二艦隊

 司令長官 宇垣纏中将

 参謀長 森下信衛少将

 旗艦『大和』

 第一戦隊

 『大和』『長門』

 第三戦隊

 『足柄』『羽黒』『青葉』『利根』

 第九戦隊

 『北上』

 第二水雷戦隊

 『矢矧』

 第七駆逐隊

 『潮』『響』

 第十七駆逐隊

 『磯風』『浜風』『雪風』

 第二十一駆逐隊

 『朝霜』『初霜』『霞』

 第四水雷戦隊

 『酒匂』

 第四十三駆逐隊

 『桐』『杉』『樫』『楢』

 第五十三駆逐隊

 『櫻』『柳』『椿』『楓』

 

 

 

 第一機動部隊

 司令長官 山田定義中将

 参謀長 矢野志加三少将

 旗艦『天城』

 第一航空戦隊

 『天城』『葛城』

 第二戦隊

 『榛名』

 第六戦隊

 『大淀』

 第四十一駆逐隊

 『冬月』『涼月』『春月』『宵月』

 第四十五駆逐隊

 『夏月』『花月』

 第五十二駆逐隊

 『榧』『槇』『萩』『梨』

 第五十四駆逐隊

 『欅』『橘』『楡』『蔦』

 

 

 小型艦艇の就役が相次いで可能となったのは転移してきた『伊勢』『日向』『高雄』『妙高』の乗員が余っていたからでありGFも余っていた彼等を無駄にするわけにはいかなかったのだ。また、米内はこれまでの功績により豊田からGF司令長官を代えるつもりでいた。

 今のところの候補は支那方面艦隊司令長官をしている近藤大将か軍令部次長を担っている小沢治三郎中将のどちらかとなっているが米内の中では軍事参議官の枠が空いていたので豊田を軍事参議官とし近藤をGF司令長官にし小沢を第五航空艦隊司令長官にする案があった。

 しかし、将和が見せた歴史映像の中で小沢は過去に「飛行機を弾丸と考える」という発言からパイロット軽視にも読み取れるので米内は戦雲がありつつあった第五航空艦隊司令長官に据える事にもしていた。その為、近藤が聯合艦隊司令長官になるのは最早確定していたのである。

 

「三好長官、何かありますか?」

 

 陸海軍の報告も終わり小磯は将和に振ると将和も具申があったので席を立つ。

 

「我が淡路島警備府としては日本の工業力向上として工作機械を提供します。どれも工業には欠かせない代物です」

 

 将和は紙を小磯らに配り目を通して貰う。そして工廠妖精さん代表としてヒラガ技師が席を立つ。

 

「工廠妖精としては日本海軍の復活を担いたいという思いはあります。そこで工廠妖精の更なる増援を横須賀、呉、佐世保、神戸に派遣したいと思います」

「それは有り難いが……淡路島の方は大丈夫なのかね?」

「問題はありません。淡路島は気付いたら妖精が増えているので手が余る状況なので……ヒラガ技師、どれくらいの人数を派遣するつもりで?」

「そうですなぁ……横須賀で2000、呉で3000、佐世保に2000、神戸で1000くらいですな」

「そ、そんなにもかね!? 前も派遣はしてもらってはいるが……」

「心配はいりますまい。まぁ糧食は淡路島からも出しましょう。三好長官もそれで宜しいか?」

「まぁそれは良いけど……」

「あの……兵器工廠妖精もそれくらい出すつもりですが……」

 

 おずおずと兵器工廠妖精代表のホリコシ技師がそう言うと将和は苦笑するしか出来ず、米内や杉山らは驚くしかなかったのである。

 

