喰種捜査官 城嶋裕輔   作:夏目 朝陽

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最近はさらに寒くなってきました。
もう冬なんだなーって実感が湧きます。

風邪ひかないように注意しないとね。

それでは第二話どうぞ。


#002

「お待たせしました。こちらコーヒーになります」

 

「はい。ありがとうございます」

 

雨宮とともに店に入った僕は、早速コーヒーを頼んだ。

豆から挽いているのと店員の腕の高さからか、ここのコーヒーは他のお店と比べても勝るとも劣らない。

一口いただき味の余韻に浸っていると、正面からの強い視線に気付く。

 

「どうかした?」

 

「いえ、ただそれは本当にコーヒーなのですか?」

 

「え?コーヒーだよコーヒー。見たまんまだよ」

 

「その見たまんまがコーヒーではなく思えるのですが……」

 

そう言って怪訝に僕のコーヒーを見つめる雨宮。

そこまでおかしいかと改めて自分のコーヒーを見る。

 

ミルクが増量しているから白に近い薄茶色。味もシュガーを増量しているから激甘。

どれくらい甘いかと言ったらカカオ四十パーセントチョコレートくらい激甘だ。

 

「まぁ、いいです。それよりあれ、観てください」

 

「……あぁ、やっぱり最近はこの話題で持ちきりか」

 

雨宮の言葉に頷きテレビの方に視線を向ける。

 

そこに映るのは、もう最近嫌と言うほど見ている光景。

 

『―二十八日、高田ビル通りで男性の遺体の一部が発見されました。現場には喰種と思われる体液が残されており―』

 

「先輩」

 

「……そうだな。そろそろ行こうか」

 

コーヒーを一気に口へ流し込み席を立つ。

雨宮も先程よりは落ち着いているようだし、捜査にさほど影響は出ないだろう。

 

店を出ようと入口へ向かうと、丁度お客さんが入ってきた。

 

年は大学生くらいだろうか。

長い髪に綺麗な肌、眼鏡はその女性の大人っぽい魅力をさらに引き立てている。

 

「あの……私に何か?」

 

「あー、いえ。すみません気にしないでください」

 

「……そうですか」

 

しまった。流石にじっと見すぎたな。

何故か気になったのだ。見惚れていたとか、そういうことではない。

ただ、彼女に何か違和感を感じてしまった。感覚的なことなので確かではないが……

 

「……美人でしたね。今の女性」

 

「まぁ、そうだな。……なんか怒ってる?」

 

「……いえ、怒ってません。それより早く現場に向かいましょう」

 

そう言っても少し怒気を孕んだように一人先行く雨宮に苦笑しながらも、彼女を待たせて機嫌を損ねないように僕も小走りで車へと向かった。

 

 

× × ×

 

 

私はいつものようにコーヒーを頼み、それを一口飲んで先程の二人組について考える。

 

背が高く大人っぽい雰囲気がかっこよさを引き立てていた男性と、少し小柄で無表情だが美人と言ってもいいほど綺麗な女性。

 

二人ともスーツ姿であったことから普通の会社員のようにも思えるが、私はあの目を知っている。

すれ違いざまに私をじっと見ていた男の目を。

 

「(まさか白鳩がこの店に来てるなんてね。なんて偶然かしら)」

 

【白鳩】。喰種捜査官の別称。

 

私達喰種の天敵と言える存在。

 

多くの喰種が彼らに怯え、日々を生きている。

 

「(でもそんなことどうでもいいわ)」

 

今私は食べることにしか興味がない。最近は【大喰い】なんて呼ばれているみたいだけれど、仕方がないじゃない。だっておなかが空いているもの。

 

先程すれ違った白鳩の事は忘れ、自分に視線を向けている男の子に微笑みを返す。

 

顔をそむけて照れている男の子を、友人らしき男の子がからかっている。

しばらくそんなやり取りを続けた後、友人君は店を出ていった。

 

そうね。まぁそろそろ接触してもいいかもしれないわね。いい加減彼を食べたいし。

 

席を立った私は彼の元へ向かう。

いったい彼はどんな味がするのだろうか。そんなことを考えながら。

 

 

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