赤血操術使い、キヴォトスへ   作:がす

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やっぱユメ先輩助ける派が多いですね!


身長煽りはやめましょう。

教室の空気は、相変わらず静かだった。

外では風が砂を巻き上げ、窓を細かく叩いている。

 

生徒は相も変わらず二人。教師はいない。

時間だけがやけにゆっくり流れていた。

 

セツナは椅子に深く腰掛け、欠伸を噛み殺す。

(……これ、授業始まるのか?…ていうか映像授業だよな?)

そんな疑問を抱いたまま、ふと視線を横にやった。

 

――ホシノ。

机に頬杖をつき、ぼんやりと窓の外を眺めている。

 

なんっていうか、小さい。

小柄、という言葉がぴったりだ。中等部の間違いじゃないだろうか。

制服が少し余っているのも相まって、どうしても目についてしまう。

 

(……ちっさ)

思った瞬間、無意識に口が動いていた。

 

「……なあ」

ホシノがこちらを向く。

 

「なんですか?」

 

「なんっていうかその……思ってたより身長低いなって思って」

 

――沈黙。

 

一拍。

 

「は?」

 

声が、低い。

セツナは、しまったと思った。

だがもう遅い。

 

「あの…あー、いや、悪い意味じゃねぇぞ?

なんつーか……中等部かと思ったってだけ」

 

完全にアウトだった。

ホシノの瞳から、温度が消える。

 

ゆっくり立ち上がる。

 

「今、なんて言いました?」

 

(あ、これ……)

 

セツナは内心で悟った。

(五条か夏油が家入の地雷踏み抜いた時と同じ空気だ)

 

「いや、その……」

 

「もう一回、言ってください」

 

声音は丁寧。

だが、机の脚がきしむほど力が入っている。

 

(……あ、これガチで怒ってるな)

刹那は咳払いを一つ。

 

「……その、だな。

小さくても強いって言おうとした」

 

「後付けですね」

 

即断。

 

「言い訳は結構です」

 

ガチャン。

 

ホシノの背後で、重い金属音が鳴った。

 

机の横に立てかけてあった、

見慣れないショットガン。

彼女はそれを、慣れた手つきで掴み上げた。

 

「……セツナさん」

 

「はい」

 

「あなた、さっき言いましたよね」

 

ホシノは、机の横に立てかけていたショットガンを手に取った。

「撃たないで、って」

 

(???)

 

「でも――」

カチャリ、と薬室に弾が送られる音。

「私、殴らないとは言ってませんよね?ていうか殴るし撃ちますね」

 

セツナは即座に立ち上がった。

「待て待て待て、冗談だって!」

 

「冗談に聞こえませんでした」

ホシノは一歩、前に出る。

 

「……それに」

視線が、セツナの腰に差した刀へ向く。

「武器、ありますよね?」

 

セツナは、短く息を吐いた。

(……あーあ)

 

「……やる気か?」

 

「はい」

 

即答。

 

「ちょっとだけ」

 

「“ちょっと”で済むかよ……」

 

セツナは鞘に手をかける。

 

――キィン。

 

抜刀と同時に、刀身を走る紫電。

教室の照明が、わずかに明滅した。

 

「……へぇ」

 

ホシノの目が、僅かに細まる。

「それ、電気ですか?」

 

「ミレニアム製だ。斬ると感電するしなんか変なボタン?スイッチ?ついてる」

 

「……物騒ですね」

 

「今さらだろ」

 

二人は、数メートルの距離を挟んで向かい合った。

 

教室。

机と椅子。

黒板。

 

――戦闘空間としては、最悪だ。

だが。

 

「……じゃあ」

ホシノが、ショットガンを肩に担ぐ。

「始めましょうか」

 

セツナは刀を下段に構え、紫電の走る刃を地面すれすれに保つ。

ホシノはショットガンを肩に担ぎ、片目を細めてこちらを見ていた。

 

次の瞬間。

セツナが地面を蹴った。

 

一気に距離を詰める――正面突破。

 

同時にホシノが引き金を引く。

 

ドンッ!!

 

ドンッ!!

 

 

教室が震える。

セツナは身体を捻り、刃で散弾を弾く。

紫電が弾丸に絡み、火花と共に床へ散る。

 

(この精度……!)

ホシノは後退しながら撃っている。

しかも無駄撃ちがない。

 

一発一発が、確実にセツナの急所を狙っている。

人の心とかないんか。

(完全に戦闘慣れしてやがるな…)

 

セツナは踏み込み、低い姿勢から横薙ぎ。

 

「――ッ!」

 

ホシノは跳ぶ。

机を蹴り、空中で体勢を変え、着地と同時に銃床を振り下ろす。

 

ガンッ!!

