ルミ
「ぜぇんかいのぉ〜!あぁ〜らぁすぅじぃ〜!」
ユウ
「どんな言い方だよ。」
ルミ
「いや ~ さすがに毎回やってるのにレパートリーが無さすぎると飽きると思ってねぇ?」
ユウ
「あらすじに飽きるも何もなくね?」
ルミ
「あらすじっていうか前書きも色々やらないと飽きて見てくれなくなっちゃうと思うんだよね ~ 。」
ユウ
「いや、あらすじとかいいながら好き勝手ふざけたいだけだろ!?」
ルミ
「さて ~ !前回はね〜 !」
ユウ
「図星かよ!」
ルミ
「いや ~病院から帰ってきたかと思ったらすぐに魔怪討伐ってね〜 。」
ユウ
「ってか、ソウさんになんか言わなくていいのかよ?」
ルミ
「いや ~交流会楽しみだな〜♪」
ユウ
「話逸らしやがったよ… 。」
ルミ
「ってことで、ほんわか遊んでる本編へどぞ!」
ユウ
「あらすじ全然してねぇんだけど!?」
第13話 交流会まで時間あるから少し遊んじゃおう! ってことで日常回で〜す!
──── 何でも屋LOVE&Peace 倉庫
倉庫に漂うのは、金属と埃、そして微かに残る魔怪の匂い。
魔怪討伐から戻ってきたばかりの空気は、まだ完全に日常へと戻りきっていなかった。
天井の照明は半分だけ点いており、夕方の薄橙色の光が窓から差し込んで、床に長い影を落としている。
カウンターの縁には細かな傷が走り、壁際の棚には応急処置用の包帯や異力測定器が雑多に積まれていた。
ソファには、3人がほぼ崩れるように座っている。
ユウは背もたれに体を預け、首を仰け反らせたまま目を閉じていた。
ルイはソファの端に浅く腰掛け、膝の上で指を組んでいる。
ソウは一歩離れた椅子に座り、眼鏡を外してレンズを拭いていた。
そしてガロウだけが、壁に背を預け、腕を組んだまま立っている。
まだまだ筋肉の奥に溜まった熱を持て余しているようで、かかとがわずかに上下していた。
その空気を切り裂くように、ルミの明るい声が響く。
ルミ
「さぁ〜て! 仕事が終わったところで! 交流会について説明しようか!」
カウンターを叩く軽い音が、店内に反響する。
ユウは目を閉じたまま、喉を鳴らして答えた。
ユウ
「づがれだ……」
声は掠れ、語尾が床に落ちる。
ルイが小さく息を吐き、肩を落とした。
ルイ
「サクラコさんとの特訓の直後に魔怪討伐はきついよぉ……」
言いながら、太腿を軽く叩く。
筋肉の奥に残る痺れが、確かな成長と同時に限界を訴えていた。
ソウは眼鏡を掛け直し、額を押さえながら呟く。
ソウ
「流石に僕もつかれたかな……」
理性で保っていた集中が、少しずつ剥がれ落ちていく感覚。その中で、異様に元気な声が上がる。
ガロウ
「おう! こーりゅーかいってのはなにすんだ? クソ店長!」
その一言に、三人分の疲労が同時に視線となって突き刺さる。
ユ&ル&ソ
「体力バカ……」
ガロウの眉が跳ね上がった。
ガロウ
「誰がバカだ! ぶっ飛ばすぞ!!」
一歩踏み出す足音が、床板を鳴らす。
ルミは溜め息混じりに手を振った。
ルミ
「はいはいそう喧嘩しないの! それに、交流会は明日だよ〜? 休んでる暇なんてない! ほら皆スタンドアップ!」
「明日」という言葉が、重くのしかかる。
ソウが小さく頷き、状況を整理するように話し出す。
ソウ
「はぁ……、確かに休んでる暇はないね。今回の交流会は魔怪討伐とトーナメント戦をやるらしい」
ルイは顔を上げ、少し目を見開いた。
ルイ
「前回とはやることが違うんですね?」
ルミは指を折りながら、軽い調子で続ける。
ルミ
「まぁ、やり始めたのも最近だからね〜。ルイが参加したのは第3回かな〜?」
一瞬、記憶を辿るように視線を上げる。
ルミ
「そんで今回は第4回! 大体2年に一度開かれる何でも屋の戦闘交流会」
