【架空コミュ】極月Pが白草四音をプロデュースする話 作:ミーティオル
真っ暗な闇――耳に響くものはなにもない。
ボクは、どこを目指すわけでもなく、足取りを進める。
やがて、歩いているといつの間にか、どこかの道を歩いているようだった。
果ての見えない、どこまでも続く一本の道。
――これは。
ボクがその先に目を凝らすと、ゆっくり歩く一人の女。
――やっぱり、いた。
ボクは女に追いつくべく、足を走らせる。
足の速さには自信がある。きっと追いつける、そんな気がした。
――はっ、はっ、はっ!
地面を蹴り、女にボクは近づいていく。
まだ、遠い。もっと、早く走らないと。
――はぁっ、はぁっ……!
全身に風を受ける。まだ、遠い。まだ遠いが。
――近づいている! もっと、このまま速度を上げれば……!
銀の髪が見える。女は、ボクを察してか振り返る。
――白草月花!
女――白草月花はボクを見たかと思うと、走り出した。
そのスピードは凄まじく、一瞬して距離を開けられる。
――くっ、離されるものか……!
ボクは腕を振るい、脚を上げ、地面を蹴り――より加速する。
呼吸が苦しい。体が限界に近いことを訴えかけている。
けれど、ここで緩めるわけにはいかなかった。
――追いつける! きっと追いつけるはずだ、ボクなら!
……その時だった。
「も~、月花お姉様はいっつも早いにゃあ~♡」
――は?
ボクの右隣に、猫耳メイド服を着たボクがいた。
「足を止めてはならないよっ☆ 勝利はすぐそこなのだから☆」
そして、左隣には――なぜか王子様のような格好のボクが。
「エースパイロットを舐めるな、ボクが必ず撃ち落とす!」
しまいには、パイロットスーツに身を包んだボクまで出てきた。
――なんだ、一体!?
困惑していると、無数のボクたちはボクを引き離して白草月花に迫り始める。
――は、はやっ!? な、何やってる!
ボクは全速力で、様子のおかしいボクたちを追いかける。
――ふ、ふざけるな! ちっ、違う!
アレに追いつくのは、お前達じゃない!
――月花姉さまに追いつくのは! この……!
四音「あたっ……」
四音の頭上にスマホが落ちてくる。
四音「……なんて夢だ」
リビングに向かう四音。
すると、ソファに座り歌詞カードを眺める月花の姿。
四音(今日は、起きているのか――)
四音がそのまま通り過ぎようとするが。
月花「…………」
四音(――見られている)
四音は月花を確認するが、月花は歌詞カードに目を通している。
月花「…………」
四音(いや――視線の位置が元の位置と違う)
四音(……腹立たしい)
四音は月花を見る。
四音「……おはよう、姉さん」
月花「……あぁ。おはよう」
四音「それじゃ、私は行きますから」
月花「そうか」
四音はリビングを抜ける。
四音(……なんなんだ、この時間は)
場所はボーカルレッスン室
燐羽「あら来たの。……それじゃ、今日も始める?」
四音「……プロデューサーは?」
燐羽「今日は用事だって。何かの準備とか言ってたけど」
四音「……そうですか」
燐羽「あら、あなたもしかして――」
燐羽がいたずらっぽく笑う
四音「……何か?」
燐羽「愛しのプロデューサーがいないとやる気が出ないとか?」
四音「ぶはっ、ごほっごほっ――!?」
四音「な、なんでそうなる!?
ボクとプロデューサーは、そ、そういうのではなく……!!」
燐羽「動揺しすぎよ、あなた。
へぇ……でも、そういう感じなんだ。
今のはいい感じに素材にできそう」
四音「……気に入りませんね」
燐羽「そう、好きすれば。
別に気に入られようとは思ってないもの。
それで、始めるの? 始めないの?」
四音「……始めてください。
今の私には、それが必要ですから」
四音(――少しでも早く、『最強の白草四音』にたどり着かないと。
アレの先には、行けない)
四音と燐羽のレッスンが始まる。
燐羽『お前達、ボクについて来い!
それがお前に課した使命なのだから――!』
四音(最強の――『最強の白草四音』。
ここに出てくるボクは、きっと求めるべきボクではない。
『アレ』――白草月花のその先。
そこに立つボクとは……なんだ?)
四音(白草月花にあって、ボクにないもの――。
いや、ボクにあって白草月花にないもの――)
四音(それが見えてくれば――)
燐羽「……ここまで」
四音「はぁ……はぁ……。
……くっ、まだ。まだ掴めない」
燐羽「よくやるわね。本当。
実物は映像以上にしつこいというかなんというか。
なんか、ギトギトしてる」
四音「ギ、ギト……ッ!?
な、なんですか、私をラードみたいな女だとでも!?」
燐羽「そこまではいってないけど。
まぁ、でもカロリーは高そうよね、どうみても」
四音「私はどなたにもいただける健康食品です」
燐羽「なら、そのギラついた顔やめれば?」
四音「……ラードじゃないですから」
燐羽「そういうところよね。どう考えても。
ところで……あなた、N.I.A出てたのよね?」
四音「そうですが。……映像を見ているのでは?」
燐羽「……まぁ、見てたけど」
燐羽(……『コレ』とぶつかってた可能性もあったのかしらね)
突然、そこにプロデューサーが現れる
四音「プロデューサー?」
*「四音さんに、ニュースがあります。
いいニュースと――それから」
*「――ちょっと急なニュースが」