ベルリク戦記 ー 戦争の生涯 ー   作:さっと/sat_Buttoimars

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*ネタバレを含みます。いきなり読まない方がよろしいでしょう。
*作中では語られていない設定も少し含まれています。第1部番外編終了時点までのことなので、疑問なところがあれば疑問のままにしておきましょう。
*本編までの主要人物、国家紹介で説明した箇所の一部は省略します。


・第1部番外編までの主要人物、国家

■魔神代理領

*ギロドラ港

 ヒルヴァフカ州南岸の主要港。

*ロゼルファーン州

 首都ベシュフェ。メルナ川河口近辺にある州政府。

*アサーシャルー

 ベシュフェ近郊。赤帽軍向けの工廠が建設中。

*ルバイルール族領

 首都エドナイ。エドナイ山にある。妖精軍管区。

*エスケンハン土侯国

 首都チャルヴァズ。カルグゾス山脈のダズ湖畔にある。妖精軍管区。

*メキバス自由都市

 中大洋東岸のネスタム島にある。妖精軍管区。

*カラシャンド首長国

 首都カラシャンド。ムサフダル盆地を中心にディマジュ平原、シレーラール砂漠に勢力が広がる。妖精軍管区。

*テルバリジ王国

 首都スレンワルダ。キサール高原北西、イスル湖畔にある。妖精軍管区。

 

○チェカミザル

 男:アウル最上位妖精

 アウル藩王、妖精軍管区大代表、赤帽党党首

 魔神代理領に新設された各妖精軍管区の大代表を務め、そして新たな政治勢力である赤帽党を作り、合わせて赤帽軍を誕生させた。最上位者としてその全妖精を、赤帽党の名の下にわっしょいわっしょいと統率する。

 

■イスタメル

 かつてイスタメル、メノアグロ、ヒルヴァフカの三州を治めた、聖王の補佐たる東方副王領の成れの果て。その副王領のことを大イスタメルとも呼ぶ。

 先の聖戦末期に親神聖教会の公爵派と親魔神代理領のラシュティボル派に分かれて内戦を行い、ラシュティボル派が勝利した。終戦後はイスタメル州として魔神代理領中央直轄領となる。

*直轄公領

 イスタメル南西部。公都シェレヴィンツァは古都で遺跡がある。他に主要都市としてモラディシュがある。

*ラシュティボル伯領

 イスタメル西部。首都ナヴァレド。

*ピロニェ伯領

 イスタメル東部。東隣のメノアグロ州と隣接する国境地帯。

*ダヌア伯領

 イスタメル北西部。バルリー共和国との国境紛争地帯だった。

*マトラ辺境伯領

 イスタメル北部。当時の人間が認識する狭義のマトラと妖精が認識する広義のマトラには大差がある。

*ムラヴァ司教領

 イスタメル西部。山岳地帯。

*ラドフカ準宮伯領

 イスタメル南部。沿岸地帯。宮中伯と同義だが東方副王廃止後はその名前だけが残り、準級扱いになった。

*自由都市マリオル

 イスタメル南部。セルチェス川河口部。魔なる教えを信奉するマリオル人の自治都市。魔神代理領軍侵攻の際には真っ先に寝返った。

*ヘルニッサ修道院

 イスタメル南部にあるノミトス跣足修道会派の修道院。聖戦軍敗残兵によって消失。後にマリオル人が入植。

*名も無き村

 税金逃れのために地方領主が隠していた辺境の村。ヘルニッサ修道院の近くにあったが、住民の全滅や川の氾濫、近隣住民のゴミ漁りなどの影響で住居ごと消滅。元から地図に無く、痕跡も風化している。

 

○サニツァ・ブットイマルス

 女:イスタメル人

 特命作業員

 番外編主人公。怪力と頑丈の奇跡を双方併せ持つ稀有な存在。真面目で素直、優しくて働き者、器用で力持ち、明るく元気、敬虔で革命的、おっぱい触らせてくれる、そして呪術使いで労農兵士の鑑と非の打ち所の無い完璧な女性である。前歯を赤目ちゃんにへし折られたので入れ歯が入っている。ゼっくんの専門家だよ!

