【架空コミュ】極月Pが白草四音をプロデュースする話 作:ミーティオル
-第10話-
四音「……はぁ。終わらない」
*「大丈夫ですか?
飲み物でしたらこちらに」
四音「……お茶はやめましょう。
こぼしたら一発でダメになるので。水でお願いします」
*「わかりました。
それにしてもこれだけサインが並ぶとなかなか壮観です」
四音「……はぁ。これで、まだ半分も終わってないんですよ」
*「先日のライブがやはり非常に効果的だったようです。
当初想定していた以上のゆうに5倍は応募がありました」
四音「……やはり、枚数制限を設けるべきだったかもしれません」
*「それは、はい。
枚数制限なしというのは、ご自身の人気を理解しておられないな、と思ってました」
四音「私のサインなんて、一年に何回描くか。
……だから、そこまで期待されてないと思ってたんですが」
*「供給が絞られてたわけですから、より皆さん濃縮された思いを抱いていたと思いますよ。
それに加えて、あのライブ。相乗効果は計り知れません」
四音「くっ……!
こんなことなら、もっと簡単なサインにしておくんだった……!」
*「……今から、もう少し簡単なサインにしますか?」
四音「今変えたらこれまでのサインも全部書き直さないといけないでしょう!?
これ以上、この部屋のサイン色紙を増やしたくないんですよ、私は!」
*「サ、サインには種類があることにしましょう」
四音「……それは。
魅力的な提案ですが、飲めません。
なんだか、優劣をつけてしまうような気がして。
今回のサインは――あの空間にいた人たちに向けたもの。
ボクと一緒に、月花姉さまと戦ってくれた人たち。
あの1点はきっと、誰一人として欠けては得ることはできなかったもの。
だから、その全ての人にボクは心から応えたい。
ボクが今、直接返せるものはそれしかないから」
*「……アイドルらしくなられましたね、四音さん」
四音「以前の私なら、やらないでしょうね。
いえ……できない、という方が正確かもしれません。
あのステージの熱を知らなければ、きっとそこに至ることもない。
ふふっ。すっかり、誰かのせいで変わってしまったようです」
四音「今は――もっとファンに見ていて欲しい。
さらなる成長を遂げたボクを、みんなに見せたい。
今以上に強く、今以上に高く。
誰も、目も離すことが出来ないような、そんなアイドルに」
*「……白草四音強化プロデュース計画。
実は、あのライブの後、改めて僕も色々と考えまして。
一応、まとめようとしたのですが、量がとんでもないことになってしまいました」
四音「うわ。な、何冊あるんです?
……あと、この別紙のプランAというのは?」
*「アメリカ編です。
正直、データが十分とは言えませんが、
現状、思いつく限りの攻略法をまとめてあります」
四音「……なるほど。ふふ。
これは当分は、きっと忙しいままですね」
*「はい。
ですので、今はサインを書ききりましょう」
四音「……プロデューサー」
*「はい」
四音「私が書き終わるまで、帰らないように」
*「もちろんです。
何時でも付き合いますよ」
四音「言いましたね。絶対ですからね。
……ここから続く道は険しいもの。
『奇跡』など、本来人生で何度起こせるものか。
……けれど、その『奇跡』は一度起こしてしまった。
私もあなたも逃げ場はもうどこにもないのです。
一蓮托生であること、ゆめゆめ忘れることなく。
――あなたを信じてますから、プロデューサー」