今更だけど、ベルとニコライって結構共通点多いな……?
今話はベル目線です!
あっ、ちなみにミノタウロスは素手です。大剣は持っておりません
幾度となく連撃を繰り出す。
何度も、その刃は確かに相手を捉えている。
だが───
(浅い……っ!)
致命傷になる刃だけを捌くように
目の前の相手はは両手を自身の連撃よりも速く、正確に動かす。
まるで、全て見切られているようだった。
傷が増え、少しの血飛沫が顔に舞う。
しかしそれは掠り傷のようなもの
硬い皮膚と筋肉、そして相手のモンスターとは思えないほどの卓越した技量
それらによって、ベルは攻めているにも関わらず有効打を打つことができない。
かえってこちらが追い詰められているように感じた。
『ブモォォッ!!』
そんな、攻めあぐねているベルに向かって
ミノタウロスは強烈な右アッパーをベルの顎を狙って振り抜いた。
「ぐぅぅっ!!」
なんとか頭を後ろに仰け反りそれを躱すが、その直後に発生した風圧によって、ベルの体は少しばかり吹き飛ばされた。
『ブモォォォォォッ!!!!』
その吹き飛ばされたベルに、ミノタウロスは頭を下げ、角をまるで突き刺すようにしながら猛突進した。
ベルは半ば無我夢中でその突進をジャンプすることによって紙一重で回避した。
しかし、目の前の相手を突き刺せなかったことにすぐに気づき
ミノタウロスは足を地面を割るかのごとく踏み込む。
そして、突進の勢いを殺さず未だ背を向けている彼に向かって反転した。
「───!?っづ、ぁっ…!!」
慌てて、無理やりに身体を動かしそれを避けようとする。
が、ギリギリで胸に角が掠ってしまい、突進の勢いを受け身体が宙へと舞う。
その裂かれた皮膚からは血が垂れ、ベルは背中から地面へと叩きつけられた。
『ブモォ……!』
そんなベルにトドメを刺さんと、地面に転がる彼に角の照準を合わせ、まるで地面にのめり込むように頭から頭突きの如く倒れ込んだ。
「───ひっ!」
その攻撃を転がるように回避し、なんとか命拾いする。
だがまだ危機は去っていない。
(…こ……こわい……)
咄嗟にベルの脳に流れたのは、あの時、ミノタウロスに追い詰められたあの記憶。あの時の恐怖そのものだった。
そんなベルが震えている間に
ミノタウロスは地面から頭を引き抜き、瓦礫をふるい落とすかのように頭を振るった。
そして何かを思いついたかのように口端を歪め、また突進した。
すぐに我に返ったベルはその突進を躱そうと、足に力を込めた。
『ブモォォッ!!』
「……えっ?」
───先程の突進と違い角を自分に
ガシィッ!!!
飛び上がったベルの目に入ってきたのは、自分の喉元に迫るミノタウロスの右腕だった。
「────げぼっ」
まるで突進が直撃したかのような攻撃が喉元から、首へと伝わる。
しかし、その威力は首だけとはいかない。
頭の中が掻き回され、内臓が引き上げられるように感じる。
その痛み、不快感、吐き気、威力が身体に一度に襲いかかった為だろうか。
(ぁっ………あ゛……?)
ベルの脳は、無理やりに破壊された。
そして、身体が壁へと吹き飛ばされ───
「……大丈夫…!?」
───でも、僕の背中には柔らかい衝撃が伝わってきた。
掠れる視界に映ったのは
「……ぁ…いず…さ…?」
憧れの、あの人だった。
視界の隅にはボンヤリとだが、他のロキ・ファミリアの面々。そして……リリの姿も見えた。
「………休んでて。今、
──けっきょく、このひとに助けられるのか…?
ぼくはまだあの頃の、ままなのか…?
『立つのだ、ベルよ』
頭に響いてきた、
『お前は、まだ闘うことができる』
(……でも、もう力が入らなくて…)
すると、あの声は急に笑い出した。
『すでに気づいているのではないのか?』
(な、なにを…言って…?)
『……ふむ、仕方がない』
その声と同時に心の中から、何だか力が湧いてくるように感じた。
『これは、ただのきっかけに過ぎないが…お前には充分だろう』
はっきりしてきた視界に入ってきたのは、憧れの……アイズさんの背中。
『さぁ、行け!ベル・クラネルよ!今こそ己を超える時だ!』
(………はいっ!)