*ブットイマルス

 英雄棍棒という意味の大棍棒。打撃部位を鋼鉄で覆い、中空とすることで軽量化と巨大化を兼ねる。柄には鋼鉄芯が入っていて強度が高い。弱点は打撃部位と柄の繋ぎ目で、木蟹鉄蟹にそこを破壊されて折られてしまった。

*デッカイアレス

 勝利棍棒という意味の中折れ鉄棒。安く作れる投擲武器として開発された。そのまま殴っても良い。戦闘用ブーメランである。

*スッゴイサニャーキ

 凄いサニャーキという意味の突撃蹂躙戦車。人が手押しで走らせるチャリオット。重装甲馬車の失敗作を改造した物。並列四輪、車輪鎌、車軸同調鎖分銅、後部銃座、ゼッタイラシージと様々な仕掛けがある。馬でも勿論曳ける。

*ゼッタイラシージ

 人民の盾という意味の、大盾と鉈を兼用する武器。柄や持ち手が複数あり、振り回したり盾に構えたり、地面に柄を杭として挿したりと応用幅が広い。絶対領域。

*真ブットイマルス

 ラスボス相手に編み出した労働の経験、理屈の魔術、感覚の奇跡が三位一体となった革命的な術。折れたブットイマルスの柄を地面に刺し、土を黒光りの鉄のような非金属に変えて取り出しそこから行う大質量攻撃。サニツァの怪力の奇跡でも持てないような重量でも土の杭を無数に生やしては消して重心を移動させて歩かせることによって制御可能。

 

○ミリアンナ

 女:ヒルヴァフカ人

 一般派遣労働者

 サニツァの義理の娘。商売と料理に勘がある。立ち回りが実は上手くて生存能力が高い。幼少の頃は周囲と言葉が通じず口数は少なかった。マトラ妖精達には給食係として、小ナシュカなどと呼ばれて恐れられている。ダラガン糞野郎が嫌い。ブットイマルス姓は否定。肉より魚が諸事情で好き。

*魔法典礼教会派

 主にヒルヴァフカ人、魔神代理領内における神聖教徒のための宗派。聖皇を頂点とし魔神を否定する教えでは共同体内で矛盾が起きるのでその辻褄合わせのための組織。教区ごとに総主教が置かれる。

 

○ダラガン

 男:イスタメル人

 商人

 サニツァの旦那。早期死産の我が子を食わされそうになる。徴集兵として戦い何とか生き残り、ミリアンナを捨てたその両親と商人として再出発。その縁で女性とも重婚(離婚手続きは取っていない)し、独立して新生活が軌道に乗り始めた頃、ゼクラグにサニツァを離反させる可能性がある危険人物と見做されて抹殺される。

 

○デニツァ

 女:イスタメル人

 農民

 サニツァの従姉。臀部が大きい魅力的な美女。ラハーリ率いる残党狩り部隊に村ごと皆殺しにされる。

 

○ラハーリ・ワスラブ

 男:イスタメル人

 ナヴァレド城主、イスタメル第三師団長

 旧ラシュティボル伯、ラシュティボル派頭領。魔神代理領軍相手に敗退するイスタメル公国を見限り、裏切って地位の維持にほぼ成功した。ハゲのおっちゃん。

*リュビア・ワスラブ

 ラハーリの末の娘。レスリャジン部族長代理カイウルクと政略結婚。

 

○ルリーシュ・ヤギェンラド

 イスタメル第二師団長

 親父がピロニェ伯の軍人貴族、旧ラシュティボル派。前線に出る度胸はあるし部隊指揮もできるがグチャグチャになった死体を見ると腰が抜ける程度には肝が据わっていない。

 

○ミロハン・カラウェルジェ

 男:イスタメル人

 ダヌア伯

 前イスタメル公爵の娘婿。旧イスタメル公国残党を率いる。マトラの百二番要塞を包囲中、人相を特定した偵察隊に狙撃されて死亡。

 

■帝国連邦遊牧域

*ゼオルタイ

 東スラーギィ北部におけるオルフ人開拓地。同名の要塞が中心部にある。

*シベル川

 ハマシ山脈東部より注いでラハカ川に合流する川。

*カレレビ川

 ハマシ山脈東端部よりジュルサリ海に注ぐ川。

 

○オルシバ

 男:レスリャジン族

 レスリャジン部族の長老格

 ベルリクの親戚で、母方の祖父の妹の孫、カイウルクの父。妖精的な組織理念には疎いが遊牧的な組織理念には聡く、ゼクラグとは政策を相談し合う仲。老いたが第二次東方遠征にて非正規騎兵を率いて前進中。

*ユルグス

 孫。カイウルクの息子。ジールトがお兄ちゃんをしている。

 

