【架空コミュ】極月Pが白草四音をプロデュースする話   作:ミーティオル

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第7話

*(現在、白草月花はアメリカで活動していると聞いていた。

 日本に帰国していたのか……。いや、それより)

 

*「中間試験はもうすでに終了しているはず。

  それがなぜ、エントリーができている……?」

 

撫子「そ、それが……中間試験に合格した学外の生徒が体調不良で欠場になって。

   空いた出場枠をかけて簡易的に試験したそうなんです。

   でもなぜか、その中にお姉様が紛れ込んでいた——と」

 

*(……なるほど、補欠枠を奪い取ってきたのか。

 だがなぜ、『CRESCENT』に?

 

 ——いや、考えられる理由は一つしかない)

 

四音「そうやって、またボクの前に立ちふさがるか。

 

   ——白草月花ッ!」

 

撫子「し、四音お姉様……」

 

四音「――プロデューサー、今すぐ極月学園に戻ります。

   早くパフォーマンスを完成させなければ」

 

*「わかりました。

  ……ちょっと裏技を使って借りれる時間を長くしておきます。

 

  それと、撫子さん」

 

撫子「えっ? な、何ですの?」

 

*「撫子さんは、直近で何かイベントはありますか?」

 

撫子「え? い、いえ。特に。

   私は、今回じゃなくて次の『CRESCENT』に出る予定でしたから」

 

*「……でしたら、付き合ってくださいませんか?

  四音さんのレッスンに」

 

撫子「え、でも……四音お姉様の邪魔になったら、いけないし……」

 

*「大丈夫です。ただ、そこにいていただけるだけで」

 

撫子「そ、そうですの?

   わかりましたわ。そういうことなら——」

 

 

四音「ワン、エン、ツー、エン! 

   ――フィニッシュ!」

 

撫子「すっ、すごいっ……!

   以前にも増してキレがありますわ! さすが四音お姉さま!」

 

四音「……違う。これじゃない」

 

*「何度でも、やりましょう。

  僕たちは、見ています」

 

四音「……今度は別の演出を試します」

 

撫子「はい、楽しみにしてますわ! 四音お姉様!」

 

 

四音「ワン、エン、ツー、エン……!

   ——フィニッシュ!」

 

撫子「すごいですわ、四音お姉様、なんて伸びやかな動きなの……!」

 

四音「……違う。違う。

   こうじゃ……こうじゃない」

 

*「大丈夫です。見ていますから」

 

撫子「……あの四音お姉様。

   あまり、無理はなさらないでくださいませ」

 

四音「――無理はしていません。

   ずっと、私はこうして練習してきましたから」

 

撫子「そ、それならいいですけれど……」

 

 

四音「ワン、エン、ツー、エン……。

   フィニッシュ……!」

 

撫子「すごい……! 正確な動き! さすがですわ、四音お姉様」

 

四音「……違う。

   これじゃ……これじゃ……っ!」

 

撫子「四音お姉様。日も落ちましたわ、今日はもう——」

 

四音「日が落ちたくらいで、何です。

   ……むしろここから。

 

   帰りたいなら帰りなさい。

   ご両親は、あなたがいないと心配でしょう」

 

撫子「し、四音お姉様が練習してるのに帰る私ではありませんわっ!

   

   あ、でも今日は晩ごはんは食べないと連絡を入れないと……。

   ……そしたら晩ごはんはどうしましょう」

 

*「大丈夫です。

  僕の方でお二人の分の食事は用意しておきましたから。

  飲み物もこちらにあります」

 

撫子「おぉっ! 気が利きますわ! 

   さっすが、四音お姉様のプロデューサー!

   では、私はお電話に行ってまいりますわ!」

 

四音「……あなたも、よくここまで付き合いますね」

 

*「僕は四音さんのプロデューサーですから。

  それに宿敵と戦う時は近い。

 

  今、共にいなくて、いつ共にいるというのでしょうか」

 

四音「……まったく、ステージに立つのは私であって。

   あなたたちではないというのに」

 

*「……そうですね。

  僕たちは、四音さんと同じステージに立つことは出来ません。

  けれども――僕らは見ています。四音さんの頑張りを」

 

四音「……ボクは。

   ボクは――変われているのか?」

 

四音「……震えが止まらない。

  いつだって、今回こそは、そういう思いで戦ってきた。

  

  けれど――いつだって、アレは遥か先にいる。

  ボクの努力を、嘲笑うように」

 

*「逃げたいとは、思いますか?」

 

四音「――それは、あり得ない。

   戦わずに逃げたら、その時は本当にボクは。

   ボクを許すことは出来ない」

 

*「……それを聞けて安心しました。

  四音さんが変われているのか、という質問ですが。

 

  そこは、半分変わって。半分変わっていません」

 

四音「……中途半端、だと?」

 

*「いえ、非常に理想に近い状態です。

  四音さんにある芯は、変わっていない。

 

  けれど、四音さんの振る舞いには変化が出ています。

  以前の四音さんなら、こういう話はしなかったでしょうから」

 

四音「それは――そうでしょうね。

   いよいよ、自分一人では抱えきれなくなったのかもしれない」

 

*「自分の心を開け放つのも、強さの一つです。

 

  四音さん」

 

四音「……なんです?」

 

*「今日は思いっきり練習してください。

  その心が吹き荒れるままに。

  今の四音さんには、その時間が必要だと思いますから。

 

  ただし、明日以降は調整したスケジュールで進行します。

  あくまで一番重要なのは決戦の日ですので」

 

四音「わかりました。……プロデューサー」

 

*「はい。なんでしょうか」

 

 

四音「――ありがとう」

 

*「――」

 

四音「……へぇ。ふふ。

   あなたも、そういう顔もするんですね」

 

 

 レッスン室の扉を開けて、入ってくる撫子。

 

撫子「はーっ! 長電話でしたわっ!

   ほんっとうに、お父様はしつこいったらないのなんの。

   テレビ番組なんて、見逃し配信でもどうとでもなりますわっ!」

 

*「おかえりなさい、撫子さん」

 

撫子「ふふんっ。藍井撫子、ただいま帰還ですわっ!」

 

四音「……撫子、プロデューサー」

 

*「はい」

撫子「なんでしょう、四音お姉様!」

 

四音「――ボクは勝ちたい。白草月花に」

 

四音「だから、手を貸してほしい。

   白草月花を倒す、そのために。

 

   ……二人には、ボクを見てほしい」

 

*「もちろんです」

撫子「えぇ、四音お姉様のためなら!」

 

四音(――ありがとう。二人とも)

 

 

 学年 1年生 

 ランク-「A」

 

 姓名 白草 四音(しらくさ しおん)

 

 歌唱力-A

 表現力-A

 ダンス力-A  

 観客意識-B+ ←問題克服。素晴らしい!

 対抗心-S+  ←打倒『白草月花』

 

 一年生にして、黒井理事長からAランク評価を受けた優等生。

 ダンス、ボーカル、ビジュアルすべてでA評価のトリプルエーの保有者であり、その実力は学内でもトップクラス。

 最大の宿敵である白草月花に、彼女は挑む。

 

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決戦の時は近い。相手は、白草月花。

とてつもなく、強大な相手だ。

しかし、だとしても――。

 

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