【完結】銀魂 銀狼篇 ~白夜叉鎮魂歌~   作:春風駘蕩

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もう一本の小説が完結してませんが、同時進行でやってみたいと思います。
よろしければご覧ください。

【挿絵表示】



第零訓 散りぬる紅よ

 荒れ果てた大地―――。

 どす黒く染まり、焼け焦げたそこには、屍が累々と転がる。

 汚れた天空の雲から漏れたわずかな光が、血に突き立つ幾本もの刃に反射し、鈍い光を辺りに放ち続けている。

 そこはまるで、地獄だ。

 その中心に、とある二つの影があった。

 一人は、銀の髪に、白い装束をまとった夜叉(おに)

 もう一人は、真っ白な髪に、三角の耳と長い尾を持った狗神(いぬ)

 二人は互いに背中を合わせ、刀を杖代わりにしながら、荒い息をついている。

「……ここまでか」

 狗神(いぬ)が呟いた。夜叉(おに)は答えない。

 見渡せば、周囲は不揃いな武器や鎧で武装した兵士たちに取り囲まれ、隙間も見いだせないでいる。

 よく見れば、兵士たちの顔や体は、夜叉(おに)と大きくかけ離れていた。

 魚の顔であったり、昆虫の四肢を持っていたり、竜のような体であったり…。狗神(いぬ)と同じく、この惑星(ほし)人間(ひと)ではなかった。

 宇宙(そら)より舞い降りた種族たち、天人《あまんと》。

「とんだ貧乏クジを引かせたな…。奴ら、裏切者を徹底的に許す気はないと見える」

 狗神(いぬ)ははぐれ者だった。

 唯一生き残り、この惑星(ほし)の側についた。

「………私について、間違いだったか…」

「バカ言ってんじゃねーよ」

 狗神(いぬ)が言う前に、夜叉(おに)が立ち上がった。

「人間、そうそう明日なんざ選べやしねーよ。どっちに転んで泣こうが喚こうが、いちいち気にしてられっかよ」

 立てていた刀を抜き、柄を握りなおす。

 その時、ふとした風が吹いて、夜叉(おに)の髪と装束を揺らした。

「てめーの泣き顔なんざ見たかねぇ。…こっから先、どんな道を選ぼうが」

 夜叉(おに)は微かな笑みを浮かべ、振り返った。

 

「お前は、俺たちの隣で笑ってろ」

 

 狗神(いぬ)は微笑みを返し、自らも刀を構えなおした。

「…今言った事は、忘れてくれ。一時の気の迷いだ」

「さ~て、お前なんか言ったっけ?」

 おとぼけた口調で、夜叉(おに)は言う。

 思わずふっと笑みがこぼれる。これだから、こいつらの傍は離れがたいんだ。

 その時、ピクリと狗神(いぬ)の耳が動いた。

 遠くから、広く響く怒号が聞こえてくる。

「ゆけェェェ!! 奴らを死なせるなぁぁぁ!!」

 黒い長髪をなびかせた侍が、天人の壁を薙ぎ払った。

「ヅラ……」

「ヅラじゃない、桂だ!!」

 頼もしい声は、一つではなかった。

「突撃じゃぁぁぁぁぁ!!」

 黒いもじゃもじゃの髪を携えた青年が、低い声を轟かせて吠える。

 その後ろから、武装した侍たちが一斉に進撃した。

「鬼兵隊、俺に続けェ!!」

 白い鉢巻を巻いた青年が雄叫びを上げ、数十人の兵を引き連れ、異形の集団に突っ込んでいく。

 聞きなれた、仲間たちの声。

 夜叉(おに)狗神(いぬ)は、互いに笑いあった。 

 

「行くぜ、伏」

「言われるまでもない……!!」

 

 夜叉(おに)狗神(いぬ)は、同時に力強く大地を蹴った。

「おおおおおおおおおおおおおおおおお!!」

 戦場に、怒号が轟く。

 夜叉(おに)狗神(いぬ)の、乱舞が始まる――――。




いろいろコラボ作ってると、案外共通点が多い漫画と仮面ライダー。
作ってて楽しいです。
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