【架空コミュ】極月Pが白草四音をプロデュースする話 作:ミーティオル
四音「ワン、エン、ツー、エン……!」
*(――ここで!)
四音「……顔を、見せる!」
*「さすがです。
かなり形になってきています」
四音「そうですか。
……あのおかしな被り物がでてきた時はどうなのかと思いましたが。
一応、効果は――多少はあったのかもしれません」
*「それなら何よりです。
もし、目が合わせづらくなったな、と思ったら。
その時は、カボチャを思い浮かべてください」
四音「……ま、まぁ、それはどうしてものときだけ、ということで。
それで、非公式プロデューサー」
*「なんでしょう?」
四音「現状で、完成度はどれほどのものですか?
パーセントで教えて下さい」
*「――そうですね。
現状の四音さんの完成度は80%、といったところです」
四音「……そう、まだ80%」
*「いえ、『もう』80%というのが僕の所感です。
現状、本来僕が想定していたペースより驚異的に早い。
何か指摘があっても、次の日には問題が解消されている。
……正直、こうして四音さんのプロデュースに携わって。
四音さんには何度も驚かされてばかりです」
四音「しかし、結局80%では未完成ということです。
それでは意味がありません」
*「目指すのは100%――ですか?」
四音「当然です。
何事も、まず完璧でなければならない。
そうでなければ……まず、ステージを踏む資格がない。
だから、一秒でも早く100%にしなければ。
……それで、現状の問題点はなんですか?
80%を100%にするために、必要なものは?」
*「……そうですね、ではその話を。
技術的な面で言えばほとんど問題はありません。
おそらく、このまま順当に行けばそれで100%には至るでしょう」
四音「……何か含みがある言い方をしますね」
*「今のままでは100%には至りますが、それ以上にはなりません」
四音「……それ、以上? 100%より上があると?」
*「はい。アイドルにはファンがいますから。
アイドルとファン、この2つの存在が心を重ねれば。
そのライブは時に120%――。
あるいはそれ以上のパフォーマンスを生み出すこともある」
四音「……ファン」
*「ですから、僕の方針としては四音さんには100%ではなく。
100%を超えたものを目標として設定しています。
しかし、その点で一つ懸念があります。
――四音さんのアイドルとしてのスタンスです」
四音「……そう」
*「アイドルとして何を求めるか。
先日その質問をしたときは、四音さんはファンの笑顔だと答えました」
四音「……我ながらアイドルらしい回答だと思いますが」
*「無論、素晴らしい回答ではあります。
しかし――それはアイドルという概念の回答ではあっても。
白草四音という人物の回答ではない」
四音「――なぜ、そう思ったのです?」
*「その勝利に対する貪欲さ。
四音さんが抱くそれは、単にアイドルが持つものとしては強大すぎます。
――白草月花。
四音さんの芯は、姉を超えるという方へ向いている」
白草月花。
極月学園唯一のSランクアイドルにして、白草四音の姉。
その並外れた才覚を持って、彼女は学生の身でありながらアメリカの舞台で戦う。
……極月学園の伝説のアイドル。
その伝説を――白草四音さんは姉に持つ。
四音「……本当に、忌々しい。
えぇ、そうでしょう……ボクの心はアイドルのそれではない。
あなたの言う通り、ボクは月花姉さんを超えること。
それがすべてだ」
四音「きっと、お前には想像できないだろう。
どこにいても比較され続け、アレがこちらに来た瞬間、
それまで受けてきた称賛がすべて、アレに奪われていく様を。
そうして、いつもボクを置いて、自分だけ先に行く――!
いつだって、そうだった!
ボクはずっとこの悔しさの中で生きてきた。
それが――!」
*「四音さんを動かす何よりも強い力となっていた」
四音「……そうだ。
ああ、そうだ。ボクにとってファンもアイドルも。
月花姉さんを超えるための手段でしかない。
あなたの言う通り、ボクはアイドルらしくは――」
*「申し訳ありません。
先ほどは言葉が足りていませんでした。
たしかに、四音さんのスタンスに懸念がある、とはいいました。
しかし、それはその内容ではありません」
四音「……何?」
*「四音さんはその気持ちを――アイドルらしかぬものとして封じている。
しかし、僕としては。
それこそが白草四音というアイドルの持つ、最大の武器だと考えています」
四音「最大の武器?
この……黒い気持ちが?」
*「はい。アイドルの輝き方とは、決して一つではない。
遥か高い頂きを目指し、魂を燃やし挑む様。
それも、アイドルが見せる輝きと言えるはずです」
四音「アイドルの輝き……」
*「はい。
四音さんの勝ちたいという気持ち。
そして、輝きたいという気持ち。
その思いはファンの心にも届く、極めて強力な光です。
これを利用しない手はありません。
その思いをファンに届け、心を重ねる。
そして――ファンと共に撃ち落としましょう。
白草月花という、空に浮かぶ月を」
四音「……月花姉さまを、撃ち落とす」
*「はい。
一人で挑むには、白草月花というアイドルはあまりにも強大です。
……ですが、ファンと力を合わせれば。
たとえ、相手が白草月花であろうとも、勝てる。
実にアイドルらしい戦い方でしょう?」
四音「……ふ、ふふ。ははははっ――!
バカげている! なんですか、それは?
なんて、壮大で。なんて、荒唐無稽な……」
*「たしかに荒唐無稽かもしれません。
けれど四音さんなら、きっとそれは『起こせる』奇跡でしょう。
*「……今一度改めて。
あなたを『その先』へと導くために。
――白草四音さん、あなたをプロデュースさせてください」
四音「……はぁ。
わかりました。
ですが――奇跡とは、決して軽い言葉ではない。
それを果たすまで――逃げられるとは思わないことです」
*「もとより、覚悟の上です」
四音「あなたは、本当に……。
ずいぶんと、おかしなプロデューサーですね」
四音(――あの月に。
届く、その日が)
学年 1年生
ランク-「A」
姓名 白草 四音(しらくさ しおん)
歌唱力-A
表現力-A
ダンス力-A
観客意識-C+ ←下地は整ってきた。ここから!
対抗心-S ←その強さを、輝きに!
一年生にして、黒井理事長からAランク評価を受けた優等生。
ダンス、ボーカル、ビジュアルすべてでA評価のトリプルエーの保有者であり、その実力は学内でもトップクラスと言える。
更に、アイドルとしての才能のみならず、プロデューサー科の人間を上回るほどの高い分析能力も備える。
姉である白草月花に勝つべく、日々研鑽を重ねる。
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この挑戦は、決して簡単なものではない。
だけど、四音さんならば、きっと。
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