最弱と言われたが諦めきれないので王に成っても良いですか? 作:サンフラン
もし自分にこの世の全てを支配する力があるのならどうなりたいのか、ふと考えることがある。しかし実際にその力が無ければどんな事を言おうが絵空事だ、机上の空論だになってしまう。だけど……もし本当に叶うのならば……俺は……
ピピピピピッ!!!
耳をつん裂くようなアラームが繰り返し聞こえてくる
「んん……いまなんじだぁ……ってえぇ!」
寝惚ける脳が急に目を覚ます、スマホの画面を見れば時刻は8時を過ぎていた
「急げ急げ! 、流石に休み明けの遅刻とか笑えないぞ!」
寝巻きを脱ぎ捨て学校指定の制服に着替える、食パンを一枚適当に咥え家から飛び出した。
幸運なことに学校にギリギリ間に合う電車に乗れたおかげで遅刻は免れたようだ。少し落ち着いてきたのでスマホのニュースに目をやるとほとんど同じトピックで埋め尽くされていた。
【速報】『
(そりゃ、あんな規格外な人がいたらそうなるよな……)
雨草雷花、彼女を一言で表せと言われたら誰しもが可憐だと答えるだろうそれでいて才色兼備だと言うのだから四天聖になったとしても何もおかしくはないし、むしろ憧れる人の方が大半だろう
そうやって画面を下にスクロールすれば雨草のコメントが目に入る
雨草『私は四天聖になれたのは皆様のおかげだと思います。そして期待に応えられるようにこれからも精進してくつもりです』
テンプレートの言葉の羅列、周りの大人が満足するような表現で塗り固められている言葉を見て思わず顔が歪んでしまったがすぐ戻っていく。
そうこうしている間に学校前の駅に着いたようだ。
スタスタと歩き学校の校門まで行くと人の集まりが出来ていた。
(いつもの時間か)
そう思いながら校門を通ろうとすると足を引っ掛けられた。
「……うぐ」
身体を打ち呻き声を小さく上げる。
「おいおい最弱くん、朝から無視は寂しいぜぇ」
ねっとりとした悪意に満ちた瞳を向けられる
「……おはよう、茂木くん」
このまま行くわけにもいかず、挨拶をする
「聞いたぜ最弱くん、明日のWDOの入隊試験受けるんだってなぁ、無謀なのになぁ!」
茂木はゲラゲラと笑い周りの取り巻きも声高に嘲笑う
「別に受けたって良いでしょ、これも夢の……ぐはっ!」
突然の蹴りによって膝をつき言葉が遮られる。放った張本人はもちろん目の前にいる茂木だった。
「まだ言ってんのかよ! いい加減に現実を見ろ、最弱が夢見てんじゃねぇよ!!」
そうだそうだと周りの取り巻きも言い事態が悪化しようとした時1人の少女が少年の前を通った
(あの……姿は……)
さらりとしたライトグリーンの髪、一言で表すなら可憐と言える、今朝ニュースで見た雨草雷花がいた
「どっどうしてまだいらっしゃるのですか!?」
茂木はあまりの有名人に敬語を使う
「なんでって、四天聖にはなったけど入隊は明日だもの、今日は最後の登校日よ」
顔の表情を一つも変えず淡々と言葉を返す、それだけで一つの絵になりそうだ
「そっそうなんすね、じゃあ俺たちはこれで」
と急ぎ急ぎと学校の中に入っていった、すると雨草はこっちを振り返る
「あなた、WDOの入隊試験を受けるのね」
と雨草は聞いてくる
「そうだけど、それが何か」
すると雨草はこちらに詰め寄ってくる
「今朝のいじめられてる所から見ていたわ、あなたは入隊試験を受けない方が良い、だって自殺行為だもの」
無情にも雨草の言葉には暖かさはなく酷く冷え切ったものだった
そこから先はあまり記憶がない、あまりにもショックだったのか気づけば放課後になっていた。
「……はっ! いけない、いけない明日は入隊試験なんだからいつまでも今朝の事を気にしてられないや」
そうして試験費用を払う為に銀行に向かっていった。世界防衛機関【WDO】は世界の危機を守る為に発足した組織で治安維持をはじめとした何から何までも担当しており、世の為人の為になる事が出来る。そんな組織の入隊試験は明日あるので費用を払う為に銀行へと出向くことになっている。銀行に入りお金を引き下そうとすると
パリーンッ
ガラスの割れる音が耳に響いた、すると同時に
「強盗だ、死にたくなけりゃ金を出しやがれ!!」
覆面を被った強盗が三人入り込んできた
(こんなことに巻き込まれるなんて……ついてないなぁ)
ため息をつきながらも手を頭につきしゃがむ
先頭にいるリーダー格の男は銀行員に拳銃を突きつける
「オラオラ! コイツに撃たれたくなきゃ早く金をつめろ!」
「はっはひぃただいま!」
銀行員はいそいそとお金取りにいった
「これで大金ゲットだぜ!」
「やりましたね、ボス!」
と銀行強盗たちは盛り上がっていると
「そこまでよ!」
強盗の前に立ちはだかったのは一言で表すなら可憐と言える少女、雨草だった。そして腰には剣を携えていた。
「チッ! どうしてここに四天聖が来たんだよ!」
舌打ちをして強盗は雨草に目を向ける
「私はただ帰ろうとしてたのだけどこんな大胆な事をすれば誰にだってわかるわ」
雨草は淡々と言葉を返す
「ここまでかよ……なんてなぁ」
強盗はねっとりとした笑みを浮かべる、すると雨草の身体にピリッと電流が走った
「ッ、油断したわ。まさか能力ジャマーを持っているだなんて」
「アッハッハ! これで立場逆転だなぁ」
強盗のボスは高らかに笑う
「今のうちに拘束しとけ」
「了解です。ボス!」
雨草の手首と足首に縄を縛られてしまう
このままでは強盗にお金を盗まれてしまう。しかし最弱と言われる少年に戦う術は無い
(四天聖の雨草雷花が駄目なら、なおさら俺じゃ無理だ……)
それに仕方ないんだと自分を納得させようとした時
「待った!」
考えをまとめるより先に口走っていた
「なんだぁ……ってお前まさか最弱くんじゃあねぇか」
強盗はニヤリと笑みを浮かべると同時に少年の身体は震えた
「お前、まさか……茂木くん!? どうして!」
強盗のボスはマスクを外し素顔を晒す、そこにいたのは城を最も最弱と罵ってきた張本人である茂木だった
「どうしてなんて、最弱くんに言う必要無いよなぁ、そして最弱くんは目障りだったし、死んで貰おうか」
少年に銃口が突きつけられる。恐怖で足がすくんで動けない
(あっ、これ……死)
パンッ!!