「陸軍の生産方針は決まっているが海軍としては……」

「まぁ戦艦も空母も欲しいですわな……ヒラガ技師、どうですか?」

「一先ずは駆逐艦、巡洋艦の再整備ですな。空母は『雲龍』型を量産すれば宜しい。戦艦は……厳しくなりますな」

「駆逐艦となると……『松』型や『橘』型かい?」

「それもありますが……三好長官の世界で配備された『夕雲』型が主になりましょう。対空対潜を行えますからな」

「まぁ確かに……」

「巡洋艦は乙級は三好長官の世界で配備していた改『阿賀野』級、甲級は史実の改『鈴谷』級でしょう。妖精さんを派遣してくれたら総動員して……1隻でだと……進水は一週間、艤装で10日間……二週間と少しで竣工するでしょうな。取り敢えずは2隻ずつ整備して……甲巡6隻、乙巡6隻は揃えましょう」

「オォッ、それは僥倖だ」

 

 ヒラガ技師の言葉に米内は眼を輝かせる。日本の工業力以上の力を発揮する妖精さんには米内や杉山は元より小磯や陛下も頭が上がらないのである。

 

「ヒラガ技師、宜しくお願いします」

「はい。フジモト技師らと協力しましょう」

 

 将和の言葉にヒラガ技師は頷くのである。なお、工廠妖精さん達の派遣は行なわれ、結果として6月には改『阿賀野』級2隻、改『鈴谷』級2隻が就役するのである。

 

「次の戦局ですが恐らくは硫黄島か沖縄になるでしょう」

「それは予想はして戦力や糧食の輸送は逐次行ってはいる」

「比島も奪回せねばなりません。大陸からの撤退状況はどうなっていますか?」

「何とか岡村大将が統制を行っているから比較的穏やかな撤退にはなっている」

 

 大陸は撤退の方向で動いていた。支那派遣軍も最初は反対していたが岡村大将が了承した事で渋々ではあるが撤退を逐次開始していた。支那派遣軍は満州との国境線にまで後退すると解散を予定しており大部分の戦力は満州の関東軍に投入されるが一部の師団等は比島奪回の兵力として動員される事になっていた。

 無論、比島奪回軍の司令官には岡村大将が内定しており司令部も支那派遣軍司令部がそのまま流用される形であった。

 その為比島奪回は4月中旬以降と定められたのである。

 対してアメリカではある作戦が3月30日から開始される事になった。

 

 

 

 

 

 

 

「しかしニミッツ長官、この作戦は発令して宜しかったのでしょうか?」

「……みなまで言うな参謀長」

 

 オアフ島米太平洋艦隊司令部では米太平洋艦隊司令長官のニミッツ大将とマクモリス参謀長が話していた。

 

「プレジデントの体調が思わしくないようだ……せめて死ぬ前にイオー・ジマとオキナワを攻略したい……そういうプレジデントの意向も含まれている」

「ですが、プレジデントの意向よりも艦隊が損耗すれば……」

「分かっている。だが作戦は発令されたのだ。やるしかあるまい」

「……………」

 

 ニミッツ長官の言葉にマクモリス参謀長はそれ以上は言えなかった。米軍は行動を開始したのだ。最早それは作戦完遂まで止まる事は許されなかったのである。

 

「空母は何とか揃えたが……肝心の中身はまだ今一つ……だがそれでもやるしかあるまい」

 

 米海軍は正規空母『ヨークタウン2』『レキシントン2』軽空母『カボット』『カウペンス』『ラングレー』『サン・ジャシント』を喪失したが新たに正規空母『アンティータム』繰り上げて『ボクサー』『レイク・シャンプレイン』が就役している。他にも『プリンストン』『タラワ』等も就役を急がせていたが今の段階では難しい事であった。軽空母も『サイパン』級の2隻を急がせてはいたが到底間に合わないのである。

 

「参謀長、今我々がやれるのは無事に作戦が完遂する事を祈るしかあるまい……」

 

 ニミッツ大将はマクモリス参謀長にそう言うのであった。そして3月30日、硫黄島から一通の電文を受信したのである。

 

『硫黄島沖合ニテ米軍視認。上陸船団ヲ伴ウ』

 

 後に『硫黄島の戦い』と呼ばれる戦いの始まりであった。

 

 

 

 

 




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