やっぱり痛いのは嫌なので今度は遠距離からチクチク?しようと思います 作:静寂のメイムル
この前、早めに更新すると言ったばかりなのに……期間が空いてしまって申し訳ありません……。
なんか…自分の文章拙いな…って思ってしまって、「もっといい表現を…」と探しているうちに、何も思いつかない!!状態になってしまいました。
なんとか……なんとか更新で来たので、私自身もほっとしております。
「きたか……」
『赤』『橙』『黄』『緑』『青』『藍』『紫』の七羽は動きを止め、『白』の鳥を取り囲むよう、円形状に並び始める。
やがて、列を成した鳥たちは、頭からゆっくりと輪郭を失っていった。
崩れ落ちる身体はやがて灰となり、吹雪にも似た灰煙となって舞い上がる。そしてそれらは、すべてを呑み込むように、中央に佇む一羽へと吸い寄せられていった。その灰の一つ一つが七色に煌めき、まるで虹色の卵のように漂っている。
「なんか……あの中から出てきそう…!」
「これがラストバトルになりそうだね」
メイプルとサリーが見守る中、白の鳥を取り囲んでいた灰吹雪は徐々に薄れていき、その中が露わとなった。
そこには、先程まで鳥の体を覆っていた結晶は消え、自由を手に入れた鳥の姿がある。
姿こそ、先程とほとんど変わらないが、前の形態は一部分に様々な色がついていたのに対し、今度はカラフルな色は付いておらず、体全体が純白の体毛に覆われていた。
「あんまり変わってない……?」
「色が無くなっただけっぽいね」
確かに、荘厳な雰囲気を携えてはいるが、先程とほとんど見た目は変わっていない。
それが、ある種の不気味さを生んでいるのは確かだろう。
その時、鳥が動き出す。
鳥は羽を大きく広げた。
その瞬間、宝石のようなものが鳥の頭上に現れ、大きな円を描くようにフィールドの端へ広がって行く。
──また七色。
宝石の色は、先ほどの七羽と一致している。
そして、それぞれから伸びる光線は、中央の白い鳥へと繋がっていた。
「……どう考えても、何かある。」
「なにか飛んでいったよ!?」
「ギミックボスか……」
「ギミックボス?」
「普通に攻撃でダメージを与えるだけじゃダメで、何か別の方法で倒すボス…?かな!」
「んーと…?」
「例えば何かを破壊するとダメージが与えられるようになるみたいな!」
「ああー!」
謎の宝石。
そして、そこから伸びる光線。
──どう考えても……何かある。
サリーは警戒しながら鳥を見据えた。
一方、鳥はまだ動かない。
まるで、こちらの出方を待っているかのようだった。
「そっちが動かないなら…!ちょっと危険だけど、こっちから行くよ!メイプルは援護をお願い。」
「任せて!」
サリーは鳥の懐へと入るべく走り出す。
しかし、その切先が喉元へと届きそうになった瞬間、硬い感触が手を伝いサリーの攻撃は阻まれた。
そこには、蜂の巣のように六角形が連なった、半透明の壁が現れている。
「バリア!?」
サリーは、急な出来事に一瞬集中が切れるも、咄嗟の判断で後ろに飛び退き、反撃を警戒する。
「大丈夫!?」
「うん、やっぱり何がギミックを解かないと攻撃が通らないみたいだ…」
「ギミックって…あの宝石と関係してたりするのかな…」
「私もそう思う、あからさまだし。とりあえず試してみよう!」
その時、青の宝石が光ったかと思うと、白い羽が高速で二人に迫ってきた。
「はぁっっ!!」
「『ファイアーボール』!」
2人は、なんとかそれぞれの方法で攻撃を打ち落とすことができた。
「さっきの鳥と同じ攻撃!?」
「色も同じだから…おそらくだけど全ての技を使えると思った方が良さそうだね」
しかし、攻撃前に宝石が光るため、技の予測をすることは容易い。
その点に関しては幸運といえよう。
「気を付けて!次が来る!」
再び鳥が羽を大きく広げる。