その瞬間、ガロウの背筋がわずかに伸びた。
ガロウ
「戦闘ってことは他の奴らとやれんのか!」
ルミ
「そのとおり! 他の異能力者達と戦って、お互いに高め合おうよ! ってわけだね」
ユウは天井の染みを眺めながら、ぽつりと零す。
ユウ
「異能力者……。俺、異能使えないんだけど大丈夫かな〜」
ほんの一瞬、店内の音が止まった。
ルミは迷いなく答える。
ルミ
「そこは大丈夫! ユウは異能力者として十分の実力があるから」
視線を真っ直ぐ向け、柔らかく笑う。
ルミ
「もちろん、ルイとガロウもね」
ユウ
「ルミ店長……」
ルミ
「さてと!」
手を叩く音が店内に響く。
ルミ
「じゃぁ交流会まで時間もあることだし! ちょっとした休憩ついでにお出かけと行こうか!」
ルイ
「お出かけ! いきたいです!」
ルイが目を輝かせて声色が一段階明るくなる。
ガロウ
「プロテイン買わねぇとな!」
ユウ
「プロテインって……体力バカじゃなくて筋肉バカだったか」
ガロウ
「あぁ!? 誰が筋肉バカだクソ新人!!」
ユウ
「あぁん? いい加減名前で呼べや!」
ガロウ
「はっ!! てめぇはクソ新人で十分だ!」
火花が散る視線の間に、ソウが静かに割って入る。
ソウ
「はいはい、仲が良いのはわかったから喧嘩はそこまでだよ」
ユウ&ガロウ
「「よくねぇ!!」」
ユウ&ガロウ
「「真似すんな!!」」
ルイはその様子を見て、肩を揺らして笑った。
ルイ
「喧嘩するほど仲が良いってことだね!」
ユウ&ガロウ
「「だからよくねぇ!!」」
ルミはその騒ぎを背に、ドアノブに手を掛ける。
ルミ
「はいはい! てなわけで──」
ドアが開き、外の喧騒と夕風が流れ込む。
ルミ
「第五区の一番地改め! 新都区中央タワー周辺の商店街にごー!」
──ー東京新都区・中央タワー
時刻は14時50分程
昼の光は、やけにやさしかった。
中央タワーの影が、商店街の石畳にふんわりとかかり、強すぎない日差しが、人の行き交う速さを自然とゆるめている。
風が吹くたび、店先の小さな旗が ぱたぱたと控えめに揺れた。
パン屋の前を通ると、 焼きたての香りが鼻先をくすぐる。
甘くて、少しだけ焦げた匂い。
それに釣られて立ち止まる人がいて、
気づけばその後ろに、 小さな列ができている。
八百屋の店主が、 通りすがりの子どもに手を振る。
子どもは一瞬照れてから、 大きく振り返した。
その様子を見て、近くにいた大人たちが微笑んだ。
カフェのテラス席では、氷の入ったグラスが からん、と軽い音を立てる。
ストローを噛む癖のある客が ぼんやり空を見上げていた。
中央タワーの上の方は、 雲に少しだけ頭を突っ込んでいて、
まるで昼寝しているみたいだった。
LOVE&Peaceの面々も、その空気にすっかり馴染んでいる。
ルミは、気づけばウィンドウ越しに
スイーツの写真を見て立ち止まっていて、
ガロウは無意識に プロテイン売り場を探す視線を彷徨わせている。
ユウは、 歩きながら周辺を見て目を輝かせる。
ルイは「あ、可愛い……」と 小さく呟きながら雑貨屋を覗き込む。
ソウはその様子を少し後ろから眺めて、穏やかに目を細めていた。
ユウ
「おぉ〜!!! すっげぇ〜!! 小さい頃に来て以来だったけど変わったな〜!」
中央タワーを見上げたまま、
ユウは子どもみたいに目を輝かせた。
ガラス張りの外壁に空が映り込み、
人の流れがきらきらと反射している。
昔はもっと雑然としていた気がする。
そんな記憶と今の景色が、
頭の中でゆっくり混ざっていった。
ガロウ
「すっげぇだろ〜! あの店のプロテインおすすめだぜ!」
指さす先は、
どう見ても健康食品専門店。
店先にはマネキンが
不自然なほどムキムキなポーズで立っている。
ユウ
「なんでガロウが自慢げなの!?
