【架空コミュ】極月Pが白草四音をプロデュースする話 作:ミーティオル
-楽曲コミュ3話-
*「……ふぅ」
四音「はぁ……。
まったく、これから担当アイドルの番だというのにどこに行ってたのです?」
*「照明と音響の方とで内容を最終確認してました。
ゲリラ的に新曲をお披露目しよう、とは言いましたが。
結局のところ、いろいろな人の協力がないと無理な話なので」
四音「……改めて無茶な話ですね。
場当たりでも、本来の課題曲で、新曲はやっていませんが。
よく、照明と音響の方は対応できますね」
*「一応、事前に映像を何度も見せて、すり合わせはしてあります。
四音さんは、普段の練習通りにやってくださるだけで大丈夫です」
四音「まぁ、私に負担がないなら、それはそれで構わないのですが。
よく、こんな話を受ける気になるものです」
*「『それ面白そうじゃん』と二つ返事で快諾してくれました。
頼んだのは僕なんですが、正直僕もイレギュラーな提案にあっさり乗ってくれた事にだいぶ驚いています。
自由な校風に助けられましたね」
四音「……まぁ、ともあれ。
いざ、こうして自分の新曲を披露する時間が来ると、こみ上げるものがあります」
*「衣装も、プロの方に発注して作っていただいたものです。
新曲を効果的に見せるために、持てる力を全て注ぎました」
四音「黒い軍服ワンピース、白いケープ――。
たしかに、素材もずいぶんとこだわってるなと思いましたが」
*「黒い服なので、シルエットが潰れないように白いケープを取り入れました。
服には、星をイメージさせるボタンでアクセントを。
軍服で、力強さを。ケープで、しなやかで神秘的に」
四音「……たしか、歌詞は夜を飛ぶ鳥をイメージしたものでしたね。
そういえば、ずっと新曲とだけ言ってましたが。
この曲に題名はないのですか?」
*「実を言うといくつか候補があって、決めかねていた状態でした。
ですが、作詞家の方と激論をかわし続けることしばらく。
つい先ほど曲名が決まりました。
曲名は――『CYGNUS』」
四音「キグナスというと……たしか、はくちょう座の名前でしたね」
*「はい。
星空を背に、月に挑む白鳥。
そういった意味合いがあります」
四音(白鳥がボクで。月は。
さしずめ、星空は観客といったところか。
……なかなか洒落た事をする)
*「……最高の舞台。最高の衣装。
最高の歌。
――そして、最高のアイドル。
ここに、いま全てが揃いました」
四音「……やれやれ、本当に嬉しそうな顔をしますね、あなたは」
*「どれほど、この日を待ち望んだことか。
――四音さん」
四音「……何ですか、プロデューサー?」
*「翔んでください。空高く」
四音「えぇ。
決して見失わないことです。
――ボクの飛ぶ空は、月よりも高いのだから」
*「……がんばれ、四音さん」
黒井「やれやれ、やってくれたではないか。
プロデューサー」
*「くっ、黒井理事長――!?」
黒井「ふん、私を出し抜いたつもりだったか?
しょせん、貴様なんぞ卵の殻のついたヒヨッ子!
この私にかかれば、貴様の考えごとき手に取るようにわかる!
年季が違うのだよ、年季が!」
*(……詰めが甘かったか。
いや、しかし。四音さんはすでにステージにいる。
それなら――)
黒井「これを持て、プロデューサー」
*「はっ、はい。
……なっ!? 『CYGNUS』のCD!?」
黒井「中身はまだ入っていないがな。
まったく、せっかくの新曲をただのサプライズで終わらせるつもりか?
肝心なところで詰めが甘いのだ、貴様は!」
*「……さすがです、理事長」
黒井「まったく、勝手なことをしてくれたものだ。
ライブが終わり次第、関係各所を回るぞ。
貴様には961式頭の下げ方というものを直々に学ばせてやる。
プロデューサーがいかに激務か、思い知るのだな!
それと、今後一ヶ月私の肩を揉むように!」
*「……了解しました。全力で取り組ませていただきます。
肩もみには自信があります」
黒井「くくく、言うではないか。
では、貴様が用意した四音の新曲。
じっくりと聞かせてもらうぞ、プロデューサー」
*「はい。ぜひ、聞いて下さい、理事長」
モニターに映る四音の姿。
*「来た。
始まるぞ、四音さんの――!」