プレラーティのガチャ爆死なんですねぇ()
「贋作…社会に蔓延する病原菌……」
「はっはっはっ……にげっ逃げないと、逃げないと!」
薄汚れた路地。男は走る、後ろから迫りくる自己の死神の魔の手から逃れるために。
男はヒーローである。しかし、男は凶悪ヴィランへの賄賂、一般市民への暴行、罪の隠蔽など、汚職といっても差し支えない事を過去行った、いわゆる汚職ヒーローというやつであった
「俺はこんな所で終わっていい奴じゃない!何で俺、何で俺なんだ、そこら辺の適当などうでもいい奴なんかと違って俺は生きるべき――ッギャ!」
男の首から鮮血が飛び散る。喉を裂かれた為に短い悲鳴であり、それを最後に男は事切れた
「ハァ……終わりだ。最後まで、なんともまぁ俺の神経を逆撫でしていく」
男を殺めたその男の名はステイン。ヒーロー殺しとして知られる凶悪ヴィラン
ステインは男の屍を一瞥すると、興味をなくしたように背を向ける
「まだだ…贋作が…偽物のヒーローが蔓延るこの社会を変えねば………誰かが血に染まらねば……!」
「ンンンンン…左様で、ですがその先は骸の山しか残りませぬがぁ?それが貴方が望む世界の在り方だとでも?まぁ、拙僧と致しましてはそれはそれで構わないのですがねぇ」
「ッ!何者だァ!」
路地に声が木霊する。それはステインを見下すように、嘲るように、その姿を現した
「これはこれは失礼をば。拙僧は幻影魔人同盟が一柱。蘆屋道満と申します!どうですかな?ここで少しばかり拙僧と立ち話でも……ね、ステイン殿」
「ハァ…断る………化け物が」
そう言い放ち自身の得物を構え戦闘態勢を取るステイン。一触即発、静寂が辺りを制する。ステインは見事な礼をした道満を睨みつける。そこには明らかな敵意が在った
■
「そぉれっ♪」
「ッグ!」
道満の巨体から繰り出される純真な暴、ステインといえどそれは完全に防ぎきれるものではなく衝撃により後方へと押し込まれる。ステインが体勢を立て直す前に道満は呪符を飛ばし追撃を行う。しかし無理な体勢から強引に刃を振り抜く事で呪符を両断、道満の笑みは更に深くなる
「流石はかのヒーロー殺し……ですなぁ、ンンンンン!ですがぁ…?」
切り裂かれた呪符が膨張し、瞬間中で圧縮された液体を四散させる。ステインは突然の出来事で回避が間に合わずその液体をモロに浴びてしまう
「水も滴る――いえ、ガソリン滴る良い薪になりましたなステイン殿♡」
「ガソリンッ!」
「そしてぇ?これこの様に、はい」
親指と中指を擦り合わせ、乾いた音を鳴らす。いわゆる
「ガッ――ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!!!」
基礎的な呪術。
一般人であるならば、悶絶する痛みだろう。生皮が、未だ血管を通る血液が沸き立つ様な激痛。だがそれでもステインはヒーロー殺し。
「ッ!」
「おや危ない」
ステインは刃を握りしめ道満に向かって投げつけ、道満は危なげもなくその刃を薄皮1枚で避ける
「はい消火」
道満がもう一度指を鳴らすと、ステインに纏わり付いていた炎が行場を失ったかのように離散する。ステインは黒く焦げた手を見つめ、やがて道満へ視線を向ける
「…ハァ…ハァ……何故、火を消した…」
「おや、何故とは?」
「ハァ……分かっているだろう?…心底から憎らしいが、俺はお前より弱い…この付近に水源は無い、あのまま放置でもしておけば俺は焼死していた……」
実際、事実であった。そのままにしておくだけでステインは成す術もなく死体となっていただろう。ヴィランであるからヒーローに助けを求めるのは論外、近場に火を消せる様な水源は無く、ステインの個性ではどうにも出来ない。だからこそステインは解せない、何故この目の前の怪物は自分を生かすのかを
因みにここでステインは知り得ないが、先の道満の炎は水程度で消えない。少し調整を施した炎である為に、その炎は例え水の中だとしても燃え続けるだろう。火が燃えるのには酸素が必要と誰が決めましたか?と言う事である。その事を道満はわざわざ口に出すつもりもないが
「ですがそれでは楽しくないでしょう?」
何が面白いのか、道満は可笑しそうに笑う。
「と言いますか、儂の目的は貴殿を殺すことではありませぬ。あぁいや、ええ、ええ。勿論殺さない理由も拙僧にはありませぬが…殺せぬ理由があるのもまた事実」
「ハァ………で、何が言いたい?」
「おやおやせっかちな事で…まぁ端的に申し上げますと、ステイン殿を殺す許可は下りてません」
許可、この化物は今確かに許可と言ったか。ステインは思考する
……コイツの言うことが本当なら、目的は俺をここに貼り付ける為だろう。要するに足止め。俺が動く事で何か不利益が在った?
