呪術廻戦〜青の魔弾〜 作:華々
その後の話をしよう。
夏油は五条先生により死亡が確認され、その遺体の処置は先生に一任された。
秤先輩の暴力事件も、禪院家と上層部に金を積むことで不問となった。
対外的な体裁のため一年間の謹慎処分は下されたが、実質的にはかなりの減刑だ。ここまで持っていった俺に、少しは感謝してほしいものだが。
真希と真依は百鬼夜行には参加せず、乙骨と共に高専で待機していた。
だが夏油の襲撃を受け、負傷したらしい。
それを聞いた瞬間、頭の血管が弾け飛びそうになった。
だが乙骨の反転術式で治療済み。
そして当の夏油は死んでいる。
怒りの向け先は、もうどこにもない。
他にも、乙骨が特級認定を外れたこと。
真希と真依の天与呪縛が半分解けたこと。
色々あった。
だが今、俺が悩んでいるのは別のことだ。
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「えっ、海外に修業に行きたい?」
「はい。できれば」
俺は五条先生の前でそう切り出した。
「ちなみに理由を聞いてもいい?」
理由は単純だ。
「五条先生、日本は海外に比べて呪霊の発生数が段違いですよね?」
「そうだね」
「なら逆に、海外は発生数が少ない。その代わり……生まれるなら高位になりやすい。だから修業に向いてると思ったんです」
海外では呪霊は生まれにくい。
だが、信仰や神への畏怖が色濃い土地では、神格由来の強大な呪霊が稀に発生する。
数は少ないが、質が違う。
「……どうですか?」
少しの沈黙。
正直、止められると思っていた。
だが。
「うん、いいんじゃない?」
「……本当ですか?」
「ちゃんと考えてるみたいだし。一度外を見るのも悪くない」
安堵しかけた、その瞬間。
「これ、あの二人には話したの?」
体が固まった。
五条先生が、呆れたようにため息をつく。
「蒼也さ。そういうとこ、ちゃんとしなよ。毎回怒られてるでしょ」
ぐうの音も出ない。
今回は本当に、誰にも相談していない。
「……わかりました。話してきます」
「うん。それがいい」
俺は部屋を後にした。
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廊下を歩く足取りが重い。
呪霊と対峙するより緊張するのはなぜだ。
ノックを二回。
「入れ」
真希の声。
襖を開けると、真希と真依がいた。
「何?」
真依の視線が鋭い。
「話がある」
「どうせまた勝手なことだろ」
即答。
図星だ。
「俺、海外に武者修行に行きたい」
沈黙。
真依が立ち上がる。
「は? 初耳なんだけど」
「今言った」
「そういう意味じゃない!」
声が跳ねる。
真希が静かに問う。
「何でだ」
「強くなるためだ」
短く答える。
「日本は呪霊が多い。でも海外は少ない。その代わり高位が出やすい。経験を積むなら——」
「経験って何。ゲームじゃないのよ」
真依の声が震えている。
「私たちが襲われたばっかりなのに」
胸が痛む。
「だからだ」
自然と声が低くなる。
「次は守りきる。そのために行く」
真依が言葉を失う。
真希が近づいてくる。
「一人で抱え込むな」
額を軽く小突かれる。
「私たちは仲間だろ」
「……ああ」
「なら相談しろ」
真依が視線を逸らす。
「死んだら承知しないから」
「死なねえよ」
「そういうのが死亡フラグなのよ」
小さな間。
真希が背を向ける。
「行くなら、胸張って帰ってこい。半端ならぶっ飛ばす」
「私たちも止まらないから」
俺は笑う。
「望むところだ」
扉を閉める直前、真依の小さな声。
「……ちゃんと帰ってきなさいよ」
聞こえないふりはしない。
「約束する」
2人と交わした縛りにも抵触する。俺が死ねば2人も死ぬ。だから死ぬわけには行かない。
今回の武者修行でどれだけ強くなれるか、不安もあるが楽しみでもある。
この流れは結構前から決めていた話で、先にこの話を書いていたので書き方も少し違います。
蒼也の武者修行の旅が読みたい人がいれば武者修行の要所要所を書く感じで投稿しようと思うんですけどどうですかね?
行き先はもう決めてあります。乙骨はアフリカに出張ですが蒼也は全く違う場所に行きます。作者はfgoやってるので神話が豊富な場所を行き先に考えています
感想とかで教えてください。
小説の続き、時間が飛んで原作行くかオリジナルストーリーをいれるか
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乙骨編入編から
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高専入学編から