家で寝ていたら百合8割の世界に飛ばされてたんですが~絶対に百合に挟まる男にはなりません~   作:曇らせは志向の味

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第一話 騎士の目覚め

辺り一帯に花が咲き乱れる

 

白で埋め尽くされた白銀の大地だ

 

中央に一本の老木が生えている

 

ヒューと風が一度吹けば白銀の花弁が空を支配する

 

老木に目を向けると此処には不釣り合いな甲冑が横たわっている

 

それは太陽の光を反射しながらその場に横たわっていた

 

腰には一本の白銀の大剣が携われていた

 

鞘に仕舞われた刀身は見えずとも威厳を放っていた

 

傍を通り抜ける風が甲冑を少し揺らす

 

 

突如甲冑が顔を上げ空を見上げる

 

「...どこだ、ここ?」

 

見た目と合わない軽い言葉が発せられた

 

「俺は...確か部屋でソシャゲの夢見る彼方をしていた筈なんだが...」

 

 

彼は立ち上がり辺りを見渡す

 

立ち上がると同時に辺りに突風が吹き荒れる

 

「ねえねえ!ケイ!あそこに何かいるよ!」

 

吹き荒れた風と同時に騒がしい女性の声が響く

 

「あれは...見たことがない魔物だ...」

 

女性の騒がしい声とは相対的に冷静な男性の声が発せられた

 

(ん?ケイって確か...)

 

「カナタ!止まれ!」

 

男性が言うと共に甲冑が歩みを進める

 

(おいおい!カナタって夢見る彼方のヒロイン枠じゃねえか!...まてよ?てことはあれか?俺のこの姿は開発中に強すぎて消された没キャラか?)

 

甲冑は歩みを一歩また一歩と進めていく

 

「っ!カナタ!武器を構えろ!」

 

「う、うん!」

 

(だったら俺が言うのはこれしかないな!)

 

甲冑は歩みを止め腰に携われた大剣を抜く

 

その刀身には文字が刻まれていた

 

Silent Silever

 

「嗚呼...我が星を隠せし者達よ」

 

甲冑が剣を彼らに向ける

 

「その程度で宇宙(そら)を掴めると思わぬことだ」

 

瞬間、甲冑の周りに淡い光を放つ球体が放たれた

 

火の銃弾(ファイヤーショット)!」

 

火球の正体はカナタが放った魔法の一つ

 

火の銃弾(ファイヤーショット)ってことはまだ学園に入学したてか)

 

甲冑に火球が触れた瞬間小規模の爆発が起こる

 

しかし彼には何もないかのように歩みを進める

 

「っ!ダメだケイ君!これはどうやっても勝てない!」

 

「俺も今そう思ってたところだ!」

 

すると甲冑が剣を振るう

誰がどう見ても明らかに届く範囲ではない

 

が、甲冑が振るった剣から斬撃が発せられる

 

「!!カナタ!逃げろ!」

 

するとケイはカナタの手を引き走り出す

 

(あーここがあれか生徒会との接点を作ることが出来たシーンか)

 

甲冑は彼らが逃げるのを後ろから眺め続ける

 

(うーむこれからどうするか...)

 

彼は辺りを見渡し誰もいないことを確認するとその場に座り込む

 

(確か夢見る彼方は基本的に百合8割のその他2割のゲームだったな...作者はどんだけ脳を焼かれたんだ?)

 

「嗚呼!宇宙(そら)が私を呼んでいる!星に魅せられた者は答えるのが定めであろう!」

 

(取り敢えず!主人公達を意味深な発言をする考察勢殺し甲冑として逝こう!)

 

甲冑は一人意味深な言葉を発すると外へと歩みを進める

 

 


 

 

場所は変わり学園都市アーク・ルミナ

夢見る彼方というソシャゲの舞台となった場所である

そんな学園都市内の一つの学園オルビタス総合学術院の生徒会にて

 

「ふむ...やはり紅茶は私を落ち着かせてくれる」

 

一人の女性が生徒会室の最奥の椅子に座っている

彼女の後ろに配置された窓からの光が辺りを照らしている

 

すると廊下からドタバタと騒がしい音が聞こえ始める

 

「おや?新たなお客k「報告があります!生徒会長!」はぁ...少しは落ち着きが欲しいものだね...」

 

突如として扉が乱暴に開けられる

目線の先に居たのはこのゲームの主人公のケイとカナタであった

 

~~生徒会長が制圧中~~

 

「...落ち着いたかい?」

 

「はい申し訳ございませんでした...」

 

先程の唐突な襲撃から数分後、彼女らは生徒会長と呼ばれた女性の前で正座をさせられていた

 

「取り敢えずなんのアポも無しにここに来たことは不問にしておいてあげるよ」

 

すると彼女はまたもや席に戻り紅茶を飲みなおす

それだけでも様になっていた

そんな中未だに彼らは未だ立ち尽くしていた

 

「ふむ、どうしたのかな?君たちは一応客人なんだ座りたまえ」

 

するとケイとカナタの目の前に光が集まり椅子の形を作り出す

 

「お騒がせしてしまいすみません...」

 

「いやいいさ生憎とここ(生徒会室)は騒がしいことがよく起こるからね」

 

「それはそれで大丈夫なのかしら...?」

 

その面倒さは彼女の疲労感が物語っている

生徒会室には彼女を憐れむ空気が漂う

 

「...まあ良いさね取り敢えずここに来たのは理由があるのだろう?」

 

彼女は紅茶を机に置きケイ達にようやく目を向ける

 

「はい実は...

