非日常は突然に。   作:ライドロル缶

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ルミ
「前回のあらすじ〜! というなのおふざけこーな〜!!」

ユウ
「もはや隠さなくなったよ …。」

ルミ
「ま〜ま〜!!前回なんて遊んでただけなんだしあらすじなんてする必要ないでしょー?」

ユウ
「まぁ、そうだろうけど。」

??
「あらぁ ♡ なんだか楽しそうなことしてるじゃなぁいん ♡」

ユウ
「……へ? って誰だよこいつ!?」

??
「あっらぁ?レディーに向かってコイツだなんてイケナイ子ねぇん♡」

ルミ
「さて、気になるこの人の正体は一体何なのか!どうなる第14話!」

ユウ
「レディーってめっちゃ、おっs 」

??
「何かしらぁん?(((圧)))」

ユウ
「なんでもねぇっす …… 。」




第14話 ついに始まる交流会!その①

 

 

第14話 ついに始まる交流会! その①

 

 

 

 

 

 

 

──何でも屋LOVE&Peace・倉庫

 

 

 

 

 

 

 

 朝の光が、店内のガラス窓から斜めに差し込み、床やテーブルの上に、淡い光の筋を描いていた。

 つい昨日の魔怪討伐や特訓の喧騒が嘘のように、店内には穏やかな静けさが満ちている。

 

 ──が。

 

 その静寂を、一撃で吹き飛ばすような声が響いた。

 

 

 ルミ

「今日は待ちに待った交流会だぁ!!」

 

 

 パン、と乾いた音が弾ける。

 手を叩いたルミは満面の笑みで、まるで朝の空気そのものをかき混ぜるかのようだった。

 

 

 ルミ

「詳しいことは現地で説明するから! さっそくレッツゴー!」

 

 ユウは目を丸くし、一歩後ずさる。

 

 ユウ

「ちょ、ちょっと待ったぁ〜!! 

 行くって、どこに行くんだよ!?」

 

 ルミは振り返り、悪びれもせず指を一本立てる。

 

 ルミ

「行きながら説明するから大丈夫! ほらほら、いくよ〜!」

 

 ユウ

「えぇ!?」

 

 抗議する間もなく、ユウは腕を掴まれそのまま勢いよくガレージへ引っ張り出された。

 停められていたLOVE&Peaceカーに、五人は流れるように乗り込み、それぞれ席につく。

 

 

 ルミ

「そんじゃあ──れっつごー!!」

 

 

 エンジン音が跳ね、車は走り出した

 

 

 

 

 *

 

 

 

 

 車に揺られること、およそ三十分。

 新都区の整然とした街並みを抜けた、その瞬間だった。

 

 ──景色が、文字通り“切り替わる”。

 

 ガラス張りの高層ビルは影を潜め、代わりに現れたのは、無骨な鉄骨と分厚い鋼板で覆われた巨大構造物の群れ。

 

 角ばった建物同士は、パイプやケーブルで無数につながれ、それらが血管や神経のように街全体を縫い巡っている。

 

 まるで──

 

 街そのものが、一つの巨大な機械だった。

 

 道路脇では、冷却装置が低く唸り声を上げ、天井のないはずの空間ですら、頭上には何層にも重なった高架道路やレールが走っている。

 

 影が折り重なり、空は細切れに分断されていた。

 

 時折、無人輸送車が低音を響かせながら通過する。

 その振動が、車内の床越しにじんわりと伝わってきた。

 

 ユウとガロウは、ほぼ同時に前のめりになる。

 

 

 ユウ&ガロウ

「「おぉ〜! なんかすげぇな!!」」

 

 

 ユウとガロウは思わず窓に顔を近づけた。

 視界いっぱいに広がる鋼鉄の街に、目が追いつかない。

 

 ガロウ

「街全体が工場みてぇじゃねぇか! こりゃテンション上がるぜ!」

 

 ルイは、少し圧倒されたように周囲を見回しながら呟いた。

 

 ルイ

「新都区とは……本当に全然違うね。同じ“東京”なのに、別の国に来たみたい」

 

