【架空コミュ】極月Pが白草四音をプロデュースする話 作:ミーティオル
-第九話-
――割れんばかりの歓声が上がる。
二つのアイドル強豪校同士のぶつかり合い。
どちらが、勝つか。
二人のアイドル同士のぶつかり合い。
どちらが、勝つか。
誇りと意地。
互いに決して譲ることはない。
ただ、その先の栄光のために。
ただ、そこにいる観客に届けるために。
ボクたちは、歌い、踊る。
……ボクは強いアイドルなど、嫌いだ。
そこに至れない自分が嫌になるから。
だから、一番がいい。
誰も追いつけないほど、遠い所に立つのがいい。
……そのはずなのに。
今、ボクは。
目の前の現象を。この舞台の熱を。
この舞台の呼吸を。
ずっと感じていたい。
そう思ってしまっている。
指先に、声の端に力がこもる。
もっと、輝きを。
一人では幕を下ろせないこの舞台に、最高の輝きを――!
控室に入ってくる四音。
*「四音さん――」
四音「……プロデューサー。
ボクたちの勝ちです」
*「はい。
最高の――。最高の舞台でした。
やりましたね、四音さん!
――さぁ」
四音「……なんです、その手は?」
*「ハイタッチ、のつもりだったのですが……」
四音「考えてみれば。
誰かとハイタッチなんてしたこと、なかったかも」
*「……あぁ、なるほど」
四音「何を一人で納得してるんですか。
非常に心外です。まったく。
……こんな感じですか?」
控室に響く快音。
*「はい。いい感じです。
改めて、やりましたね。四音さん」
四音「……えぇ」
控室に突如咲季が入ってくる。
咲季「白草四音! ……いる!?」
四音「……花海咲季」
咲季「いた。……まずは、そうね。
優勝、おめでとう。素晴らしいライブだったわ。
初星学園の外にこんなすごいアイドルがいるなんて知らなかった。
あなたと戦えたことは、私にとって誇りよ。
オーディションでのあの勝負。
多分、きっとこれからずっと忘れられないものになると思う」
四音「……そうですね。
私も、『FINALE』で戦う相手があなたで良かった」
咲季「……私は。
私はここでの戦いをここだけのものにしたくないの。
だから――」
四音「また、戦いましょう。
――きっと、あなたはここで満足などしないでしょうから」
咲季「……っ!」
四音「ボクも勝ちたい人がいる。
それは、どこにいても影のようにつきまとう。
その影がある限り……諦めたくとも諦められない。
きっと、あなたもそうだろう、そう考えていますが。
違いますか?」
咲季「……そう、よくわかってるじゃない。
えぇ、そうよ。その通り。
私はね、とーっても、諦めが悪いの!
こんなところで勝ち逃げなんて絶対許さない。
今度は絶対倒してやるんだから!
首を洗って待ってなさい、白草四音!
あなたは、必ずこの花海咲季が倒すわ!」
四音「ふふっ。
できるものなら、やってみるといいでしょう。
何度だって血祭りにしてあげます」
咲季「……ふふ、何よそれ。
なら私はその余裕、必ずぶっ潰してあげる。
……あ、そうそう。
一つだけ訂正したいことがあるわ」
四音「……訂正?」
咲季「――佑芽は影なんかじゃない。
私にとっての光よ」
咲季が控室を出ていく。
四音(……まったく、姉妹揃って虫唾が走る)
*「きっと、これから彼女とは幾度となく戦うことになるでしょう。
どうやら、厄介なアイドルを敵にしてしまったのかもしれません」
四音「……嬉しそうな顔をしながら何を言ってるんですか」
四音(きっと……ボクも今日のステージは忘れることはない)
四音「行きましょう、プロデューサー。
ボクらの凱旋に」