ってかプロテイン勧められても使わねぇわ!」
ガロウ
「あぁ!? 筋肉つけるには必須だろうが!」
二人の声が少しだけ大きくなり、
近くを歩いていたサラリーマンが
「元気だなぁ」とでも言いたげにちらりと見る。
ルイ
「折角のお出かけなんだからそんなに言い争いしないの!」
慌てて二人の間に割って入るルイ。
その拍子に、
ルイの肩に下げた小さなバッグが
こつん、とユウの腕に当たった。
ユウ
「……わりぃ」
ガロウ
「……ちっ」
不満げではあるが、
二人とも一応、声は落ち着く。
その様子を見て、
少し後ろを歩いていたソウが
小さく息を吐いた。
ソウ
「(……相変わらずだね)」
その瞬間。
ルミ
「あっ! あのクレープ屋さん行こ! ソウのおごりで!」
ぱっと前を指さし、
目を輝かせるルミ。
クレープ屋の前には、
可愛らしい看板と、
くるくる回る生地焼き機。
甘い匂いが風に乗って流れてくる。
ソウ
「ひっぱたきますよ?」
即答だった。
ルミ
「え〜? 冗談じゃん冗談〜♪」
言いながら、
もう列に並びかけている。
ルイ
「……でも、美味しそうです」
ガロウ
「甘いもんも筋肉に必要だよな!」
ユウ
「ぜってぇ必要ねぇだろ!」
そんなやり取りをしながら、
結局全員でクレープ屋の前に集まる。
クレープ屋の前。
鉄板の上で生地が丸く広がり、
ジュウ……と心地よい焼け音が響く。
甘い香りがふわりと漂い、
通り過ぎる人の足を自然と止めていた。
店員1
「いらっしゃいませ〜。何にしますか?」
にこやかな声に、
真っ先にルミが身を乗り出す。
ルミ
「ん〜! アタシはオールトッピングメガマックス盛りクレープで!」
ユウ
「え!? なにそれ!?」
思わず突っ込むユウ。
店員1
「はい! オールトッピングメガマックス盛りクレープを一つですね!」
ユウ
「いや本当にあるの!?」
ルミ
「あるから言ってるんでしょ〜?」
ルミは楽しそうに笑いながら、
指でメニューの最下段を叩く。
そこには、
《数量限定・覚悟推奨》
という、妙に不穏な文字が添えられていた。
ルミ
「んじゃ皆は何にする〜!?」
ルイ
「チョコバナナブラウニーでお願いします!」
一拍置いて、
ソウが静かに続く。
ソウ
「宇治抹茶でお願いします」
ガロウ
「チョコバナナプロテイン筋肉ギガマックス!」
ユウ
「いや何いってんのお前」
反射的だった。
ガロウは胸を張る。
ガロウ
「糖質とタンパク質の黄金比だぞ!」
ユウ
「聞いたことねぇわ!」
店員1
「チョコバナナブラウニーと宇治抹茶、
チョコバナナプロテインギガマックスがお一つですね!」
ユウ
「……いや、本当にあんのかよ……」
もはや驚く元気もなくなり、
ユウはメニューを見つめる。
ルミ
「でユウはどれにする〜?」
急に振られ、
ユウは少し考え込む。
ユウ
「おれ? ん〜……俺は、バナナカスタードで」
無難。
平和。
冒険しない選択。
店員1
「バナナカスタードですね!
それでは計五点で6280円になります」
ルミ
「は〜い! そんじゃソウくん!」
当然のように、
ルミは一歩下がる。
ソウ
「……はぁ……」
観念したように財布を取り出し、
慣れた手つきで差し出す。
ソウ
「……これで」
店員1
「6280円ちょうどお預かりします!