○アルフダン・エゴルウィツク

 男:スラーギィ人

 スラーギィ氏族長

 スラーギィ県設置を期にスラーギィ人は農奴ではなく自由人であると訴えたく、自ら連隊の設立を求めてきた有志。

 

○トゥルシャズ

 女:ケリュン族

 親衛レスリャジン女一万人隊長

 イディル王の妻だった未亡人。遊牧帝国域における知識者層、立ち回りと小賢しさに定評のあるケリュン族の女傑。セレード系四氏族の亡命調整、レスリャジン部族近代化のための制度整備から戦場での勇敢な行動まで幅広く活躍する中年女性。

 

○ジールト・ブットイマルス

 男:ヤゴール人

 暫定大陸浪人

 キクルグ氏族のティクレフの息子、そしてサニツァの義理の息子。驚異的な社交性を持つ。射撃に天才。何かに縛られたりせず、自由気ままに行動することを好む。帝国連邦中に兄貴分と弟分が無数にいる。にくきゅうの専門家。

 

○メハレム

 男:ギーレイ族

 暫定大陸浪人

 ニクールによって南大陸から東スラーギィへやって来た移民第一陣。ジールトととっても仲良しで、共に軍には属さず自由に活動して公共に貢献している。肉球を触られると怒る。

 

○テュグルホク

 男:カラチゲイ族

 伝令

 旧アッジャール左翼軍出身でジャーヴァルにてレスリャジン族へ参加する。情に厚く優秀な騎兵である。縁あってミリアンナと婚約中。人肉食済み。チュルルンホカッパ。

 

○シレンサル

 男:アッジャール人

 ウルンダル世襲宰相候補

 ビプロル侯に一刀両断された前ウルンダル王ブンシク宰相の息子。旧イディル=アッジャール朝内の人脈に通じ、外交手腕にも優れる。ベルリクの権勢を利用できる才もある。

 

●マトラ

 定義により領域が異なる。最大領域はバルリーとその西部辺縁、中央マトラ森林山岳部と平野部、東マトラ。滅亡寸前の弱小勢力から機会を逃さず幾度もの軍事改革を遂げ、工業力を拡大し、遂には世界最先端の軍事技術を持つ陸軍大国にまで成長した。

*県庁所在地

 ダフィデスト遷都前の首都。中央マトラの中心部より少し離れた山奥にあり、防衛面で配慮がされている。

*八番

 セルチェス川沿いにあるマトラの軍中枢。対イスタメル向けに設置された要塞。

*三七番

 マトラの道路が集結する交通の要衝。居住地、補給基地、広場、建国記念公園と改装が何度も行われている。

*百番

 対バルリー向けに設置された要塞。

*百一番

 百番と百二番が陥落した際の後退先、予備陣地。

*百二番

 対ダヌア向けに設置された要塞。

 

○ラシージ

 マトラ最上位妖精

 帝国連邦軍務省長官

 マトラの最上位妖精、統合の象徴。シクルの助言を得てベルリク=カラバザルを誑し込んで人間社会の力を得る機会を作り、マトラの近代化と拡大に繋げた。術工兵としても非常に優れ、足はあまり早くない。男の人か女の人か何だか分かんなくて不思議!

*妖精

 下位者:自意識はあるものの周囲の仲間に流されやすく、上位者の命令には自滅的であっても従う傾向にある。

 上位者:名無し、名有りの者といるが大きな差異は無い。下位者と比べれば遥かに知性が高く理性があり、規模に拘わらず組織指導者としての躊躇いが無い。また上位者の中には実力と経験の豊富さから更にもう一段上位と認められる者達がいる。並の上位者達より指揮系統が上で、役職で見分けることができる。

 最上位:上位、下位の妖精達を理屈抜きに、場合によっては顔合わせもしなければ声を聞かせることもなく伝聞程度で直接、間接的に影響下に置くことができる。名の通りに指揮系統では最も上。

 

○ナシュカ

 女:アウル上位妖精

 料理長

 アクファルに命名されるまでは名無し。料理が得意で怒りっぽくて暴力的で直ぐに蹴飛ばす。お残しを許さず飯は無理やり食わせるのがナシュカちゃんの栄養指導。菓子作りの料理冊子をまとめて技術を広め、直接、間接的に多くの妖精達をうぴょぴょーさせている。ジャーヴァル地方通訳もできる。

 

