【架空コミュ】極月Pが白草四音をプロデュースする話   作:ミーティオル

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第2話

 

 プロデュースが始まる。

 まずは、さっそく四音さんの現時点での実力を見せてもらうことになった。

 そして、彼女のパフォーマンスを見た、僕の感想は――。

 

 

*「……さすが、という他ないですね」

 

四音「そう」

 

*「迷いのないダンス、迫力のある歌唱、そしてそれらを引き立てる一つ一つの動作の美しさ――。

  黒井理事長からトリプルエーの評価を勝ち取ったのも納得です」

 

四音「……とりあえず、最低限プロデューサーらしいことは言えるみたいですね」

 

*「非公式とはいえ、プロデューサーなので」

 

四音「それで、あなたはこれからどうするつもりですか?」

 

*「はい、今見た段階で見えた課題について対策していきたいなと」

 

四音(……ッ! かっ、課題!? 

  今のは私でもよく出来たと思っていたのに――!?)

 

四音「言っておきますが。

   重箱の隅をつつくような話なら、その時点であなたを切ります」

 

*「はい、それは構いません。

  その時は、僕がプロデューサーの域に達していないということですから」

 

四音「……気味悪いほど動じませんね、あなたは」

 

*「内心動揺はしてます。

  とはいえ、プロデューサーがそれを表に出すべきではないので」

 

四音「プロデューサーは、アンドロイドか何かですか?

   ……まぁ、いいでしょう。

   では教えて下さい、あなたが見た私の課題を」

 

*「はい。ではまず、改めて。

  四音さんのパフォーマンスは素晴らしいものです。

  アイドルに必要とされる3つの要素――。

  

  ボーカル、ダンス、ビジュアル。

  そのどれもが非常に高いレベルに到達しています。

  一年生ではもちろん、二年生や三年生でも、四音さんに並べる存在はほぼいないといっていい」

  

四音「ふふ。それは、そうでしょう……。

   ここまで来るのにどれほどかかったことか」

 

*「もちろん、これら3つもまだまだ伸ばしようはあるとは思いますが……。

  四音さんの抱える問題は、この3つとは別の部分にあります」

 

四音「3つとは別の……それは?」

 

 

*「――パフォーマンス中、四音さんと僕は一度も目が会ってません」

 

 

四音「……えっ?」

 

*「四音さんの演技は高いレベルで構成されています。

  しかし、『観客』への意識が綺麗に抜け落ちている。

  

  まるで、僕が――いや、そもそも観客がいないかのように。

  あなたはステージで一人踊り、歌っている。

  一言で表せれば、一人舞台、という事になるでしょうか」

 

四音「そっ、そんなことはないッ!

   あ、あれはダンスの構成的に客を見る時間がほぼないだけで……!」

   

*「――では、四音さん。

  今から僕の目を10秒間見ていただけますか?」

  

四音「ふ、ふん! 何を言うかと思えば。

   10秒なんて、あっという間だッ。

   

   ほ、ほら……!!」

   

*「……多分、四音さんが今見てるのは耳だと思います」

 

四音「み、耳に髪の毛がかかってたから気になって……。

   い、行ける。目を見るくらい……!」

 

*「……めっちゃ泳いでますね」

 

四音「う、うるさい! ……も、もういい!?

   実は私、ドライアイなんですが! 目がゴロゴロして……」

   

*「まだ2秒しか経ってません」

 

四音(くそっ、なんか猛烈に恥ずかしくなってきた……!

  ひ、非公式プロデューサーのくせに!

  ちょ、調子に乗って――!)

 

四音「ぬ、ぐぐ……。

   だ、だいたい異性の目なんて見る機会ないじゃないか!」

 

*「ライブに来る方は男性が半分以上です」

 

四音「ぐ、うぅ……!」

 

*「ひとまず、この辺にしておきましょう。

  目線を合わせるというのはあくまで問題の入口。

  求めるのは、その先の――観客とのコミュニケーションです」

  

四音「な、なるほど。

   ……たしかにこれは私の弱点だと言えます。

   どうやら、口だけではないようで安心しました。

   

   ……ですが、一つ。

   あなた――いえ、『非公式』プロデューサーに言っておきたい事があります」

 

*「……なんでしょうか」

 

 

四音「――私、あなたのこと嫌いです」

 

 

 

 学年 1年生 

 ランク-「A」

 

 姓名 白草 四音(しらくさ しおん)

 

 歌唱力-A

 表現力-A

 ダンス力-A

 観客意識-E ←要改善。まずは観客と目を合わせるところから……。

 ???-?

 

 一年生にして、黒井理事長からAランク評価を受けた優等生。

 ダンス、ボーカル、ビジュアルすべてでA評価のトリプルエーの保有者であり、その実力は学内でもトップクラスと言える。

 姉である白草月花と並び、現在の極月学園を牽引するエース的存在。

 

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現状での課題を確認した。

この課題の解決が、おそらく大きな肝だろう。

 

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