ヒロぜバブ   作:規律式足

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 お久しぶりです。
 ファンタジーライフIが、終わらないです。



第9話

 

「今日のヒーロー基礎学だがーーー」

 

 マスコミによる雄英高校侵入騒ぎなどのかなり洒落にならない騒動から時間は流れ、少年少女がすっかり雄英高校ライフとクラスに裸の赤ん坊がいる生活に慣れてきた頃。

 本日のヒーロー基礎学では人命救助訓練が行われることになった。 

 

「レスキュー、今回も大変そうだな」

 

「ねー!」

 

「バカおめー、これこそヒーローの本分だぜ!!鳴るぜ!!腕が!!」

 

「水難なら私の独壇場ケロケロ」

 

「誰を殴れば良いんだ?」

 

「自分の頭をぶん殴ってろ」

 

「たっくんの選択肢は殴るしかないの」

 

「めり込ませる、もある」

 

「「殴ってる殴ってる」」

 

 教師が話した内容から始まる雑談、社会人ならアウトだが彼らはまだ学生。若く元気いっぱいな彼らの話はいつまでも盛り上がる。

 

「おいまだ途中」

 

 ギロッとイレイザーヘッドが睨みを効かせ説明を続ける。

 今回の授業はヒーローコスチュームの着用は自由、訓練場は広大な雄英高校敷地内で離れた場所にあるのでバス(自動運転)で移動とのこと。

 

(救助訓練!!)

 

 生徒達が準備をしだす中、緑谷出久はオールマイトに憧れたきっかけとなる動画を思い出しやる気を漲らせていた。

 

「救助訓練か、燃える校舎から気絶した連中を投げ捨てたのを思い出すぜ」

 

「アウ」

 

 男鹿辰巳とベル坊は過去の人命救助活動を思い出して遠い目をしていた。

 

「「「「「何があった石矢魔」」」」」

 

「窓から投げ捨てるのは人命救助なんだろうか」

 

「トドメだろソレ」

 

 

 

「バスの席順でスムーズにいくよう番号順に二列で並ぼう、ピッ、ピッ」

 

「委員長になったから飯田くんフルスロットル」

 

「つーかあの笛どこからだした?」

 

 駐車場にて飯田天哉が委員長として先導。だがバスの席並びが違うタイプだったので失敗。

 叫ぶ飯田に見ながら到着までの時間に雑談する生徒達。

 

「私思ったことをなんでも言っちゃうの緑谷ちゃん」

 

「あ!?ハイ!?蛙吹さん!?」

 

「梅雨ちゃんと呼んで。

 あなたの個性、オールマイトに似てる」

 

 そんな中、蛙吹梅雨がクラス内で何度か話題に上がっていた疑問を本人にぶつけた。

 

「!!!」

 

「(ヤベえ)」

 

「そそそそそうかな!?いやでも僕ははそのえー」

 

 その秘密にしなければいけない核心を突かれキョドりだす緑谷出久と事情を知るがゆえに焦る爆豪勝己。

 ワン・フォー・オール。

 オールマイトにより託された他者に継承できる超パワー個性。

 それを世間に漏らすわけにはいかないのだ。

 

「(デクの馬鹿は(あとオールマイトも)誤魔化すのが下手だしフォローするか)」

 

 説明された以上は手を貸すべきだろうと爆豪勝己が動こうとしたところで、意外なところから助力がきた。

 

「そらそうだろ。緑谷は昔からオールマイトの真似が得意だったんだぜ」

 

「(たっくんんん!?)」

 

「(辰巳ィィィィ!?)」

 

 その人物は二人の幼馴染である男鹿辰巳。

 彼は昔から緑谷出久がどれだけオールマイトの真似をしてはポーズをとったり、技を再現しようとして怪我をしたりしたのかを語りだした。

 

「そんなことをしていたのね緑谷ちゃん」

 

「好きなヒーローの真似はするよな」

 

 その黒歴史的な過去に羞恥する緑谷出久だが、話がそれたことに感謝もした。

 

「あと緑谷は顔真似とかも得意だぞ」

 

「そうなん?」

 

 男鹿辰巳が続けて言うと、周りは見てみたいとはしゃぎだす。

 

「そんな自慢できる精度じゃないんだけどなあ」

 

 と一瞬恥ずかしそうになる緑谷だが、少し顔を下に向けてから上げると。

 

「HA HA HA、まあこんなものだよ」

 

 人の良い、間の抜けたような緑谷出久フェイスは、画風が違うとまで称されるほりの深いオールマイトフェイスに化していた。

 