 

セツナは刀で受ける。

衝撃が腕を通して骨まで響いた。

「……重っ!」

 

「女の子にしては、ですか?」

 

「いや、それ以上だ。こりゃ化け物の部類だわ」

ホシノは間合いの内側で戦うことを選んだ。

 

ショットガンを銃としてだけではなく、鈍器としても使っている。

刹那が一歩下がる。

 

そこへ、銃口が腹部に突きつけられた。

「……死にますよ?」

「当たったらな?」

 

セツナは刀の柄で銃身を跳ね上げ、同時に踏み込む。

刃がホシノの脇腹をかすめる。

 

バチッ!!!

紫電が走った。

 

「っ……!」

はっきりと効いた。

 

ホシノの身体が一瞬、硬直する。

(今だ――)

 

セツナは反射的に追撃に入ろうとして、止まった。

(……いや、やりすぎるな)

 

この世界では、死は洒落にならない。

ホシノはヘイロー持ちだが、それでも限度があるかもしれない。

 

その一瞬の躊躇。

ホシノは、逃さなかった。

 

「……甘い」

肘打ち。

 

ドゴッ!!

 

セツナの顎に、鋭い一撃が入る。

視界が揺れ、身体が後ろへ吹き飛ぶ。

「ぐっ……!」

机に背中から叩きつけられる。

(くっそ……!)

 

ホシノは追撃してこない。

距離を取り、再び銃を構える。

「今の、殺せましたよ」

 

「……皆まで言うなや」

 

セツナは立ち上がり、刀を握り直す。

紫電が、先ほどより強く走った。

 

(こりゃ抑えすぎたら死ぬな)

 

セツナは、呪力の出力を一段上げた。

少し空気が変わる。

 

紫色の電流が刃から溢れ、床に放電する。

ホシノの目が、僅かに見開かれた。

 

「……それ…なんなんですか?」

 

「性質はお前の持ってる力の反対かもな」

 

「はい?」

 

「……いや、なんでもないわ」

 

次の瞬間、セツナは消えた。

――いや、正確には視認できない速度で動いただけだ。

 

ホシノは即座に反応する。

後ろを振り向き、銃口を向け、引き金を引く。

 

ドン!!

 

だが、セツナはすでにそこにいない。

 

背後。

「裏の裏ってんだ」

 

セツナの声と同時に、斬撃。

ホシノは身体を捻り、直撃を避ける。

 

だが刃は肩口を捉えた。

 

バチバチバチッ!!

 

強烈な電流が流れる。

「っ……!」

 

(……今の避けるのかよ…!)

セツナは内心で舌打ちした。

だが、今さら後悔しても遅い。

 

「……ホシノ」

 

「なんですか?」

 

「これ、もうやめ――」

 

言い終わる前に。

 

――ドン!!

 

銃声。

 

セツナは反射で避けて、銃弾を弾き飛ばす。

 

「話し合いとか、今さらです!」

 

「おい…!?ちょっ……!」

 

机が吹き飛び、木片が宙を舞う。弾をもう一発弾く。

その瞬間だった。

 

ガラッ。

 

教室の扉が、何事もないように開いた。

「おはようございまーす!」

明るく、のんきで、元気な声。

 

二人同時に、凍りついた。

「「……え?」」

 

そこに立っていたのは、

長い髪を揺らした少女。

アビドスの制服。

穏やかな笑顔。

 

――梔子ユメである。

「今日から入学の――」

 

その言葉は、最後まで言われなかった。

セツナが避けた散弾の一部が、

壁に当たって跳ね――

 

ドンッ!!

「――あれ?」

 

ユメの身体が、ぐらりと揺れる。

次の瞬間。

「……ひぃん…」

 

短い声を残し、

完全な不意打ちを喰らった彼女はその場に崩れ落ちた。

 

――沈黙。

時間が止まったように、教室が静まり返る。

ホシノは、目を見開いたまま固まっていた。

セツナも、完全に思考停止していた。

 

「………………」

「………………」

 

数秒後。

 

「……えぇ?」

「…あ…」

 

二人同時に声を漏らす。

 

「やっば」

 

セツナが最初に我に返った。

 

「え、今の誰!?新入生!?!?!?」

「……」

 

ホシノは、ゆっくりとユメの方を見る。

床に倒れ、ぴくりとも動かない。

 

「……」

 

ホシノの表情から、完全に感情が消えた。

セツナは、嫌な汗をかいた。

 

(はは…これ、完全にアウトなやつだ)

 

「……ホシノ?」

 

「……」

 

ホシノは、ショットガンを下ろさなかった。

むしろ――

 

カチャ。

 

再装填。

その音が、やけに大きく響いた。

 

「……セツナさん」

 

声が、低い。

さっきまでとは比べ物にならないほど。

 

「はい」

 

「……今の、見ましたよね」

 

「…はい」

 

「あなたが避けて弾いた弾です」

 

「……はい」

 

「つまり」

 

ホシノは、ゆっくりとセツナを見る。

「あなたのせいです」

「待て待て待て待て!!」

 

セツナは即座に叫んだ。

「いやいやいや、元はと言えばお前が撃った――」

 

「私を怒らせたのはどこの誰ですか?」

 

一切の揺らぎがない声。

(論破された……!?)

