【架空コミュ】極月Pが白草四音をプロデュースする話   作:ミーティオル

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第3話

 プロデューサーの部屋。

 けたたましく鳴るスマートフォン。

 

*「――なんだ、まだ、朝の4時」

 

*「……はい、こちら」

 

 

月花「四音がN.I.Aに出ているそうだな。SNSで見たぞ」

 

 

*「……なんで僕の電話番号を知ってるんです?」

 

月花「理事長から聞いた。

   聞けば今年は初星学園の生徒も大量に来ているとか。

 

   なので、私も行くことにした」

 

*「は? あ、あの、行くとは?」

 

月花「当然、N.I.Aだ。楽しみにしている」

 

*「……あの、N.I.Aってどういうオーディションか知ってますか?」

 

月花「次代を担うアイドルたちのオーディション。

   私はまだ18歳だ。問題ないだろう」

 

*「現役トップアイドルが出るものではありません。

 

  それと、以前の対決からそれほど時間も経っていません。

  今から対決するのは、四音さんのためにもならないというか……」

 

月花「強者と戦うことこそ、成長だろう。

   ならば、何の問題もない」

 

*(このままでは、N.I.Aの全体の目的が白草月花討伐に変わってしまう……!)

 

月花「そういうわけなので、今からチケットを買う」

 

*「月花さんは、強くなった四音さんと戦いたい。違いますか?」

 

月花「そうだ。だから今から向かう」

 

*「だとすればタイミングが悪い。

  四音さんが本当に強くなるのはN.I.Aの後です。

  ライバルとぶつかり、研磨された四音さんこそ真に戦うべき相手では?」

 

月花「……なるほど」

 

*「なので、今は我慢する時です」

 

月花「――では、結果が出たら教えろ」

 

 スマートフォンに通話終了の画面が表示される。

 

*「……朝からどっと疲れたな」

 

 

 

四音「プロデューサー、おはようござ――。

   ……なんですか、朝からそんな疲れた顔して」

 

*「……いえ、大丈夫です。

  僕は四音さんを尊敬します」

 

四音「は、はぁ? なんですか、突然。

   まぁ、悪い気はしないですけど……」

 

*「ひとまず、ブリーフィングにしましょう。

  それでファン投票ランキングなんですが。

 

  さっそく動きがありました。

  大きく動いたのは11人。この内、二人は極月学園。

 

  そして、残りの9人が初星学園です。

 

  極月学園の二人は――元初星学園の賀陽燐羽。

  そして、撫子さんですね」

 

四音「元初星学園……以前話した『傭兵』とやらですか」

 

*「十中八九そうでしょう。

  燐羽さんと、撫子さんは黒井理事長の方針(ロジック)で動いているはずです」

 

四音「枚数的にはこちらが不利――ですね。

   私一人が優勝する分には関係ありませんが」

 

*「燐羽さんは、初星学園中等部トップの『SyngUp!』のリーダー。

  そして、撫子さんも極月学園でも上位のアイドル。

  

  この二人を攻略するのは、いくら初星学園といえどかなり困難でしょう」

 

四音「……撫子は、詰めが甘いところが。

   いえ、あの子もやる時は……多分」

 

*(改めて、この勢力図に月花さんが加わらなくてよかった……)

 

*「おそらく、この9人の中に四音さんのライバルとなりうる存在がいるはずです。

  今後は、極月学園、初星学園、両方の影響力が低い中立地帯が動きます。

 

  四音さんには、そちらで立ち回ってもらいます。

  激戦が予想されますが――変わらず四音さんの魅力を、届けてください」

 

四音「……ボクの魅力、か」

 

*「何か、引っかかることが?」

 

四音「いや――エリアAでの話です。 

  もちろん、あのエリアが初星学園の影響が強いことはわかります。

 

  ……それでも、ボクのパフォーマンスがそれほど数字として伸びなかったのは。

  正直、思うところがありまして」

 

*「本来、あの場所で少しでも上がっただけすごいことではありますが……。

 

  アイドルとは、それ自体がストーリーなのです」

 

四音「……ストーリー、ですか?」

 

*「アイドルが何を思い、何を目指し、どう進むか。

  ただ、パフォーマンスという『結果』のみならず。

  そのパフォーマンスに至るまでの『過程』も武器とするのがアイドルです。

 

  点ではなく、線にしてこそ、アイドルの価値はより深いものとなる。

  エリアAでの四音さんは、線を引くための点を打つ行為です」

 

四音「線を引くための……」

 

*「今は、ただ一つの点に過ぎません。

  しかし、ここからN.I.Aでの戦いを進めるごとに、意味を持ちます。

 

  四音さんは、特に物語性が強いアイドルです。

  ひたむきに、貪欲に戦う姿こそ、輝きとなる。

 

  思いっきりライバルとぶつかってください。

  おそらく、それが自然と四音さんを輝かせます」

 

四音「……ふふっ、そういうことなら。

 

   いいでしょう。この私、白草四音の力を。

   初星学園の連中に思い知らせて差し上げます」

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