【架空コミュ】極月Pが白草四音をプロデュースする話 作:ミーティオル
-第6話-
「それじゃ、みんなー! ありがとう! また来てねーっ!」
四音「はぁ……はぁ……」
*「お疲れ様です、四音さん。
会場にきた子どもたちも、大いに盛り上がってました」
四音「はぁ……はぁ……。それは……どうも」
*「こちらタオルです。それと、水も」
四音「だ、騙しましたね……。
商店街のショーというから、司会進行役とばかり」
*「似合ってましたよ、かわいいうさちゃんのきぐるみ」
四音「なにが……うさちゃん……ですか……。
ショーが終わった途端に、子どもたちにどつき回されました……」
*「今回のショーのお姉さんは、これまでもイベントをしていたそうです。
コール&レスポンスも、やはり経験に裏打ちされたものでした。
あれを間近で見れたのは、いい経験になったかな、と」
四音「なら……客として行けば、いいものを……」
*「ステージ上で、実際に客にどう訴えかけるか――。
それを間近で見られるにはやはり、同じステージに立つしかありません」
四音「……まぁ、良い勉強だったことは否定しません。
あの場でメモが取れたなら取りたかった。
それはそれとして。
ステージ用メイクが台無しになったことは恨みます」
*「そちらについては申し訳ありませんでした。
では、体を動かして汗もかいて、お腹も減ったでしょうし。
涼しいカフェで一息つきましょうか」
四音「……そうですね。
小腹も空きましたし、何か軽食でもつまみたい気分です」
*「では、おすすめの場所を。
味もサービスも良いところがあるんです」
四音「……そう。
でしたら、期待はしておきます」
四音「いや、カフェはカフェですが。
――メイドカフェじゃないか!!」
*「……執事カフェの方が良かったですか?」
四音「いや、メイドか執事かの問題ではなくて。
涼しいカフェで一息、でコンセプトカフェは出ないんですよ、普通。
……だいたい、こういうところは私は」
*「初めて、ですか?
たしかに、普通はなかなか行く機会はないかもしれません」
四音「……その様子だと、あなたはすでに何回か行ったことがあるようですね」
*「はい。ちなみに会員証も持ってます。ゴールドです」
四音「流れるように出してきましたね。
言葉を選ばずに言いますが、少し引きます」
*「それで、何を注文しますか?
僕のオススメは『おりじなる☆はぁと☆どりんく♥』
そして『ふわふわ☆にゃんにゃん☆ぱんけぇき♪』ですね」
四音「文字に対して甘ったるいという感情を抱いたのは初めてです。
……まぁ、私はよく知らないので。
あなたのオススメに任せます」
*「では、そのように。あ、それと。
ここでは、なにか注文するときは『にゃん♪』とつけることを忘れないでください。
ちなみに呼ぶ時は二回やります。では――にゃんにゃん♪」
四音「は、はぁ!?」
メイド「はーい、ご主人様♥ ご注文伺いに来ましたにゃん♪」
*「では、僕は『おりじなる☆はぁと☆どりんく♥』。
それと、『ふわふわ☆にゃんにゃん☆ぱんけぇき♪』を。
よろしくお願いするにゃんっ♪」
メイド「かしこまりましたにゃん♪
お嬢様はいかがなさいますかにゃあ?」
四音「……え、えっと。
それでは、そこの人と同じメニューで」
メイド「むっ、お嬢様。めっ! だにゃ!
注文はしっかり読み上げること!
そして、メイドに頼む時は『にゃん♪』をつけていただくにゃ!」
四音「……お、おりじなるはぁとどりんく。
そ、それと、ふわふわ――にゃんにゃんぱんけぇき。
で、お願いします……。
……にゃん」
メイド「んー、元気がないのがちょっと心配だけど……。
でも、良かったことにするにゃ!
ご注文、たしかに承りましたにゃんっ♪」
四音「……注文だけでこんなに疲れたのは初めてです」
*「大事なのは、この場のノリを楽しむことです。
メイドさんはプロです。メイドさんを信じましょう」
四音「まったく……堂々たるものですね、さすがゴールド会員」
メイド「ご主人様、お嬢様、おまたせしましたにゃんっ♪
それでは、ふわふわ☆にゃんにゃん☆ぱんけぇき♪
からお持ちするにゃんっ♪」
四音「……これは、普通に美味しそうですね」
メイド「それではパンケーキにかわいいネコちゃんを描きますにゃんっ♪」
四音(……結構器用にやりますね、この人)
メイド「それでは、お次はおりじなる☆はぁと☆どりんく♥
まごころドリンクと、あいじょうパウダーを合わせて作りますにゃ♪」
四音(ココアパウダーと……牛乳。多分、ココアだ)
メイド「では、今からドリンクに愛を込めてまぜまぜするにゃん♪
たーっぷり愛情が入ったと思ったら!
にゃんにゃん♪ とお声がけ、よろしくにゃん♪
では――お嬢様」
四音「な、なんですか? 顔が近……」
メイド「目を見て、まぜまぜ。
たーっぷり、愛情を込めますにゃん♪
にゃんにゃんにゃん……!」
四音(こ、このメイド!?
ボクの目をまっすぐと覗き込んで……っ!?)
メイド「にゃんにゃんにゃん……!」
四音(なんて淀みのない……! これがプロだと……!?
