喰種捜査官 城嶋裕輔   作:夏目 朝陽

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はじめましてです。
私自身、文才がある方ではありませんが生暖かく見守ってもらえれば幸いです。
一応一日最低でも一話は頑張って投稿したいと思います。

それでは第一話、どうぞ。



#001

―【大喰い】。

その存在が二十区で確認されてからすでに二週間が経とうとしていた。

 

この【大喰い】の担当を任され二十区の喰種対策局に移動してからこれと言った情報もなく、捕食現場を訪れるばかりの日々が続く。

パートナーである雨宮梨紗も、全くと言っていいほど尻尾が掴めない【大喰い】に対してストレスを溜めている。

このままでは時間がかかりすぎてしまう。【大喰い】と言うだけあって捕食スピードも、量も、他の喰種と比べて桁違いだ。

時間をかければかけるほど、犠牲者は増えていく。それだけは何が何でも阻止しなければならない。

 

「先輩。次の現場に行きましょう。今度こそ何か手掛かりがあるかもしれません」

 

改めて気合を入れていると雨宮に声をかけられた。

 

―雨宮梨紗二等捜査官。

幼い頃に喰種に両親を殺されCCGに保護された後、喰種捜査官になるべくアカデミーで訓練を重ね次席で卒業した、いわばエリートだ。

綺麗な黒髪を一つに纏め上げた彼女は、局内でも美人と評判。

ただ常に無表情なのと淡々と話すことから彼女を苦手にしている奴もいるらしい。

 

そんな彼女との出会いは三年経った今でも忘れられないほど衝撃的なものだったが、まぁその話は置いておこう。

 

「ん。そうだな、ここからだと……そこまで離れていないのか」

 

メモを確認すると今いる場所から一キロも離れていない事が分かった。

 

早速行こうと近くに止めていた車に乗り込み現場に向かう。

 

しばらく沈黙が続いた中、助席に乗っていた雨宮は前を向いたまま口を開いた。

 

「どうして何も掴めないのでしょうか。赫子の痕から以前十一区で相次いだ大量捕食事件、【大喰い】の仕業であることは分かりました。でも、それだけです。肝心の足取りは掴めていません」

 

「……仕方がないさ。【大喰い】の姿を見た者はいない。だからこうして現場一つ一つに訪れて地道に捜査するしかないんだ」

 

「……っ!でもそれじゃ、犠牲者は増えるばかりです……!!」

 

相変わらず無表情なのには変わりないが、その言葉には強い感情が見えた気がした。

 

熱心なのは良いことだ。悪くはないし事実、僕も早急に何とかしたいと思ってる。でも……

 

「?まだ現場まで距離がありますよ。何故止まったのですか?」

 

「喫茶店。コーヒーでも飲もうと思ってね」

 

僕の言葉に一瞬唖然とするも、すぐに僕の行為を批難した。

 

「何を考えているんですか!私達にはのんびりしている暇なんてありません!先輩の、城嶋上等の実力は認めます。ですがこんな時にそんなことしている暇なんてないんですよ!!」

 

いつになく熱く語る雨宮。まぁ無理もない。こんなに捜査が長引いてしまっているのは二年ぶりだ。焦る気持ちも分かる。でもそれじゃあ駄目だ。焦りは判断を鈍らす。まだ昼間とはいえ、もし【大喰い】に出会ってしまったら?【大喰い】ではなくとも他の喰種に襲われる可能性もないわけではない。そんな状況で今の雨宮は危険すぎる。

 

「僕達は常に冷静でなくてはならない。それは、二年前にも言ったはずだよ」

 

「……っ!?」

 

「とにかく、今はコーヒーでも飲んで一旦落ち着こう。いいよね?」

 

「はい……。失礼しました」

 

二年前の事を思い出してくれたのか納得してくれた雨宮。

車から降り、雨宮を引き連れ行きつけの喫茶店の中に入る。

 

―喫茶店、【あんていく】に。

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