 助手席で、ソウが眼鏡を指で押し上げる。

 その視線は感情よりも分析に向いていた。

 

 ソウ

鋼都区(こうとく)は、都市機能の大半が自動化されているって聞いたことがある。魔怪対策用の設備も、かなり高度なはずだよ」

 

 ハンドルを握るルミは、どこか誇らしげに口角を上げる。

 

 ルミ

「そ〜そ〜! ここは異能技術と工業技術の最先端。何でも屋の交流会を開くには、これ以上ない場所ってわけ!」

 

 やがて、道路の先に──

 他の建造物とは明らかに“格”の違う存在が姿を現した。

 幾重にも重なった外殻装甲。

 規則正しく点滅する、赤い警告灯。

 

 内部を走る、脈打つような光のライン。

 それは、街の中心に突き刺さるようにそびえ立っていた。

 ユウは、フロントガラス越しにその塔を見上げ、思わず声を漏らす。

 

 ユウ

「あれ……なに?」

 

 ルミはハンドルを軽く叩き、視線だけを向ける。

 

 ルミ

「あれが主機街の中枢施設、Ω(オメガ)タワー。今回の交流会のメイン会場も、あの近くだよ」

 

 分厚い装甲の表面をなぞるように、警告灯が赤く瞬く。

 内部を走る光は、まるで血液のように塔の中を循環していた。

 

 ユウ

「Ωタワー……、テレビとかで言ってた、あの?」

 

 ソウが小さく頷く。

 

 ソウ

「この鋼都区を再開発した、東京四大組織(とうきょうよんだいそしき)の一つ。Ω域総合体(オメガいきそうごうたい)が建設した、世界有数の発電塔だよ」

 

 ガロウは感心したように、短く口笛を吹く。

 

 ガロウ

「へぇ〜……そりゃ、でけぇわけだ」

 

 ユウは首を傾げる。

 

 ユウ

「四大組織ってさ、名前は聞いたことあるけど……結局、何なんだ?」

 

 その言葉を待っていたかのように、ルミがにやりと笑った。

 

 ルミ

「なら、着くまでの間に教えてあげよっか」

 

 ルミ

「昔はね、日本の首都は“東京都”って呼ばれてたんだけどさ。色々あって──今じゃ関東圏、つまり一都六県が合併して、今の“東京”になったんだよ」

 

 ユウ

「確か……なんかが起きて、やべぇことになったんだよな?」

 

 ルイが、少し声を落として続ける。

 

 ルイ

「大地震で都市が壊滅したとか、戦争が起きたとか……授業ではそう聞きました。でも、正確なことは、今も分かっていないって」

 

 ルミ

「そーそー。でさ、七つの都県をまとめるなんて、そう簡単にできる規模じゃないでしょ?」

 

 ルミ

「そこで結成されたのが──四大組織(よんだいそしき)。その中でも、東京全体の再開発を主導したのが、Ω域総合体ってわけ!」

 

 ユウ

「一区だけでも、バカみたいに広いのに……東京全部!?」

 

 ルイ

「……本当に、すごいですね」

 

 ルミ

「まぁね〜。今じゃ四大組織で最古参なのはΩ域総合体ぐらいだよ」

 

 そう言いながら、ルミはブレーキを踏んだ。

 

 ルミ

「っと。到着〜」

 

 車が停止し、エンジン音が静まる。

 直後、ドアが開き五人は車を降り、主機街に脚を踏み入れる

 

 

 

 

 

 

 

 

──鋼都区・主機街(しゅきがい)

 

 

 

 

 

 

 

 

 東京全体のエネルギーを一手に担う、まさに東京の心臓と呼ぶべき区画。この主機街には、 Ω域総合体が独自に開発した 超高密度発電炉(Ωタワー)が建造されている。

 

 異力を補助燃料として用いるこの炉は、従来の発電技術を大きく凌駕する出力を誇り、 東京全域。居住区、工業区、防衛機構、研究施設に至るまで、あらゆる都市機能の稼働を支えていた。