〇シクル

 女:マトラ上位妖精

 マトラ情報局筆頭

 アクファルに命名されるまでは名無し。数々の任務をこなしてきた潜入工作の名手。ベルリク=カラバザルの持つ妖精に対する感情を変え、イスタメル公国残党を無傷で撃破し、マトラの領域をダヌア方面にある程度拡大、アッジャール朝オルフの頭脳シビリをニトログリセリンによる自爆で暗殺。

*同志ちゃん

 シクルの後を継いでサニツァの担当になった情報員達の俗称。サニツァをサニャーキと呼んで親しさを演出、扱いやすく工夫している。

 

〇ルドゥ

 男:マトラ上位妖精

 親衛偵察隊隊長

 狙撃手、偵察兵、特殊部隊長として抜群。帽子にはシクルとの間にできた子供の指の骨が飾ってある。むっつりくんだけどおっぱいが好きみたい。

 

〇ミザレジ

 男:マトラ最上位妖精

 マトラ共和国大統領

 イスタメル州総督ルサレヤとの交渉でマトラ妖精とその領域を、多少の変更はあったが満足のいく分だけを認めさせた上に同地域行政責任者になった。ラシージ誕生以前からのマトラ最上位妖精であり、老いが始まっており世代交代は近い。やや奇行が目立つ?

 

○ゾルブ

 男:マトラ上位妖精

 教導団司令

 滅亡の危機に瀕していたマトラを軍司令としてラシージが不在中も支え、領土の損失を防いで再興の機会を作った。将兵の教育訓練、水陸協同作戦も得意とする。ジュレンカ曰く、ゼっくんより愛嬌が無い。エルバゾ曰く、せわしない。

 

○ゼクラグ

 男:マトラ上位妖精

 シャルキク方面軍司令

 地雷で重傷を負う前は戦闘部隊指揮官として前線で活躍、その後身体に障害(髭が生えるなど)が残るようになってからは軍務官僚、大部隊指揮官としても活躍するようになった。特に産業別民兵体制を整えて全人民防衛思想体制をマトラに備えた功績は大きい。性格は細やか。サニツァを有力な衝撃歩兵として見出してその前途を開いた。チューは肛門をくっつけてくる程度に汚いと思っている。

*コルターン海兵銃

 旧ランマルカ王国設計のコルターン歩兵工廠作の海軍向けの小銃。狭い船内でも取り回しがしやすいように銃身が短く作られている。精度と命中率は同時代小銃と比べて良好。

*三式親衛歩兵銃

 魔神代理領親衛軍へ三番目に正式採用された小銃。銃身が非常に長く、長距離射撃に向く。銃剣刺突も長柄に使えるが長さの分耐久度は低い。その代わり親衛軍兵士は白兵戦用に刀をそれぞれ持つ。

*シュレッフェン=ザール銃

 シュレッフェンが小銃本体を設計、ザールが量産工房を設計した。近代的な火打石式小銃の原型。開発年は本作開始時点より百年以上前となるがベストセラーとなり神聖教会圏各地で作り続けられている。性能は決して良好ではないが量産性に優れる。その中でもバルリー共和国で作られた物はバルリー=シュレッフェンと呼ばれて工作精度が高いと評価されている。

*マンヴァイユ銃

 ロシエ製の小銃。可も無く不可も無い。シュレッフェン銃と弾丸規格が合わない。

*一七五四年式ベルラエム銃

 ロベセダ製の小銃。設計が新しく性能が良い。派生のライフル型も誕生している。

*三十三年式ヤンフォールン施条銃

 ヤンフォールン工廠製の妖精設計による前装式ライフル銃。銃身は短めだが有効射程は非常に長い。派生型の三十四年式ヤンフォールン狙撃施条銃は銃身が長く、狙撃眼鏡を備え付けられる構造で長距離射撃に向く。

*四十七年式施条銃

 マトラで設計された国産の後装式ライフル銃。前装式より遥かに早く弾薬装填が可能だが、尾栓構造に少々強度的問題を抱えており、装薬量を減らして撃たなければ暴発の危険性がある。採用当初は火打石式だったが後に全て雷管式に変更される。

*四十七年式狙撃施条銃

 マトラで設計された国産の前装式ライフル銃。新式椎の実型銃弾(いわゆるミニエー弾)対応型で旧式大砲並みの有効射程を持つ。将来性を見越して実験的に雷管式を採用している。

