【架空コミュ】極月Pが白草四音をプロデュースする話   作:ミーティオル

32 / 35
楽曲コミュ第2話

 場所は、ボーカルレッスン室。

 グランドピアノを弾いている四音。

 

四音(……ボクの音)

 

四音(ピアノは好きだけれど――。

  これも、『ボクの音』ではない)

  

四音「……曲はまだ未完成だけど」

 

 イヤホンで未完成の新曲を聞く四音。

 

四音(曲調はかなり激しさがある。

  そう考えれば――埋もれない音であるほうがいい)

  

四音(短いフレーズでもしっかりと存在感のある、そんな音――)

 

四音「……今度は、ギターを試しましょうか」

 

 四音がギターを選んでいると。

 

撫子「あ、四音お姉様……!

   ちょ、ちょっとまってくださいまし……!」

   

 扉を開けるなり、すぐに撫子が再び出ていく。

 

四音「撫子? いったい、何を……」

 

 四音が撫子の様子を見ると、ドア越しにノックしているのが見える。

 

四音(……防音だからほぼ聞こえてませんね)

 

 部屋の中で入って良いことをジェスチャーで撫子に伝える

 

撫子「四音お姉様、お日柄も良く。本日もレッスン中でしたのね!

   おほほほ~」

   

四音「……。

   ノックは3回やりましたね?」

 

撫子「――え? え、えぇ」

 

四音「2回は空室の確認をする時。

   トイレを使用中であるかを確認する時に使います」

 

撫子「……おほ、おほほ。せ、せっかくですもの! 

   問題はなにもありませんでしたが、もう一度実演することにしますわ。

   問題はなにもありませんでしたが――!」

 

四音「まぁ、それはどうでもよくて撫子。

   あなたも、ここで練習を?」

   

撫子「えっ!? え、えぇ。

   お、お邪魔でしたなら、別のレッスン室に移動いたしますわ」

   

四音「いえ。……近頃は一緒に練習することはなかったから。

   今日は、あなたのレッスンに付き合ってあげます」

   

撫子「ほ、本当ですの!?」

 

四音「えぇ。久しぶりに」

 

 二人の練習が始まる。

 

四音「――ずいぶんと上達しましたね。撫子」

 

撫子「ほ、本当ですか!? 私、ずっと頑張ってきましたの!

   今度会う時はあの初星学園のにっくきもやしアイドル――。

   

   必ず、私の手でぎゃふんと言わせて!

   ぐうの音も出ないような完璧な勝利を掴んでみせますわぁ~!」

 

四音「もやしアイドル……?」

 

四音(『ボクの音』――きっとそれはボクの歌声に繋がる音。

   まだ何もそれらしいものは見えてこない)

 

撫子「そういえば、四音お姉様も練習していらっしゃったのですよね。

   不束者ながら、この私藍井撫子がお手伝いいたしますわ!」

 

四音「あ、あぁ。まぁ実を言うと、歌っていたわけではなくて。

   色々と弾きながら、イメージを」

 

撫子「まぁ、そうでしたのね!

   でしたら、私の演奏テクニックをお姉様にご披露いたしますわ!」

   

四音「へえ……?」

 

撫子「えーっと、それじゃどの楽器にしようかしら……」

   

 撫子がある楽器を見つける

 

撫子「――あら、バンジョー……?」

 

四音「なっ、なんでレッスン室にまでバンジョーがあるんですか!?

   いったい誰ですか、ここにまで持ち込んだのは!」

   

撫子「あっ、お、お姉様。もしやバンジョーの音色が苦手でしたの……?」

 

四音「……いえ、別にそういうわけでは。少し取り乱しました」

 

撫子「あ、ありましたわ! アコースティックギター!

   ふふん! 実はお父様がギターが好きで私も少しだけ嗜んでおりますの!」

   

四音「……Fコード、きちんと抑えられます?」

 

撫子「も、もちろん。今から実際にお見せしてみますわ。

   さぁ、レッツセッションですわ、四音お姉様!」

   

四音「……まぁ、いいでしょう。それでは、CRESCENTの課題曲で。

   3、2、1――」

 

 そのまま、撫子が弾こうとするが。

 情けない音がギターから響く。

 

撫子「こ、このギター、調律してませんわ~!?」

 

四音「……はぁ。貸しなさい。私が調律いたします」

 

撫子「え、えっとチューナーは……」

 

四音「音叉がそこにあるでしょう? それで充分です」

 

 四音が音叉を打ち鳴らす

 

四音「そう、この音を基準に――」

 

撫子「……綺麗な音。とても良く響きますわ」

 

四音(――これ)

 

 再び音叉を打ち鳴らす四音

 

撫子「……お姉様?」

 

四音「これだ。……きっと、この音」

 

撫子「この音? え、えっと……F?」

 

四音「Aです。……撫子、今から私がピアノを弾きます。

   なので……少し音叉を鳴らしてもらえますか?」

   

撫子「え? えぇ……」

 

四音(たった一つの音だけど、よく響く――。

   この音なら、きっと埋もれない)

   

四音「撫子。ありがとう」

 

撫子「礼を言われるほどのことではありませんわ!

   ……さっぱりなんのことかわかりませんけど!」

   

四音「そうですね。変なことを言いました。

   ……それじゃ、もう少しだけ私に付き合ってください。撫子?」

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。