現代日本から異世界に転生しネクロサモナーになった少女ノインは、現代日本で読んでいたダンジョンマスターもののな◯う小説に憧れていた

そんな時ネクロサマナーというジョブが発現したノインは、これならダンジョンマスターできるんじゃね?

と思い自身の理想のダンジョンを作りに勤しむのであった。

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TSネクロサモナーはダンジョンマスターごっこがしたかった

Sランク冒険者ノインの失踪。

そのニュースはガンシルドの街に大きなショックをもたらした。

 

 

死霊術師と召喚士の混成ジョブ、ネクロサモナーであったノイン。

 

混成ジョブは2つのジョブの特性を併せ持つ珍しいジョブで、発現数は極めて少ない希少なジョブだ。

 

1人で2役以上の活躍が可能で、ノインも例に漏れず少女の若さでSランク冒険者に上り詰めた。

 

若くはあったが実力は本物、例えダンジョン内で死んだとしても大神殿で蘇生するのがこの世界の理。

 

ダンジョン外で襲撃に遭った、混成ジョブは異質な存在で理の輪の外れてしまった等、多くの噂や考察が飛び交った。

 

 

 

冒険者の街ガンシルドが緊急事態になっているとは露知らず、本人は自身が攻略したダンジョンの最深部で食糧や生活必需品等を揃えて生活していた。

 

 

 

「よし、これで準備は整ったな」

 

 

適正レベルが俺のレベルを下回っているとはいえ、ダンジョン内全てのモンスターを倒して服従させるのは流石に時間がかかった。

 

俺のジョブ、ネクロサモナーは死霊術師と召喚士が混ざり合ったもの。

 

死霊術師は契約や召喚を必要とせず、その場の死体や霊を操作して戦わせるジョブ。

 

召喚士は生きているモンスターと契約を交わし、必要な時に召喚を行って自身の指示を聞いてもらうジョブで、自我を奪ったり強制的に従わせたりする事は出来ない。

 

ネクロサモナーは自身で殺したモンスターの霊と死体の自我と主導権を奪って服従させ、召喚を通じて呼び出し、操作するもの。

 

主導権を奪ったモンスターや霊は完全に俺の所有物扱いで、ネクロサモナーだけが持つ特殊スキル、冥界ボックスという特殊なアイテムボックスに収納される。

 

コレクション欲を刺激されるジョブで、欠点はこちらが呼び出したモンスターが他人に殺されるとそのモンスターの霊と死体の主導権が俺から離れてしまい、アイテムをロストしてしまうという事だ。

 

 

そして現在俺はこの中級ダンジョン〈腐灰の沈黙墓

〉にいた全モンスターを掌握する事に成功した。

 

掌握したという事は現在そのモンスターたちは俺の冥界ボックスに閉じ込められているという事。

 

うん、もうリポップできないね♡

 

 

ここからだ、ここからようやく俺の夢の第一歩が始まるんだ。

俺の夢はダンジョンマスターになって、攻略してくる冒険者を迎え撃つ事。

 

 

さて、まずはモンスターの配置から決めようかな。

宝箱が置いてある部屋の位置は変えられない。

俺が宝箱を回収しても、しばらくすると同じ部屋に宝箱が復活する。

 

だから宝箱はそのままにしてモンスターの配置だけでどうにかしなければならない。

 

 

強すぎても誰も来なくなっちゃうし、かといって弱すぎるとすぐにモンスターが倒されてこっちのモンスターが枯渇してしまう。

 

 

そこで俺が考えたのが、負けそうになったら自爆しろ作戦だ。

サイバ◯マンよろしく、敵に倒されそうになったら自爆する事によってロストを防ぐというもの。

 

俺が自爆するように操作、命令すれば、それは俺がそのモンスターを殺したも同然なので、主導権が無くなった後直ぐに主導権を奪える。

 

この実質、永久機関を行えばよっぽどの事がない限り、モンスターが枯渇する事無く、惜しみなく雑魚モンスターを使える。

 

 

雑魚モンスターはこんくらいでいいだろう。

 

次は中ボスモンスターだな。 

 

といってもこのダンジョンボスフロアは1つだけ。

中ボス部屋なんて無いので、ここは宝箱の置いてある部屋を利用しよう。

 

宝箱があるならボスフロアの直行ラインから外れてても、挑もうとする冒険者は居るだろうし。

 

となるとこのダンジョンの宝箱部屋は全部で5つ。

そのうち1つは俺の生活スペースで使うのと、一応冒険者側の休憩スペースも必要だから、実質中ボス部屋として使えるのは3つだな。

 

