応援乙女のヒーロー生活   作:バァーン・トロスト

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備えろ電撃発表

 私達が独立してから約半年が経った。その間に事務員を2人程引き入れ事務所の軌道は大分安定してきた。本当にありがたいことだ。そしていくつかの事件を解決してきたことで市民の方々からも少しは認知していたたけたことだろう。そんなある日、

「さ、ささ栄!」

 と、なにやら大慌てで相棒(サイドキック)のオニナグリが飛び出してきた。

「だから本名やめて」

 そういう私の忠告をフルシカトしてオニナグリは私にタブレットを見せつけてくる……が、

「近すぎて見えないんだけど」

 そう、コイツまるで顔に押し付けてくるかのように、見せてくるのだ。目が悪くなるわ。

「あそう! じゃあ私が読むわ!」

「おい」

 そう言ったオニナグリが軽く深呼吸して言い放つ。

「オールマイトが雄英の教師になるってよ!」

 

 

え?

 ────────────────────────

「マジじゃん…」

オールマイト、ビルボードチャートでは不動のNo.1を維持し平和維持に多大な貢献をしている名実共に《平和の象徴》と呼ばれる偉大なるヒーロー

そんなオールマイトが雄英の教師に…?そんなの…そんなの…

「う…「羨ましい~‼‼」」

すんでのところでオニナグリの声に掻き消された。あぶねぇ…助かったよオニナグリ…

だがオニナグリの嘆きは止まらない。

「別に他の教師がダメだったって話じゃないぜ!?むしろ最高だったけどさ!でもよ?オールマイトに教えて貰えるとか羨ましすぎんだろ!」

あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛とオニナグリの叫びが止まらない。羨みすぎだろコイツ。心配した事務員さん達が見にきちゃったじゃないか。

「あの…大丈夫ですか?」

ああもう声にまで出されてしまった。床でのたうち回るオニナグリをけつり、「はよたて」と小声で催促する。渋々立ち上がったオニナグリを見せて

「大丈夫です。ちょっとショックなニュースがあったっぽくて」とごまかす。

プロヒーローが学生への、ましてや後輩への嫉妬でのたうちまわる姿なんてとてもじゃないが見せれたもんじゃない。

立ち上がったオニナグリの姿を見た事務員さんは怪訝な顔をしながら、

「怪我とかじゃないんですよね?」

と聞いてきた。よく見れば手には救急箱まで持ってきていた。本当に優しい人だ。

「どっか痛む?」

確認のためにも一応聞いておく。少しして、

「心が…」

と返ってきた。ふざける元気は戻ってきたらしい。

私達の漫才のようなやり取りを見た事務員さんはようやく安心したのか今日も頑張りましょうねと言って戻っていった。天使か?

そうして、いまだに隣でスンスンやってるオニナグリにいい加減立ち直れと軽くはたく。

「でもさ?あんたってそんなにオールマイト好きだったっけ?どっちかというとヒーローって職業が好きって感じじゃなかった?」

そう、オニナグリはオタクという程ではないがヒーローそのものが好きなのだ。特定の誰かを推しているというのはずっと付き合いがある私も知らない話なんだけど…と考えていると

「バカ言え…パワー型ヒーローなら誰でも憧れるだろあんなの…あ゛あ゛あ゛~…私もオールマイトの授業受けてぇ~…スマッシュも間近で見てみてぇ~…」

オニナグリとは小学校からの付き合いだが、そんな友人でも案外知らないことはあるものだと今更ながらに感じたのだった。

しかしあのオールマイトが母校とはいえ雄英の教師かぁ…どんな授業するんだろうな…

と、このときの私達は後に起こる惨劇を知らず、呑気に想像するのであった。

 

 

「まぁ色々驚くことはあったけど私達はヒーローとして、やるべきことをやっていこ」

パンパンと手を叩いて意識を切り替えていく。ようやくオニナグリも吹っ切れたようだ。

「最近はこの辺りも治安が悪くなってきてるし、朝からパトロールだよ」

「ボヤ騒ぎねぇ…炎系の(ヴィラン)でも流れ着いたか?それともあれか?噂のヒーロー殺しってやつ?」

オニナグリが言ったように、近頃は市民から火事のような煙と変な臭いがするという通報が度々入ってきている。火事は起きてないのだが、警戒を強めるに越したことはない。

「流れてきた(ヴィラン)の可能性は高いけど、ヒーロー殺しではないと思うよ。ヒーロー殺しが炎を使うって情報は聞いたことがないしね」

そう言って、確認のためにもわかっているヒーロー殺しの情報に目を通しても炎を使うなんてものはない。やはりこの騒ぎには概ね関係ないだろう。

「とにかく、一刻も速く事態の究明だね。市民もそれを望んでる。」

コスチュームに袖を通しながらの軽い雑談を締め、最後の軽いミーティングに入る。

「今日は煙の通報があった路地裏近辺を中心にまわっていこう。ここと、こことここ。3ヵ所ね。今日中にまわりきるよ」

スマホのマップにあらかじめマーキングしておいた地点をオニナグリに見せながら今日のプランを話す

「OK。迅速に行こう」

さあ、スペシャルマーチヒーロー事務所!出動するよ!




溜動闘子 りゅうどうとうこ 24歳
ヒーロー名:オニナグリ
個性:チャージ
個性発動中は体を動かすことで動かした部位にエネルギーを溜めるとこが出来る。溜めたエネルギーを解放することでその部位を使った次の行動の出力を上昇させるとこが出来る。大体ゴリラのNB。チャージを解放した部位は溜めたエネルギーが空になるので再チャージが必須
誕生日:10月11日
身長:174cm
好きなもの:肉、運動、海

主人公の相棒兼親友の子です。名前が難産でした。堀越先生これを何百人とかやってんのマジパネェっす…スペシャルマーチヒーロー事務所の武力担当です。カラッとした性格をイメージしたんですが表現するのが難しい…
余談ですが主人公に胃袋を完全に掴まれています
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