ではできるまでお待ち下さい!」
*数分後
店員1
「お待たせいたしました!」
両手いっぱいにクレープを抱えた店員が現れる。
ソウ
「ありがとうございます」
ルミ
「お〜! おいしそ〜!」
ルミのクレープは、もはやクレープというよりタワーだった。生クリーム、フルーツ、チョコ、クッキー、色々なものがこれでもかと積み上がっている。
ユウ
「でっっっっっっか!?」
ガロウも負けじと、自分のクレープを掲げる。
ガロウ
「でかさなら俺も負けてねぇぞ!」
ユウ
「何で張り合ってんだよ」
ルイは自分のクレープを見つめ、嬉しそうに微笑む。
ルイ
「チョコバナナブラウニー、これが一番美味しいんですよ?」
ソウ
「宇治抹茶もいいと思うんだけどな」
それぞれがクレープを手にして並ぶ光景はなんだか心が暖かくなり、
ユウは自分のバナナカスタードを一口かじり、ふっと力を抜く。
ユウ
「……まぁ、楽しいしいいか」
昼の中央タワー商店街。
平和で、甘くて、少し騒がしい──
そんな時間が、確かにここには流れていた。
*16時23分頃
クレープを食べ終え、それぞれが思い思いに商店街を歩き始めた頃。
昼下がりの中央タワー商店街は相変わらず賑やかで、買い物袋を提げた人々の波がゆるやかに流れていた。
ユウは、ゲームショップのウィンドウを覗き込んでいた足をふと止める。
視線の先──
雑貨屋とカフェの間、ちょっとした植え込みのそばに見覚えのある後ろ姿があった。
茶色の髪に穏やかな立ち姿。
間違いない。
ユウ
「……あれ?」
よく見ると、その前には若い女性が二人。
身振り手振りを交えながら、明らかに距離が近い。
ユウ
「……あれ!? ちょ、ちょっと待って……」
一瞬、理解が追いつかず目を瞬かせる。
そして次の瞬間、顔色を変えて走り出した。
ユウ
「ルミ店長!! ソウさんが逆ナンされてるっぽい!」
少し離れた場所でアクセサリーを見ていたルミが、ピタリと動きを止める。
ルミ
「……」
一拍。
次の瞬間、口元に妖しい笑みが浮かんだ。
ルミ
「……行くよ皆っ! プランAだ!」
ユウ&ガロウ
「「おう!」」
理由も詳細も聞かず、即座に応じる二人。
その動きは、さながら魔怪討伐の突入前だった。
ソウはというと。
突然話しかけられ、優しく微笑みながら話を聞いていた。
女性
「えっと、その……このお店がどこにあるのかってわかりますか?」
ソウ
「はい。この通りを右に曲がって──」
そこへ。
ユウ
「ちょっとまったぁ!」
大声とともに割り込んできたユウが、ソウの腕にしがみつく。
ユウ
「俺のソウさんになぁにしてんだぁ!」
女性
「えっ!?」
間髪入れず、ガロウも前に出る。
ガロウ
「クソ副店長はわたさねぇぞごらぁ!」
ソウ
「……は?」
完全に理解不能という顔のソウ。
さらに──
背後から、ヒールの音を響かせてルミが悠然と現れた。
ルミ
「誰の男に手を出してるのかわかってるのかしらん? ♡」
女性たちが一斉に固まる。
ルミ
「ソウちゃんはアタシの男なの……この泥棒猫ちゃんたち!!」
女性
「え、えぇっ!?」
ユウとガロウはなぜかドヤ顔で頷いている。
ソウ
「……」
数秒の沈黙。
そして、ソウは極めて冷静に、女性たちへ視線を戻した。
ソウ
「……あの、そのお店なら、あの道を右折してすぐにあります」
女性
「……あ、ありがとうございます!」
そそくさと頭を下げ、女性たちは逃げるようにその場を離れていった。
残された一同。
ユウ
「あれ……?」
ガロウ
「あぁ?」
ソウは、腕に絡みついているユウの手を静かに外し、ルミへと視線を向ける。
ソウ
「これは……なんのつもりですか?」
ルミ
「うっふぅん♡」
悪びれた様子もない
ソウ
「ぶん殴りますよ?」
ルミ
「まったく……♡乱暴さんなんだからぁん ♡」
一歩引いた場所で、全てを見ていたルイが小さく首を傾げる。
ルイ
「……一体どういう状況なんですか?」
その言葉を合図に、ユウとガロウが同時に口を開いた。
ユウ
「いや! ソウさんがナンパされてて!」
ガロウ
