モーション全てがかっこいい
一人称ムズイっす…
足跡を辿った先に広がっていたのは、これまた奇妙な場所だった。
暖かい陽気と澄み切った青空の下、まるで中世のような街並みが広がっている。
日本のような高層ビルなんてものは一つもない。むしろそんな物の存在自体ないようだ。
あの湿った空気の洞窟とは違い、澄み切った空気と爽やかな風が吹いている。
そして大きな石畳の道を行き交う人々を見てみると、鎧を着こんだ者や背丈の程もある剣や槍を背負った者など
どこか自分が場違いなように感じられる。超人にも色々な者がいたがそれと比べてもどこか違う様子だ。
通りには屋台や商店が軒を連ね、吹いている風に焼いたパンの匂いが混じり
人々の笑い声や子供の遊ぶ声が聞えてくる。
「ここは本当に地球なのか…?」
もしかしたら他の惑星かもしれない、そう思い始めた頃
遠くからあの洞窟から聞えた叫び声と似たような声が聞こえてきた。
(行ってみる価値はあるかも知れないな……)
俺は声の聞こえる方向に歩き始めた。
「お、おい…あいつ見てみろよ……」
「あぁ?なん…デケェ!」
「ねぇ、あの人凄くない?何ファミリアなんだろ」
「なんで仮面なんてつけてるんだろうね?」
通りすがった人々から様々な声がかけられているのが分かる…やっぱり俺は…
いや、今はそんな事を考えている場合じゃない。
すると受付のようなところで、一人の眼鏡をかけた女性と血塗れの少年が何か話している。
少年の声が洞窟で聞こえてきた声とほとんど同じだ。つまりあの叫び声はあの少年の物だったのか…
すると、話を終えたのか少年はどこかへと行ってしまった。ひとまずあの受付の女性にあの少年のことを訪ねてみよう。
「すまない、少しいいか?」
「えっ!?は、はい!何でしょうか?」
「あの少年のことなのだが…」
「えっ…ベルく…んん゛っベルさんのことですか?」
「あぁ、あの少年が叫んでいるのが聞こえたものでな…いや、無事だったならいいんだ」
「そうだったんですね…あれ?その手に持っているのは魔石じゃないですか?」
「ん…?あ、あぁそうだ(これは魔石と呼ぶのか…)」
「魔石の換金はあそこのカウンターで承っておりますよ!」
「あぁ、ありがとう」
礼を言って立ち去ろうとすると、不意に呼び止められた。
「あの、失礼ですがお名前をうかがっても?」
名前か…俺は
「…ウォーズマン、ウォーズマンだ」
「ウォーズマン…さんですね「呼び捨てで構わない」わ、分かりました。私はギルドアドバイザーを務めておりますエイナ・チュールと申します」
「エイナさんか…教えてくれてありがとう」
さて、魔石とやらを換金してそこそこの額を貰うことが出来たが…これからどうしようか…
ここがどこかも分からず、今のところ帰る算段もない。頼れる仲間たちに頼ることすらできない…
どうすればいいんだ…俺は…
換金した金を片手に持ちながら近くの壁にもたれかかり、しゃがみこんだ。
そうしてうなだれていると
「そんなところで何してるんだい?」
不意に上から女性の声が聞こえた。
その声に顔を上げてみると、そこには小柄な女性が立っていた。
「ふむ、空腹なのかい?ちょっと待っててくれよ?」
「いや、俺は…」
呼び止めてみるもその女性はどこかへ走っていった。
なんだったんだろうか…
暫くすると片手に何かを持ちながら駆けてきた。
「ほら、これでも食べるかい?」
「これは…?」
「じゃが丸くんさ!なに、料金はいらないよ。僕の奢りさ」
じゃが丸くんと呼ばれたそれは日本のコロッケのようなものだろうか…
かじりついてみるとサックリとした衣にジャガイモのほんのり甘い味が広がった。
「仮面のまま…?どうだい?美味いもんだろう?」
「あぁ、美味い…」
「ところでそんなところでうなだれてどうしたんだい?悩みなら喜んで聞こうじゃないか!」
「実は…行くところも住むところも…」
その言葉にその女性は少し悩んだ様子を見せると
何かを決心したようで、自信を持った様子で提案してきた。
「よかったら僕のファミリアに入らないかい?」
「……ファミリア?」
「まだ団員は一人しかいないけどね…」
その女性は自信が無いように声を落とした。
だが、その姿はまだ冷酷な殺戮マシーンだった頃に敗れ、仲間として認めてくれた
キン肉マンにそっくりだった。
「やっぱりだめだよね「入らせてくれ」……え!?いいのかい!?」
顔がパッと明るくなり、目を輝かせた。
「ほ、本当にいいのかい?」
「あぁ、勿論だ」
その言葉を聞くとさらに目を輝かせた。
「よし!それじゃあ早速…と言いたいとこなんだが…」
すると申し訳なさそうに口を開いた。
「…実はバイト中でね…バイトが終わってからでもいいかい…?」
…このドジ加減…本当にキン肉マンに似ている人だ…
「あぁ、そういえば名前を言って無かったね、僕はヘスティア!これでも立派な女神なんだぜ!」
「…俺はウォーズマンだ。呼び捨てでも構わん」
「うん!よろしく、ウォーズマン君!」
そのあとヘスティアのバイト場所であるじゃが丸くんの屋台へ行くと
やはりヘスティアは怒られ、そして俺がピロシキの要領で揚げる手伝いをすることとなった…
キン肉マンかテリーマン版も書いてみたいなぁ…