そもそもだ。言い草からして、コイツは「上の命令が無いから俺を殺せない」。つまりは組織、複数人グループの可能性が高い――あぁ、確か幻影魔人同盟とか言っていた、ソレが組織の名か?………こんな化物がトップになれないような、そんな組織…ハァ………ふざけている
「ハァ………だが…」
「ン?」
そもそもの話。こんな邪悪を、野放しにしておけるわけがない。この社会は腐っている、粛清をせざる負えない程に…だが、コイツはそんな腐った社会を、枠組みから壊しかねない
「お前は確かに悪だ、悪そのものだ……逃げる?論外!貴様をこのまま放っておけば、必ず悪しき結果を呼ぶ……なら、俺がこの手で殺してやる…」
「…わざわざ、自ら死地へ飛び込むことも無いでしょうに……実力差が分からぬほど愚かでもありますまい?」
「ハァ……お前は、要粛清対象だ…!!!」
■
『ヴィランの襲撃を乗り越えたァ!1年A組だろォォォォォォ!?』
『せんせー、俺が1位になる』
『『『やると思ったよ!!!』』』
『第一科目は障害物競走!』
『一体誰が予想した!?最初にゴールしたこの男!緑谷出久の存在を!!!』
『次はいよいよ本戦……騎馬戦よ!』
『そして!1位に与えられるポイントは1000万!』
『え』
『個人戦!対戦トーナメント表はこちら!』
雄英の体育祭。世間一般の体育祭とはうってかわり、過去のオリンピックに並ぶ世界的に注目が集まる催し。そして、
「……あぁ、青春とは良いものだなフラウロス」
「絶妙に年寄り臭いのですが」
「何を言う、我らは皆歳など3000は超えるぞ」
「あぁ……うん、年寄りとかいうレベルじゃなかったな」
我々はもう誕生してから3000年は超えているのだ、今更ジジ臭いのが何だという。人類から見た我々はそのレベルを超越しているぞ
「…ふぅ、さて。飯田天哉に予定通り連絡が行き届いたようだな」
「そうだな、しかし統括局、良かったのか?
「フ、私も少し思うところはあるが…分かるだろうフラウロス。丁度いい、それだけだ」
私はニタニタと笑う。
…稀に反逆して矛を突き立ててくる事を除けば、多彩で優秀な奴なのだが、本当に残念でならない
「さて、
「問題はない。奴も乗り気でな、場面が整い次第…と言ったところか」
視点をパイモンへ移す
〘首尾はどうだ?パイモン〙
〘統括局!万事抜かりなく、これと言った
パイモンの視点には、自身のアジトらしき場所で傷を癒すステインの姿。家の中まで入っても気が付かれないのは流石アサシンと言うことなのだろうか
気配遮断、情報収集スキルとしてこの上なく優秀である。それはここ数年で改めて理解した
〘そうか、後に
〘お任せあれ。この呪腕、道満殿の太鼓持ちを見事こなして見せましょう〙
管制塔バルバトス序列9階、パイモン。呪腕のハサンの皮を被った
まぁ、兎にも角にもである。今回は自己紹介の様なもの、また、それに近しいものをするつもりだ。人間、第一印象で殆どの印象が決まると言うが、掴みというのはそれ程に大事なのだ。だが、だからこそ
「さぁ楽しい楽しい初登場回だ、
まぁ出るのは私では無いのだが
■
飯田くんと轟くん、そして僕。対ステイン戦が終わり、ステインが目覚めた時に逃げ出さないようにステインの体を縄で縛る。そうして少し時間をおいてグラントリノを含むプロヒーロー達が集まってくる。縛られ無力化されている
「うわぁぁぁ!?」
「デク!」