しかし、今回は光った宝石は一つではない。
光ったのは、緑の宝石と紫の宝石。
「っ!?同時攻撃…!」
「えーと……緑は蔦で……紫はなんだっけ!?」
メイプルの背後、目立つエフェクトと目立つ効果音と共に、ワープポータルが現れ…
「メイプル!ワープポータル!」
その中から蔦が数本飛び出して、メイプルへと迫る。
「あっ!『ファイアーボール』!」
メイプルは迷わず後ろへと攻撃し、蔦を迎撃した。
「危なかった…!」
「このまま逃げ続けてもキリがないし…とりあえず宝石のところへ行ってみよう!」
「わかった!」
「『箒星』!!」
2人と一匹はサリーのスキルで宝石へとワープする。
はじめに来たのは緑の宝石の前。
「うーん…何かあるかな…」
「ベタなのは破壊とかだから…とりあえずためしてみよっか」
サリーは拳で宝石へと攻撃すると、その上に白いHPバーのようなものが出てきた。
「やっぱり!」
「これを全部削り切ればいいってことか!」
「私が攻撃を防ぐから2人は攻撃に集中して!」
「よーし!シュガー!」
〔任せろ!〕
しかし、それをただ見ているだけの鳥ではない。黄の宝石が光ったかと思うと、メイプルの背後へ飛んで攻撃してきた。
「はっ!」
それをサリーは拳で迎撃する。
メイプルはサリーを信頼し、鳥の攻撃に見向きもせず宝石にありったけの魔法を叩き込む。
「『ウインドカッター』!!『ホーリーブラスト』!!うー…あとちょっと!!シュガー!」
〔よし!はぁぁ!〕
2人の連撃により、HPバーは0となった。
「やった!割れたー!」
緑の宝石はピキピキと音を立てながら割れ始める。
そしてヒビが全体に回ると、緑に光りながら爆発した。
3人は咄嗟に防御体制を見せる。
ダメージはないようなのですぐ白の鳥へと視線を戻す
白の鳥はと言うと、緑の宝石からの光線は消え、大幅に体勢を崩しその場で崩れ落ちた。
「ダウンした!?『箒星』!」
鳥のダウンに反応し、サリーは3人を連れて鳥に急接近する。
「今がチャンスだよ!できるだけ攻撃を叩き込んで!!」
「わかった!『ダークネス』!!『狐火』!!」
「『一閃突き』!」
メイプル達がありったけのスキルを使い攻撃をし続け、鳥のHPがまるまる減っていくが、やがてHPが三分の一ほど削れたところでまた硬い感触に阻まれてしまった。
バリアが復活したのだ。
「っ!一旦引いて!!」
号令に合わせて、サリーはそのまま飛び退く。
シュガーはAGIが低く、咄嗟に逃げられないメイプルを抱えて距離を取る。
「これをあと2回繰り返すってわけね」
「次はどこの宝石にいく?」
「宝石が光って攻撃が出てるのを見るに…宝石を壊せばその攻撃が出なくなるんだと思う。だから…厄介な紫に行こう!」
「なるほど!」
「つれてくよ!『箒星』!」
今度は紫の宝石の前までやってきた。
「よし!さっきと同じ感じでいこう!」
「わかった!」
青の宝石が光った。
次の瞬間、無数の羽が三人へ殺到する。
――さっきより、速い。
しかも、数も増えている。
「……っ!?早い…けど、まだ余裕…!」
「宝石壊しちゃったから怒っちゃったのかな…!?」
「……」
サリーは鳥を睨む。
「宝石を壊したら、攻撃が減った。でも……」
次の羽が、頬を掠める。
「一つ一つの攻撃が、明らかに強くなってる」
しかし、まだサリーの壁を貫くには、出力が足りていない。
「まだ一人で捌けるから破壊に専念して!」
「りょーかい!『ウォーターバレット』!!シロップも!」
〔わかっている!〕
遠距離では攻めきれないと判断したのだろうか。
鳥は一度、羽の攻撃をやめた。
そして、赤の宝石が輝く。
直後、鳥はメイプルに向かって高速で飛び込んできた。
だが、それを許すはずもなくサリーが間に割って入る。
「えっ!?」
サリーに追突する直前。
鳥は壁に反射したかのように、空中で直角に曲がりサリーの裏を取る。
