赤血操術使い、キヴォトスへ   作:がす

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エデン条約編一章まで辿り着けた…!できれば受験前にストーリーを見終わりたいなぁ…


ヘルメット団

その日は規模は小さいが、砂嵐が来ていた。

 

遠くで風が唸り、窓ガラスが低く震える。

アビドスでは特に珍しくもない光景ではあるが。

 

アビドス高校生徒会室。

 

ユメが外出してから、まだ一時間も経っていない。

生徒会は常に仕事に追われているわけでもなく、最近はただただ借金の返し方とかどうとかを話すだけである。

 

「……今日は平和ですね」

ホシノが、窓の外を見ながら言った。

 

「砂嵐の日は、こんなもんだろ」

セツナは椅子を後ろに倒し、腕を組んでいた。

 

だが――

そんな平穏がいつまでも続くわけがない。

 

ドドドドド――

 

校舎の外から、重低音のエンジン音。

続いて、複数の怒鳴り声。

 

「……何が平和だよ!なんか不審者集団来てんじゃねーか!」

 

ホシノが窓の外を見る。

砂嵐の向こうから現れたのはーー

 

全員ヘルメットをかぶっている、不審者集団である。

 

「ヘルメット団…」

 

「ヘルメットつけて暑くないのか…?」

 

その瞬間、校舎のスピーカーが、ガリッと音を立てた。

 

『おーいアビドスぅ!!』

軽薄な声。

ノイズ混じりの拡声器。

 

『無能な生徒会長、いんだろー?

借金で首回らねぇって聞いてるぜ?』

 

セツナが、思わず舌打ちする。

「なんで借金のこと知ってんだよ……」

 

『今日はなぁ…ちょーっと資材と電力設備、もらいに来ただけだ!抵抗しなきゃ、学校までは取らねぇよ!』

 

ホシノは、一瞬だけ目を伏せた。

そして、深くため息をつく。

 

「……なんで砂嵐のときに限って…」

ぽつりと漏らす。

 

セツナが、横を見つつ煽る。

「だったら逃げるか?」

 

ホシノは、首を振った。

 

「逃げたらここが終わります」

 

その言葉は、淡々としていた。

だが、揺るぎがなかった。

 

ホシノは、セツナを見る。

 

「……セツナさん」

「ん?」

「今回は正面の制圧、任せていいですか?」

 

一瞬の沈黙。

 

セツナは、少しだけ目を細めて――

笑った。

 

「了解」

腰の刀に手をかける。

「壁ぶっ壊しても文句言うなよ?」

 

ホシノは、わずかに口元を緩めた。

 

「援護は任せてください。あと、間違っても死なないでください」

 

「…生憎おじさんは寝不足でね…すぐ死んじゃうかもな」

 

「いや、あなた高校生ですよね…?」

 

軽口を叩きながら、2人は教室の窓から飛び降りた。

 

次の瞬間。

 

ドンッ!!

 

ヘルメット団の銃声が、砂嵐を裂いた。

 

ホシノは即座に伏せ、反撃。

散弾が校門前の地面を抉る。

 

「っ……!」

敵は多い。

少なくとも十数人。

 

だが――

 

「――遅ぇ」

 

セツナが、前に出た。

 

地面を蹴る。

砂を巻き上げ、一直線。

 

「なんだあいつ!?新入生か!?しかも刀!?」

 

次の瞬間、

紫電が走った。

 

――バチィッ!!

 

一人目。

刀が触れた瞬間、身体が跳ねるように痙攣し、地面に崩れ落ちる。

 

「感電!?」

「近づくな!!」

 

だが、遅い。

 

セツナは止まらない。

弾丸を弾き、踏み込み、斬る。

 

「うわぁぁぁっ!!」

 

紫電は、刃だけでなく空気を伝う。

かすっただけで、足が止まる。

 

その隙を――

 

ドンッ!!

ドンッ!!

