『三好in艦これ1945』   作:零戦

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第十五話 沖縄沖海戦その1

 

 

 

 

 

 

 

 

 4月9日、鹿屋に司令部がある第五航空艦隊は全力での航空攻撃を実施した。無論、淡路島鎮守府の航空隊もそれを全力で支援する事になる。

 徳之島には第五航空艦隊の第203空が展開していたがそこに淡路島鎮守府の烈風隊も進出する事になった。その烈風隊のパイロットの中には淡路島鎮守府に配属された事で復活を遂げた坂井三郎も名を列ねていたのである。

 

「沖縄が日本の天王山ですね笹井中隊長」

「あぁ。我々が負けるわけにはイカンさ」

 

 淡路島鎮守府の航空隊は第203空より先に離陸し沖縄の制空権を獲得する為に米機動部隊のF6Fと激しい空戦を展開するのである。その烈風隊を尻目に第203空と奄美大島に進出した第五航空艦隊の第701空は沖永良部島沖に展開する米前衛部隊の『ピケットライン』を攻撃する事になった。

 攻撃には噴進弾を利用した。これはピケットラインを構成するのが駆逐艦であると淡路島鎮守府からの情報を入手しており第五航空艦隊司令長官の小沢中将は噴進弾で敵駆逐艦を損傷させその隙に三好艦隊と第一機動部隊を突入させる支援案を採用したのである。

 

「ガッデム!! このところジャップの攻撃が激しくないか!!」

「全くだ!! 出撃前には30隻もいたピケットラインはもう18隻になっちまった!? それもこれもミッチャーの親父のせいだよ!! 例の『ヤマト』を助けた艦隊を捜索するのに必死なんだよ!!」

 

 駆逐艦上で水兵達が20ミリ機関砲を操作しながら接近してくる零戦隊に機銃を放っていた。だが零戦隊は次々と噴進弾を発射して離脱していく。

 

「敵のロケット弾が『マッコード』に!?」

「撃て撃て!! ロケット弾を撃ち落とせ!!」

 

 水兵達は20ミリ機関砲を撃ちまくるも駆逐艦『マッコード』は零戦から発射された噴進弾——『五式三番二七号爆弾』(通称30キロ対艦噴進弾)が5発が命中、5インチ砲等が吹き飛び誘爆して爆沈するのである。

 

「クソッ!! 『マッコード』が!?」

「Shit!!」

 

 水兵達はそれでも20ミリ機関砲を撃ちまくるが第203空等の攻撃が終わる頃には更に2隻の駆逐艦が撃沈されピケットラインは穴が空いた状態であった。

 その穴が空いた状態で三好艦隊は『加賀』以下の空母とその護衛艦艇を分離し山田中将の第一機動部隊と合流するのである。

 

「長官……お気をつけて……」

 

 加賀は自らの防空指揮所にて去りゆく『武蔵』らの艦隊を見ながら敬礼を送るのであった。

 そして三好艦隊では将和が更なる艦隊の分割を思案していた。

 

「艦隊を分割すると?」

「あぁ。伊江島に敵が上陸して陸さんが破壊した航空基地を復旧させようとしている。早期に使用されるのはマズイからな。俺としては『伊勢』『日向』『山城』の3隻を主力に艦砲射撃を以て伊江島の航空基地を破壊したい。また、沖縄北部への艦砲射撃も企図している」

「それは分かる。しかし、奴等の戦艦部隊が北上している。無闇に分割すれば各個撃破される可能性もあるぞ」

 

 将和の言葉に武蔵はそう反論する。航空偵察によりリー中将の戦艦部隊が北上しているのが確認されていた。現在は伊平屋島沖に展開しているが此方を狙っているのは明白であった。

 

「フム……駄目か」

「あぁ、駄目だろうな」

「なら仕方ない。プラン乙だ。五航艦司令部に打電だ、『作戦乙発動』だ」

「まぁ……プラン乙と言っても五航艦の全力攻撃だがな」

 

 武蔵は苦笑する。五航艦には淡路島鎮守府も協力しており、イ号一型甲無線誘導弾等提供して第721空等は爆撃訓練に励んできていたのだ。

 『武蔵』から発信した電文は鹿屋にて受信し小沢中将は全力出撃を発令したのである。

 

「全機出撃!! 出し惜しみをするな!!」

 

 鹿屋から第721空39機、第762空40機、淡路島鎮守府の陸攻84機が出撃し徳之島から淡路島鎮守府の烈風150機、第203空の零戦60機も出撃するのである。

 その一方で山田中将の第一機動部隊は『加賀』らと合流後、『加賀』からの隊内電話に驚愕していた。

 

