赤血操術使い、キヴォトスへ   作:がす

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ちょっと早いけどあけましておめでとうございます!!今年は大学受験で忙しいけど投稿頑張ります!
あとUA6000超えてた…!これからも頑張ります!

ほんとは今回で生徒会の借金の説明とか入れたかったんですけどなんかうまくいかなかったんで次回に回します!あとストック切れました


第一次アビドス大戦、終了

教室は、もう原型を留めていなかった。

 

床には散弾の跡。砕けた机。焦げた黒板。

紫電が走った痕跡が、蜘蛛の巣状に残っている。

 

その中心で――

「――チッ!」

 

セツナが床を蹴り、横に跳ぶ。

直後、さっきまで彼が立っていた場所を散弾がえぐった。

 

ドンッ!!

 

ドンッ!!

 

「ちょ、ホシノ!やりすぎだって!!」

 

「……安心してください」

 

ホシノの声は、静かだった。

静かすぎる。

「殺さないように撃ち抜くので」

 

(なんっだよもう!!)

 

セツナは歯を食いしばり、刀を振る。

紫電が走り、弾丸を弾き、感電の余波が床を焦がす。

(クソ……容赦ないな……!!)

 

ホシノは、もう“手加減”という概念を捨てている。

銃として、鈍器として、そして盾として。

ショットガンを使い切る動き。

 

――硬い。

とにかく、硬い。硬すぎるにも程がある。

(ヘイローの補正とか、そういうレベルじゃねぇ……!)

 

セツナが踏み込む。

紫電刀を縦に振り下ろす。

「――っ!」

 

ホシノは銃身で受ける。

金属同士がぶつかり合い、火花と紫電が弾けた。

 

バチバチバチッ!!

 

感電。

 

だが――

「……もう効きませんね」

「嘘だろ」

 

ホシノは、ほんの僅かに眉を寄せただけだった。

「感電はしています。でも……慣れました」

 

(慣れるもんじゃねぇよ!!)

 

もう一度踏み込んで一太刀。

銃声と紫電が、同時に炸裂しかけた――

その、直前。

 

「……ん、あれ……?」

か細い声が、床の方から聞こえた。

ピタリ、と。

 

教室の空気が固まる。

ホシノの引き金にかかった指が止まり、

セツナの刀身を走っていた紫電が、わずかに弱まった。

 

「「……?」」

二人の視線が、ほぼ同時に下へ向く。

床。粉砕された机の影。

 

その中で――

「……えっと……?」

梔子ユメが、ゆっくりと上半身を起こしていた。

「……ここ、教室……だよね……?」

 

砂埃にまみれ、髪に木片を引っかけたまま。

完全に状況が飲み込めていない顔。

 

数秒の沈黙。

 

「……生きてた」

セツナが、ぽつりと呟いた。

「……起きましたね」

ホシノも、淡々と答える。

 

ユメは二人を交互に見て、

次に――

 

教室の惨状を見渡した。

砕けた黒板。倒れた机。床に散らばる薬莢。壁に残る焦げ跡と、紫色の放電痕。

「……えっと……?」

 

一拍。

「……喧嘩してたの?」

 

その一言で、

張り詰めていた空気が、ぷつんと切れた。

 

「「違います」」

ユメは目を瞬かせる。

「……え?そうなの?」

 

「ちょっとした、誤解です」

ホシノが即答する。

 

「身長煽っただけだ」

セツナも即答する。

 

「"煽ってただけだ"じゃねぇんですよ」

 

「いや、ホントのことだろ?」

 

「認めましたね?」

 

「いやまあ…そこは否定できねぇしな」

 

ユメは、ぽかんと口を開けたまま二人を見ていたが、

やがて小さく笑った。

「……あはは」

 

その笑顔に、

ホシノの肩から力が抜ける。

ショットガンが、ゆっくりと下ろされた。

 

ホシノが、少しだけ声を柔らげる。

「大丈夫ですか?」

「ちょっとびっくりしたけど大丈夫!」

 

ユメは自分の身体を見下ろし、首を傾げる。

「そういえば撃たれた気がしたんだけど……?」

 

セツナとホシノは即座に視線を逸らした。

 

「「気のせいです」」

また同時。

 

ユメは不思議そうに首を傾げながらも、

「……そうなの?」

と納得した様子で立ち上がる。

 

その拍子に、砂がさらりと落ちた。

「それより……」

 

ユメは二人を見て、にこっと微笑む。

「入学初日から、元気だね!」

 

ホシノは、少し気まずそうに目を伏せる。

セツナは、頭の後ろを掻いた。

 

「「……すみません」」

二人同時。

 

「仲、いいんだね?」

ユメが、何気なく言った。

 

一瞬の沈黙。

「「……悪いです!」」

また同時。

 

ユメは、くすっと笑った。

「でも、よかった」

「……何がですか?」

ホシノが聞く。

 

「今日から新入生が来るって聞いててさ」

彼女はゆっくり立ち上がり、制服の砂を払う。

 

「初日から無人かと思って、ちょっと不安だったんだよね…」

その言葉に、ホシノが一瞬だけ目を伏せる。

 

「私は梔子ユメ!アビドス高等学校2年生で、一応生徒会長だよ!」

 

セツナが、ゆっくりと瞬きをした。

「……生徒会?」

 

ユメは苦笑する。

「今は、私一人だけなんだけどね……」

その言葉が、教室に静かに落ちた。

 

「……なるほど」

セツナは刀を鞘に収める。

 

「だから人がいねぇわけだ」

「納得しました」

ホシノもショットガンを下ろす。

 

「機能してない理由が」

 

ユメは慌てて手を振った。

「機能してないわけじゃないよ!?最低限は機能してるよ!」

 

「最低限とは…?」

 

「書類仕事と、借金と、治安対応だよ?」

 

「重すぎだろ」

 

セツナは一度咳払いをして、姿勢を正した。

「……改めて、加茂セツナです」

「さっきのは全面的に俺が悪いです!あとヘイローはないです」

即座に頭を下げる。

 

ユメは目を丸くした。

「よろしく!…ヘイローないんだ…ひょっとして、噂のゲヘナの中等部の子?」

 

「…どこから聞いたんすかそれ」

 

「割とみんな知ってるんじゃないかな?」

 

ホシノも小さく息を吐き、ユメに向き直る。

「小鳥遊ホシノです。セツナさんと同じく一年生……のはずです」

「さっきの件は……半分くらい、私も悪いです」

 

セツナが横を見る。

「半分かよ」

 

「譲歩です」

 

「そこは全額俺でいい」

 

ユメは二人を見比べ、

ふふ、と優しく笑った。

「……なんだか安心したな」

 

「「え?」」

 

「ちゃんと人が来てくれたんだなって」

 

ユメはそう言って、教室を見渡す。

「アビドス、今は大変だけど…」

 

少しだけ、声が真剣になる。

「人がいないと、学校は終わっちゃうしね」

 

「だから」

 

二人を見る。

「これからよろしくね2人とも!」

 

セツナは一瞬だけ目を伏せ、そして、軽く笑った。

「…よろしく、ユメ先輩」

 

ホシノも、静かに頷く。

「よろしくお願いします、ユメ先輩」

 

なお――

壊れた教室の修理費については、

この時点では、まだ誰も口にしていない。

(※後で地獄を見ることになる)




Q なぜ赤血操術をそんな使わないのか?

A 血とか出すとみんなビビっちゃうかな?って理由です。なんで『赤鱗躍動』とか、体内操作で完結する技等は普通に使います。なお家では勘が鈍らないように毎日『百斂』に『穿血』などで特訓?練習?しています

ユメ先輩助ける?

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