呪術廻戦〜青の魔弾〜 作:華々
どうも蒼也です。
年月が流れて、俺も今じゃ十五歳になった。
今思い返すと、昔の俺は中々どうして無茶苦茶な奴だったと思う。
禪院家のドブカスに手を出したり、呪霊の隙を突くためとはいえ無防備になって捕まえられたり。
今の俺じゃ、どれも考えられない。
三年前の「姦姦蛇螺」の一件は特に酷かった。
あの時は真依たちに相当心配をかけたし、「二度と自分の命を囮にするな」と、こっぴどく説教された。
真依には泣かれ、真希にはボコボコに殴られた。
あれを食らえば、嫌でも反省する。
それでも信用はしてもらえず、最終的には縛りを結ぶことで、どうにか許してもらった。
胸の奥で「二度とやらん」と誓っていると、俺の待機している部屋に人の気配が近づいてくる。
「失礼します、蒼也様。定刻となりましたので、移動をお願いいたします」
障子を開けて入ってきたのは、珍しく御子服のような和装に身を包んだ真希だった。
ここ三年で、真希は見違えるほど強くなった。
呪力を使えないフィジカルギフテッドでありながら、実力は既に二級相当。
同い年の十五歳。
体つきも成長して、体のラインが出にくい和装にも関わらず――
……いや、目立つ。
どう見てもメロンだろあれ。
「……おい蒼也。テメェ、どこ見てやがんだ」
視線に気づいた真希が、こめかみに血管を浮かせて迫ってくる。
次の瞬間、俺の頭は鷲掴みにされ、ミキミキと音を立て始めた。
「ギャアア! 許して、真希! 出来心! 本当に出来心なんだ!」
必死に言い訳しながら腕を引き剥がそうとするが、全然びくともしない。
そんなバカ騒ぎの最中、パタパタと廊下を走る足音が聞こえた。
「ちょっと真希、若様呼ぶのにいつまで――……なにしてんのよ、あんたたち……」
真希の様子を見に来た真依は、俺たちの惨状を見た瞬間、敬語を忘れて呆れていた。
「……真希もだけど、若様も。今日みたいな日にバカなことはしないでください」
「でもこいつ、私の胸をジロジロ見てきやがるんだぞ!」
「あら。じゃあ後で、いくらでも“私のもの”を見させてあげますから。素直についてきてください」
「なっ!? お前なに言って――って、お前も素直についていくな!」
結局、時間を食ってしまった俺たちは、真依の案内で慌てて移動することになった。
「はぁ……ほんっとに騒がしいわね」
歩きながら、真依がため息をつく。
「若様が私たちに興味津々なのは今に始まったことじゃないですけど、真希も真希よ。すぐ手を出すんだから」
「はぁ!? こいつが見てきたのが悪いんだろ!」
「正論を盾に暴力振るうのはただの脳筋よ。これだからゴリラは」
「んだとコラ!」
「図星?」
バチバチと火花を散らす姉妹を、俺は半目で眺める。
……あー、うん。
平常運転だな。
「ほらほら、二人とも。今日くらいは仲良くしようぜ」
「「誰のせいだと思ってるの!」」
声が綺麗に重なった。
◇
今年の春から、俺は東京にある呪術高等専門学校――通称、呪術高専に通うことになった。
その前祝いとして、じーちゃんが「元服した姿を皆に見せたい」とダダをこねた結果、親族や関係者を集めて元服の儀が行われることになったわけだ。
やること自体はシンプル。
仕立てた和装に着替えて、家の近くの神社まで歩くだけ。
ただし、その道中に――
政治家、地主、呪術師。
やたらと面倒な人間が大量に並んでいる。
「……パフォーマンスってやつだな」
青崎家は健在だと示すための、見せ札みたいなものだ。
神社に着き、淡々と元服の儀を終える。
決まった文言を読み上げるだけで、特別語ることもない。
◇
「はぁー……疲れた……」
自宅に戻るなり、俺は畳に倒れ込んだ。
「ふふ、お疲れ様です、若様」
すっと真依が近づき、俺の頭を持ち上げて自分の太腿に乗せる。
柔らかくて、妙に落ち着く。
……天国か?
そこへ、仕事を終えた真希がどかっと胡座をかいて座った。
「よぉ、変態」
「ひどくない?」
「事実だろ」
「真希そんな気にするほどじゃないじゃない」
「甘やかすな」
「何言ってるの、あそこに比べれば可愛いものじゃない」
「そりゃそうだろうけどよ」
二人のやり取りを聞きながら、俺は天井を見上げる。
春から呪術高専。
真希と真依も、同じく入学が決まっている。
これから始まるのは、今までとは違う日常だ。
あんまし元服の描写はないですね。
次回からは高専入学編です。
ところで狗巻とパンダとの顔合わせからオリジナル話を投稿するのと時間がとんで乙骨編入から始めるかどっちがいいですかね?
小説の続き、時間が飛んで原作行くかオリジナルストーリーをいれるか
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乙骨編入編から
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高専入学編から