まだ震える足で、立ち上がる。
この人にだけは。
アイズ・ヴァレンシュタインには、助けられる訳にはいかない。
身体はもう限界が近い。
でも、不思議と力が湧いてくる。
足も、腕もまだ震えている。
でも、身体は残っている。
「……アイズ、さん」
「───!?大丈「手を…出さないでください」…!」
アイズさんは、何も言わずに後ろに下がってくれた。
目の前にいるミノタウロスはまるで待っていたかのように、僕を睨んでいた。
ナイフを構える。
思い出したのは、朝の、
食らったあの一撃も、あの人のものに比べたら荒削りだ。
あの人なら、もっと上手く繰り出してくる。
天使のように細心に、悪魔のように大胆に。
もっと正確に、もっと深く。
あの人なら、きっとそうする。
高みに手をのばせ。
偉業を成し遂げるんだ。
なるんだ
────英雄に
「───勝負だ」
地を蹴る。
迫り来るミノタウロスの拳も、まるでゆっくりに見えた。
拳を躱して、伸ばされた腕と体の空いた空間に身体をねじ込んで
「──ファイヤボルトッ!!」
ガラ空きの顔面に魔法を叩き込んだ。
その一瞬、目の前の相手の動きが止まった。
首元にバゼラードを振り抜く。
やっぱり、浅い。
でも、僅かなキズだけでもいい。
振り抜いた勢いのまま回転して、刻んだ傷にヘスティア・ナイフを叩き込んだ。
『──ヴォオ!?』
ついに、ミノタウロスの肉が断たれた。
でも、まだだ。
「ハァァァアッ!!!」
肩を
太腿を
脇腹を
首元を
怯んだ隙に、斬撃を重ねる。
一太刀ことに着実に、確実に、その堅牢な肉体を断っていく。
いける、もう怖くない!!
『───グゥゥウッ!!』
突如、右手がナイフごと掴まれた。
その掴んできた右手の手首にバゼラードを突き刺そうとした、けど。
その左手もバゼラードごと掴まれてしまった。
「ぐぅぅうっ……!?」
そして、両手を掴んだまま、上から徐々に体重をかけてきた。
足が震える。
かけられていく重さで身体が仰け反っていく。
目の前の相手が、ニヤリと笑った気がした。
『負けるな!ベル・クラネルよ!』
そんな時、声が響いてきた。
『力を燃やすのだ!!まるで業火の如く!!』
力を、燃やす?
『英雄になりたいのなら!己を超えたいのなら!この勝負を確実にもぎ取って見せろ!!』
すると、身体が熱くなってきた。
光が身体から溢れてくる。
闘志が、勇気が、燃え上がってきた。
『……それでいい、それこそが──
「うぁぁぁぁぁぁあッ!!!!」
────火事場のクソ力だ!!』
思いっきり手を掴まれたまま、押し返した。
さっきまでかけられていた重さも、何も気にならなかった。
そして、立場が逆転した。
僕は、地面へとミノタウロスを上から押しつけ始める。
『ブモォッ!?』
すると焦ったのか、掴まれていた手が開放された。
「───今だっ!!」
その隙にミノタウロスの両腕を両脇に固め、そのまま振り回した。
ミスミスミスミス!!!
「せやぁぁぁぁっ!!」
『ブモォォォッ!?!?』
そして、壁へと放り投げた。
放り投げたミノタウロスが壁へと激突した。
『ヴゥ……ォオオオオッ!!!』
すると、ミノタウロスが吠えた。
両手を地面につけて、脚を引き絞りながら踏み込んでいた。
今まで繰り出してきていた突進じゃない。
本気の、全力の突進。
僕はナイフを再び構えた。
───さぁ、勝負だ。
「ぁぁぁぁぁぁあッ!!!」
『ヴモォォォォオッ!!!』
残された角と、バゼラードがぶつかり合った。
不快な金属音と共に、左手にあったバゼラードが粉々に砕けた。
────でも、まだだ。
「まだだぁぁぁっ!!!」
右手にあるのは、神様から貰ったナイフ。
それを───
「せやぁぁぁぁあっ!!!」
────ミノタウロスの胸へと、突き立てた。
『ッ!?グォォォオッ!?!?』
堅牢な肉体に、深々とナイフが突き刺さった。
鮮血が宙を舞った
けど、まだ魔石には届かない。
なら、届かせればいい。届かせるんだ!!
「ファイヤボルトォォオ!!!」
『────ッ!?』
突き立てた刃から、炎雷が炸裂した。
その次の瞬間
立ち上った炎が、ミノタウロスの上半身を喰い尽くした。
あの巨体が崩れ落ち、灰となっていく。
「────は…ぁ……」
体から力が抜けていく。
意識が霞んでいく。
倒れる前に
ふと、横を視線を向けた。
そこには、小さく笑顔を浮かべるアイズさんがいた。
その表情だけで、どこか胸が熱くなった。
………勝った。
勝ったんだ。
(クロエさん……勝ちましたよ)
もし、あの人がここにいたなら
どんな事を言ってくれるんだろ。
出来れば、クロエさんにも見せたかったなぁ。
強くなったところを、見てもらいたかったなぁ……
「ジェットライナーー!!!!」
(………えっ?)
その思いは、直後に聞こえてきたその声と、崩落によって出来た壁を破壊して飛び出してきた黒い影に掻き消された。
次もなるはやで書き終えるつもりですがちょっと遅れるかも…!
評価、感想お待ちしておりますぜぃ!
オリオンの矢、どうしよう?
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やってくれっ!!
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やらなくていい!触れずにそのまま!