【架空コミュ】極月Pが白草四音をプロデュースする話 作:ミーティオル
-第8話-
*「今回、我々が参加するオーディションは『FINALE』。
ついに、この時が来ましたね、四音さん」
四音「……えぇ。
プロデューサー。
聞いておきたいことがあるのですが。
現状での花海咲季とボクのランキングはどうなってますか?」
*「ピッタリと隣り合うように。
向こうも終盤にミニライブを畳み掛けてきたので。
互いに、抜いては抜かれ。抜かれては抜いて。
今もって、互いの間に決定的な差はありません。
――よって、その差が生まれるとすれば。
間違いなく、この『FINALE』でしょう」
四音「ここに至るまで、ボクと同じ、と」
*「今の彼女は、間違いなくN.I.Aの最強の敵。
僕の見立てではおそらくその強さは。
『CRESCENT』における白草月花に打ち勝った白草四音。
それに並ぶ――いや、それ以上のパフォーマンスでしょう」
四音「……っ!
なるほど……。あの時の。
『奇跡』を起こしたボク」
*「今後、再び来る白草月花を相手にするに当たり。
あの時の『奇跡』を起こした白草四音は通じません。
よって、我々はあの花海咲季を必ず超えねばならない」
四音「……かつての『奇跡』さえも打ち破る、新たな『奇跡』が必要だと」
*「不安ですか?」
四音「いえ。
むしろこれ以上にない――ボクにふさわしい相手だと再認識できました。
アイドル白草四音として、ここで止まるわけには行かない。
プロデューサー、行ってきます」
*「四音さん」
四音「なんでしょう」
*「勝ちましょう、必ず」
四音「……えぇ。必ず」
オーディション会場通路
四音(……会場の熱気がここからでも伝わってくる。
こんなステージは初めてだ)
咲季「来たわね。――白草四音」
四音が振り返ると、そこには咲季の姿が。
四音「……花海咲季」
咲季「やっと、あなたと直接戦える。
ずっとこの時を待っていたわ」
四音「同感です。
やはり、あなたとはステージで直接ケリをつける他にない」
咲季「――あなたには絶対に負けない。
私は、いつだって最高のお姉ちゃん花海咲季じゃないといけないから」
四音「……何を言うかと思えば。
ボクもいつだって、ギラギラした白草四音でなければならない。
この『FINALE』――」
四音「勝つのはボクだ――!」
咲季「勝つのは私よ――!」
-楽曲コミュ3話-
ステージ袖、一人立つ四音の姿。
*「さすが。もうすでについていましたか」
四音「……遅い。プロデューサー。
私のライブが始まってしまったらどうするつもりなんです?」
*「まだ開始までは10分以上はあります。
なので、十分間に合うとは」
四音「10分なんてあっという間ですから。
――特にこのN.I.Aでなら」
*「……さすがに、最終盤というだけあって盛り上がりがすごいですね。
ここにいても、会場の声援と熱気が伝わってきます」
四音「……撫子ったら、ちゃっかり最前列にいますね。
さっきからそれっぽい声が聞こえてくると思ったら」
*「入場解放した時点で真っ先に最前列に陣取られていました。
ちなみにグッズも全て購入されてらっしゃいます」
四音「……一応聞きますが、買い占めはしてませんよね?」
*「対策はしています。
グッズは整理券制かつ、入荷は複数に小分けに」
四音「その程度の対策は撫子は突破します」
*「……ライブが終わり次第、買い占め対策の抜本的見直しを行います」
四音「グループ系列に配るとか考えていなければ良いのですけど」
四音が衝立の向こうを少し覗く。
四音(――いるのだろうか、『あの人達』は。
いや……。)
*「……四音さん?」
四音「――なんでもない。
ただ、少し考えていた事があっただけ」
*「そういえば、先日の親子。
先ほど客席の方でお見かけしました」
四音「えぇ、私も今さっき確認しました。
……本当に、私を応援しにきてくれたんですね」
*「今ここにいるファンは皆――極月学園のアイドル、『白草四音』を待っています」
四音「そうですか……ふふ。
なら――生涯消えない衝撃を届けなくてはなりませんね。
『OVERCOME』を背負う白草四音とはいかなるものであるか、と」
四音(いつか来るこの日のために。ボクは戦ってきた。
ただ勝つために。ただ立つために。ただ歌うために)
四音(そして今は、背負うものに報いるために。
何より――『OVERCOME』に、白草四音を刻み込むために)
四音「――ギラギラした、最高の舞台を必ず。
プロデューサー。
ボクがこのN.I.Aを打ち破るその瞬間を、その目に刻みつけることです!」