呪術廻戦〜青の魔弾〜 作:華々
双子に連れられて庭に出ると真希は睨みつけるように真依は怯えていながらもじっとりとこちらを伺うようにみてくる。
う〜ん、この距離感。
「なあ、あんた」
「ん?」
「当主のジジイが言ってたこと、どうするんだよ」
「え? 別にどうもしないけど」
「はっ!? だって“考えとく”って!」
「方便だよ、方便。御三家の当主相手に、俺みたいなのが正面切って断れるわけないじゃん」
俺の答えに、二人はそろって目を丸くした。
真依が恐る恐る口を開く。
「……そんなことして、怒られないの?」
「まあ大丈夫でしょ。じーちゃん俺に甘いし。たぶん、最初から分かってたと思うよ」
そこまで大げさな話でもない。
「……愛されてるんだな」
「まあ、そうだね」
禪院家は、呪術師の家系の中でも群を抜いて歪んでいる。
女。術式を持たない者。
そのどちらにも容赦がない。
『禪院家に非ずんば呪術師に非ず。
呪術師に非ずんば、人に非ず』
それを冗談ではなく口にする家だ。
呪力を持たずに生まれれば、人として数えられない。
呪力を持っていても、術式がなければ価値はない。
術式を持っていても、相伝でなければ落伍者。
……よくできた地獄だ。
真希と真依は、その地獄を幼い頃から叩き込まれて生きてきた。
恵まれた環境に生まれ、相伝の術式を持つ俺は――
禪院家の人間でなくても、憎むべき存在なのだろう。
だからといって、外様の俺にこの家を変えられるはずもない。
そんな簡単に変わるなら、数百年も同じ醜態を晒していない。
……さて、どうするか。
「あっ。二人ともうちに来ない?」
「「はっ!?/へ?」」
揃って間抜けな声を上げる。
まあ、そりゃそうか。
「二人はさ、この家に残りたい?」
「「そんなの、嫌に決まってるだろ/でしょ」」
「だよね。うちも術師の家系だから、しがらみがないわけじゃない。でもさ――」
俺はゆっくり言葉を選ぶ。
「ここで嫌なことを押し付けられて腐ってるより、ずっとマシな暮らしはさせてあげられるよ」
「……何企んでる」
「え?」
「お前みたいなのが、私たちを欲しがるなんて。ろくな理由じゃねえだろ」
……そっか。
この子たちは、善意をそのまま受け取れないほど傷ついてる。
なら、少し胡散臭い理由を用意するしかない。
「……バレた? 実はさ、俺も今年で十二だし、じーちゃんから“付き人をつけろ”って言われてて」
「それが、どうして私たちなんだよ」
「正直さ、おばさんとか付けられるの嫌なんだよ。だったら君たちに任せたいなって」
「…………」
二人は顔を見合わせ、ひそひそと話し始めた。
全部嘘じゃない。
できれば、ここじゃない場所で、人並みの幸せを知ってほしいだけだ。
「すぐ決めなくていいよ。ゆっくり考えな」
そう言って、俺はその場を離れた。
……ちょうどトイレ行きたかったし。
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戻ってきた瞬間、光景を理解できなかった。
真希が地面に倒れ、頬を赤く腫らしている。
その前で、真依が金髪の男に頬を掴まれ、宙に持ち上げられていた。
書生服。
禪院家の人間だ。
「……は?」
声が出るまで、数秒かかった。
真希が男の脚にしがみつく。
助けようとしているのが、痛いほど分かる。
だが――
蹴り飛ばされ、踏みつけられる。
真依も足をばたつかせ、必死に抵抗していた。
「おい」
気づけば、声を出していた。
怒りで呪力が沸騰する。
「あっ? なんや?」
男が振り向く。
「なあ……」
一歩、踏み出す。
「何してんだよ。あんた」
今回、禪院家のドブカス代表が出てきました。
読者の方はわかる人が大半でしょうから溜めることもないかもしれませんけど。
続きは近日投稿します。
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小説の続き、時間が飛んで原作行くかオリジナルストーリーをいれるか
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