ソードアート・オンライン 〜反響する沈黙〜 作:鋭角移動のりゅーたろー
時系列?まあ、幕間だし⋯深く考えない方がいいよ
「皆聞いてくれ」
ある日の夜。
いつも通りの戦闘訓練と狩りを終え、宿屋に帰るとケイタが全員を一つの部屋に集めた。
その中には、ミライもいた。
俺混ざっていいんかな⋯
「実は、今日の狩りでなんと20万コル貯まった。それで、僕たちのギルドホームを買おうと思うんだが、どうだ?」
「おぉ、いいじゃねーか!!」
「いいね!いいね!」
家を買う話で皆は大いに盛り上がった
「なぁ、サチの装備を整えるのは?」
すると、ササマルがそう提案してきた。
「え?別にいいよ」
「遠慮すんなって」
「いつまでもテツオ一人に前衛は任せられないだろ?今は、ミライがいてくれるけど、二人は攻略組だ。いずれは最前線に戻る。それまでに、少しでも強くならないと」
「でも……」
そういうサチの顔は明らかに曇っていた。
話し合いの末、結局ギルドホームを買うことになった。
その日の夜、ミライは最前線へと向かい、情報収集をしていた。
攻略に参加してなくとも情報収集を怠れば、その分後が辛くなるし、安全マージンを取ってない俺は死にかねない。
ミライは昼間は《月夜の黒猫団》達の戦闘訓練をし、夜は自身の強化のために最前線へと赴いていた。
その道中でとんでもないことがあったのだが…これはまた後日語るとしよう。
迷宮区での情報収集を終え、現在の宿となってる20層へと向かう。
戻った時、ケイタからメッセージが届いた。
『サチが宿から居なくなった。僕たちは迷宮区の方を探してみる。キリトとカイも探して見てくれ』
「⋯マジか」
ケイタからのメッセージを見て、索敵スキルから【追跡】を発動し、サチを探した。
サチは町の中に居た。
最近手に入れた隠蔽能力付きのマントを羽織り、蹲っていた。
「サチ、こんな夜中に何してるんだ?」
「ミ⋯ミライ!?ど、どうしてここが?」
「【追跡】スキル、フレンド登録してるプレイヤーなら、余程の時間が経っていなければ後を追えるんだ」
「そうなんだ……流石は《攻略組》だね」
「一緒に戻ろう。皆、心配してる」
「今なら謝れば許してくれるぞ、きっと」
ミライの言葉にサチは何も言わない。
数分くらい沈黙しているとサチが口を開いた。
「私ね……逃げたいの」
「………逃げるって何から?」
「モンスターから、ギルドの皆から………この世界から」
その言葉に、ミライは冷や汗を流す。
「それって、死ぬって事か?」
「……それもいいかもね。……ゴメン、嘘。死ぬ覚悟があるならここにいないよ。……最近、死ぬのが怖くて寝れないんだ。どうして、こうなっちゃったのかな?なんで、ゲームで死ななくちゃいけないの?こんなことに何の意味があるの?」
サチの言葉にミライはうまく返せなかった。いや、返さなかったのかもしれない。
「⋯⋯」
少しの独白、そして口に出す
「逃げちゃえばいいだろ」
そんなサチに、ミライはそう言った。
「え?」
「戦うのが怖いんだろ?なら、逃げればいい。逃げるのは、卑怯な事じゃないんだ」
「逃げるのも才能だし、誰も怒らない」
「で、でも………ギルドの皆が………」
「ケイタ達は仲間だろ?なら、自分の言いたいこと、伝えたいことを全て素直に言うんだ。あいつらは、優しい連中だ。サチが嫌だと言えば、無理強いはしないはず」
「なにか言われたら俺がサポートくらいはするさ」
そのままミライはサチを連れて戻った。
「サチ!無事だったか!」
「良かった!何かあったんじゃないかって心配してたんだ!」
「どこかに行くなら、書き置きぐらい頼むぜ」
「でも、本当に良かった」
ケイタ達はサチが無事だったことに安堵し、喜んでいた。
「皆聞いてくれ、サチから皆に言いたいことがあるんだ」
ミライはそう言って、サチに話をすることを進める。
「その………あのね、私…………前衛したくないんだ」
サチの言葉に、ケイタ達は固まった。
「本当は、戦いもしたくない。死ぬのが………怖いの………でも、皆【攻略組】を目指してるから、こんなこと言ったら、皆の気持ちに水を差すようで怖くて言えなくて…………だから、頑張ろうって思ってたけど、やっぱり怖いの…………!」
振り絞る様にサチの口から言葉が出てくる。
いつの間にか、涙が零れ始め、涙声交じりに言う。
ケイタ達が無言になった。
数分の沈黙が続き、皆が静まる中、ミライが口を開く
「サチ、やりたいことがあるんだろ?」
「ミライ⋯」
「みんな⋯私、サポート職に回りたい!」
「言えたじゃねぇか」
そのまま黒猫団のメンバーはワイワイガヤガヤ盛り上がった。
俺はこの先どうしようかな⋯
それから一週間後。
ミライと《月夜の黒猫団》は転移門広場まで集まっていた。
「それじゃ、俺はもう行くよ」
「ああ!頑張ってくれよ!」
「俺の活躍は多分新聞にも乗るだろうから、しっかり焼き付けておいてくれよ?」
「もちろんだ!そん時は俺らのとこにも来いよ!」
「ああ、それじゃ、そろそろ俺の友達が待ってるから行くよ!」
俺は攻略組に戻る、黒猫団の応援を背に受けながら。
さて、そんなこんなで俺は現状解放されている最上層に向かうと⋯⋯⋯
「⋯わぁなんか色々いるぅ」
「やぁミライ、元気してた?」
「⋯⋯⋯逃〜げよ!」
俺はミトたち血盟騎士団から逃げた。
どーせ勧誘目的だろうし!
アインクラッド編の構想的には一応75層で終わらせる予定なんだけど、圏内事件とかはかかなくても支障無いはずだしいいよね。
次回は幕間〜弱点〜を投稿する予定です。
評価感想お待ちしております!