【架空コミュ】極月Pが白草四音をプロデュースする話 作:ミーティオル
四音「~♪」
四音「……違う。この入り方じゃない」
四音「それなら――いえ、曲調から考えると。
であれば、歌い方をかえて。
コホン。
すーっ……!!」
四音が深呼吸をしていると、扉を勢いよく開け放たれる。
撫子「四音お姉様ーっ!
お願いがありますのーッ!」
四音「ゴホッ、ゴホッ――」
撫子「うぇっ!? だ、大丈夫ですの、四音お姉様!?」
四音「だ、大丈夫です。
……今度から、ボーカルレッスン室入る時はノックしなさい」
撫子「はい! わかりましたわ!
……あれ? ここの扉って防音でしたような」
四音「防音でもいいから! マナーだと思いなさい!!!」
四音(くっ……しなくてもいい苦労が)
撫子「は、はい! わかりましたわ。マナーは淑女の嗜みですものね!
それで、四音お姉様。お願いがありまして」
四音「……何?
言っておきますけど、勉強ならコンテスト期間は見ないので」
撫子「いえ、それではなくて。
ああ、いえそれもコンテストが終わったら見てほしいのですけど。
……こちらの曲を聞いて欲しいのですわ」
四音「……なるほど。
5/8、7/8、6/8、5/8、8/8、5/8ーー」
撫子「わ、わぁ!
一回だけで拍子をーー!?
す、すごいですわーっ! さすが四音お姉様!」
四音「……どうせあなたのことだから、リズムで躓いているのでしょう。
今から、実際に拍子を聞かせます。録音しなさい」
撫子「は、はい! お願いします!」
撫子「ありがとうございます、お姉様!
これでこの曲もバッチリですわ!」
四音(……まったく、こっちも忙しいのに)
撫子「そういえば、今日はダンスレッスン室ではありませんのね」
四音「あぁ――」
四音(新曲だから、普段より来る回数を増やしてる――。
とは、言えない。
……いや。でも、撫子なら――)
四音「撫子、あなたは自分では口は堅い方だと思う?」
撫子「はいっ!!!
なにか四音お姉様から秘密を託されたのならッ!!!
鋼鉄よりもかたーいこの唇が!!!
お姉様の秘密を必ず守り抜いてみせますわっ!!!」
四音(多分、一日も持ちませんね……)
四音「……これは、そう。仮定なのだけど。
前半はピアノで美しい伴奏がメイン。
中盤から、ギターで盛り上がるフレーズ。
こういう曲があったとして。
曲調通りにメリハリをつけるか。
それとも、全体を通して違和感がないようにするか。
……撫子ならどうする?」
撫子「え、えぇ?
ちょっと、どういう曲かわからないと答えづらいですわ」
四音「仮定だから、実際に曲はありません」
撫子「えー? うーん……。
そ、そうですわね。
そ、その場合は歌詞とかで判断するかも、ですわ。
きっと、なんかこう、曲として伝えたい部分は歌詞と連動してると思いますわ!」
四音(……歌詞か。
なるほど、立てる歌詞を選んで考えてみてもいいかもしれない)
撫子「そうですわねぇ、でももし私が新曲を歌えるなら。
こう、バックコーラスでなんか荘厳な感じの曲が歌いたいですわ!
コーラスをバックに歌うときっと気持ちいいはず!」
四音「バックコーラスはなしで考えて」
撫子「なんでですの!?」
四音「……ここだとバックコーラスがある曲を歌うことは少ないでしょう?」
撫子「それは――たしかにそうかも。
だいたいユニットでユニゾンですわよね」
四音「ユニットのユニゾンもなしで」
撫子「ソロ曲でしたの!?」
四音(……でも、気持ちいい、か。
たしかに――ファンと心を重ねるということなら。
そこは、気を使うべきポイントだろう)
撫子「ところで、四音お姉様は先から何を書いてますの?」
四音「……メモです。
これはプライベートなものだから」
撫子「さっすが、四音お姉様!
プライベートでも、アイドルとしての研鑽を欠かさない。
まさに、アイドルの鑑ですわ!」
四音(アイドルの鑑――)
四音(……なるほど、そういうこと。
アイドルとしての私と。
白草四音としてのボク。
この曲には、2つの自分がいる。
それなら、フレーズも、盛り上がりも。
一つの線で繋げられる)
撫子「……四音お姉様?」
四音「ありがとう、撫子。少し頭を整理できました」
撫子「……?
なんだか、よくわからないけど、良かったですわ!
そういえば、これからボーカル練習ですわよね。
でしたら――」
四音「私は、ボーカルレッスン室2を借りてやります」
撫子「えぇ、なんで!?
い、いやでもこっちの方が部屋も設備も新しいですわよ!?」
四音「……それは、その。気分です」
撫子「き、気分、ですの?」
四音「なんでもいいから!
とにかく、私はボーカルレッスン室2でやります。
撫子、あなたもこの時期だから集中して練習したいでしょう」
撫子「え? ま、まぁ集中は――したい、ですけど」
四音「そういうわけで、ここは好きに使いなさい。
それじゃ」
四音「……あ、それと。
ボーカルレッスン室2は決して扉を開けぬように」
扉を締めて去る四音
撫子「な、なんなんですのーっ!?」