【架空コミュ】極月Pが白草四音をプロデュースする話   作:ミーティオル

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第5話

 

四音「ワン、エン、ツー、エン……!」

 

*(――ここで!)

 

四音「……顔を、見せる!」

 

*「さすがです。

  かなり形になってきています」

 

四音「そうですか。

   ……あのおかしな被り物がでてきた時はどうなのかと思いましたが。

   一応、効果は――多少はあったのかもしれません」

 

*「それなら何よりです。

  もし、目が合わせづらくなったな、と思ったら。

  その時は、カボチャを思い浮かべてください」

 

四音「……ま、まぁ、それはどうしてものときだけ、ということで。

   

   それで、非公式プロデューサー」

 

*「なんでしょう?」

 

四音「現状で、完成度はどれほどのものですか?

   パーセントで教えて下さい」

 

*「――そうですね。

 

  現状の四音さんの完成度は80%、といったところです」

 

四音「……そう、まだ80%」

 

*「いえ、『もう』80%というのが僕の所感です。

  現状、本来僕が想定していたペースより驚異的に早い。

  何か指摘があっても、次の日には問題が解消されている。

 

  ……正直、こうして四音さんのプロデュースに携わって。

  四音さんには何度も驚かされてばかりです」

 

四音「しかし、結局80%では未完成ということです。

   それでは意味がありません」

 

*「目指すのは100%――ですか?」

 

四音「当然です。

   何事も、まず完璧でなければならない。

   そうでなければ……まず、ステージを踏む資格がない。

   だから、一秒でも早く100%にしなければ。

 

   ……それで、現状の問題点はなんですか?

   80%を100%にするために、必要なものは?」

 

*「……そうですね、ではその話を。

 

  技術的な面で言えばほとんど問題はありません。

  おそらく、このまま順当に行けばそれで100%には至るでしょう」

 

四音「……何か含みがある言い方をしますね」

 

*「今のままでは100%には至りますが、それ以上にはなりません」

 

四音「……それ、以上? 100%より上があると?」

 

*「はい。アイドルにはファンがいますから。

  アイドルとファン、この2つの存在が心を重ねれば。

 

  そのライブは時に120%――。

  あるいはそれ以上のパフォーマンスを生み出すこともある」

 

四音「……ファン」

 

*「ですから、僕の方針としては四音さんには100%ではなく。

  100%を超えたものを目標として設定しています。

 

  しかし、その点で一つ懸念があります。

  ――四音さんのアイドルとしてのスタンスです」

 

四音「……そう」

 

*「アイドルとして何を求めるか。

  先日その質問をしたときは、四音さんはファンの笑顔だと答えました」

 

四音「……我ながらアイドルらしい回答だと思いますが」

 

*「無論、素晴らしい回答ではあります。

  しかし――それはアイドルという概念の回答ではあっても。

 

  白草四音という人物の回答ではない」

 

四音「――なぜ、そう思ったのです?」

 

*「その勝利に対する貪欲さ。

 四音さんが抱くそれは、単にアイドルが持つものとしては強大すぎます。

 

 ――白草月花。

 四音さんの芯は、姉を超えるという方へ向いている」

 

 白草月花。

 極月学園唯一のSランクアイドルにして、白草四音の姉。

 その並外れた才覚を持って、彼女は学生の身でありながらアメリカの舞台で戦う。

 

 ……極月学園の伝説のアイドル。

 その伝説を――白草四音さんは姉に持つ。

 

 

 

四音「……本当に、忌々しい。

 

   えぇ、そうでしょう……ボクの心はアイドルのそれではない。

   あなたの言う通り、ボクは月花姉さんを超えること。

   それがすべてだ」

 

四音「きっと、お前には想像できないだろう。

   どこにいても比較され続け、アレがこちらに来た瞬間、

   それまで受けてきた称賛がすべて、アレに奪われていく様を。

   そうして、いつもボクを置いて、自分だけ先に行く――!

 

   いつだって、そうだった!

   ボクはずっとこの悔しさの中で生きてきた。

   それが――!」

  

*「四音さんを動かす何よりも強い力となっていた」

 

四音「……そうだ。

   ああ、そうだ。ボクにとってファンもアイドルも。

   月花姉さんを超えるための手段でしかない。

 

   あなたの言う通り、ボクはアイドルらしくは――」

 

*「申し訳ありません。

  先ほどは言葉が足りていませんでした。

  たしかに、四音さんのスタンスに懸念がある、とはいいました。

 

  しかし、それはその内容ではありません」

 

四音「……何?」

 

*「四音さんはその気持ちを――アイドルらしかぬものとして封じている。

  しかし、僕としては。

 

  それこそが白草四音というアイドルの持つ、最大の武器だと考えています」

 

四音「最大の武器?

   この……黒い気持ちが?」

 

*「はい。アイドルの輝き方とは、決して一つではない。

  遥か高い頂きを目指し、魂を燃やし挑む様。

  それも、アイドルが見せる輝きと言えるはずです」

 

四音「アイドルの輝き……」

 

*「はい。

  四音さんの勝ちたいという気持ち。

  そして、輝きたいという気持ち。

  その思いはファンの心にも届く、極めて強力な光です。

  これを利用しない手はありません。

  

  その思いをファンに届け、心を重ねる。

 

  そして――ファンと共に撃ち落としましょう。

  白草月花という、空に浮かぶ月を」

 

四音「……月花姉さまを、撃ち落とす」

 

*「はい。

  一人で挑むには、白草月花というアイドルはあまりにも強大です。

  

  ……ですが、ファンと力を合わせれば。

  たとえ、相手が白草月花であろうとも、勝てる。  

 

  実にアイドルらしい戦い方でしょう?」

 

四音「……ふ、ふふ。ははははっ――!

   バカげている! なんですか、それは?

   なんて、壮大で。なんて、荒唐無稽な……」

 

*「たしかに荒唐無稽かもしれません。

  けれど四音さんなら、きっとそれは『起こせる』奇跡でしょう。

 

*「……今一度改めて。

  あなたを『その先』へと導くために。

 

  ――白草四音さん、あなたをプロデュースさせてください」

 

四音「……はぁ。

 

   わかりました。

   ですが――奇跡とは、決して軽い言葉ではない。

   それを果たすまで――逃げられるとは思わないことです」

 

*「もとより、覚悟の上です」

 

四音「あなたは、本当に……。

   ずいぶんと、おかしなプロデューサーですね」

 

 

四音(――あの月に。

   届く、その日が)

 

 

 

 学年 1年生 

 ランク-「A」

 

 姓名 白草 四音(しらくさ しおん)

 

 歌唱力-A

 表現力-A

 ダンス力-A  

 観客意識-C+ ←下地は整ってきた。ここから!

 対抗心-S  ←その強さを、輝きに!

 

 一年生にして、黒井理事長からAランク評価を受けた優等生。

 ダンス、ボーカル、ビジュアルすべてでA評価のトリプルエーの保有者であり、その実力は学内でもトップクラスと言える。

 更に、アイドルとしての才能のみならず、プロデューサー科の人間を上回るほどの高い分析能力も備える。

 姉である白草月花に勝つべく、日々研鑽を重ねる。

 

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この挑戦は、決して簡単なものではない。

だけど、四音さんならば、きっと。

 

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