応援乙女のヒーロー生活   作:バァーン・トロスト

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語彙力が欲しい


準備せよ体育祭

 オールマイト雄英教師就任から少ししたある日の朝、新聞にとんでもないニュースが書かれていた。

「USJ襲撃ねぇ……(ヴィラン)も度胸あるなぁ……」

 そう、雄英高校の施設の一つであるUSJ……嘘の(U)災害や(S)事故(J)ルームが徒党を組んだ(ヴィラン)に襲撃されたと言う事件だ。本当に、度胸があるのかアホなのか……幸いオールマイトの活躍もあってそこまで大きな被害はないようだ。

(ヴィラン)連合か……ずいぶん安直な名前だけどはじめての犯行で現役ヒーローも多く在中してる雄英を襲うって、何を考えたらそうなるんだろ……」

 今回の襲撃で(ヴィラン)連合についた世間の評価は概ね2つだ。いきなり大将首を獲りに行って返り討ちにあった間抜け者、そして……

「新しい敵達(ヴィランたち)の象徴……」

 そもそも(ヴィラン)連合という名前を使っての犯罪も今回がはじめてのはずだ。それなのにチンピラとはいえ80人近い(ヴィラン)(ヴィラン)連合という旗のもとに集まった。

「こらぁめんどいことになりそうだなぁ……」

 そう言ってオニナグリは背もたれにおもいっきりもたれる。

「椅子がダメになるから勢いよく倒れないで。でも、本当にめんどくさいことになりそうだね。ただでさえ最近この辺は治安悪いのに……」

 市民への不安の種をこれ以上大きくするわけにはいかない。

「とりあえず、暫くは他事務所と連携してパトロールを強化していこう。これに乗じたチンピラが暴れださないとも限らない」

「OK。ちょっとは忙しくなりそうだな!」

「楽しむな楽しむな。ヒーローは暇であればある程いいんだから.」

 そうやって今後の方針を纏めていると、唐突なオニナグリの呟きが耳に入った。

「体育祭……やんのかね……?」

「どうだろ……」

 雄英体育祭、日本の1大イベントとなって久しい雄英が誇るビッグイベント。毎年暑い勝負を繰り広げ、一般の方も、そして私達ヒーローとしても絶対に外せないイベントなのだが……

「襲撃されても即開催は雄英っぽくはあるが……今年は指名券貰えそうなんだろ?」

「うん。去年は独立準備中だったからそれ以前の状態だったけど、安定して事務所まわせてたからちゃんと指名券貰えたよ」

 まぁこの指名券が使えるかどうかは雄英の匙次第ではあるんだけど……世知辛いね……

「ま! 開催してもしなくても、今やるべき事は変わらねぇからよ! パトロール行こうぜ!」

「そうだね。それはその通りだ」

 そう。雄英体育祭はその時に考えればいい。今はヒーローとして、治安維持のことを考えよう。

「私はもう準備できてるぜ! "チャージ"も万全よぉ!」

「準備が速くて助かるよオニナグリ。さぁ! 今日も頑張ろう」

 そうして事務所から出た私達を出迎えたのは道路を挟んだ向かいにあるコンビニから大きな鞄を持って飛び出してくる覆面だった。

「おい早速不安的中かよ。てかヒーロー事務所の真ん前にあるコンビニでやるとかマジのバカじゃねぇか! おい待てこら!」

 そう言うと、オニナグリは足のチャージを解放して犯人とおぼしき覆面の方に飛んでいく。

「オニナグリ! 私はコンビニの人に話聞くから!ちゃんと犯人ってわかるまで乱暴はしないでよ!」

 急いで大声で伝えたが伝わってるかな……と不安になると無線から『OK』と元気な声が聞こえてきて一安心していると

「すみません! ヒーロー! こっちに!」とコンビニの店員らしい人が私を呼んでいるのが聞こえた。

「すみません! 遅れてしまいました! 大丈夫でしたか?」

「いや、怪我はないんだ。レジの金だけ盗っていったから…」

 と言って覆面が逃げた方向を指差す店員さん。

「犯人はあの覆面で間違いないですね?」

 と聞くと「そうです」と返ってきた。そうとわかれば話は早い。無線を入れ、簡潔に伝える。

「オニナグリ! その覆面が犯人って言質盗れた! 抑えれる!?」

 と伝えると数秒後、『確保ォ!』という元気か声が耳に響いた。うるさ

 

 

 ───────────────────────

 

 

「金がないんだよォ…見逃してくれよォ…」

「うるせぇ。金がないなら働け。てか強盗するにしてもなんでヒーロー事務所の目の前にあるコンビニなんだよ」

という声と共に逃げていった方面からオニナグリに連れられた覆面が見えた。ただしオニナグリは腕を中心にコスチュームや顔が1部黒く汚れている。

「お疲れオニナグリ。それどうしたの?」

「ん?コイツの個性だよ。墨を吐けるんだと」とすっかり大人しくなった覆面を抑えながら墨がついた腕をブンブンと振って墨を落とそうとしているオニナグリを「あとで洗いな?飛び散るから今は止めなさい」と止めさせる。コスチュームが汚れて少し不機嫌になっているが今は無視する。

「警察には通報してくれてたっぽいからそろそろ来ると思うよ」と言い終えたタイミングでパトカーのサイレンが聞こえてきて、あんまりにもピッタリなもんだから少しだけテンションが上がってしまった。

 

 

 

身柄の受け渡しと取調べを終えてパトロールを再開する。

「しかし悪い予感がこんなにも早く当たるとは。でかい事件が起こるとやっぱ治安悪くなるなぁ…」

「今回は色々運が良かったからね。やっぱり暫くは他事務所との連携は急務かも。手遅れになってからじゃ遅い」

そんな話をしていると、「マーチ!オニナグリ!」と若い声に呼ばれる。

「スミマセン!サイン貰っていいですか!」とファンサのお願いだ。断る理由もない。当然…

「おう!いいぜ!」「いいよ。どれに書けばいい?」

承諾だ

 

 

「ありがとうございました!応援してます!」

こういうファンの言葉は本当に心に染みる…だが、応援されるだけじゃ応援ヒーローの名折れだ

「ありがとう!君も頑張れ!」と若者を見送った後、

「しゃ!じゃあ頑張っていくか!」

「そうだね。ファンの期待に応えよう」

気合い十分。頑張ってこう!

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