呪術廻戦〜青の魔弾〜   作:華々

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悪夢を見た日ってろくなことがないよね

 

微睡んだ泥の底のような空間。

気づけば俺は、そこに突っ立っていた。

 

――ここは……?

 

足元も、天井も、境界がない。

白とも黒ともつかない曖昧な空間が、ただ果てしなく広がっている。

身体を動かそうとした瞬間、異変に気づいた。

 

指一本、まるで動かない。

呪力を練ろうと意識を集中させる。

だが、いつもそこにあるはずの感覚が、まるで空洞のように掴めない。

 

……動けない。

 

呪力も、身体も、何もかもが言うことをきかない。

一体、何が起きている――?

途方に暮れた、その時。

背後から、確かな“気配”を感じた。

感じ慣れた“気配”。

 

次の瞬間、先ほどまで石のようだった身体が、まるで誰かに操られるかのように、勝手に振り返っていた。

そこに立っていたのは――

禪院真希、真依、そして乙骨。

 

だが、様子がおかしい。

真希と真依は、乙骨の腕に寄り添うように身を寄せ、顔を近づけている。

二人とも、熱を帯びた視線で彼を見上げ、甘えるように微笑んでいた。

 

「……な、何して……」

 

声を絞り出す。

 

「真希、真依……何してるんだよ……」

 

呼びかけに応えるように、二人の視線がこちらへ向いた。

その瞬間、背筋が凍る。

そこにあったのは、前まで向けてくれていた親しい者を見る目じゃない。

冷淡で、値踏みするような、露骨な拒絶の色だった。

 

「チッ……」

 

真依が小さく舌打ちする。

 

「まだいたの? あんた」

 

見下ろすような視線。

言葉一つ一つが、鋭利な刃のように突き刺さる。

 

「もう興味ないのよ。あんたみたいな半端者より、優太様みたいに“本物”の呪力量と力を持ってる男の方がいいに決まってるでしょ?」

 

真希も、感情のない声で続ける。

 

「お前はもう用済みだ。さっさとどっかで死んでいい」

 

……頭が、真っ白になった。

何か言い返そうとする。

否定しようとする。

だが、喉がひくりとも動かない。

二人は、もうこちらを見ていなかった。

乙骨の方へ視線を戻し、耳元で何かを囁く。

彼は困ったように微笑むだけで、こちらを一度も見ない。

そして三人は、くるりと背を向け、歩き出した。

 

「待って……!」

 

叫ぼうとする。

追いかけようとする。

――だが、足が動かない。

 

身体が、言うことをきかない。

遠ざかる背中が、次第に白に溶けていく。

それと同時に、俺の視界はじわじわと黒に侵食されていった。

まるで、自分の存在そのものが、塗り潰されていくように。

 

…………

完全な暗闇。

呆然と立ち尽くす意識の奥で、甲高い機械音が鳴り始めた。

 

ピッ……

ピッ……

 

それは次第に速く、うるさく、頭の内側を直接叩くように響いてくる。

 

ピピッ、ピピッ、ピピッ――

 

限界まで音が膨れ上がった瞬間。

ハッと、まぶたが開いた。

 

「……っ!」

 

ベッドの上で、勢いよく上体を起こす。

 

「はぁ……はぁ……はぁ……。」

 

荒い呼吸。

額から伝う冷たい汗。

胸の奥に残る、嫌な感触。

 

「……夢、か……」

 

そう呟いても、心臓の鼓動は、しばらく収まらなかった。

 

 

取り敢えずシャワーを浴び熱いお湯で冷えた体を温める。シャワーを浴びている間さっき見た夢について考える。

 

(なんだったんださっきの夢…)

 

まるで本物のような。負の感情を固めてぶつけられたような粘ついたあの2人の冷淡な視線は…

 

誰かが悪質なイタズラでもしたのか?…いや流石に度の超えたイタズラをするような奴は高専にはいない。

 

五条先生もイタズラ好きだけど流石にこんな人を傷つけるようなイタズラをするわけが……多分ない。

 

(だとしたらアレは俺自身が作り出した夢だったのか?)

 

確かに真希と真衣の2人を守り通すと決めたはいいけど実力が不足していると思っていたし誰かにあの2人を取られないか心配したことはあった。

まさかあれが正夢でこれから起こることだったりしないよな。

 

(いやいや何考えてんだ。)

 

ゴツンっと壁に頭を当てて思考を変えようとしてピタリと動きを止める。

 

………いや待てよ。真希と真衣は呪術師家系の名門禪院家の生まれ。あの2人が禪院家を嫌っていて名前も変えたいと思っていることはうすうす勘付いている。だが、あの2人は実力至上主義が、徹底された家の教育を小さい頃受けていた。

 

嫌っていてもその教育が頭に植え付けられている可能性はある。二人に対して疑うのは申し訳ないが、まさか、アイツラが何て言っていて本当に取られでもしたら目も当てられない。

 

そう考えると顔から血の気が引く音が聞こえるような気がした。

 

「今すぐ、今すぐ成果を出さなくちゃ!」

 

慌てて服を水を拭き服を着ると五条先生の元に走って向かう。

 

寮の廊下を疾走して五条先生のいる部屋に向かい、着くと力いっぱい扉を開く。

 

「五条先生!何か高難易度の任務はないですか!?」

 

息を荒げて飛び込んできた俺を見るいつも通り飄々とした様子の五条先生と顔を青ざめさせている伊地知補助監督さん。

 

「んん、どうしたの?何急ぎでお金が必要になったりした?しょうがないなちょっと待ってなさい今五百万位振り込んであげるから。」

 

スマホを取り出して俺の口座にお金を振り込もうとする五条先生を止めて理由を話すと

 

「クックック。そんなこと気にしてんの?」

 

「先生笑いすぎ。それであるの?」

 

膝を叩いて大笑いする五条先生に恥ずかしいと思いながらもそれを無視して問いただすと五条先生は伊地知さんに何か任務がないか聞く。

 

「そうですね。…スミマセンが本日は五条さんに任せる予定の緊急案件以外にはこれと言って高難易度の物がありませんね。」

 

伊地知さんがスマホで予定表を見てくれるも俺の求めている様な任務が無く諦めていると、

 

「それなら僕の任務行ってきなよ。」

 

「ちょっ?!五条さん?!」

 

「!良いんですか!」

 

「うん、そんなに行かたがるなら僕の代わりに行ってきな。できなさそうなら僕に連絡してくれればいいから。」

 

「じゃあ任せたよ」と伊地知さんに五条先生が告げると部屋を去ってしまう。

 

「ああ、五条さん……」

 

「まあ任せてくださいよ。それでどんな任務なんですか?」

 

伊地知さんが手元に持っていた書類を渡してくる。それは、

 

▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼

 

緊急任務

 

伊吹山山奥に鎮座する社にて、強大な呪力反応を確認。

対象は社に奉納された剣に、長年注がれ続けた

“八岐大蛇を畏れる呪”より発生した呪霊。

至急、祓除を要する。

 

対象:特級水禍八岐 八岐大蛇

小説の続き、時間が飛んで原作行くかオリジナルストーリーをいれるか

  • 乙骨編入編から
  • 高専入学編から
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