中ボス部屋と言っても本来の中ボス部屋よりも狭い為、大きいモンスターは使えないな。

 

となると人型のアンデッドモンスターが無難か。

 

黒衣の曲芸師、呪いの人形銃士、黒曜の死霊魔導士

 

うん、こんな感じでいいだろう。

いい感じに味のある中ボスモンスターだ。

 

 

ダンジョンボスは俺、と言いたい所だけど正直俺のなりじゃボスモンスターとして風格が無い。

 

唯一広く使えるフロア何だし、ここは思い切って大型のモンスターを配置しよう。

 

 

そうだな腐敗魔獣キメラにしよう。

アンデッド型のライオン、ヤギ、ヘビの王道のキメラでヘビの吐く毒霧とライオンの胆力から繰り出される猛攻、ヤギのデバフがかかる咆哮。

 

迫力もあるし、ちょうど良い強さだ。

 

よし、準備も整った事だし、後はダンジョンに挑んでくる冒険者を待つだけだ。

 

 

 

 

 

Sランク冒険者ノインの失踪から5日目。

また奇妙な話が流れ始めた。

ダンジョン〈腐灰の沈黙墓〉、何の変哲もない中級ダンジョン。

 

 

そのダンジョンに挑戦したCランク冒険者たちが尽く返り討ちに遭っているのだ。

 

彼らの話によると、マップの構造自体は変わっていないものの、モンスターが大きく変化しており、本来モンスターが居るはずの無いエリアに中ボス級のモンスターがいる。

 

その上、中ボスモンスターや低級モンスターを追い詰めたと思ったら自爆スキルを使われて、大ダメージを負ってしまった等の証言が多く、事態を重く見たギルドはダンジョン〈腐敗灰の沈黙墓〉を上級ダンジョンへ繰り上げた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ダンジョンを乗っ取って1週間。

最初はそこそこ挑戦者がいたんだけど、最近めっきり誰も来なくなってしまった。

 

どうしたことか、少し考えてわかった。

そういえばまだ1度も攻略されて無いなと。

 

勝率0となれば冒険者たちもこのダンジョンは割に合わないとなるのも当然。

 

これではこのダンジョンが廃れてしまう。

 

モンスターの数と配置を見直すべきか。

今までボスフロアに辿り着いた冒険者は0だ。

みんな挑まなくても良い中ボスモンスターでやられてる。

 

今までモンスターが出ない場所だったから、ちょっとこの部屋で休憩って思って行くと、中ボスモンスターが現れて戦闘、敗北って流れなのかな。

 

中ボスモンスター結構好きだから、無くしたくないんだけどなぁ。

 

 

あれでも無い、これでも無いと悩んでいるとその間に久しぶりに冒険者が来たようだ。

 

 

うーんと、あれはSランク冒険者の剣聖ウィリアム?

何故中級ダンジョンに来たんだ?

 

それに人数が多いなあれはギルドの職員?

まさか、ギルドが不審に思ってウィリアムに調査の同行を依頼したのか。

 

 

 

 

まぁ、俺は生活スペースに隠れてるし、このまま普通にボスフロアまで行ってウィリアムがボスモンスターを倒してダンジョンをクリア。

 

そのままウィリアムとギルドの職員の方々にはお帰りになって貰おう。

 

 

 

 

 

 

 

 

仲間たちと未攻略の高難易度ダンジョンの攻略を終えた僕は、仲間たちを先に帰らせて休ませ、1人残ってパーティリーダーとしてギルドの職員に報告を行なっていた。

 

 

「これで未攻略ダンジョンの攻略も12回目ですね。

ウィリアムさんとそのパーティメンバーの方々のご活躍は私、ギルド職員だけでなく、ガンシルドの皆全員の助けになっています」

 

 

「ありがとうございます。

でもそれはシエスタさんも同じですよ。

こうやってシエスタさんやガンシルドの皆が僕たちをサポートしてくれているから、僕たちもダンジョン攻略に専念できます」

 

 

「え、わ、私の名前、覚えててくれたんですか」

 

「勿論です、僕にこの冒険者カードを渡してくれたのは他の誰でもないシエスタさんですから」

 

「いえ、そんな、ありがとうございます。

てっきり、覚えているのは私だけだと思っていましたから、何だかその…」

 

 

シエスタがはにかんで言葉を途切れさせた時、ギルド職員専用の奥の部屋から出てきたギルド長ベルントが声かけた。

 

「ウィリアム、戻ってきたのか」

 

「ご無沙汰しております、ギルド長」

 

「いや、いいんだ。

それより、高難度ダンジョン〈龍尸の黄昏

〉の攻略ご苦労だった。

大仕事の後で申し訳ないが、少し耳に入れて欲しい話がある」

 

