喰種捜査官 城嶋裕輔   作:夏目 朝陽

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ちょっとオリジナル。
でもやっぱり書くの難しいですね。

それでは第四話、どうぞ!


#004

「犠牲者は今週に入って既に七人。流石はレートSと言ったところか」

 

現在僕と雨宮はある喰種を追っている。

 

―S級駆逐対象【蝙蝠】。

羽赫で、気持ち悪いほど精巧に作られた蝙蝠の面を被り全身に黒を纏った喰種。

体格から男であると予想されている。

過去に捜査官も何人か被害に遭っており、S級にまでなった食種。

 

以上が今回の捜査対象だ。

 

【大喰い】が途端に姿を見せなくなってからもう二週間の時間が過ぎた。

最初は別の区にでも移動したのではと考えたが、どうやらどこの区でも【大喰い】による被害は出ていないみたいだ。

毎日のように事件が絶えなかった【大喰い】の姿が確認されなくなってから二週間で、上は【大喰い】はロストしたと仮定し僕達に別の喰種の捜査を言い渡した。

 

当然のごとく雨宮は納得ができないと憤慨していたが、【大喰い】による事件が消えた以上、僕達に探しようはないからどのみち捜査は打ち切り。

今専念すべきは【蝙蝠】なのだ。

 

しかもS級ともなれば【大喰い】と同様に注意しなければならない。

 

「おやおや、城嶋君じゃないか。久しぶりだねぇ」

 

「!?真戸さん。お久しぶりです。それに亜門も」

 

「ええ、お元気そうで何よりです。城嶋さん」

 

一人【蝙蝠】の資料を読みながら歩いていると、本局の喰種捜査官である上等捜査官・真戸呉緒と一等捜査官・亜門鋼太郎と出会った。

 

真戸さんには僕がまだCCGに来た直後にクインケの扱いについてや捜査官の心構えを教えてもらっていた、いわば師でもある人だ。

 

亜門は雨宮繋がりで以前話す機会があって話したことがある。

 

それにしても本局の喰種捜査官が二十区の対策局に来るなんて、それほどの大物がこっちに来ているのだろうか。

 

「ほう、君達は【蝙蝠】か。奴は素早いと聞く。雨宮君にも気を付けるよう伝えておいてくれ」

 

「はい。アドバイス、ありがとうございます。それで真戸さん達はいったい何を追っているんです?」

 

「六九六番の喰種に関係している喰種だよ。一度逃してしまってね。まぁある程度何人かに絞れているからそう時間もかからないだろう」

 

六九六番か。確かその喰種の赫子って……

 

「ああ、そうだ。今度君のクインケを見せてくれ。確か”ナツムラ”と言ったかな。非常に興味がある」

 

「あはは……相変わらずですね。では僕はここで失礼します。二人ともお気を付けて」

 

その会話を最後に僕は外に待たせている雨宮の元へと向かった。

 

エレベーターを使いエントランスで降りるとすぐに車へと歩く。

車に乗り込むと雨宮は丁寧な字でびっしりと書かれたメモ帳を横から僕の目の前に突き出した。

 

そこに書かれていたのはこれまでに事件からの【蝙蝠】の捕食傾向や捕食場所、出現時間帯を統計したものだった。

 

「……この短時間で凄いね。流石エリートは違う」

 

「待ち時間も無駄にはできないので。それに【蝙蝠】の行動パターンは他の喰種と比べても予測しやすいです。今まで対処できなかったのも【蝙蝠】の強さゆえでしょう」

 

確かに【蝙蝠】の情報に関しては面白いほどある。

雨宮ほどではないが行動パターンくらいなら僕でも通常よりは早く割り出せると思う。

それでも対処できないのは【蝙蝠】の強さにあるのだろう。

現に捜査官の何人かは被害が出ているし、その中にはそれなりの実力者もいた。

 

【大喰い】の時もそうだが今回の【蝙蝠】も中々の大物だ。

正直こんな重要な捜査を何度も任されては気が重いが、期待されているという証でもあるし何としてでもやり遂げなければならない。

 

「それじゃあまずはこの地点に行こうか」

 

「はい、お願いします」

 

【大喰い】の時のように捜査打ち切りになんてできない。絶対に捕まえてやる。

 

決意をしっかりと固め、僕はアクセルを強く踏み込んだ。

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