『三好in艦これ1945』   作:零戦

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第五話 第一次南号作戦前編

 

 

 

 

 

 

 

 

「第101戦隊司令官の澁谷です。お二人の事は護衛総隊司令部を通して伺っております」

「淡路島警備府艦隊司令長官の三好です」

「同じく長谷川です」

 

 1月13日にシンガポールに入港した将和と清の艦隊、将和と清はそのまま第101戦隊司令部がある旗艦『香椎』に乗艦し司令官である澁谷少将と面会をしていた。

 

「沈んだ艦艇が英霊と共に生き返って新たな兵装を搭載したりとか……人生何が起きるか分かりませんな」

「ハハハ、かもしれませんな。ですが今は……」

「はい。あの船団を無事に内地に戻す必要があります」

 

 澁谷はそう言いつつ、セレター軍港等に停泊している資源船団を見る。シンガポールに停泊している資源船団はヒ86船団、ヒ87船団(復路時も特例による使用)、ヒ88A〜88C船団が待機しており合わせてもタンカー15隻、貨物船8隻の大船団であった。しかしながら航海速力は8ノット程度であり復路も危険は伴っていたのだ。

 だからこそ澁谷少将は淡路島警備艦隊の陣容を聞いて安堵の息を吐いたのである。

 なお、淡路島警備艦隊の陣容は以下の通りである。

 

 

三好艦隊

戦艦5隻

『武蔵』『陸奥』『金剛』『伊勢』『山城』

空母4隻

『加賀』(旗艦)

【烈風108機】

『雲龍』

【烈風69機】

『隼鷹』

【零戦54機 彩雲12機】

『グラーフ・ツェッペリン』

【零戦50機 彩雲6機】

重巡4隻

『高雄』『妙高』『那智』『鈴谷』『摩耶』

軽巡2隻

『五十鈴』『大井』

駆逐艦1隻

『長波』

長谷川艦隊

戦艦1隻

『日向』

空母5隻

『飛鷹』

【零戦54機 彩雲12機】

『瑞鳳』

【零戦57機】

『蒼龍』

【烈風78機 彩雲6機】

『千歳』

【零戦59機】

『千代田』

【零戦59機】

甲巡(航巡)3隻

『衣笠』

『筑摩』【瑞雲19機】

『熊野』

乙巡4隻

『夕張』『鬼怒』『川内』『龍田』(総旗艦)

駆逐艦13隻

『漣』『皐月』『叢雲』『時津風』『沖波』『松』『竹』『秋雲』『白露』『山風』『朝潮』『早潮』『梅』

海防艦18隻

『日振』『大東』『昭南』『択捉』『佐渡』『対馬』『平戸』『松輪』『福江』『御蔵』『倉橋』『屋代』『鵜来』『稲木』『第四号』『第二十二号』『第三◯号』『能美』

 

 澁谷少将もこれだけの艦艇がいるなら必ず内地に到着すると思っていた。

 

「復路中、我が艦隊だけは分離してリンガエン湾に上陸した米軍に対し艦砲射撃を企図しています」

「リンガエン湾に!?」

「はい。比島守備軍も多少は楽になるでしょう」

 

 この時、将和は比島守備軍の損害は1日でも遅らせるために地上攻撃を企図していた。史実では1月9日に米第6軍の4個師団がリンガエン湾に上陸していた。今世界も同日に上陸していたが、ルソン海峡でハルゼーの第三艦隊が台湾からの航空攻撃を受け敗北、敗走した事で狂い出してきた。

 第三艦隊を攻撃した入佐中佐の爆撃隊はそのまま台湾に留まり、第一次南号作戦が完遂されるまで比島を航空攻撃する腹であった。実際にリンガエン湾に米軍が上陸すると攻撃隊を出して上陸した4個師団に手痛い損害を与えていた。

 それにより4個師団は思うように内陸部へ進む事が出来なかった。また、4個師団が停滞した事で第23師団も更なる防御陣地の構築にも成功し防御戦闘で4個師団の進撃を遅らせていたのだ。

 

「分かりました。そちらの艦隊運用はお任せします」

「ありがとうございます。全艦無事に内地へ戻りましょう」

 

 そう言って将和と澁谷少将は握手をするのである。1月16日、将和の艦隊はシンガポールを出撃した。将和の艦隊は駆逐艦が『長波』しかいないので清の艦隊から『松』『竹』『梅』以外の駆逐艦10隻を借りての出撃であった。

 

「フム……思っていた以上に米軍の抵抗は少ないな……」

「やはりルソン海峡でハルゼーの第三艦隊を叩いたのが効いているのでしょう」

「それならそれで良いんだがな」

 

 加賀の言葉に将和は苦笑しつつ略帽を脱いで頭をポリポリとかく。

 

「偵察によればリンガエン湾には旧式戦艦群の第七艦隊がまだ陣取っているようです」

「なら我々で蓋をしてやろうか」

「ですね」

「そうなると……旗艦を移すか」

「……やむを得ません……」

 

 将和の言葉に加賀も仕方なく同意する。加賀本人は旗艦の変更をしてもらいたくないが、今回ばかりは戦艦が主役になると分かっているのだろう。そんな加賀を見て将和は苦笑しつつも加賀の頭を撫でるのであった。

 ちなみに旗艦は『加賀』から『武蔵』に変更され将和は『武蔵』に移動するのである。

 

「フ、随分待たせたな相棒?」

「済まんな。だが出番はあるぞ武蔵?」

「ソイツは素敵だな。だがまずは……」

 