 

 地上にそびえ立つのは、発電炉と直結した主制御塔。

 天を突くような円筒状の鋼鉄建造物。

 外壁には数え切れないほどの配線と冷却管が這い回り、

 その隙間を縫うように青白い光が血管のように脈動し、明滅を繰り返している。

 

 制御塔内部では、

 

 ・発電量の精密な調整

 ・区画ごとのエネルギー配分

 ・緊急時の即時遮断および再起動

 ・防衛機構との完全連動制御

 

 それらすべてが、秒単位で管理されていた。

 

 この制御塔への一般立ち入りは厳しく制限されており、 許可なく近づけば、自動警備機構とΩ域兵装部隊が即座に排除へと動く。

 

 もし、この発電炉が停止すれば──東京は予備バッテリーによって一週間は持ちこたえるがそれ以降は確実に機能不全へと陥る。

 

 だからこそ。

 ここは最も厳重に守られ、同時に、最も狙われやすい場所でもあった。

 

 東京全域を動かす心臓。

 Ω域総合体の力の象徴。

 

 それが、鋼都区にそびえ立つΩタワーである。

 

 

 

 

 *

 

 

 

 

 ルミが一歩前に出て、くるりと振り返った。

 

 

 ルミ

「さて! 改めて!」

 

 

 両腕を大きく広げ、胸を張る。

 

 ルミ

「ここが、鋼都区・主機街だ!」

 

 その言葉に応えるように、どこかで重厚な機械音が低く鳴り響いた。

 鋼鉄の街が、まるで呼吸するかのように、静かに彼らを迎え入れる。

 

 ユウは思わず周囲を見回す。

 

 ユウ

「おぉ……実際に見ると、やっぱすげぇな……!」

 

 ガロウは拳を鳴らし、獣のように笑った。

 

 ガロウ

「早く、ほかの何でも屋とやりてぇぜ!」

 

 ルイは苦笑し、肩をすくめる。

 

 ルイ

「あはは……ほどほどにね?」

 

 ルミはさらに一歩前へ出て、勢いよく腕を振り上げた。

 

 ルミ

「それじゃあ! 会場まで──レッツゴー!!」

 

 その動きに合わせるように、ユウとガロウが声を張り上げる。

 

 ユウ&ガロウ

「いぇ〜い!!」

 

 二人の声は、鋼鉄とコンクリートに囲まれた主機街の金属の壁や高架の裏側を転がるようにして反響していった。

 

 

 

 

 

 

 

 ──Ω域第二総合研究所(オメガいきだいにそうごうけんきゅうじょ)・地下二階

 

 

 

 

 

 

 

 地上にそびえ立つ巨大研究施設。

 Ω域総合体が東京の技術と異能研究を一手に担う中枢、その地下深く。

 

 一般の研究区画とは完全に隔離された位置に、異能力者専用の研究施設が存在していた。

 この地下区画は、異能の理論解析や異力反応の測定といった静的研究だけでなく、実戦環境下での異能力運用を前提とした動的研究を目的として設計されている。

 

 厚い装甲壁と多重結界によって外界から遮断され、許可された異能力者と関係者以外の立ち入りは不可能。

 その存在は、一般人はおろか、多くの研究職員にすら知らされていない。

 数ある設備の中でも、この地下二階の中核を成すのが──

 異能力者専用闘技場である。

 ここは訓練場であり、同時に実験場。

 そして、異能力者同士が本気で力をぶつけ合うことを

 正式に許可された、数少ない空間でもあった。

 

 

 そんな施設の中央で──

 ユウは、完全に詰んでいた。

 

 

 ユウ

「で! なんでこんなことになってんだよ!?」

 

 

 声を荒げるものの、身体は微動だにできない。

 理由は明白で、しかもどうしようもない。

 

 左右から──

 

 黄色と黄緑色の髪をした、小柄な双子の子供が、ユウの両腕にがっちりとしがみついていた。

 

 小学生くらいの年頃。

 背丈も体格もそっくりで、丸みの残る頬に浮かぶのは、警戒心とは無縁の人懐っこい笑顔。

 まるで久しぶりに再会した兄に甘えるかのように、二人はユウの腕に頬をすり寄せている。

 

 ?? 