*四十八年式アッジャール長騎兵施条銃

 基本構造は四十七年式狙撃施条銃を踏襲し、外観は伝統的なアッジャール式騎兵銃。銃身が特に長く、馬上から銃床を地面につけた状態で銃口から弾薬を装填できるようになっている。また騎乗射撃用に銃床が湾曲型で、左に手綱を持ち、左前腕部に銃身を乗せながら射撃する姿勢を取りやすくなっている。

*ダフィドルゴー三十二年式回転式拳銃

 ランマルカ革命政府首都ダフィドルゴーで主に生産される回転式拳銃。装弾数六発。

*マトラ=ダフィドルゴー四十九年式突撃拳銃

 ダフィドルゴー三十二年式回転式拳銃を突撃兵仕様に大きく改造された。肉厚で頑丈、台尻での打撃を考慮して頑丈に作られている。また連射力と命中率、暴発率の低下を考慮し、比較して弱装。

*試作型遊底式小銃

 ランマルカでは既に量産配備が完了している型の小銃。紙薬莢を採用し、遊底式(ボルトアクション)に装弾することで従来型とは比較にならない速射能力を持つ。薬莢の雷管を撃つ撃針の強度がマトラでは現在問題になっていて試作型に留まる。

 

○ボレス

 男:マトラ上位妖精

 マトラ方面軍司令

 当初はラシージ配下とならず、東マトラを指導して来た者として他の者とは観点が違い、意見も遠慮なく言う。ぽよぽよ肥満体系だが運動神経に優れた山岳兵指揮官である。ぷにぷに~。

 

○エルバゾ

 男:マトラ上位妖精

 ワゾレ共和国大統領

 元バルリー人の奴隷。奴隷時代に戯れで耳を切られてしまって人間のように見えなくもない。ランマルカに対しては反感を持っており、バルリー人には死ねと思っている。マトラ妖精の中では最高齢で苦労を重ねてきた人生だが老いの兆しはまだ見えていない。ちょっと顔がおっかない。

 

○ストレム

 男:マトラ上位妖精

 ユドルム臨時大統領

 半分ランマルカ妖精の血が流れる。成績優秀で幼年課程を省略して士官となった天才そして努力家。幼くして多言語に通じて通訳、翻訳、専門書の執筆までこなす。成長後も才能衰えず、優秀な軍人として活躍。ストっくんお兄ちゃんは背がおっきくなってもパツキンキラキラのきゃわきゃわ。

 

○ゲサイル

 男:マトラ上位妖精

 中央軍砲兵司令

ランマルカ砲術を発展させたマトラ砲兵の父。信号統制式同時着弾射撃、移動弾幕射撃、斜陣形後方陣地混合機動、射程欺瞞射撃、分断射撃、緊急防御射撃、光学魔術式弾着観測応用首狩り射撃を導入実用化もしくは考案した。現在は減圧射撃法の研究中。妖精と人間の共存推奨的な論文も書く気でいるらしい。

*信号統制式同時着弾射撃

 旗信号や号笛を組み合わせて合図を出し、事前に射撃目標を単一に設定した複数火砲に同時射撃させる技術。主に火力に劣る軽砲で強固な城壁を破壊する場合に使う。軽砲弾を同時着弾させることで重砲弾として振舞わせる。

*移動弾幕射撃

 予め設定した着弾する線へ複数火砲によって一斉射撃を行って砲弾の幕、カーテンを展開。これを一歩ずつ前進させることにより設定区域内全てに満遍なく砲撃が可能。個別目標に対して一々観測修正する手間が省け、未発見目標も設定区域内にいれば漏らさず打撃を与えられる。ただし、十分な効果を発揮するには相応の弾薬が必要。

*斜陣形後方陣地混合機動

 砲兵隊を斜陣形に組み、その後方に後方陣地を設定して重砲兵隊を設置する。砲兵隊は翼端先頭部隊から一部隊ずつ後退し、その間他砲兵隊と護衛部隊は待機したまま攻撃してくる敵軍を迎撃する。翼端先頭部隊が後退を完了して射撃体勢を取ったならば次の新しい先頭部隊が後退を開始。攻撃能力を可能な限り減じないように漸時後退する機動。後方陣地の重砲兵はその長大な射程を生かして全砲兵を射撃支援できるようにするため、斜陣形は重砲射程圏内で組むことが望ましい。後方陣地まで斜陣形が到達したならば今度は重砲兵が次の後方陣地まで後退する。尚、放棄する後方陣地には地雷を設置して奪取する敵ごと粉砕することが望ましい。