鳥の速度は、さっきの分身よりも上。
──追いつけない。
「メイプルッ!!」
「わっ!!」
〔くっ…『狐の献身』!!〕
鋭い嘴が、メイプルの喉元へと迫る。
だが。
貫かれたのはメイプルではなかった。
「え……?」
彼女の前に立っていたのは純白の大きな狐。
その体を、嘴が深々と貫いていた。
〔すまない……私は一度休眠状態に入らねばならない……〕
「え?どういうこと…?私……刺された……よね?でもシュガーが刺されてる……」
〔細かい説明は後だ…!主人を守りきれなかったのは悔しいが……必ず勝利すると信じている〕
また詳細が伏せられてしまった。
ただ、確かなのはもうこの戦いでシュガーを召喚することはできないということ。
「メイプル!ぼーっとしてないで!戦闘中だよ!」
「あ…!ごめん!『狐火』!!」
犠牲はあったが、引き換えとして紫の宝石のHPも、0へとなった。
「やった!」
「よし!」
宝石が砕ける。
白の鳥が、再び膝をついた。
――今だ。
「近づくよ!『箒星』!!」
「いくよー!『ファイアーボール』!!『ダークネス』!!」
「『一閃突き』!!」
またまた二人の連撃により、ボスのHPバーは残り三分の一まで沈んだ。
「……!三分の一削った!一回引いて!」
「わかった!」
2人は反撃を警戒するため、一度距離をとって行動パターンを観察する。
宝石を二つ壊された鳥はというと。
どうやら様子がおかしい。
いつまで立っても、宝石を壊すフェーズへと移行しないのだ。
「……!?パターン変化…!」
鳥は、ダウンの体勢から起き上がると、羽を閉じた。
「閉じちゃった!?」
「……」
その時、体を覆うように閉じていた羽を勢いよく広げた。それに伴ってフィールド全体に衝撃波が広がる。
「メイプル!捕まって!!」
「う……ん!」
衝撃波は勢いを増し、目を開くのすら大変なほどだ。
そして、周りの宝石は衝撃波によって震えて、不協和音のような音がフィールド全体に響いた。
「な…に…この音……」
その間にも衝撃波はどんどん強くなる。
その衝撃波に耐えかねて、とうとう一斉に七色の宝石が割れてしまった。
「自分で全部割っちゃったよ!?」
結晶はかけらとなっては空中に霧散してしまったが、その中から溢れ出たエネルギーが一斉に中央に鎮座する白の鳥へと集まっていく。
「最終形態……ってところかな…!」
七色の光が、白い羽の周囲を静かに揺らめいている。
先ほどまでフィールドに散らばっていた七色が、すべてこの一羽に集まっている。
純白の身体。その周囲を彩る、虹色の光。
──神々しい。
なのに。
2人は、なぜか背筋に冷たいものを感じた。
「キュィ!」
鳥は先ほどと変わらぬ普通の突進を行ってきた。
流石にサリーにはその程度の攻撃、見切るのも容易い。
「…っ!?」
背後だ。
見切るのも容易い……かのように思われたが、鳥は何度もその回避を見てきている。突進でサリーの気がそちらへ向いている間に、背後にワープポータルを出現させて、その中から無数の羽をサリーに飛ばす。
「やぁっ!」
ただ、サリーもただ避けるだけではない。何度も何度も見切ってきた"皆"のスキルの数々。拳よりも細い短剣でできたのだ、無数の羽ごとき叩き落とさないわけがない。
「ふぅ……」
「サリー!大丈夫!?」
「なんとかね……」
そんなことを言っている間にも、鳥は高速で飛翔しながら羽を飛ばしてくる。
「……待って」
サリーが足を止める。
「さっきまで、宝石が光ってから攻撃してた」
鳥が羽を飛ばす。
「でも今は――」
さらに別方向から攻撃が飛んでくる。
「予兆がない」
「確かに…」
「多分、全部の技を好きなタイミングで使えるようになってる!」
「えぇっ!?」
「だから、短期決戦を仕掛けるよ!」
そう言うと、サリーは地面を大きく蹴り、鳥へと急速に接近する。