「ねぇねぇお兄さん〜。魔怪を取り込んだって、ほんと〜?」

 

 無邪気そのものの声。

 そこに悪意はなく、あるのは純度百パーセントの好奇心だけだった。

 

 ユウ

「えっと、それはな ~」

 

 言い終える前に、反対側の双子が、どこか得意げに首を振る。

 

 ?? 

「ちがうよ〜。お兄さんは取り込んだんじゃなくてさ〜」

 

 声を潜め、秘密を共有するみたいに囁く。

 

 ?? 

「魔怪に、乗っ取られちゃったんだよ〜」

 ?? 

「えぇ〜!? そうなの〜?」

 

 片割れが、わざとらしいほど大きく目を見開く。

 

 ?? 

「そうなんだよ〜! だからちょっとだけ、たいへんなんだって〜!」

 

 二人は顔を見合わせ、くすくすと笑い合う。

 それは学校で聞いた噂話を確認し合うような、あまりにも軽やかなやり取りだった。

 ユウは、がっちり固定された両腕を見下ろし、深くため息をつく。

 

 ユウ

「……いや、ちょっとじゃねぇから……」

 

 その時だった。

 

 ?? 

「ライさん、フウさん。ユウさんが困っているではありませんか」

 

 すっと空気を切るような、落ち着いた声。

 三人の前に、一人の少女が立つ。

 腰には刀。

 黒髪をきちんと結い、無駄のない和装に身を包んだ姿は、この賑やかな会場の中でも一線を画していた。

 背筋は真っ直ぐ、視線は静か。

 立っているだけで、場の温度が一段下がっていくようだ。

 

 ?? 

「にゃはは〜♪ でも楽しそうだし、いいんじゃにゃい? シグレちゃん♪」

 

 今度は軽やかな声。

 猫の耳と尻尾を揺らした少女が、面白そうに尻尾を左右に振りながら笑っている。

 

 シグレ

「それはそうですが……ニャン。あの二人は副店長とその補佐なんですよ? ちゃんと威厳というものを……」

 

 小さく、しかし確実に呆れを含んだ溜息。

 その背後から、ひょこっと控えめに顔を覗かせる影。

 

 ?? 

「い、威厳なんて……もとより、な、ないと思いますよ……?」

 

 紫髪に眼鏡。

 遠慮がちに、ほとんど消え入りそうな声。

 

 その瞬間。

 

 ライ&フウ

「むぅ〜!! シグレぇ〜! シオンが威厳ないって言ってきたぁ〜!!」

 

 双子が一斉に振り返り、声を揃えて抗議する。

 

 シグレ

「はぁ……。シオンさん、余計なことは言わないでください」

 

 シオン

「ご、ご、ごめんなさぁい……!」

 

 縮こまりながら、深々と頭を下げるシオン

 

 

 

 

 *

 

 

 

 

 パンッ、と乾いた音が会場に響いた。

 軽やかな一拍。だが、その瞬間、ざわついていた空気が嘘のように引き締まる。

 

 自然と── 交流会場に散っていた視線が、ルミへと収束していく。

 

 ルミ

「こちら! 鋼都区を拠点に活動している。何でも屋・八百万(やおよろず)のみなさんでぇ〜す!」

 

 明るく、よく通る声。

 その言葉に応えるように、一人の少女が前へ出た。

 和装。

 無駄のない所作で静かに足を揃え、背筋をまっすぐに伸ばす。

 歩みが止まった瞬間、裾がわずかに揺れ、腰に携えた刀の鍔が小さく光を反射した。

 

 シグレ

「何でも屋八百万の店長、桜燐(おうりん)シグレです。本日は、よろしくお願いいたします」

 

 凛とした声。

 柔らかな響きよりも先に、揺るぎない芯が胸に届く。

 自然と、会場のあちこちで背筋が伸びるのが分かった。

 ──が。

 その緊張を、容赦なくぶち壊す声が続いた。

 

