ウマ娘×ProjectMoon   作:桜餅 ステラ

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前書き「この作品は、作者が『プロムンの都市でウマ娘たちがかっこいい役職について、原作では絶対に見られない姿を見たい』という純粋な欲求を満たすために書いています。
ノリと勢いが強い部分も多く、プロムンらしさや設定の整合性は最低限でそこまで優先していません。
だからこそ、楽しめる方は楽しんでいただければ幸いですし、合わないと感じる方もそれはそれで大丈夫です。
私自身が一番楽しむために書いている作品なので、どうぞ気楽に読んでいただければと思います。」


ウマ娘と都市

都市北部 O社15区

 

夜の底に沈んだ街灯は、まるで息を潜めるように薄汚れた光を零していた。

 

都市の闇である裏路地、先ほどまで都市災害が暴れていた場所だ

 

「Mission complete. 任務達成ですわね」

 

ハナ協会の白いコートを翻し、北部ハナ1課のフィクサー、セントライトは静かに剣を収めた。

 

彼女の武器である細身の刃は、まだ淡い光を宿しながら鞘に納まり、彼女の長い黒髪を優しく照らす。

 

上品な口調に、わずかに英語が混じるのは、彼女の生まれ持った癖だ。

その隣で、相方のメジロラモーヌは艶やかな青鹿毛を指で梳きながら、退屈そうにため息をついた。

 

「あら、もう終わりなの? つまらないわ」

 

鞭状の鎖が、彼女の足元で火花を散らしながら地面を這い、静かに収まる。

鎖の先端がまだ熱を帯びて赤く輝いているのは、ついさっきまで都市災害の核を薙ぎ払っていた証だった。

セントライトは微笑みを浮かべ、相方を横目で見やった。

 

「ふふふ、あなたは相変わらずですわね」

 

ラモーヌは肩をすくめ、艶やかな唇をわずかに尖らせる。

 

「私が求めてるのは愛よ。身を焦がすような、魂ごと焼き尽くされるような戦いの愛……。

最近はどうしようもない相手ばかりで、ね」

 

彼女の瞳は、どこか遠くを見ていた。

かつての令嬢だった頃の面影を残しながらも、今はもう、ただの1級フィクサー。

血と火薬に塗れた日々の中で、彼女が追い求める

 

「愛」は、誰にも理解できない形をしてしまった。

セントライトは静かに首を振る。

 

「それでも任務はしっかり遂行なさる。立派ですわ」

 

「別に……私一人だったら、こんなもの何もしないわ」

 

ラモーヌはふっと笑い、視線をセントライトに向けた。

 

「貴方と一緒だから、やるのよ」

 

一瞬、風が止んだような気がした。

 

セントライトの瞳が、驚きにわずかに見開かれる。

 

「Why is that……何故ですか?」

 

ラモーヌはゆっくりと歩み寄り、セントライトの白いコートの襟元に指を這わせた。

 

「貴方の仕事ぶりが、素晴らしいから。

 あの剣さばき、あの光……見ているだけで、胸が熱くなる」

 

彼女の声は、甘く、どこか切なげに震えていた。

「愛を感じるわ」

 

セントライトは、頬をほんのりと染めながら、静かに微笑んだ。

「……! ふふ、It's an honor.

 感謝いたしますわ、ラモーヌ」

 

二人の間に流れる空気は、戦場の熱を冷ますにはあまりに温かかった。

ラモーヌは少しだけ照れたように視線を逸らし、踵を返す。

 

「……それじゃあ、帰りましょうか」

 

セントライトも小さく頷き、その背に続いた。

「ええ」

 

崩れた路地の向こう、薄闇の先に広がる15区の夜空には、

巣の景色が輝いている

ハナ協会北部1課、特色フィクサー「白い聖光」と1級フィクサー「魔性の令嬢」。

 

今日もまた、都市は彼女たちに安息を与えない。

けれど、少なくとも今夜だけは、

二人の間にだけ、小さな灯がともっていた。

 

――帰路、セントライトがぽつりと呟いた。

 

「次は、もっと貴方が求める“愛”に近い相手が現れますように」

 

ラモーヌは答えず、ただ小さく笑った。

その笑みの意味を、セントライトはちゃんと理解していた。

 

「さて、帰ったら報告書を書きませんとね」

 

「ええ。...それにしても、最近は都市災害も多いわね。今月だけで都市の星が3件よ」

 

「確かに...妙ですわね。」

 

特色フィクサーであるセントライトにとっても、ここ最近の都市災害の増加は妙な物であった。

 

「でも、心配はしていないわ。私とあなたなら...全部倒せるわよ」

 

「...ふふ、もちろんですわ」

 

北部ハナの奇妙な二人、これが彼女たちの日常だった




セントライト
北部ハナ1課所属 特色フィクサー「白い聖光」
日本語と英語が混じった独特な喋り方をする、上品なウマ娘。一人称は私。 特色なだけあって実力はハナ協会の中でも最上級だが、慈悲深いウマ娘であり、不必要な始末や粛清はしないなど、無慈悲な者の多い都市の中では異質な存在。 現在はメジロラモーヌとコンビで任務をこなすことが多い。

メジロラモーヌ
北部ハナ1課 1級フィクサー
良いところの出の令嬢だったものの色々あってフィクサーになった訳ありのウマ娘。 フィクサーになってからは任務を通じて愛を感じようとしているが中々自身が求める物には出会えないのが現状。 彼女の言う愛がなんなのかは他人には分からないが相方のセントライトは理解している。
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