「知らねぇけど危機だった!」
ソウ
「普通に道を聞かれただけです」
ルミ
「でも楽しかったでしょ?」
ソウ
「全く。恥をかいただけです」
*17時37分頃
ルミ
「さ〜て! そろそろなにかたべようか〜!」
商店街の真ん中。
昼のピークを過ぎ、もう夜の時間帯の通りにはまだ活気が残っている。
揚げ物の匂い、パン屋の甘い香り、鉄板が焼ける音。
空腹を刺激する要素が、四方八方から押し寄せてくる。
ガロウ
「焼肉食いてぇ!」
腹の底から出したような声に、通行人がちらりと視線を向ける。
ルイ
「私は何でも大丈夫です!」
にこにこと笑顔で手を挙げるルイ。
本当に何でもいいらしく、どこか楽しそうだ。
ソウ
「僕もなんでもいいですね」
穏やかに頷くソウ。
ユウ
「俺は寿司食いてぇ!!」
負けじと声を張り上げるユウ。
一瞬の沈黙。
全員の視線が、自然とルミに集まる。
ルミ
「焼肉一票、寿司一票、なんでもいい二票か〜」
指を折りながら数え、少し考える素振り。
そして、ぱんっと手を打った。
ルミ
「なら間を取ってファミレスで!」
ユウ&ガロウ
「どの間だよ!!」
声が綺麗に重なる。
ガロウ
「焼肉と寿司のどこにファミレス挟まってんだよ!」
ユウ
「結論が飛躍しすぎだろ!」
ルミ
「細かいことは気にしない気にしない♪」
すでに歩き出している。
迷いが一切ない。
ルミ
「いざゆかん! ジョナゼリア!」
ユウ
「言い方だけ無駄に勇ましいな!」
ルミ
「はいはい! 皆れっつごー!」
全員がそれぞれ納得(したことにして)、
昼下がりの中央タワー商店街を抜けていく。
店員
「いらっしゃいませ〜! 何名様でしょうか?」
ルミ
「五人で〜す!」
店員
「五名様ですね! ではこちらの席にどうぞ〜」
店員に案内され、窓際の広めのボックス席へと腰を下ろすLOVE&Peace一同。
柔らかな照明、ほどよく賑わう店内、
昼下がりのファミレス特有の、のんびりとした空気が満ちている。
ユウ
「よっしゃ、腹減った〜。何にすっかな!」
ガロウ
「決まってんだろ。肉だ、肉!」
ルイ
「私は……これ、ドリアが美味しそうですね」
ソウ
「じゃあ僕は和風スパゲッティにします」
ユウ&ガロウ
「「ミックスグリル!!」」
一瞬、沈黙。
ユウ
「……真似すんなよ」
ガロウ
「てめぇが真似してんだろ!」
ルミ
「はいはいはい、ストップ〜。
どうせ同じの頼んでも死にゃしないんだから」
店員
「ご注文お決まりでしょうか?」
ルミ
「は〜い!
ドリアひとつ、和風スパゲッティひとつ、
ミックスグリルふたつ!
あとアタシは苺練乳の特盛パフェ!
ドリンクバーも全員分でお願いしま〜す!」
店員
「かしこまりました。復唱いたします──」
手際よく注文を確認し、店員は厨房へ向かう。
テーブルに残るのは、期待と空腹と、少しの雑談。
ガロウ
「にしてもよぉ? ファミレス久々だなぁ!」
ユウ
「まっ、たまにはこういうのもいいんじゃね?」
ルイ
「みんなで一緒だと楽しいもんね!」
ソウ
「息抜きにはちょうどいいね」
ルミ
「でしょ〜?
たまにはこういう“普通”を満喫しなきゃ」
その時。
店員 「いらっしゃいませ〜! 何名様でしょうか?」
入り口のベルが軽く鳴り、店内に澄んだ音が広がる。 何でも屋一同の会話が、ほんの一瞬だけ途切れ、自然と視線が入口へ向いた。
シア
「三人ですよん♪」
やけに明るく、耳に残る弾んだ声。 カウンター越しに、軽く手を振るような仕草をする少女──シアの姿がそこにあった。
店員
「3名様でございますね。ではこちらの席にどうぞ」
案内されていく三人組。 その背中をぼんやり目で追っていたユウが、ふと違和感に気づく。
ユウ
「……あれ? あいつって……」
声を潜めたその一言に、ルイがすぐ反応する。
ルイ
「……
運がいいのか悪いのか。 案内された席は、何でも屋の真隣だった。 三人組が席につき、バッグを置いた直後── シア以外の二人が、お手洗いに席をたった。
シア
「で、なんでテメ〜らがいるんですかぁ?」
ユウ
「それはこっちのセリフだ」