 ライ

「はーい! 何でも屋八百万の副店長! 紺山(こんやま)ライだよー!」

 フウ

「その補佐の、紺山(こんやま)フウだよ〜!」

 

 二人がほぼ同時に前へ飛び出し、勢いよく手を振る。

 揃った動き、揃った笑顔。

 先ほどまでの静謐さが、一気に吹き飛んだ。

 

 ライ&フウ

「よろしくね〜!!」

 

 ユウ

「(……温度差がすげぇな……)」

 

 ユウは思わず心の中で突っ込みを入れる。

 周囲からも、わずかな苦笑や戸惑いの気配が広がった。

 次いで、ひょいっと軽やかに前へ出る影。

 

 ニャン

「バイトの〜、猫歩(ねこあるき)ニャンだにゃ〜ん♪ よろしくニャン♪」

 

 猫耳と尻尾を揺らし、余裕たっぷりにウインク。

 場慣れしたその態度に、空気がほんの少し和らぐ。

 その隣から、まるで物陰に隠れるように、控えめな影が現れた。

 

 シオン

「お、お、同じく……ば、バイトの……ま、斑仮(まだらがり)シオンです……。よ、よろしくおねがいしましゅ……!」

 

 視線は定まらず、おどおどとしている。

 

 シグレ

「……シオンさん、落ち着いてください」

 シオン

「は、はいぃ……!」

 

 慌てて胸に手を当て、深く息を吸うシオン。

 最後に、少し遅れて元気よく手を挙げる青年。

 

 タロウ

「同じくバイトの! 田中(たなか)タロウっす! よろしくっす!」

 

 明るく、裏表のない声。

 八百万側の自己紹介は、こうして一通り終わった。

 ルミは満足そうに一度頷くと、くるっと踵を返す。

 

 ルミ

「そ・し・て〜!」

 

 胸を張り、親指で自分たちを指し示す。

 

 ルミ

「こちらが! 何でも屋LOVE&Peaceでぇ〜す!!」

 

 そのまま、満面の笑み。

 

 ルミ

「ってことで、店長のルミちゃんです♪ よろぴく〜♪」

 

 軽いノリで手を振ると、場の空気が一気に柔らぐ。

 続いて、ソウが一歩前へ。

 眼鏡を軽く押し上げ、落ち着いた視線を向ける。

 

 ソウ

「何でも屋LOVE&Peaceの副店長。雪佐乃ソウだよ。よろしくね」

 

 ユウ

「え、えっと……バイトの、園崎ユウです。よろしくお願いしや〜す……」

 

 少し気まずそうに頭を下げるユウ。

 視線の端で、さっきの双子の子供たちがこちらを見ているのに気づき、さらに肩が強張る。

 

 その隣で──

 

 ガロウが、どん、と一歩踏み出した。

 

 ガロウ

「俺は 蓮咲ガロウ! てめぇらまとめてぶっ飛ばしてやるぜ!!」

 

 一瞬。

 

 本当に一瞬だけ、周囲の音が消えた。

 

 ソウ

「……ガロウくん。ちゃんと挨拶しようね?」

 

 ガロウ

「ちゃんと挨拶したろうが!」

 

 むっとソウに反発するガロウ

 そして最後に、ルイが一歩前へ出て、柔らかく微笑む。

 

 ルイ

「同じくバイトの、神崎ルイです。よろしくね!」

 

 

 ルミ

「お互いに挨拶も終わったってことで〜!!!」

 

 

 その瞬間──

 

 

 ──―バァン!! 

 

 

 雷鳴のような轟音とともに、闘技場の入場扉が乱暴に叩き開かれた。

 闘技場外の空気が一気に流れ込み、室内のざわめきを押し流す。

 逆光にさらされ、

 照明を背にした五つの影が床へと長く伸びる。

 

 

 ?? 