 将和の言葉に武蔵は笑みを浮かべるが将和の肩を掴む。

 

「リンガエン湾に着くまでは暇だ。部屋で私と付き合ってもらうぞ相棒?」

「……お手柔らかに頼むよ……」

 

 ニィッと笑みを浮かべる武蔵に将和は降参とばかりに両手を上げ武蔵はわが意を得たりとばかりに鼻歌を歌いつつ自身の部屋に将和を招き入れるのであった。なお、その話を後から聞いた金剛が悔しさの悲鳴をあげたとかないとか……。ちなみに加賀はムスッといじけていたりする。

 翌17日、将和の艦隊はパラワン島を北上していたが、各艦の対空電探が接近する編隊を探知した。

 

「恐らくは敵の爆撃機だろう。加賀に発光信号、直ちに迎撃隊を発艦させよ」

「あぁ」

 

 直ちに加賀等から烈風や零戦が発艦して三好艦隊の上空にて警戒飛行を行う。程なくして敵爆撃機隊が接近してきて迎撃隊が迎撃を行う。

 

「約50機前後……方角からしてミンドロ島方面だな」

「まぁ後二、三回の爆撃はあるかもしれんな」

「あぁ……だがリンガエン湾に到着したら我々の勝ちだな」

 

 武蔵はニヤリと笑みを浮かべつつ前部の甲板を見つめる。艦前部には三連装砲1基と連装砲1基が搭載されており、後部は三連装砲1基が搭載されていた。口径サンチは45口径51サンチ砲であり合計8門を『武蔵』は搭載していた。しかも速度は28ノットも出す化物に生まれ変わっているから尚更の事である。

 そして米軍も接近してくる将和の艦隊に警戒態勢を敷いていた。何せバトルシップ『ヤマト』を上回る戦艦を筆頭に戦艦6隻が確認されたのだ。

 

「馬鹿なッ。ジャップの奴等、いつの間に南方に艦隊を出したというんだ?」

「まさか潜水艦隊が見逃したと……?」

「可能性は0ではあるまい。今はリンガエン湾沖で奴等を迎え撃つしかない」

 

 第七艦隊司令官のキンケイド中将はそう決断をしリンガエン湾から時折艦砲射撃をしていた戦艦部隊を沖合に出撃させる事にしたのである。

 また、キンケイド中将は近隣の航空基地に攻撃を要請し航空基地は攻撃を仕掛けるも全て『加賀』等の烈風に阻まれてしまい無傷でリンガエン湾沖まで突き進んだのである。

 

「水上電探に探知ッ。右2時方向、距離4万9千!!」

「まだ遠い。最大有効射程距離で脅かしてやれ」

 

 51サンチ砲の最大有効射程距離は史実『大和』型の46サンチ砲と同等の最大射程距離と将和は解釈している。というのも『大和』型の艦橋からの測定を行えば5万メートルまでの測定は可能だが、測定が可能なだけであり更なる有効測定を行おうとすれば違法建築、『扶桑』型の艦橋のように高くするしかなかった。無論、そうしても技術的にも問題はないが、被弾を考慮すれば論外でありその為に将和は51サンチ砲の最大有効射程距離は46サンチ砲の最大射程距離と同じと判断したのである。

 その一方でキンケイド中将はバトルシップ『ヤマト』を上回る戦艦を見て驚愕していた。

 

「馬鹿な!? 『ヤマト』を上回るバトルシップじゃないか!!」

「ムムム……16インチ砲……いや、もしかしたら18インチ砲はあるかもしれませんな……」

 

 隣にいた第七艦隊戦艦部隊司令官のオルデンドルフ中将は迫り来る『武蔵』を双眼鏡で見てそう呟く。そして『武蔵』は有効射程距離の4万2千メートルにて砲撃を開始した。

 

「砲撃用意宜し!!」

「相棒……」

「……ん。目標、敵旗艦!! 撃ちぃ方始めェッ!!」

「この武蔵の主砲は……伊達ではない!! いくぞ!! 撃ェッ!!」

 

 前部の51サンチ三連装砲と連装砲が砲撃を開始する。

 

「………だんちゃーく……今!!」

 

 時計を見ていた砲術士官が叫ぶと同時に旗艦『ウエストバージニア』の周囲に『武蔵』から放たれた一式徹甲弾が着弾する。

 

「ウォォォッ!?」

 

 着弾の衝撃にキンケイドもオルデンドルフも床に叩きつけられ、艦橋の窓ガラスは全て割れたのである。

 

「な、何だこの衝撃波は!?」

「16インチの衝撃波ではない……やはり18インチか!?」

「第二射、来ます!!」

 

 つんざくような滑空音と共に『ウエストバージニア』の周囲に砲弾が着弾する。命中こそしてないが旧式艦である『ウエストバージニア』の各所では浸水が発生していたりする。

 

「ダメージコントロール、急げ!!」

『各所で浸水!!』

 

 排水作業を行う中、再度『武蔵』が発砲しこれは『ウエストバージニア』の左舷に食い込み、命中したのである。

 

「左舷両用砲が粗方吹き飛びました!!」

「死傷者多数!! メディィィィィック!!」

「左舷、浸水量増加!! 傾斜します!!」

「……何だ、何だこの被害は……」

「キンケイド長官、オルデンドルフ司令。傾斜復原もままなりません。心苦しいですが一先ずは退艦準備を願います」

「……やむを得ないか……」

 

 艦長に言われキンケイドとオルデンドルフは退艦準備をしボートで移動する事になる。しかし、これは始まりに過ぎなかったのである。

 

 

 

 

 




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