「「「「「怖っ!?」」」」」

 

「ピャっ!?」

 

 そのオールマイトのマスクでも被ったのといわんばかりに再現された顔真似にクラスメイト達は驚き、ベル坊は妖怪猫娘が顔を変えたシーンのように悲鳴を上げた。傍から見たら一種のホラーである。

 

「ちなみにこの顔はたっくんが授業でやらかした時の少し困ったオールマイトの表情で、目元が少しキュッとななってるのがポイントだよ」

 

「わかんねーよ」

 

「こえーよオールマイトガチファン勢」

 

「チッ、口元の引き攣ったシワが足りてねえぞデク」

 

「「「お前もかい!!」」」

 

 まるで一般教養であるかのように説明する緑谷出久にドン引きする一同、だが爆豪勝己は不十分であると指摘し、お前もガチファンかとツッコまれていた。

 

「な、だから個性が似ててもおかしくねえって」

 

「私が言いたいのはそういうことじゃないわ男鹿ちゃん」

 

 人と話すことが苦手な地味でヒーローオタク陰キャラという印象だった緑谷出久。

 今ではすっかり【変人】だと認知されていた。

 

 

 

 

 

「すっげーーー!!」

 

 そんなやり取りもありながら辿り着いた、あらゆる事故や災害を再現した演習場。

 それはまるで映画の撮影現場のようなテーマパークみたいである。

 その正式名称は色々危険だが、災害救助でめざましい活動をしている紳士的なヒーロー、宇宙服のようなヒーローコスチューム姿の【13号】が設計し創り上げただけあって実に再現度が高く本番のように災害現場を体験することができる。

 到着したところで授業を開始しようとするイレイザーヘッドであったが、授業を監督する予定だったオールマイトがいないことに気がついた。

 どうやら通勤時にヒーロー活動をしてしまい参加できない状態らしい。

 ヒーローとしてはともかく教師としては新米でポンコツなオールマイトにイレイザーヘッドは呆れ果てるのであった。

 

「えー始める前にお小言を・・・・・・」

 

 救助訓練を担当する13号による説明。

 強力な力である【個性】に対する戒めと、どう人命の為に活用するか学ぼうと語る。

 プロヒーローらしい経験を積み重ねた含蓄ある言葉はヒーローの卵たちにしっかりと響く。

 

 

 だが、アカデミアの日常はここまでだった。

 

 

 イレイザーが気づいた違和感。

 突如出現した黒いモヤ。

 そこからこぼれ広がる悪意。

 

「一かたまりになって動くな!!」

 

 先日のマスコミ騒動から、そうなることを想定していたイレイザーヘッドの指示は誰よりも早く鋭い。

 

「なんだありゃ、また入試ん時みたいな」

 

 切島鋭児郎が今までの体験から授業の一環かと誤解するが、

 

「ちげえだろ」

 

 この場の誰よりも実戦慣れしている男鹿辰巳が否定する。

 

「ありゃガチの」

 

「「ヴィランだ!!!!」」

 

 

 この日、雄英高校1年A組の生徒達は知ることになる。

 プロヒーローが何と戦っているのかを。

 何と向き合っているのかを。

 

「13号にイレイザーヘッドですか」

 

「どこだよ、せっかくこんなに、大衆引き連れてきたのにさ。

 オールマイト、平和の象徴がいないなんて。

 子どもを殺せば来るのかな?」

 

 手の形をした装飾具を身に着けた不健康そうな青年に率いられたヴィランの群れ。

 その異様な光景に構えるヒーローと身を竦ませる学生達。

 

「なあ」

 

 しかし、

 

「アイツラぶっ飛ばせばいいのか」

 

「ダ!!」

 

 この男、男鹿辰巳は揺らぐことなく平常運転であった。

 




 
 補足・説明。

 今話は授業説明、バス移動、ヴィラン登場までとなります。

 ちなみに男鹿が言った燃えた校舎から投げ捨てたのはベヘモット柱師団編の時です。
 泣き出した炎王による火災現場からヒルダさんを背負い避難しながら途中で気絶し転がってた連中を窓から投げ捨てて助けてました。

 緑谷出久のオールマイト顔真似。
 緑谷君は子どもの頃から出来ました。
 ヒロアカ原作ではインターンの時にやってます。
 個性社会でも普通はできません。
 これだけ真似ができるなら増強系個性なら似るかなと納得されました。

  
 ヴィラン連合襲来。  
 さて、どうしますか。
 


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