「それはもしかしてSランク冒険者ノインのことですか?」

 

「いや、そっちの方はまだ何の進捗も無い。

だが最近また新たな問題が発生してな。

元中級ダンジョン〈腐灰の沈黙墓〉の事だ」

 

 

「中級ダンジョン、それも元ですか」

 

「ああ、現在は上級ダンジョンに格上げされている。

ノインの失踪から2日経った頃、最初の異変が報告された。

報告の内容は、本来のモンスターがいない筈の位置に中ボスクラスのモンスターがいること。

それらのモンスターと低級モンスターを追い詰めると練度は低いが自爆スキルを使用し冒険者に手痛いダメージを与える事。

現在ボスフロアに辿り着いた冒険者はおらず、最初の異変から3日後に上級ダンジョンに格上げした」

 

 

「追い詰められると自爆、本来モンスターがいない筈の場所に現れる中ボスクラスのモンスターですか。

まるで突然モンスターが高い知性を得た、もしくは裏で入れ知恵を入れた者がいるような感じですね」

 

 

「ああ、俺は後者の小悪党の可能性が高いと踏んでいるが、前者なら早急にSランク、Aランクの主力パーティのリーダーたちを集めて、対策の会議を開かなければならない」

 

「確かにそれが賢明ですね。

そのダンジョンの調査はいつ行うんですか?」

 

「出来るなら明日にでも行いたいが、最低でもAランク相当のパーティ、もしくは単体ならSランク冒険者に同行してもらう必要がある。

攻略ではなく調査がメインである以上、非戦闘員の調査員を守りながら進まなければならないし、危険な地帯に留まって調査をする状況も考えられる。

とはいえ、Sランク冒険者は現在高難度ダンジョンの攻略直後で疲弊したウィリアムのパーティ以外は皆長期攻略中で出払っている。

Aランク冒険者も遠方への派遣が多く、最速でこちらへ戻ってこれるのは『白銀の疾風

』で3日後。

王国の騎士を貸し出してもらうとなると…ギルドの経営がな」

 

 

厳格なベルントの表情に少し疲れが見えた気がした。

 

「なら、明日僕が調査に同行しましょう」

 

 

「悪い、ウィリアム。

最近はお前に頼ってばかりだな。

やはり貴重なSランク冒険者を1人失ったのは手痛い。

早急に穴埋めをしなければ」

 

 

「いえ、大丈夫です。

ですが確かにギルド長の言う通りですね。

そういう意味でも、1人で多数のモンスターを操るノインは人手不足という問題を上手く解決できる逸材でしたね。

では、すいません、先に失礼します。

明日の朝またここへ来ます」

 

「ああ、しっかり休んで明日へ備えてくれ。

詳しい事は明日、ウィリアムと同行する副ギルド長のディランが説明する」

 

 

 

 

翌日、僕はギルドで副ギルド長ディランを含むギルドの職員たち、調査員たちと共に上級ダンジョン〈腐灰の沈黙墓〉へ向かった。

 

 

ダンジョンの入り口に到着し、現場の指揮を執るディランが指示を出した。

 

「ここからはSランク冒険者のウィリアムが先導する。

調査員の者は俺の後ろで記録を取り、他のギルドの職員は殿を務めてくれ。

よし、行くぞ」

 

 

入口を少し進むとすぐに低級モンスターのスケルトンと相対した。

 

追い詰めると自爆すると話を聞いていた為、3体いる内の1体を残して自爆する間もなく瞬時に倒した。

 

その時感じたのは違和感。

僕が使っている聖剣は呪いや闇を断ち切り浄化する力がある。

 

何かの呪い、もしくは契約のようなものを浄化したような不思議な手応えを感じた。

 

 

「皆、少し離れていてくれ、残りの1体はわざと追い詰めて自爆させてみる。

自爆する様子をみたら何かこの現象の原因が分かるかもしれない」

 

僕の考えを聞いたディランは頷き、調査員を少し下がらせた。

 

ディランからアイコンタクトを受け取った僕は準備OKと受け取り、スケルトンを自爆に誘導する為、倒しきらないくらいの威力で攻撃した。

 

 

するとスケルトンは思ったとおり自爆で僕にダメージを与えようとしてきたが、付与術師のディランがダメージ軽減のバフを与えてくれたおかげで、僕に殆どダメージは無かった。

 

その後、スケルトンの自爆を見た僕は今回の事件に当たりをつけた。

 

「ありがとうございます、ディランさん」

 

「いや、構わない。

ウィリアム、今の自爆を見て何か分かったか?」

 