「何ですと!? 敵機動部隊の攻撃ではなく上陸船団と上陸部隊への攻撃をすると!?」

『はい。敵機動部隊への攻撃は五航艦に集中すべきです』

「しかし、我々も攻撃は……」

『山田司令の気持ちは分かります……しかし、漸く再建した母艦航空隊を此処で壊滅させてはなりませんッ』

「ッ」

 

 加賀の言葉に山田中将は息を呑む。確かに漸く再建した母艦航空隊である第601空と第652空を変な投入をして壊滅させれば折角再建した時間と労力が無駄になるのである。加賀の言葉に山田中将は深い溜め息を吐いてから決断した。

 

「……分かりました。敵上陸船団と上陸部隊の攻撃を優先しましょう」

『御英断感謝します』

 

 電話を切ると山田中将は奥宮航空参謀に向かって叫ぶ。

 

「奥宮!! 攻撃隊の発艦準備を急がせろ!! 我々第一機動部隊は敵上陸部隊と上陸船団の攻撃を優先する!!」

「はッ!! 攻撃隊発艦準備!!」

 

 斯くして第一機動部隊と『加賀』らの淡路島艦隊は攻撃隊を準備出来次第、沖縄に向けて発艦させたのである。そして鹿屋から離陸した五航艦の攻撃隊は米第58任務部隊上空に到着し攻撃を開始していた。

 

「親分!! 敵の空母は多いですぜ!!」

「馬鹿野郎!! ソイツは選り取り見取りってやつだ!!」

 

 部下の報告に第721空飛行隊長の野中五郎少佐は米第58任務部隊を見ながらニヤリと笑みを浮かべる。

 

「敵戦闘機はどうした?」

「味方の戦闘機が完全に抑えていやすぜ」

「ありがてぇこった。命を賭けて俺達を守ってくれている」

 

 そうしているうちに誘導役の彩雲3機が両翼下に搭載し大量に入っている電探欺瞞紙が入った燃料タンクを投下、落下途中で燃料タンクが割れて中から電探欺瞞紙が第58任務部隊に散布されたのである。

 

「駄目です、対空レーダーは使用不能です!!」

「おのれジャップ!! 対空砲火、撃て撃てェェェェェ!! 奴等を近づけさせるなァァァァァァァァァ!!」

 

 ミッチャー中将はそう叫び上空を見つめる。敵攻撃隊が飛来する前に何とかF6Fを160機程発艦させる事には成功したが、淡路島鎮守府の烈風隊や第203空の零戦隊の空戦に阻まれ野中達の攻撃隊に近づくどころか追い回され逃げ回る羽目になっていた。

 その為、攻撃隊は邪魔される事なく爆撃に集中出来たのである。

 

「チョイ右……チョイ右……ヨォーソロォー!!」

 

 爆撃手が誘導しつつ照準を正規空母に合わせて投下した。

 

「用ぉぉぉ意……撃ェッ!!」

 

 攻撃隊は次々とイ号一型甲無線誘導弾を投下していく。投下されたのを見た米第58任務部隊は混乱する。

 

「『バシー海峡の悲劇』を投下しやがった!! 回避だ回避!!」

「撃ちまくれ!!」

 

 各空母は回避運動に移行するが、無線誘導により回避運動や対空砲火をものともせずにイ号弾は次々と空母に命中するのである。

 

「ひ、被害報告!!」

 

 衝撃で床に倒れたミッチャー中将は野球帽を被り直しながら叫ぶ。

 

「『イントレピッド』『フランクリン』被弾!! 4〜5発が命中しています!! 他にも『ランドルフ』『バンカー・ヒル』にも被弾!! 『バターン』は大傾斜しています!!」

「おのれジャァァァァァァァァァァップ!!」

 

 部下からの報告にミッチャー中将は叫ぶ。イ号弾は『イントレピッド』『フランクリン』『ランドルフ』『バンカー・ヒル』『バターン』に命中していた。特に『イントレピッド』『フランクリン』は5発程度が命中しており飛行甲板は完全に使用不能であった。

 また、軽空母『バターン』は艦橋にイ号弾が飛び込み爆発、艦橋は四散し艦長以下艦橋にいた全員が戦死する有様である。他にも『ランドルフ』『バンカー・ヒル』もイ号弾が命中していたがかろうじて飛行甲板は使用出来るくらいであった。

 結局、『イントレピッド』『フランクリン』は後退する事になる。後に沖縄沖海戦後、軍令部が地上攻撃と上陸船団攻撃を優先した第一機動部隊を批難するが話を聞いた将和や近藤長官等は「軍令部にいる連中はミッドウェーを思い出さないのか」と逆に批難した程であった。

 それはともかく、沖縄沖における初戦は日本軍が勝利するのであった。

 

 

 

 

 

 

 




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