【架空コミュ】極月Pが白草四音をプロデュースする話 作:ミーティオル
プロデュースが始まる。
まずは、さっそく四音さんの現時点での実力を見せてもらうことになった。
そして、彼女のパフォーマンスを見た、僕の感想は――。
*「……さすが、という他ないですね」
四音「そう」
*「迷いのないダンス、迫力のある歌唱、そしてそれらを引き立てる一つ一つの動作の美しさ――。
黒井理事長からトリプルエーの評価を勝ち取ったのも納得です」
四音「……とりあえず、最低限プロデューサーらしいことは言えるみたいですね」
*「非公式とはいえ、プロデューサーなので」
四音「それで、あなたはこれからどうするつもりですか?」
*「はい、今見た段階で見えた課題について対策していきたいなと」
四音(……ッ! かっ、課題!?
今のは私でもよく出来たと思っていたのに――!?)
四音「言っておきますが。
重箱の隅をつつくような話なら、その時点であなたを切ります」
*「はい、それは構いません。
その時は、僕がプロデューサーの域に達していないということですから」
四音「……気味悪いほど動じませんね、あなたは」
*「内心動揺はしてます。
とはいえ、プロデューサーがそれを表に出すべきではないので」
四音「プロデューサーは、アンドロイドか何かですか?
……まぁ、いいでしょう。
では教えて下さい、あなたが見た私の課題を」
*「はい。ではまず、改めて。
四音さんのパフォーマンスは素晴らしいものです。
アイドルに必要とされる3つの要素――。
ボーカル、ダンス、ビジュアル。
そのどれもが非常に高いレベルに到達しています。
一年生ではもちろん、二年生や三年生でも、四音さんに並べる存在はほぼいないといっていい」
四音「ふふ。それは、そうでしょう……。
ここまで来るのにどれほどかかったことか」
*「もちろん、これら3つもまだまだ伸ばしようはあるとは思いますが……。
四音さんの抱える問題は、この3つとは別の部分にあります」
四音「3つとは別の……それは?」
*「――パフォーマンス中、四音さんと僕は一度も目が会ってません」
四音「……えっ?」
*「四音さんの演技は高いレベルで構成されています。
しかし、『観客』への意識が綺麗に抜け落ちている。
まるで、僕が――いや、そもそも観客がいないかのように。
あなたはステージで一人踊り、歌っている。
一言で表せれば、一人舞台、という事になるでしょうか」
四音「そっ、そんなことはないッ!
あ、あれはダンスの構成的に客を見る時間がほぼないだけで……!」
*「――では、四音さん。
今から僕の目を10秒間見ていただけますか?」
四音「ふ、ふん! 何を言うかと思えば。
10秒なんて、あっという間だッ。
ほ、ほら……!!」
*「……多分、四音さんが今見てるのは耳だと思います」
四音「み、耳に髪の毛がかかってたから気になって……。
い、行ける。目を見るくらい……!」
*「……めっちゃ泳いでますね」
四音「う、うるさい! ……も、もういい!?
実は私、ドライアイなんですが! 目がゴロゴロして……」
*「まだ2秒しか経ってません」
四音(くそっ、なんか猛烈に恥ずかしくなってきた……!
ひ、非公式プロデューサーのくせに!
ちょ、調子に乗って――!)
四音「ぬ、ぐぐ……。
だ、だいたい異性の目なんて見る機会ないじゃないか!」
*「ライブに来る方は男性が半分以上です」
四音「ぐ、うぅ……!」
*「ひとまず、この辺にしておきましょう。
目線を合わせるというのはあくまで問題の入口。
求めるのは、その先の――観客とのコミュニケーションです」
四音「な、なるほど。
……たしかにこれは私の弱点だと言えます。
どうやら、口だけではないようで安心しました。
……ですが、一つ。
あなた――いえ、『非公式』プロデューサーに言っておきたい事があります」
*「……なんでしょうか」
四音「――私、あなたのこと嫌いです」
学年 1年生
ランク-「A」
姓名 白草 四音(しらくさ しおん)
歌唱力-A
表現力-A
ダンス力-A
観客意識-E ←要改善。まずは観客と目を合わせるところから……。
???-?
一年生にして、黒井理事長からAランク評価を受けた優等生。
ダンス、ボーカル、ビジュアルすべてでA評価のトリプルエーの保有者であり、その実力は学内でもトップクラスと言える。
姉である白草月花と並び、現在の極月学園を牽引するエース的存在。
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現状での課題を確認した。
この課題の解決が、おそらく大きな肝だろう。
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