「はい、おおよその検討は付きました。

恐らく先程の自爆、スケルトン本来のスキルではありません。

外部からの干渉で行われた可能性が高いです。

自爆で死んだスケルトンと、先程僕が倒したスケルトンの様子をよく見てみてください」

 

僕が聖剣でトドメを刺したスケルトンは、通常通り光の粒子になって消えていくが、自爆によって死んだスケルトンは、黒い粒子になって渦状に虚空へ吸い込まれるようにして消えていく。

 

 

「確かに様子が違うな。

調査員の皆はスケルトンが倒された場所で調査を始めてくれ、ギルド職員とウィリアムは前後通路の警戒を頼む」

 

 

サブジョブで鑑定師持ちの調査員たちは、スケルトンが倒された付近で調査を始めた。

 

結果、そこからは召喚術使用と死霊術師のスキル【屍爆・ボーンブレイクバースト】を使用した魔力痕跡が見つかった。

 

 

それから、低級モンスター、中ボスモンスターを倒したが、どれも同じような痕跡だった。

 

そうして到達したボスフロア。

 

そこでは獅子とヤギとヘビが組み合わさったゾンビの大型魔獣、キメラがいた。

 

ヘビの毒霧やヤギの咆哮は広範囲に影響を及ぼす為、調査員やギルド職員は下がらせて、僕とディランの2人で攻略する事になった。

 

ディランの的確な援護もあり、難なくキメラを倒した僕たちは集めた情報から、今回の犯行をSランク冒険者ノインだと推測し、犯人を探す為にギルド職員たちと連携し、ダンジョン内を虱潰しに探していった。

 

そして残ったのは本来、宝箱が設置してある筈の小部屋。

そこへ繋がる通路があった場所はダンジョン内の壁と同じような作りの壁で塞がれていた。

 

しかしそれも、調査員の鑑定スキルによって高位の土魔法によって作られた人工の壁だとわかった。

 

「高位の土魔法か。

もし本当にノインが黒幕ならば、恐らくこの先に高位の魔法を使える魔術師系のアンデッドがいる可能性が高い。

大魔法の範囲攻撃で一網打尽にされないように、少し詠唱に時間がかかるが、1度だけ魔法のダメージを無効化する効果を持つ【絶対魔障】を付与してから壁を壊して突入する。

ノインは魔術師系のジョブで自身の身体能力は低い。

突入したら、この場で1番身体能力の高いウィリアムがノインを捕らえる。

そうしたら俺はウィリアムとギルド職員に身体強化のバフを付与しておくから、ギルド職員は直ぐに絶魔の手錠をかけてくれ」

 

ディランが術式を汲み上げながら、作戦を練って皆に伝えた。

 

「よし、行くぞ」

 

その声と共にディランの【絶対魔障】が付与され、即座に僕は壁を聖剣で壁を破壊した。

 

通路には外からダンジョンに持ち込まれたであろう、マットや衣服等の生活用品が散乱していた。

 

 

それらを無視して進み、宝箱のあった小部屋に行くと、こちらに驚いているノインを発見。

 

即座に体を拘束し地に伏せさせ、口での詠唱を防ぐ為手で口元を塞いだ。

 

幸い高位のアンデッド等はおらず簡単に制圧できた。

 

召喚方法を封じられたノインの抵抗力は0に等しく、体を捩ろうとしたり、口元を押さえる手をペロペロと舐めたりするのが精一杯のようだ。

 

 

遅れてギルドの職員たちが到着し、絶魔の手錠をノインにかけた。

 

次に調査員たちと来たディランは付与術師のステータス配分の影響か、少し息を切らしていた。

 

 

「副ギルド長、今回の主犯と思しきノインを確保しました」

 

「よくやった、ウィリアムも助かった。

これから私はノインと一部のギルド職員と一緒にガンシルドへ帰還し、ノインを国の衛兵へ引き渡す。

ウィリアムは1足先に他のギルド職員と調査員を連れてギルドへ戻って休んでいてくれ。

私はここで少し尋問をしなければならない」

 

「わかリました。

では僕は先に失礼します」

 

そこで今回の事件は終わった。

あの後、失踪していたノインは犯罪者として捕まり、Sランクの資格は勿論、冒険者の資格も剥奪され、ガンシルドの牢獄へ投獄された。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あの後は散々だった。

いきなり壁が壊れる音がしたと思ったら、突然ウィリアムたちが押しかけてきて俺を乱暴に押さえつけた。

 

その後、副ギルド長のディランから事務的に淡々と聞かれた後、ガンシルドへ連れて行かれ、あれよこれよという間に有罪となり、投獄された。

 