「ちょっと待たんかいゴラァ!!!」

 

 

 怒号。

 先頭から飛び出してきたのは──

 桃色の髪をした、小柄な少女だった。

 小さな身体に似つかわしくない声量が、闘技場全体を揺らす。

 床を踏み鳴らし、睨みつけるその眼は、完全に喧嘩腰。

 続いて、そのすぐ隣りに立つ影

 

 ?? 

「まったく……あたしたちをハブるだなんて、イケナイ子達ねぇん♡」

 

 やけに余裕のある、ねっとりとした口調。

 紫色の肩出しドレスに身を包みどう見ても場違いなほど筋骨隆々の、マッチョメン。

 ドレスをパッツパツにする程、盛り上がった筋肉と無駄に艶やかな笑み。

 そのアンバランスさに、視線が釘付けになる。

 さらに横合いから、軽いノリの声が割り込んだ。

 

 ?? 

「あーし達が遅刻したんだから、仕方ないっしょ〜?」

 

 黒いパーカーを羽織り、口にはポッキー。

 肩をすくめる、水色の髪の少女。

 背中では、魚のような尾がゆらりと揺れている。

 そのすぐ後ろで、一人だけ騒がず、静かに頷く影。

 

 ?? 

「……そのとおりでございます」

 

 落ち着き払った声音。

 ナース服に身を包んだ青髪の少女が、周囲を冷静に見渡しながら、一歩だけ前へ出る。

 

 そして──

 

 

 ?? 

「いい顔が揃ってるじゃねぇか!!」

 

 ぐっと踏み出す足音。

 淡い黄金色の髪を揺らし、一人の少女が前に立つ。

 

 ?? 

「アタシと──熱い喧嘩をしようぜ!!」

 

 黒い指ぬきグローブに包まれた拳が、

 一直線に突き出される。

 挑発的な笑み。

 その瞬間、会場の空気が、はっきりと変わった。

 五人の“何でも屋”が、

 今、闘技場の中央へと躍り出た

 

 

 

 

 *

 

 

 

 

 ルミ

「ってなわけで〜!!」

 

 

 乾いた音が闘技場に弾けた。

 ルミがもう一度、ぱんっと手を叩く。

 軽やかな仕草とは裏腹に、その視線は真っ直ぐ、扉付近に立つ乱入者たちへと突き刺さっている。

 

 ルミ

「交流会に遅刻してきた。何でも屋いちごみるくの皆さんでぇ〜す!!」

 

 わざとらしく間を置き、満面の笑みで言い切った。

 

 ルミ

「ってことで! 自己紹介、よろ〜♪」

 

 その瞬間。

 先頭に立っていた桃髪の少女が、床を鳴らすように一歩踏み出す。

 

 ??? 

「おいおい、適当に扱ってるんちゃうぞ?」

 

 小柄な体躯。

 だが、その身から滲み出る空気は、やけに荒々しい。

 

 イチノ

「オレは──何でも屋いちごみるくの店長、丑刈(うしかり)イチノや!」

 

 ぎらり、と鋭い眼光が周囲をなぞる。

 

 イチノ

「よろしくしてやんよぉ!」

 

 その背後から、まるで溶け出すように、一つの影が前へ出た。

 

 ?? 

「あたしはねぇ〜♡」

 

 紫の肩出しドレス。

 場違いなほど鍛え抜かれた肉体が、妖しく揺れる。

 

 ?? 

「何でも屋いちごみるくの副店長っ♡釜丘(かまおか)イサムこと──」

 

 くるり、と腰をひねり、指先を艶やかに口元へ。

 

 リリアンヌ

「リリアンヌよぉん♡よろしくねぇん♡ かわい子ちゃんたちぃん♡」

 

 その一言で、八百万側からは小さなざわめきが起き、 ライ&フウを除く男たちに露骨な警戒の空気が走った。

 

 ガロウ

「……なんだアレ」

 

 次に、黒いパーカーの少女が気だるげに前へ出る。

 

 ラン

「あ〜しは、何いちでバイトしてる鮫尾(さめお)ラン」

 