*射程欺瞞戦術

 主に射程が長い長距離重砲で用いる射撃法。敵軍が突撃してくる場合などに際し、有効射程圏内に敵が突入しても射撃を手控えてこちらの有効射程限界を実感させない方法。敵軍の突撃を破砕、撃退させた後に敵軍が、こちらが秘匿している有効射程圏内において部隊を再編し始めるという状況を作り出し、そこを狙い撃つのが主な目的。突撃支援のために前進してくる敵砲兵を騙して有効射程圏内にまで誘き出すこともできる。

*分断射撃

 主に射程が長い長距離重砲で用いる射撃法。敵軍が突撃してくる場合などに際し、敵軍前列ではなくあえて中列を目標に射撃する。前列は歩兵、当方前列配置の砲兵に任せて攻撃目標を分担する。また中列を破壊して予備兵力化を防いで敵軍に柔軟な対応をさせないようにする。また中列を破壊する様を後列に見せて士気喪失させ、その後続部隊の崩壊を察知し辛い突撃中の前列に無謀な攻撃を行わせて大損害を与えることを目指す。

*緊急防御射撃

 野営地、防御陣地などを設置する時に予め敵襲撃予測区域を設置し、配置する各砲兵隊へ区域ごとに射撃諸元を設定させる。敵の襲撃、もしくはその兆候が見られた場合は砲兵指揮官が該当区域に対して各砲兵隊へ観測射の手間を省いて最初から効力射を行わせることにより高い防御力を発揮する。

*減圧射撃法

 榴弾、榴散弾のような必ずしも発射速度が破壊力に直結しない砲弾を発射する際に、悪戯に大量の発射薬を使用せず、最低限の発射薬量で済ませることによって火薬の温存、砲身薬室に対する負担を軽減させて砲寿命を長持ちさせる技術。可能な限り最大射程を出せる砲角を取る、怠慢せずに前進機動や高台への設置を心がけて敵との射程差を埋めるなどの方法もある。ただし、砲寿命の延命のみを考えて作戦に障害が発生してはならないので状況がそれらを許し且つ余裕があれば行う努力目標とする。

*光学魔術式弾着観測応用高精度射撃

 空中に鏡のように像を反射する面を術で作って連続配置して遠くの風景を見るという光学魔術を使って伝令や信号と違って時間差無く素早く弾着観測を行い、発見した優先順位の高い目標を間接射撃である程度狙い撃つ技術。指揮官、大砲、弾薬庫や車両などが目標として適当。

 

○セルハド

 男:マトラ上位妖精

 シャルキク共和国大統領、統合支援師団”第二イリサヤル”師団長

 前線工廠を整備して軍の火力発揮を継続させ、薬缶投射砲の開発により化学戦能力を向上させた。ロシエで死神の鎌を研ぎ続けたのはこの男。

 

○ナルクス

 男:マトラ上位妖精

 親衛突撃連隊”前進”連隊長

 マトラ共和国次期大統領候補と言われる優秀な若者。鼻から溢れ出る程の強い革命精神に溢れている。気合を入れるように己と他人を即死状態から復活させる奇跡を使い、不死身を思わせる。次代の最上位妖精かもしれないふんがー!

 

■ワゾレ

 ダカス山とポベルラ山を中心にする開発が余り進んでいない森の深い山岳地帯。少数民族が割拠していた。マトラ山脈の北部とも言えるしハビガ山地南部とも言えるし、国によって定義が違う。

*ワゾレ(市)

 ワゾレの人間勢力を滅ぼす拠点として設置された要塞都市。撃滅後はマトラ北西部防衛の要となる。

*トラカ

 ダカス山東部地方。バルリーへ通じる。

*ラシル

 ダカス山北部地方。山間深く周囲より孤立している。

*オレファ

 ポベルラ山東部地方。ペトリュクへ通じる。

*ダレア

 ポベルラ山西部地方。マインベルトへ通じる。

*ノーゼン

 ポベルラ山北西地方。ポウラド川が通り、セレードへ通じる。

*カン

 ポベルラ山北部地方。アストル川とウォルフォ川が通り、ヴァリーキゴーエへ通じる。

*ダカス山

 モルル川の源流、マトラ山脈の最高峰。

*ポベルラ山

 ポウラド川、アストル川、ウォルフォ川の源流。一般的にハビガ山地の南限とされる。

*ポウラド川

 ポベルラ山を源流にしてタタラトン海に注ぐ。

 