くっ……逸らすものか。
このメイドはカボチャ、カボチャだ……!)
メイド「……にゃにゃ、なんだか目つきが変わりましたにゃあ?」
四音「続けてください。もっと愛情を込めてほしいので」
メイド「わかりましたにゃんっ♪
まぜまぜ、まぜまぜ!」
四音(……ボクがいくら見つめても臆する事もない。
恐れがないというのか、この人は)
四音「――にゃんにゃん」
メイド「はーい、たっぷり愛情、入りましたにゃんっ!」
四音「……ありがとうございます。
それでは、いただきま――」
メイド「お嬢様。お待ち下さいにゃっ!」
四音「ま、まだ何かあるんですか?」
メイド「いっちばん大切な事が残ってますにゃっ!
これなくして、お料理は楽しめないんだにゃあ」
*「そうですね。メイドカフェで一番大事な部分です」
四音「一番、大事なこと……?」
メイド「そうにゃ!
――今から、この料理に更に美味しくなる魔法をかけますにゃ!!」
四音「は? ま、魔法?」
メイド「そうにゃ! 実はメイドさんは魔法使いなんだにゃあ。
では、美味しくなる呪文を特別にお嬢様に教えちゃうにゃっ♪
今から私が言う言葉を、繰り返してくださいにゃ。
――おいしくなぁれ♥ 萌え萌えきゅんっ♪」
四音(も、萌えって単語、人の口から初めて聞いた……)
メイド「それじゃっ、お嬢様、ご主人様っ!
準備はできましたかにゃ?」
*「出来てます。いつでもどうぞ」
四音「……本当によどみないですね、あなたは」
メイド「それでは、ご主人様から♪
それじゃ、行きますにゃんっ♪
――おいしくなぁれ♥ 萌え萌えきゅんっ♪」
*「おいしくなぁれ♥ 萌え萌えきゅんっ♪」
メイド「ご主人様、とっても上手だにゃ~!」
*「ゴールド会員ですから」
メイド「それでは、次は――」
四音「……わ、私ですか」
メイド「そうにゃっ! ふふっ、お嬢様。
ご主人様より、うまく魔法がかけられますかにゃあ?」
四音「……何だと?」
*「いえ、僕もここまで来るまでかなりかかりましたから。
――別に無理はしなくていいんですよ? 四音さん」
四音「……バカにするな。
いいだろうッ! 見せてやる!
ボクが一番、うまく魔法をかけられるということを!」
メイド「それでは、お嬢様。準備はよろしいですかにゃ?
せーの」
四音「――おいしくなぁれっ♥ 萌え萌えきゅんっ!!!!!」
*「――伝説になりましたね、四音さんの萌え萌えきゅん。
まさかメイドさんからスカウトを受けてしまうとは」
四音「……まんまと載せられました。
あの場に知り合いがいないことを祈るばかりです」
*「……あまり楽しめませんでしたか?」
四音「なんですか、誘っておいてその捨てられた子犬のような顔は。
……たしかに、困惑はありました。
けれど、発見もありました。
客と店員を繋ぐ儀式、コミュニケーション、その心意気。
正直、なかなか参考になりました」
*「……今日は、少し普段とはアイドルとは違う切り口からアプローチをしたんです。
アイドルではなく、ただ白草四音として。
そこに立ち、心を通じ合わせる。
何事にも努力を欠かさない、白草四音がそこにいる。
……今日、僕は改めて確信を得ました」
四音「……確信?」
*「白草四音は、とても魅力的な女性である、と」
四音「――は!?
あ、あああなたは、何を言ってるんですか……!?
立場をわきまえてますか? もっとムードとかないんですか?
大体これまでの――!」
*「……ふふ、アイドルとは不思議なものです。
アイドルらしかぬ部分に、アイドルとしての魅力があって。
アイドルらしいことだけでは、アイドルの魅力足り得ぬ。
四音さんは――とても魅力のあるアイドルだと思います」
四音「……それは、遠回しに私がアイドルらしくない。
そういっているのでは?」
*「いえ、これ以上になくアイドルにふさわしい。
そう言っています」
四音「……本当に、私を高く買いますね。あなたは。
ん、あれは――撫子?」
撫子「し、四音お姉様ーっ!!
た、大変ですわ、大変ですわぁーっ!」
四音「……落ち着きなさい、撫子。
どうしたのです?」
撫子「げ、月花お姉様が……月花お姉様が!
——『CRESCENT』にエントリーされてますっ!!」
四音「——なん、ですって?」
学年 1年生
ランク-「A」
姓名 白草 四音(しらくさ しおん)
歌唱力-A
表現力-A
ダンス力-A
観客意識-C++ ←しっかりと目を合わせられた!
対抗心-S ←その強さを、輝きに!
一年生にして、黒井理事長からAランク評価を受けた優等生。
ダンス、ボーカル、ビジュアルすべてでA評価のトリプルエーの保有者であり、その実力は学内でもトップクラスと言える。
更に、アイドルとしての才能のみならず、プロデューサー科の人間を上回るほどの高い分析能力も備える。
姉である白草月花に勝つべく、日々研鑽を重ねる。
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アイドルとは違う世界からの刺激は少なからず影響はあったようだ。
しかし、まさか白草月花。彼女が本当に……?
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