そんな時、突如として飛来した脳無に僕は不意を突かれ連れ去られかけた。しかし、すんでのところで縛られたステインが縄を解き僕を掴んでいる脳無に斬りかかる。結果として僕はステインに助けられたカタチとなった
僕を助けたステインは、遅れて現れたエンデヴァーを見るなり血相を変えて叫ぶ
「俺を殺していいのは……オールマイトだけだァ!!!」
そこには怒りがあった、執念があった、言い表せない気迫があった。まだ学生である僕たちにはまだ分からない、人の心からの叫びがあった
途轍もない圧に僕等は兎も角、駆けつけたヒーロー、グラントリノ、エンデヴァーでさえ怯んでしまう
しかし、そのステインの背後。ステインに重なるように何かが現れ形を成した
「おやおや、凄まじい執念…いや、怨念。鬼気迫る素晴らしい闘志ですなぁ、ステイン殿?」
縦に色の分かれた白黒の長髪を携え、着物を着崩し笑う男がそこには居る。ステインの影が形を帯びたような、そんな不明瞭な陽炎の様な肉体がゆらりゆらりと歪み、やがて纏まる
「貴、様……何故ここに…!」
「ステイン殿の息の根を止めに――と言うのは冗談ですよ?ええ、ええ」
殺害の旨と汲み取れる発言から、プロヒーロー達の表情が変わり臨戦態勢を取り始める。男は両腕の手首をぷらぷらして無害をアピールする
ステインの刃を握る力が強まる。先程まで倒れかけだったのにも関わらず、それでも刃を自身の背後――ヘラヘラと笑う男の方へと振り抜く
それを紙一重、薄皮一枚で躱す。最小限の動き、足運び、予めそう来ると分かっていたような、無駄の無い回避
「ハァ…貴様、何故生きている」
「おや何故とは?」
「惚けるな、お前は確かに、あの時殺したはずだ」
ステインの口から発せられる言葉に衝撃を受ける。殺したはずだ。この言葉とステインの嫌悪っぷりからして、この男の目的はステインの増援、救出の類では無いのだろうか
ステインの問いかけに、男は嗤って応える
「あぁ…あの骸で御座いますか?アレを壊したところで、拙僧になんら影響はございませぬ。もしや本体だとでも?ンンンンン実に滑稽!」
「分身、だと…?」
「似て非なるものなのですがぁ…まぁ、そういう認識でもいいでしょう」
男はステインの背後から飛び退く。わざとらしく大手を広げ、そして華麗な礼をする
「本日拙僧がわざわざ此方まで足を運んだのは、とある宣告を行う為。そう!ヒーロー、ヴィラン、その二者に対する宣戦布告!」
「なっ…!?」
「申し遅れました。拙僧法師にて陰陽師、幻影魔神同盟…人理焼却の一端を担う、魔神が一柱…蘆屋道満と申す者」
目の前の男は、どうぞよろしく、と張り裂けんばかりの笑顔を浮かべた
◆ゲーティア(ゲの字)
ジジイその1(3000歳以上)。今回は観客気分
◆レフ・ライノール(フラウロス)
ジジイその2(3000歳以上)。次の出番はまだ先なので今はのんびり時間神殿でゴロゴロしてる
◆ヒーロー殺し(ステイン)
法師とエンカウントする。それにアサシンにもつけられてゲの字達に見られてる。プライバシーもなにもあったもんじゃない
◆蘆屋道満(ベリト)
本日の主役にして、結構大役な奴。謎の第三勢力の初登場キャラを飾った。多分何巻かの漫画の表紙になるであろう男。昂ぶっている
◆ハサン・ザ・バーハ(呪腕)(パイモン)
影の功労者。ゲの字達の情報収集担当。ゲの字が持ってるだいたいの情報の出どころはコイツってくらいには頑張ってる。生真面目で仕事人なので信頼が厚い。使い勝手がいいと思われている