【架空コミュ】極月Pが白草四音をプロデュースする話 作:ミーティオル
ランニングコースを走る四音。
四音「はっ、はっ、はっ……!」
四音(――あの時、ボクは。
たしかに月花姉さまに勝つことが出来た。
人生で初めて、ボクは『届いた』。
なら、今のボクは――白草月花を上回るアイドルなのか?
……明確に、それは違う)
四音(パフォーマンスの質は遥かに向こうのほうが上。
ボーカルも、ダンスも、ビジュアルも……。
未だ、アレには敵わない。
今、もし『白草月花』がボクの前に現れたら。
……ボクはきっと、勝つことが出来ない)
四音(――結局、ボクは今もアレの影を追っている。
今のボクに必要なものは?
アレに追いつくために、何が足りない?
いや、追いつくだけではきっと足りない。
アレを引き離すだけの、何かを――)
佑芽「えっほ、えっほ」
四音「……え?」
佑芽「おぉー、さすがお姉ちゃんが言ってたランニングコース!
いい感じに負荷かかってる感じする~!!」
四音(さ、さっきまでこの道には誰も……!?
ここの道は合流できる道もない。
まさか後ろから、追いついて……!?)
佑芽「えっと……あと、時間的に5周くらいはできそう!
よぅしっ! やるぞ~!」
四音(ご、五周!?
ボクですら、ここは四周で止めていたのに……!)
佑芽「うーん、風が気持ちいいー♪」
四音「は、はやっ……!?」
佑芽「次は一緒にお姉ちゃんとも走れたらなぁ……。
……あれ?」
四音「……一緒に走る相手、探しているのですか?」
佑芽「あ、はい……。
えっと、あなたは……?」
四音「たしか、五周でしたね。
付き合ってあげます」
佑芽「えっ、えっと……ありがとう、ございます?」
四音(見たところ、体力には自信がありそうだが……。
とはいえ、ペース配分は素人と見た。
フォームも、それほど洗練されてはいない。
どうせ、今の速さもそう長くは持たないはず――)
佑芽「あっ、そうだった!
今日、生徒会に集まらないといけないんだっけ。
もうちょっとペースあげなきゃ!」
四音(はぁ――!? これ以上ペースを!?)
佑芽「すみません、あたしちょっと急ぎます!」
四音(くっ、ちょ、調子に乗るな……!
ボクがその程度追いつけないなどと思うなよ……!)
佑芽「これくらいのペースでいけば間に合うかな……。
……え?」
四音「はぁ……はぁ……奇遇ですね、私も急ぎの用事を思い出しました」
佑芽「えぇ!?
あ、あの、大丈夫ですか?」
四音「……私の、心配なんか、より。走りに集中したほう、が。
いいんじゃ、ないです、か」
佑芽「そ、それもそうかも。
遅れたら、副会長に怒られちゃう!」
四音(くっ、くそっ……負けるものか。
こんな……メチャクチャなやつに……!
負けるものか――!)
*「おや、今日はいつもより早いですね、四音さ……。
えっ?」
四音「はぁ……はぁ……」
*「今、バスタオルをお持ちします。
……スポーツドリンクも必要そうですね。
ちなみに、何が?」
四音「少々、負けられない戦いがあっただけです」
*「……四音さんは時々、恐竜並のIQになりますね」
四音「何かいいましたか?」
*「いえ、何も」
四音「……まったく。
それで、投票数ランキングに動きは?」
*「燐羽さんと、撫子さんがかなり初星学園を抑え込んでいます。
特に燐羽さんが、凄まじい伸び方をしていますね」
四音「傭兵――と呼ばれるのも伊達ではありませんね。
古巣の相手とはいえ、容赦なし、ですか。
初星学園で注目すべきアイドルついては?」
*「――そうですね、僕的に気になるのは花海姉妹です」
四音「……ランキング的には、極端に高い、といった感じではありませんね」
*「たしかに両者とも、現時点での順位はほどほどです。
しかし、現状での順位は、それほど当てになりません。
僕たちのように『仕掛け』に回れば序盤は緩やかになりますから」
四音「それでは、その二人は『仕掛け』に回った、と?」
*「もちろん、『仕掛け』はしているでしょう。
しかし、それよりもアイドルとしての『性質』が気にかかるところです。
……特に、二人の順位が極めて近い。
見てみたところ、アイドルとしてのタイプは正反対だというのに。
互いに、影響を受け合っている、と考える他ないでしょう」
四音(――姉妹、か)
四音「……なっ。
こ、この花海佑芽というアイドル……!」
*「おや、もしやご存知で?」
四音「さ、さっき、ランニングコースにいた化け物――!?」