 

「いや、身長の件は謝る!!マジで悪かった!!」

 

「……」

 

「だからそれとこれとは別――」

ホシノは、一歩、前に出た。

 

「……謝って済むなら」

 

「銃はいりません」

 

その瞬間。

セツナは理解した。

 

――これ、多分第二段階だ。

(完全にキレてやがる……!!)

 

「……そこの方は、後で運びます」

 

ホシノは、ちらりと倒れたユメを見る。

「今は」

 

再び、セツナを見る。

「あなたです」

 

セツナは、深く息を吸った。

「……言っとくけどな」

 

刀を構え直す。

「俺、これ以上やるとマジで死なせかねないぞ」

 

「安心してください」

 

ホシノは、初めて微笑んだ。かわいい。

「ヘイローありますから」

 

(そういう問題じゃねぇ!!)

セツナは内心で叫びながら、覚悟を決める。

「……ハァ…んじゃま、さっさと取り押さえますかね…」

 

「それ、こっちのセリフですね」

 

次の瞬間。

 

――ドン!!

――バチィッ!!

 

銃声と紫電が、再び教室を裂いた。

 

またしても何も知らない梔子ユメであった。




どうやったらホシノ怒るかな…って思ったら身長くらいしか思いつかなかった。あと新フォーム使いやすい!


ちなみにホシノにこんなこと言ってる刹那の常識はどうなっているのか?人生を振り返ってみます

0歳→生まれる。男だからか、めっちゃ可愛がられる

6歳まで→術式発覚するまでクソみたいな加茂家の常識を叩き込まれる。が、誰かをいじめたり、逆に優遇したりということもしなかった。

8歳→会合の時に直哉と知り合い、男尊女卑の考えをさらに叩きこまれる。正直直毘人すごいなと思っていた。尊敬してた。

13歳→2級術師になる。五条と初めて話した時に「話しかけんな雑魚が」と言われて凹む。むかついたからシン・影流入門。ついでに御三家秘伝『落花の情』を習得。

16歳→高専にて五条と一緒に、夏油と家入に一般常識を叩き込まれる。いつのまにか五条達と仲良くなる。家入とはたまに酒を飲む仲に。夜蛾先生からは問題児扱い。家入曰く「五条と夏油ほどじゃないが別ベクトルで問題児」

17〜19歳→直哉に常識を叩き込むも改善せず。1級術師に。星漿体護衛失敗、ただし黒閃を経験。五条が最強になり、後輩の灰原も死亡。その後夏油が離反。悲しむ間も無く高専卒業。五条と一緒に歌姫を煽ることで悲しさとかいろいろ紛らわした。

20〜22歳→加茂家当主に。五条にお願い(強制)されて東京校の先生も兼任。五条と特訓という名の殺し合いをやらされ、いつのまにか反転術式習得。(それで直哉に死ぬほど懐かれた)加茂家元当主に見合いをしろと言われたが適当に話を蹴った。

24歳→極ノ番習得
(特級になる。反転術式のおかげで呪力を血に変換できる体質の上に極ノ番を習得したから普通にやろうと思って頑張れば国家転覆できないこともないから。五条と直哉がめっちゃ喜んでくれた。前者は張り合いができたという理由、後者は自分もそれくらい強くなってやるという感じで)

25歳→領域習得(その日から五条と領域の特訓?も兼ねて殺し合いすることが増えた。直哉に領域のコツを聞かれることも増えた。)

26歳→秤らの担任に。(たまに一緒にパチンコに行ってるため2人はそれぞれ夜蛾学長と星綺羅羅にぶん殴られている。なお秤が豪運すぎて自分まで運良くなっている気がするためやめられない)

27歳→百鬼夜行。五条と共に夏油と最期の会話をする。「最後くらい呪いの言葉を吐けよ」と言われた際、かなり泣きそうになった。

28歳→両面宿儺受肉。渋谷事変。加茂の血が入ってたからだろうか?脹相に弟認定される。虎杖の一個上の兄となった。いつの間にかメロンパンに当主の座をぶんどられる。その後間も無く最終決戦にて両面宿儺に殺害されて生涯を閉じる。

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