ガロウ
「んだよ……ここでおっぱじめようってか?」
一瞬、空気が張り詰める。 だがシアは、深くため息をついて肩をすくめた。
シア
「はぁ!? なに言ってんですかこのおバカさんは?」
シア
「アタクシはいまオフですしぃ? かわいい妹達とご飯食べに来ただけなんですけど〜?」 ユウ 「信用できっかよ!」
ソウ
「……どっちみち、ここで戦闘はできない。信用するしかないよ」
その直後──
妹1
「あれ? お姉ちゃんの知り合い?」
妹2
「お姉様の知り合いなのです?」
トイレから戻ってきた妹たちの声に、シアの肩がわずかに跳ねる。
シア
「あ……う、うん! そ〜そ〜! ただの、知り合いですよん♪」
ユウ
「って、お……」
シア
「テメーら、アタクシに合わせろ」
低く、しかし有無を言わせぬ声。
シア
「妹に便利屋のことは言ってねぇんです」
妹1
「へぇ〜、そうなんだ? アタシは愛栖垣シノ!」
妹2
「アタシは同じく愛栖垣シファなのです♪」
ルミ 「シノちゃんにシファちゃんね〜!」
満面の笑みで身を乗り出す。
ルミ
「アタシは燈田坂ルミ! ルミねぇさんって呼んでいいよん♪」
ソウ
「僕は雪佐乃ソウ。好きに呼んで構わないよ」
ルイ
「……神崎ルイです」
ガロウ
「チッ……蓮咲ガロウ」
ユウ
「……園崎ユウ」
名前を一通り聞いたシノが、楽しそうに指を折る。
シノ
「ルミねぇに、ソウに、ルイに、ガロウに、ユウね」
一方で、シファは目をきらきらさせて即座にあだ名を命名する。
シファ
「ルミねぇに、ユッキーに、ルイルイに、ガロロンに、ゆうりんなのです!」
ソウ
「ユッキー……」
ルイ
「ルイルイ……?」
ガロウ
「ガロロンてなんだよ!?」
ユウ
「誰がユウりんだ!」
ルミ
「まぁ〜可愛いからいいじゃん!」
シファ
「そうなのです! 可愛いからいいのです!」
勢いよく胸を張るシファに、店内の空気がふっと緩む。
張りつめていたはずの空気は、いつの間にかファミレス特有の、どこか間の抜けた平和さに塗り替えられていた。
ソウ
「……まぁ、悪意はなさそうだね」
ルイ
「……ですね」
ガロウ
「チッ……ガロロンだけは納得いかねぇけどな」
ユウ
「俺もだ」
シノ
「え〜? でも似合ってると思うけど?」
ユウ
「似合ってねぇよ!」
ルミ
「ふふっ、賑やかでいいじゃ〜ん。
ファミレスって、こういうのが楽しいんだよねぇ」
その言葉通り、周囲では家族連れの笑い声や、食器の触れ合う音が穏やかに響いている。
敵か味方か、仕事か私生活か──そんな境界線は、この場所ではやけに曖昧になった。
シア
「……まったく」
シアは腕を組み、視線を逸らしながら小さく呟く。
シア
「今日は“偶然会った知り合い”ってことで。
それ以上でも以下でもねぇですから」
ルミ
「はいはい♪」
ユウ
「……了解」
一瞬だけ、シアとユウの視線が交差する。
そこには敵意ではなく、どこか気まずい“理解”だけが残っていた。
そして──
店員
「ご注文はお決まりでしょうか〜?」
その声に、全員が一斉に我に返る。
シノ
「わっ、もう決めなきゃじゃん!」
シファ
「デザートもいっぱい頼むのです!」
ガロウ
「おい、まだ肉来てねぇぞ!」
再び始まる、他愛ない騒がしさ。
その中心で、シアは小さくため息をつきながらも──
ほんの少しだけ、口元を緩めていた。
*19時28分頃
店内の照明は昼よりも少し落とされ、窓の外にはネオンと街灯が滲んでいる。
食器が下げられ、テーブルの上にはグラスと伝票だけが残っていた。
ガロウ
「ふぃ〜……くったくった〜」
背もたれに深く体を預け、腹をさすりながら大きく息を吐く。
シファ
「しばらくスイーツは食べなくていいのです〜♪」
そう言いながらも、満足そうに頬をゆるめている。
ユウ&シア
「……(コイツら似てんな)」
同時に浮かんだ感想が、互いの沈黙で伝わってしまい、ほんの一瞬だけ気まずく視線を逸らす。
ルミ
「さてと、そろそろ良い時間だしお開きにしよっか!」
軽く手を叩き、空気を切り替えるルミ。
シノ