 口に咥えたポッキーをくいっと噛み直し、背後で魚の尾がゆらりと揺れた。

 

 ラン

「まっ、仲良くよろしくっしょ~」

 

 言葉通りの軽さで、すっと一歩引く。

 続いて、少し遅れて。

 静かな足取りの少女が前へ出た。

 

 オト

「何でも屋いちごみるくのメイド、花織(はなおり)オトと申します」

 

 ナース服姿。

 穏やかな微笑みと、澄んだ声音。

 

 オト

「以後、お見知り置きを」

 

 ガロウ

「どう見てもナースだろ」

 

 即座に入るツッコミ。

 

 オト

「メイドです」

 

 一切の迷いもない即答。

 

 ユウ

「花織って……あのメイドさんの……?」

 

 オト

「はい。あの病院におりますのは、私の姉にございます」

 

 さらりと言い切り、小さく会釈する。

 そして最後に。

 淡い黄金色の髪を揺らし、黒い指ぬきグローブを嵌めた少女が前へ出た。

 

 アカネ

「アタシは──」

 

 拳をぐっと握りしめ、

 歯を見せて豪快に笑う。

 

 アカネ

「何でも屋いちごみるくのバイト! 大文字(だいもんじ)アカネだぁ!!」

 

 アカネ

「よろしくなぁ! お前ら!!」

 

 その一声で、会場の空気が、再びざわりと波打った。

 

 

 ──遅れてきた五人。

 

 

 だが、その存在感は誰よりも早く、この場を支配し始めていた。

 

 ルミ

「っと! 言うわけで今度こそ全員揃ったから──」

 

 にっと笑い、腕を大きく広げる。

 

 ルミ

「何でも屋・戦闘交流会! 始めよっか!!」

 

 

 

 

 

 

 





リリアンヌ
「次回予告わよぉ〜♡」

アカネ
「次回は戦闘交流会が始まってよぉ!熱い喧嘩が出来んだよなぁ!楽しみで仕方がねぇぜ!」

リリアンヌ
「そうよねぉん ♡ 若い男の子達と一緒にぶつかり合えるだなんて堪らないわぁん♡」

アカネ
「楽しみすぎて、アタシの心が燃え上がって来るぜぇ〜!!」

リリアンヌ
「うふぅん♡それじゃぁ、次回 。」

アカネ
「ついに始まる交流会!その②!!!!」

リリアンヌ
「次回も楽しみにしてくれたら、アタシが色々してあげるわぁん ♡」


──以下備考(?)


┊︎桜燐シグレ┊︎

・性別
女性

・年齢
19歳

・異能
???

・等級
B級異能力者

・備考(?)
何でも屋八百万の店長!
冷静沈着の和装美少女!
因みに、無類の猫好きなのでニャンには甘いところがある。


┊︎紺山ライ┊︎

・性別
男の子

・年齢
15歳

・異能
???

・等級
C級異能力者

・備考(?)
何でも屋八百万の副店長!
とっても可愛い紺山兄弟の兄の方。
ふたりで1人!

┊︎紺山フウ┊︎

・性別
男の子

・年齢
15歳

・異能
???

・等級
C級異能力者

・備考(?)
何でも屋八百万の副店長補佐!
とっても可愛い紺山兄弟の弟の方!
ふたりで1人!

┊︎斑仮シオン┊︎

・性別
女性

・年齢
18歳

・異能
???

・等級
C級異能力者

・備考(?)
何でも屋八百万のバイト!
気弱な性格で、常にニャンの後ろに隠れている。
キレると怖いタイプ。


┊︎猫歩ニャン┊︎

・性別


・年齢
???

・異能
???

・等級
E級異能力者

・備考(?)
何でも屋八百万のバイト&ペット
人の身体をしたにゃんこ。
かなりの気分屋で、ずっとゴロゴロしてる。

┊︎田中タロウ┊︎

・性別


・年齢
18歳

・異能
??

・等級
D級異能力者

・備考(?)
何でも屋八百万のバイト
結構熱血系の熱い人!
素直過ぎて心配になるレベルで素直。

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