■バルリー

 神聖教会圏呼称バルリー地方、マトラ呼称西マトラ地方。かつてはマトラ妖精が住んでいたが人間に追い出され、そして奪還と同時に根絶が始まった。

*ケテシュ山

 マトラ山脈南西部の山。セルチェス川の源流。

*シレビシュ

 ケテシュ山南麗地方。

*ザモイラ

 シレビシュの中心都市。奪還後はグラスト分遣隊の実験場となる。

*ラロデシツァ城

 バルリー中央とシレビシュを繋ぐ回廊に位置する要衝。

 

○マバイ・グルネチ

 男:バルリー人

 ワゾレ州防衛司令部付き将校の少佐

 ワゾレ虐殺の際に気が触れた”ワゾレの兵隊さん”演技をすることによってまず延命を図る。情報員にバルリー攻略用の情報分析の道具として使われていたが自責の念に耐え切れず神経症に罹り、優しくしてくれたサニツァを連れようとして脱走を試みるが失敗。反逆罪で開腹状態で晒し者にされる。

 

■ランマルカ革命政府

 革命同志、種族同胞として長らくマトラを支援し続けている北海の革命勢力。驚異的な科学力を誇り、人間より何世代も先を行く。

*ノールバラ

 ランマルカ本島より南に位置する島。ランマルカ革命前まではノールバラ王国が存在した。

*フェトラント

 オルフより北に位置する島。ランマルカ革命前まではフェトラント公国が存在した。

 

○スカップ

 男:ランマルカ上位妖精

 大陸宣教師

 ランマルカ留学に赴くマトラ妖精達を遥々送り届け、そして帰郷させることを成功させて来た。北大陸西部での共和革命活動の多くに関与している人類の敵。シクルとは情報員教育課程で同期。

*大尉さんご一行

 皆仲良し。

 

■オルフ

*リャジニ公領

 アストラノヴォの辺境に位置する。人間を支配者層とし下層を妖精が構成していて割りと仲良くしていたが未亡人戦争の余波で滅びた。

*サヴァルヤステンカ公国

 かつてアストラノヴォにあった妖精小公国。公国は独立国程度の意味。青い牡鹿が国章。

*クシルヤグト

 ヴェラガ湖畔にあるニズロム公領の首都。

*アレハンガン

 ヤザカ川河口部、北海に面するニズロム公領の主要港湾都市。

*ヴェラガ湖

 ニズロムの主要湖。直接ヤザカ川と接続。

*オゼブリィエ湖

 ヴェラガ湖の東の大きい湖。運河で接続。

*テストリャチ湿地

 ペトリュク南の沼沢地帯。ダルプロ川の終着地。スラーギィとオルフを分ける。

 

○ジュレンカ

 女:リャジニ上位妖精

 ワゾレ方面軍司令

 旧サヴァルヤステンカ公国のお姫様。戦姫の異名を取る帯剣貴族。最前線で陣頭指揮を執り、直接敵と刃を交えることを好む戦争好き。服装や香水に凝るお洒落さん。ロシエ戦役最終局面で綺麗な顔に傷が入ってしまったが、色々あってそれで良しとなる。

 