今は牢獄で怖そうな看守に見張られて生活している。

 

俺はこれでも大物犯罪者なようで、広い牢獄の部屋を1人で貸し切っている。

 

だから投獄が決まった時から心配していた、他の男の囚人たちと同部屋で1日中輪姦されるというな事は無かった。

 

だからといって苦痛がないわけでもなく、俺が慣れてきたのが看守に伝わると、わざと大声を出したり、棒のような武器で大きな音を出して怖がらせてくる。

 

女の子みたいな悲鳴でてしまって情けなくなるからやめてほしいのだが、この程度の苦痛で済んでいるのはかなりヌルいのかもしれない。

 

もしかしたら、Sランク冒険者として積み上げてきた功績を考慮されているのかもしれないが。

 

そんな生活が1か月程続いた時、突然、今まで鉄格子越しに俺をビビらせるだけだった看守が鍵を開けたのだ。

 

「ひっ!や、やめて」

 

「お前の釈放金が払われた、よってお前を今日で釈放する。

ッチ、いっちょ前に怯えやがって、この犯罪者が」

 

 

「え、釈放…?」

 

 

「わかったらさっさと出ていきやがれ!」

 

ガシャン!  ガシャン!

 

「ひっ!は、はいっ、で、でていくからやめて、ひぃっ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「どうしたんだウィリアム、今日は依頼もダンジョン攻略にも行かないのにメンバー全員集合なんて」

 

「もしかして前に攻略した〈龍尸の黄昏〉の祝勝会?

でもそれは2週間前にしなかったっけ」

 

僕がリーダーを務める『黎明の旅団』のメンバー、タンク職の陽気なロランと魔法攻撃職のロザリアが言った。

 

 

「いや、今日は祝勝会ではないけど、似たようなものだよ。

突然だけど今日から僕ら『黎明の旅団』に加入する仲間が来るからその加入祝いだね」

 

すると、それだけで全てを察した最年長の双剣士ローレンツは優しい微笑みを浮かべて優雅に紅茶を飲んだ。

 

「それは、また賑やかになりそうですね」

 

弓術士でムードメーカーの少女ナナミは興味津々にどんな人物なのか聞いてきた。

 

「えっ!どんな人?男の子?女の子?」

 

「女の子だよ、ナナミとは歳が近いから仲良くしてあげてね」

 

女の子という言葉に反応したロランも食い入るように聞いてくる

 

「え!?まじかよ!よし、第一印象はきっちり決めとかないとな」

 

「はは、第一印象ならもうロランは手遅れかな、じゃあ出てきて自己紹介してね」

 

そう言うと最初からずっと僕の後ろに隠れていたノインが出てきて、皆に挨拶をした。

 

「え、えっと、ノインです。

こ、この度は、その色々とお騒がせしてすいませんでした。

冒険者の資格は剥奪されましたが、その、Sランク冒険者のウィリアムさんの監督下でなら冒険者活動を認めると判決されたので。

色々とご迷惑をおかけしますがよろしくお願いします」

 

ローレンツ以外は皆驚いているようで、しばらく言葉を失っていた。

ローレンツは自身の中での答えは決まっているものの、自分で先導して流れを作るわけではなく、皆の判断を見守る事にしたようだ。

 

最初に口を開いたのはロザリア

 

「ま、それが妥当でしょうね。

万年人手不足の状態で、元Sランクの混成ジョブ持ちの逸材を牢屋で飼い殺しにするのは合理的じゃないもの。

よろしく、私はロザリア、広範囲高威力の魔法が売りだから、モンスターを展開するなら巻き添えにならないように気をつけてね」

 

ロザリアらしい淡白な自己紹介だったが、それがいつもの『黎明の旅団』の流れを吹き返させた。

 

「俺は重装騎士、所謂タンク職のロランだ。

確かまだノインがSランクじゃなかった頃に2人で一緒にダンジョンを攻略した事があったよな。

これからは俺がじゃんじゃん守っていくから、敵の攻撃は心配しなくていいぜ!」

 

「私はナナミ、弓術士だよ!

後方型同士仲良くしようね!」

 

「私はローレンツ。レイピア使いの双剣士です。

以前は王国騎士を務めておりました。

柵を捨てた者同士、ゆっくり話ながらお茶でも飲めれば光栄です」

 

そうして、黎明の旅団に新しい仲間を迎えた僕たちは、新たなスタートを切った。

 

 

 

 




連載にしようと思ったら1話で終わってしまった。

続きを書けないわけじゃないけど、タイトル詐欺みたいなるのでどうすっかなっとなっておりんす

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