 

彼らは全て起こったことを説明した

 

「...ふむ訓練用ダンジョンにて未観測の魔物がいたとは、これは上層部に伝えなくてはねぇ」

 

「甲冑を身にまとった魔物なんていないですよね?」

 

生徒会長は顎に手を歩いて考える仕草を行う

 

「いや?もしかしたら...でも流石に違うか?」

 

「あのー?大丈夫ですか?」

 

「ははは!すまないね!大丈夫さこれは君たちには関係の無いものだからねぇ」

 

生徒会長は思い出したかのように笑い出し彼らを部屋の外に追い出していく

 

「さあさあ、もう用は済んだだろう?出てった出てった」

 

「ちょちょ!生徒会長!?僕らまだ言うことがあるんですが!?」

 

「私には時間が無いんだまた今度だね」

 

抵抗虚しく彼らは外に出されてしまった

 

「え、えぇ...こんなに融通が利かないものなの?生徒会長って...」

 

「ま、まあまあカナタ...生徒会長も忙しいんだよ多分だけど」

 

彼らはそう言いながら体を軽く叩き埃を払う

カナタが吐いた溜息はそのまま廊下の奥へと消えていく

 

「取り敢えず僕たちはまだ仕事が残ってるんだからさっさと行かなきゃ...」

 

そうケイが言うと彼らは歩みを進める

 

「そうね!さっさとダンジョン攻略してランク上げるわよ!」

 

カナタは急にやる気を上げてケイの手を引っ張り走り出す

 

「わわっ!待ってよカナタ~!」

 

彼らは学園の日常へと溶けていく...次に日の目を浴びることとなるのはこれから少し先のお話

 

 


 

 

場面は戻り一人歩く甲冑へ

夜空が白銀の甲冑を照らしている間

彼は先程のダンジョンから外へ出た後人里を求め歩いていた

 

取り敢えずオルビタスの状況が把握できる場所が良いんだが...後はついでに意味深な発言が出来れば

 

辺りを見渡してみるとあるものは鬱蒼と生い茂った森林のみ

人の手が加えられたと思われる物は現在彼が歩いている道のみだ

 

そもそも俺が知っているのはソシャゲで出てきた学園だけで名前の出てないやつは知らないんだよな...

 

すると辺り一帯の木々が風によって揺れ始める

それと同時に辺りにナニカの気配が表れ始める

 

「ふむ魔物...か」

 

基本的にこの世界に存在している魔物は群れとして行動しているがそれは同種のみで行われている

その為、現在彼が囲まれているのも不思議ではない

 

ガルルルルゥ

 

彼が独り言を零した瞬間、茂みの中から二足歩行の皮膚が爛れた人の面影を持った怪物が表れる

 

「マギルドが此処に居るとは...星が隠れた影響だろうか?」

 

甲冑は憐みを持った声を上げ白銀の大剣を構える、それは一瞬の迷いもなくマルギドの首を捉えている

 

「さあこい!魔力に堕ちた愚か者達よ!我が直々に浄化して見せよう!」

 

瞬間マルギドが駆け出した

四方八方から肉薄してくるマルギドはまさに勝ちを確信していた

その時、マルギドの爪が甲冑の首を仕留める...

 

「愚かだな...魔力に蝕まれ星の輝きすら視認できぬなど...」

 

一瞬、そう僅か数コンマその間に彼は全てのマルギドの首を撥ねその大剣を鞘に納めんとしていた

 

 

辺りが血の海に染め上げられる

自身の身に何が起こったのかを認識する前に体が地面に着地していた

 

「愚かだな...己の身を顧みず魔力に体を奪われるとは...我らの先人が此処まで愚かとはな、そう思うだろう?」

 

すると甲冑は後ろの木に声を掛ける

誰もいないそう思った矢先、木の裏から一人の女性が顔を出す

 

「驚いた、私の隠密行動を見抜ける人は今までいなかったわ」

 

女性はこちらに片腕を突き出し魔法を発動したまま話し出す

一方、女性の存在に気付いた甲冑は

 

待て待て!俺はただこのシーンがムービーに使われるかと思ったから意味深な発言を言っただけで、本当に出てくるとは思ってなかったぞ!?!?

 

想定外の事態に脳をショートさせていた

 

「で?最近は魔物の活動が活発になったと思ったら喋る奴も出たわけ?」

 

「まさか、我のみが宇宙(そら)からの恵みを得たとでも言うのかね?」

 

「っ...!?ほかにも居るっての!?」

 

女性は動揺を示した後、一段と目が鋭くなるその目はまるで見ているだけで相手を委縮させてしまうほどだ

 

「今の我は機嫌が良いここは見逃してやっても良いぞ?」

 

「私程度は壁にすら成れないってことね...」

 

女性はそう言うと自信に何かしらの魔術を掛けその姿が掻き消えた

 

「嗚呼!宇宙(そら)が我を呼んでいる!」

 

甲冑は先程の出来事など忘れたかのように歩き始める

その後ろに残ったのは真っ赤に染まった血の海であった

 

これが後の星喰らう古殻(スターイーター)と呼ばれる死の象徴の伝説の始まりであった

 

 


 

初めての作品ですので拙い点ございます

 

高評価とコメントよろしくお願いいたします

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