「そうだね。あんまり遅いと、明日の朝が眠くなるし」
シファ
「お姉様、明日も早いのです?」
シア
「……まぁね」
短く答えながら、妹たちの頭をぽん、と軽く撫でる。
その仕草は、昼間の挑発的な雰囲気とはまるで別人だった。
ルミ
「じゃあお会計はこれでやってきて〜!」
そう言って、ソウに伝票を差し出す。
ソウ
「わかりました」
席を立ち、静かにレジへ向かうソウの背中を、全員がなんとなく目で追う。
ユウ
「……今日は、なんつーか……普通に楽しかったな」
ガロウ
「だな。まぁ、飯がうまかったってのもあるけどよ」
ルイ
「……こういう時間も、悪くないですね」
シア
「……ふん」
素っ気ない返事。
だが、腕を組んだまま目を伏せるその横顔は、どこか柔らかかった。
やがて──
ソウ
「お待たせしました。会計、済みました」
ルミ
「ありがと! じゃあ、ここで解散だね〜!」
椅子を引く音が重なり、それぞれが立ち上がる。
敵同士でも、仲間でもない。
ただ同じ時間を過ごしただけの、少し不思議な夜。
シノ
「またどこかで会ったら、よろしくね!」
シファ
「次はもっといっぱい食べたいのです!」
ユウ
「……ほどほどにな」
ガロウ
「胃袋鍛えとけよ!」
ルミ
「じゃあね〜! 気をつけて帰るんだよ〜!」
──ーファミリーレストラン ジョナゼリア店外
自動ドアが静かに開き、夜の街の空気が店内から押し出される。
昼の喧騒が嘘のように落ち着いた通りには、街灯と看板のネオンが淡く瞬き、アスファルトをやさしく照らしていた。
すでに三人は帰路につき、その背中が夜の人波に紛れていく。
だが──ただ一人、シアだけが足を止め、振り返る。
シア
「……次あったときは、多分敵だから。そこん所よろしくねん♪」
冗談めかした軽い口調。
けれど、その笑みの奥には、はっきりとした緊張と覚悟が宿っていた。
ユウ
「……おう」
短く、それだけ。
視線を逸らさず返したその一言に、余計な言葉は必要なかった。
ガロウ
「はっ! あったりめぇだ!
てめぇらをぶっ飛ばしてやらァ!」
拳を握り、挑発するように歯を見せる。
荒っぽい声が、夜道に少しだけ響く。
ルイ
「……次は、負けませんよ」
静かだが、揺るがない声。
その言葉には、一歩も退かない意志がはっきりと刻まれていた。
シア
「きゃはっ♪
楽しみにしてますよん♪」
そう言い残し、くるりと踵を返す。
妹たちの背中を追いかけるように歩き出し、やがてその姿はネオンの中へと溶けていった。
一瞬の静寂。
ルミ
「さっ! アタシたちも帰ろっか!」
軽く手を叩き、場の空気を切り替える。
ルミ
「明日は交流会もあるからね!」
四人
「「「「おう! (はい!)」」」」
夜風に吹かれながら、何でも屋LOVE&Peaceの面々は歩き出す。
日常の延長線上に、確実に迫りつつある“次”を、それぞれ胸に抱きながら。
シア
「次回予告 …ってなんだアタクシがやらなきゃいけね〜んです?」
シファ
「なんか、次回予告やっといて〜ったば缶主さんに言われたのです!」
シノ
「次回予告って何すればいいのかわかんないなら ~お姉ちゃんに任せる!」
シア
「ったく…えぇっとなになに …? 次回遂に始まる交流会!…ってアタクシ達まったく関係ねぇじゃね〜ですか!」
シノ
「交流会ってなんか楽しそうだね〜。」
シファ
「なのですなのです〜 ♪交流会ってなにか楽しそうなのです〜 ♪」
シア
「ん ~っと …ちなみに交流会だけで10話近く飛びそうで怖い…って、これ予告でもなんでもねぇじゃね〜ですか!?」
シノ
「今が13話だから ~ 結構使うね!?」
シファ
「でも、最近は急展開がすぎてるのですよ〜 。本当なら今20話近く言っててもおかしくないのです〜 。」
シノ
「そういうメタ発言はやめた方がいいんじゃ?」
シア
「もう予告もクソもね〜ですし、おわらせますよん。 」
シファ&シノ
「は〜い!」
3人
「次回 !ついに始まる交流会!その①! 」
シア
「次回も見たいやつは見てくださいよん ♪」
シファ&シノ
「またね ~ !!」