■フラル

*フェルシッタ

 グラメリス地方の都市国家。信頼できると評判の傭兵業が盛ん。

*サウゾ川

 メノグラメリスとウステアイデンの東西領域を決める川。

*ロズニカ川

 サウゾ川支流。途中でラーム川と合流。河口部にシェレヴィンツァがある。

*ラーム川

 ウステアイデン周辺領域との区分になる川。ロズニカ川に合流する。

*ロベセダ

 アロチェ、ボアリエラ川が流れる肥沃な平地。商業も工業も農業も盛ん。

*グルテッラ

 アロチェ川沿いの都市。

*チザンペリ

 アロチェ、ボアリエラ両河川を繋ぐ南北運河がある。

*オストルガローナ

 アロチェ川沿いの農業が盛んな都市。

*ピヴィア

 アロチェ川沿い。湿地に囲まれた小さめの都市。

*メローニ

 アロチェ、ボアリエラ両河川を繋ぐ南北運河がある。規模が大きく、東側を防衛するグラッツァロロ要塞や衛星市街のポトスカノがある。

*エパルノ

 ロベセダ地方の中心となる権威的な都市。

*ステリペロ枢機卿管領

 ボアリエラ川上流に位置する。

*アロチェ川

 ロベセダ地方北部の主要河川。

*ボアリエラ川

 ロベセダ地方南部の主要河川

*ヴァリアグリ湾

 アロチェ、ボアリエラ川が注ぐ湾。複雑な海岸線と多くの島嶼岩礁がある。

*モントレ湾

 ヴァリアグリ湾よりオペロ=モントレ城へ繋がる水路。

*ビオウルロン山脈

 ロベセダ地方とギローリャ地方を分ける、ウルロン山脈から南へ分かれる山脈。ビオウルロン山脈の内陸側東西交通の要衝にカトロレオ峠がある。

*パルナッテ

 ビオウルロン山脈西側の地方。ゾーレ川が中心に流れる。

*ゾーレ川

 パルナッテ地方を縦断する主要河川。

*ギローリャ

 上パルナッテ司教領の首都。後にギローリャ=ヴァリアグリ王国の王都。

*シェルヴェンタ辺境伯領

 ロシエとの国境地帯にある。

 

○アデロ=アンベル・ストラニョーラ

 男:グラメリス人

 フェルシッタ傭兵団長

 規律厳正で無用な略奪をしない信頼できるタイプの常備軍式傭兵隊長。フェルシッタ共和国総督の娘婿。ナレザギーの海外植民地事業に参加する。

 

○ヒルドマン

 男:西方上位妖精

 絶対社会主義革命烈士

 名乗りを変える前はヒルド。卑怯で欲が深くて独立心旺盛な妖精らしからぬ妖精の元傭兵隊長。ある程度の手勢をまとめられる程度には妖精として上位。ユバール革命戦線にて独自勢力を立ち上げようとする気配を察知され、悪霊を祓われて糞野郎から生まれ変わる。おめでとう。

 

■聖王領域

*ライネベルン城

 ナスランデン南部ではまあまあ有力なオーデップ公爵の持ち城。

*リビス川

 ウルロン山脈を源流にチェストラヴァを通りモルル川へ合流する。また北のマウズ川まで運河が走る。

 

■ロシエ周辺

*アネモン大司教領

 首都は寺町が発達した聖ルタ寺院。ポーエン川上流の山岳部にある非ロシエの聖領。化け物騎士、騎馬に関する研究をしていたと推測されるが証拠は逃げた。

*ロスタマー

 ブリス川上流にある交通の要衝。平時ならば商業活動が活発。

*ヒューベルバウム

 パム=ポーエンの北にある町。ロシエ、バルマン間の交通の要衝。

*スコルタ海

 スコルタ島とロシエ南岸の間の海域。

*ポグレ湾

 ポグレ半島の内側の海域。

 

○謙虚な騎士

 男

 聖領騎士

 義に厚い正義の人物。銃撃を物ともせず、山砲の直撃を盾で防げば重傷程度で済む甲冑を装備して動き回れる身体能力を持つことから尋常の人間ではないと分かる。

*一角馬

 聖典に登場する一角馬の姿に見える馬。馬鎧姿なので角が飾りか本物を装甲で覆った物かは不明。眼球を狙撃され、ブットイマルスで強打されても死なず、城壁を一跳びで乗り越えることから尋常の馬ではないと分かる。

*聖シュテッフ報復騎士団にいた四騎士

 聖典に登場する人が扱える四大奇跡とも言うべき、裁きの雷、追い風、盾の聖域、浄化の炎に準えた能力を持ち、おそらく尋常ではない大重量の驚異的な防御力を誇る甲冑を装備していた者達。とっても神聖教会が怪しいよね。

 

○赤目ちゃん

 女:フレッテ人

 夜襲部隊

 黄色の猫目が一般的なフレッテ人の中でも特異な目の色をした人物。銀髪色白で女でも一瞬気を取られるような激マブ美人でおケツ美人。戦闘能力に非常に優れ、サニツァを一対一で前歯一枚の差で殺し損ねた。呪具を使うことから術の才能が確認できる。

 

●セレード

*ウガンラツ

 セレードの王都。

*シャーパルヘイ

 エデルト国境にある都市。

*ブリュタヴァ

 セレード国境線にある原生林地帯。

*フレヴィシュト

 オルフとの国境にある都市。

*カルチュ

 マインベルトとの国境にあるククラナ地方の都市。

*タタラトン海

 オルフとの国境線より西にある大きな淡水湖。海というが湖でも間違いではない。ポウラド川とハーシュ川が注ぐ。

*ハーシュ川

 カラミエスコ山脈を源流にしてタタラトン海へ注ぐ。




第1部完
第2部第8章へ続く

https://novel18.syosetu.com/n5215fs/1/
おまけ話7-08話「悪霊」
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