 

ホシノが、正確に撃ち抜く。

脚。

腕。

確実に戦力を削ぐ。

 

「クソ…!連携、取れてやがる」

ヘルメット団の一人が、焦った声を出す。

 

「なんなんだよあの二人は!?」

 

その言葉に、

セツナは鼻で笑った。

 

「いや、どこにでもいる平凡な新入生だが?」

 

ホシノは淡々と答える。

「今さらですね」

 

敵の一部が、ホシノを狙って回り込む。

弾幕。

 

ホシノが一時後退する。

弾切れ。リロードまで多少時間がかかる。

 

その瞬間。

 

「チビを潰せ!!」

誰かが叫んだ。

 

一歩。

踏み出す。

 

「――ホシノに」

紫電が、爆ぜる。

「手ぇ出すな」

 

弾丸を弾き、身体を滑り込ませ、

刀を相手に連続で突き立てる。

 

放電。

 

バチバチバチッ!!

 

複数人が、一斉に倒れた。

 

沈黙。

 

――戦闘が始まって約五分後。

校舎はヘルメット団員でいっぱいだった。

 

全員、痺れてるか、ホシノの弾を受けて動けなくなっている。

「……まあ、思ったより楽でしたね」

ホシノが言う。

 

「お前の基準ならな?」

 

最後に残ったのは、リーダー格のヘルメット団員だけだった。

 

震えながら銃を構えている。

「く、くそ……!」

 

セツナが前に出る。

「動くな。銃を捨てて手を上げろ」

 

「わ、わかった!」

 

リーダーが慌てて両手を上げる。

 

「よし」

セツナは一歩近づく。

 

次の瞬間。

「――お前、手を上げたってことは…動いたな?」

 

「は?え、手上げただけ――」

 

バチィィン!!

 

紫電刀の一閃で、リーダーは綺麗に吹き飛んだ。

 

「理不尽すぎませんかそれ!?」

ホシノが思わずツッコむ。

 

「“手を上げた”っていう動作で動いてるだろ」

 

「屁理屈にも程がありますよそれ…」

 

結局、ヘルメット団は撤退を始める。

 

 

「「「お前ら…覚えてろよーー!!」」」

 

 

砂嵐の中へ、消えていく影。

 

残ったのは――

静寂と、焦げた地面。

 

ホシノは、ゆっくりと銃を下ろした。

 

「……終わりましたね」

「だな」

 

二人は、しばらく無言だった。

 

やがて。

校舎の奥から、足音。

 

ユメだった。

 

「ただいま〜……って、なにこれ?」

 

ユメが、校庭の惨状を見て固まる。

 

「……えっと?何かあったの?」

 

「あーユメ先輩、ヘルメット団ってのが来て校庭が…」

 

ホシノとセツナは並んで頭を下げた。

 

「「……すみません」」

 

ユメは一瞬呆然としたあと、ふっと笑った。

 

「大丈夫だよ!むしろ学校を守ってくれてありがとう!」

 

ホシノが少しだけ、照れくさそうに言う。

「…学校を失いたくなかったので」

 

セツナは紫電刀を鞘に収めながら言った。

「ま…校庭なら教室ぶっ壊すよりはマシだよな?」

 

ユメはため息をついてから、笑う。

 

「うへぇ〜強い後輩が2人もいて安心だよ〜」

 

そう言ってユメは抱きついてきた…が?

 

「ちょ、抱き付かないでください…!」

 

「こ、呼吸が…!死ぬ…死んじゃうって先輩…!」

 

まあ、当たりどころがなんとも悪かった。

 

「ご、ごめんねぇ〜?」

 

その後、セツナがホシノに一発殴られて気絶した姿が確認された。

 




とりあえず新学期(4月)に入るまでにアビドス編一章入れたらいいなと思ってます!まあ…定期テストとかがあるせいで無理かもなんだけど…

≪おまけ≫ 気絶前の2人

セツナ「ユメ先輩、殺しに来てるだろ…!ホシノとは大違いだな…」と呟く           
             ↓
ホシノ「は?…何が大違いなんですか?」
             ↓
セツナ「いや、断じて違うぞ?胸じゃなくて身長の話な?勘違いすん…………あ。」
             ↓
ホシノ「………」

という流れ。

なお、セツナはどこぞのドブカスのせいでこういう系の話とか常識(?)を散々叩き込まれ、高専で頑張って矯正したが、まだたまに言ってしまう→硝子か歌姫のどちらかにしばかれる→五条と夏油に爆笑される→大喧嘩→夜蛾先生ブチギレ。

ユメ先輩助ける?

  • 助ける
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