「メイプル!」
「『双鬼の怒り』!」
「ナイス!『一閃突き』!!」
完璧なタイミングでのメイプルのバフによって強化された、サリーの突きが鳥のHPを刈り取る。
だが、いくらHPが低いとはいえ削れたHPは1割ほどだった。
「まだまだ!『天が紅』!『一閃突き』!!」
続けて、『天が紅』によってクールタイムを回復させて『一閃突き』を叩き込む。
「あと1割…!削り切るっ…!!」
あとのHPを押し切ろうと、鋭い連撃を繰り出すが…。
あと一撃――というところで、鳥がワープして逃げる。
「くっ……『東雲』……」
「おかえり!あとちょっとだね…!」
『東雲』で一度メイプルのところに帰り、体勢を立て直す。
しかし、いまだに鳥は遠くで飛翔しながら羽を飛ばしてくる。
「問題はあのスピードだな……スキルを使わないと追いつけない」
「あっ……もしかしたら…?」
「どうしたの?」
「えーと……成功するかはわからないけど……」
そう言うと、メイプルはサリーの耳へと口を近づけた。
「………………」
「……確かに…!行けるかも……」
「どうかな……!」
「よし!やってみよう!『箒星』!!」
サリーは、再び鳥と対峙する。
しかし、鳥の方が速い。
一撃を入れようにも、サリーの刃が空を切るのは明白である。
「やっぱ届かない……か」
サリーがメイプルを離れた。
つまり、メイプルを守る"盾"はもう無い。
「メイプル!」
戦場に鳴り響く効果音。
それは、本来なら紫の宝石が輝くことで放たれる技。
最終決戦での痛恨のミス。
今から戻っても間に合わない。
しかし、サリーの表情に焦りはなかった。
「なーんてね!」
「引っかかったね!『ファイアーボール』!!」
メイプルの背後にワープポータルが開かれる。
メイプルの『ファイアーボール』の標的は正にそこだ。
──少し前
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「鳥さんってワープポータルで羽を飛ばしてきてるよね…?」
「そうだね」
「だったら、そこに攻撃したらワープして鳥さんにとんでいかないかな!」
「……確かに…!行けるかも……」
「どうかな……!」
「よし!やってみよう!……………
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
メイプルが放った魔法は、ワープポータルへと飛んでいく。
「いけーー!!」
その瞬間、鳥は激しく燃え上がり、その場で崩れ落ちた。
「た……倒した?」
鳥のHPバーは0。
つまり……
「やったー!!」
「やったね!メイプル!」
「強かったぁ……」
「危ないところも何度かあったもんね……」
「あ!ドロップ品!」
メイプルがフィールドの中心に目をやると、中央には大きな宝箱が2つ。
「早速確認しよー!!」
一つ目の宝箱を開くと、中にはスキルの巻物が7つ入っていた。
「もしかして…!」
スキルの巻物
スキル『猛き赤翼』
CT:900s
AGIが30秒間、2倍になる。
スキル『堅き橙翼』
CT:120s
一度だけ攻撃を防ぐバリアを自分、もしくは味方につける。
(持続時間5秒)
スキル『疾き黄翼』
CT:180s
敵の背後へとワープする。
スキル『強き緑翼』
CT:5s
地面から蔦を生やし攻撃する。
スキル『穿つ青翼』
CT:20s
無数の羽を飛ばして攻撃する
スキル『妖しき藍翼』
CT:3600s
自分のもつスキルの幻を見せる。
スキル『幽き紫翼』
CT:10s
ワープポータルを、敵の背後・味方の周囲・自身の正面に設置する。
ポータル同士を繋ぎ、入ったものをもう一方から出現させる。
任意のタイミングで解除可能。
「おー!」
なんか……今回でおわらせたいなぁ……って思ったらこんな長くなっちゃいました。