【架空コミュ】極月Pが白草四音をプロデュースする話 作:ミーティオル
第1話
ダンスレッスン室から、四音の凛とした声が響く。
四音「ワン、ツー、ワン、ツー。
――フィニッシュ!」
そんな中、ドアの前に立つ人の影が。
四音「どうぞ、入ってください」
四音が、ドアを開けた人物を見て。
四音「……遅かったですね、プロデューサー」
極月学園のアイドル――白草四音は小さく微笑んだ。
*「……予定の時刻より10分早く着いたはずなのですが。
さすがですね、四音さん」
四音「ふふ、そう簡単に私の先にたどり着けると思わないことです。
今度は15分前に来るといいでしょう」
*「あまりに早すぎると施錠されていますので、
登校競争もほどほどにしておきましょう。
さて、それではミーティングを始めましょうか、四音さん」
四音「――えぇ」
*「まずはこれまでの軌跡を。
我々は『CRESCENT』で白草月花をしのぎ。
そして、『NEXT IDOL AUDITION』で花海咲季に打ち勝った」
四音「ふっふっふ、なんと輝かしい功績でしょう。
アイドル白草四音の軌跡とはこうではなくては。
惜しみない称賛を許しますよ、プロデューサー?」
*「四音さんをプロデュースできることは、僕にとって人生最大の誇りです。
本当に――素敵な女性になられましたね」
四音「は、はぁ!?
い、いきなり何を言っているんですか!
真面目に仕事をしてください! 蹴りますよ!?」
*「……はい。仕事します」
*「これまでの戦いによって、
アイドル白草四音の成長は目覚ましいものとなった。
間違いなく、今の四音さんは『オーバートップ』、
その冠に最も近いアイドルの一人だと言えるでしょう。
――ですが」
四音「……『THE-MOON』で、再び『アレ』が来る」
*「はい。白草月花――彼女が、僕らの最大の敵として現れます」
四音「――ふん、一度は勝っている相手です。
なら、二度勝てないということはない。
この私の手で、直々に引導を渡して差し上げます」
四音(……震えるな。
堂々としろ。ボクが『白草四音』なら――!)
*「……えぇ。やりましょう。
必ず、四音さんに勝利を」
四音「それで、『THE-MOON』はどのように?」
*「『THE-MOON』は、「N.I.A」とは審査が異なります。
無数のファンではなく、プロの審査員が勝敗の判定を行う。
つまり――純粋に、アイドルとしての「商品価値」を彼らは求めている」
四音「商品価値――」
*「ボーカル、ダンス、ビジュアル――。
この3つを基点として、更にそのアイドルが単体で持つ力。
それが求められていることになります」
四音「……アイドル『白草四音』としての価値、ですか」
*「はい。つまり、白草月花に勝つということは、
白草月花に勝る商品価値を示せ、端的に言えばそうなります」
四音「……プロデューサー、あなたの考えは?」
*「今、四音さんが言われたものが、カギになると考えています」
四音「アイドル『白草四音』としての価値を上げる――そういう戦い方を?」
*「えぇ。ボーカル、ダンス、ビジュアル。
それらは前提。しかし、それは向こうも前提としてくる。
最後に残るのは、アイドル『白草四音』と、アイドル『白草月花』。
どちらが世界を広げられるか――完全にその勝負になる。
そのために」
*「『その先の白草四音』を掴みましょう」
四音「その先?」
*「――白草月花の先で世界に立つ、最強のアイドル白草四音です」
四音「白草月花の先に立つ、ボク――」
*「白草月花は、あくまで通過点でしかない。
そう言えるアイドルだけが、白草月花に勝つことができる。
……そして、アイドル『白草四音』にはその未来がある。
僕はそう信じています」
四音「ふ、ふふ……。未来の私を掴めと?
本当にいつも、荒唐無稽な事を言う。
少し前なら――きっと震えて何も言えなくなる。
ですが、今のボクは違う。
いいでしょう、プロデューサー。
ボクを『そこ』へ導いてみせなさい!」