思考がまとまるよりも先に弾丸は少年の胸を撃ち抜いた
「──ー!!」
雨草が何か少年に向けて叫んでる様な気が最後にした。そして意識は暗闇へと落ちていく。
………………
…………
……
「……ん、ここは?」
目を覚ますと殺風景な真っ白な空間が眼前に広がっている、そして少年の目の前には自分自身がいたのだ
「やっ、今回で初めましてだね、僕は君自身だ、時間が無いから要件だけ伝えるね」
「おい、それってど……」
少年の質問をする間もなく、話し始める
「このままじゃ君は死ぬ、だから君には器になってもらうよ」
そう言い終えると目の前の少年の身体は透過していきやがて少年の中に取り込まれた
『大丈夫……君はこの力の使い方なら、本能で
すると頭の中にさっきの少年の言葉が聞こえてくる
「っ!? これが……俺の……力!?」
すると空間が光を発した
……
…………
………………
「なっなに!? なんで銃で撃たれたのに死んでねぇんだよ!?」
少年の目の前にいる茂木は驚愕していた、確かにさっき脳天を撃ち抜いたはずなのに、まるで傷口が無かったかの様に目の前に存在しているのだ
「おい! お前ら! 三人で最弱野郎をボコンぞ!!」
「おう!!」 「了解っす、ボス!!」
茂木と取り巻き含めた三人組は目の前の少年目掛け攻撃をする……が、あろうことか攻撃は空を切ったのだ
「
そして少年はまとめてかかってきた三人組の影を踏んだ、すると動きがピタリと止まった、まるで金縛りのように動けなくなったのだ
「んだよ! これどうなってんだよ!?」
なんとかして身体を動かそうとするのだが動くそぶりを見せなかった
すると拘束を解いていた雨草が動けなくなっている茂木たちに手錠をかけた
「強盗の拘束を完了しました、警察を呼んでください」
淡々と言葉を伝えると周りの一般市民が連絡を入れたのか警察がすぐ辿り着き、現場はことなきを得た。
(なんとかなって良かったぁ……)
あの場を乗り切る事が出来て少年は安堵の息を吐く、するとコツコツと一つの足音が迫ってきた
「あなた、能力者だったのね」
そう呟いたのは一言で表すなら可憐と言える雨草雷花であった
「だとしても、あなたがWDOの入隊試験を突破するなんて無理よ……言いにきたのはそれだけよ」
そう言い雨草は少年の前から立ち去ろうとすると
「待てよ! 四天聖 雨草雷花!」
「俺は……誰に何と無理だの駄目だの言われようが諦めない!! いずれあんたを超えて最強になってやる!!」
雨草に指を差し堂々と宣言すると、声には出さないが雨草に驚きが見えるような気がした
「そして、最強になり王に成る名を覚えておけ! 俺は闇野……
すると雨草は足を止めこちらに振り向いた
「闇野陽炎……ね、覚えておくわ」
そしてすぐに前を向いて歩き去った
…………
もし自分にこの世の全てを支配する力があるのならどうなりたいのか、ふと考えることがある。しかし実際にその力が無ければどんな事を言おうが絵空事だ、机上の空論だになってしまう。だけど……もし本当に叶うのならば……俺は……王に成りたい!! だからこの夢を叶えるために
「絶対に……諦めない!!」
陽炎「これから頑張っていくからさ、応援してくれよな!」
雷花「私からも……お願いするわ……」
陽炎「あとここでは、能力とかの解説をするかもしれないな」
雷花「……もしそうなら、楽しみね……」
陽炎「それじゃあ次回『最弱×無能の天才』お楽しみにー!」
雷花「……」ヒラヒラと手を振る